PandoraPartyProject

シナリオ詳細

悪いのは誰

完了

参加者 : 8 人

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オープニング

●静かな夜に

 ざくり、ざくり。
 穴を掘る音が響く。
 小さな女の子と、血の流す男。
 ざくり、ざくりと土をかける。
 涙を流す女の子が、悲痛な顔を浮かべた男へと。
 殺したのは彼女、殺されたのは男。
 襲ったのは男、襲われたのは彼女。
 どちらが悪い、男か、彼女か。
 
 これは裁きだ。
 どちらも悪い、襲われたから殺して言い訳わけじゃない。
 だから裁いた。小さな女の子は裁きを受けた。

●慌しいローレットで
「という話が、現地ではあったみたいなのです。といってもかなり古いお話なのですが」
 『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が、ローレットの一角で依頼書を片手に説明した。
 幻想の小さな村の近辺で死者が蘇りを行い、周辺の深い森で徘徊している為に村は危険視して、ローレットへと退治の依頼を出した。
 数は2体。種類も異なる存在である。
 現時点ではいまだに大きな被害は出ていないが、いつ村に被害が及ぶかわからないため早期の探索と討伐が望まれている。
「ゴーストとゾンビ……との事なのです」
 片方はゴースト。小さな女の子の霊で、すすり泣く泣き声を耳にすると戦意が削がれ、自身を痛めつけ始めるという。
 もう片方はゾンビ。強い怨念を抱いているのか、異様な形相と体躯を持ち、爪に満ちた屍毒の強度は並ではないという話だ。
「それに、このゴーストとゾンビ。追いかけ合いをしているみたいと言う話も聞いたのです」
 ゴーストが逃げ、ゾンビが追う。
 この存在は強制しているわけではなく、敵対しているようにも思えるという話が入っていた。
 とはいえ、この行動を利用して対処する事が出来きてはいない。
 霊体であるゴーストへゾンビは追いつけずに、悪戯に森の中を彷徨い続けさせ、ゴーストの鳴き声を聞いてしまったり、ゾンビに襲われ命からがら逃げだしたという人も存在している。
「どっちにせよ、あまりいいものではないのです」
 事実、アンデットの類となる存在である。
 存在自体を許されない、世間的にも放っておくことができないという状態ではあるものだ。
「もし、お話にあった人達なら、ちょっと難しいかもしれないですが」
 過去にあった出来事の者達であるならば、それぞれが事情を抱えているのだろう。
 だとしても、依頼を受けた以上対処を行わねばならない。
「きっとなんとかなるのです。いつも通り頑張ってくださいなのです」
 ユーリカはいつもの調子に戻り、依頼を受けた君達に激励を飛ばす。
 何はともあれ、実働に移る前の作戦会議が必要になるだろう。
 君達は依頼の為の準備に入ることになった。

GMコメント

●状況について
 アンデットが出現するのは夜、という事で今回皆様の活動時間は夜となり、行動する森も深い場所である為非常に視界が悪い状態です。
 灯りに関しては問題なく用意できますが、基本的なランタンや松明などでは『近』距離までの灯りしか確保できません。
 より遠距離を見通す為にはスキルや道具、もしくは効果的な索敵手段が必要となります。
 森にはアンデット以外の他の危険存在は存在していません。

●ゴーストについて
 森の中を彷徨い、すすり泣く女の子の霊です。
 能動的な攻撃手段は持ちませんが、その悲しみを帯びた泣き声は聞いたものの精神に干渉して戦意を削ぎ、自身を罪悪感で満たさせて自殺に追い込むというものを持ちます。
 耳栓程度では防げぬ力を持つ為、彼女に接近するためには高い特殊抵抗が必要となってくるでしょう。
 泣き声は『遠』距離までの範囲に届きます。
 また、霊体であるゴーストは物理的な攻撃に高い耐性を持つ為、神秘属性による攻撃が推奨されます。

 ゾンビから逃げるように行動しており、森の中を彷徨っています。
 接近さえできれば比較的話は通じるタイプです。

●ゾンビについて
 森の中を彷徨い、視界に入ったものを襲い掛かる動く死者です。
 女性に対し強い敵対心を抱いており、攻撃優先度は女性が最優先となります。
 その強引な突破力は並のゾンビよりも高く『マーク』や『ブロック』を強引に突破していくほどのものです。
 基本的な攻撃手段は爪の斬撃と牙による噛み付き攻撃ですが、怨念と屍毒に満ちた一撃を受けた場合、身体に強烈な毒を受けてしまうでしょう。
 身体能力も比較的高く、高い攻撃力と耐久力を持っています。

 女の子の霊を追いかけるように行動しており、森の中を彷徨いながら目に入った生者を襲っています。
 かなり危険な相手ですが、話自体は出来ないほどではないようです。

●アンデットの過去について
 過去、彼らがアンデットになったという話については不明確な点が非常に多いです。
 こちらについては調べても出てこない情報となる為、事前に調べるというプレイングよりも、推測をする、という形のプレイングが効果的になります。
 戦闘には直接関与しない内容ではありますが、プレイングの参考にしていただければ幸いです。


 依頼の説明は以上となります。
 彷徨う続ける浮上の存在、皆様の手で無事に対処できることを祈っております。

  • 悪いのは誰完了
  • GM名トビネコ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年07月28日 20時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リオネル=シュトロゼック(p3p000019)
拳力者
R.R.(p3p000021)
破滅を滅ぼす者
黒須 桜花(p3p000248)
黒傘の君
主人=公(p3p000578)
ハム子
スリー・トライザード(p3p000987)
LV10:ピシャーチャ
佐山・勇司(p3p001514)
赤の憧憬
シルヴィア・エルフォート(p3p002184)
空を舞う正義の御剣
ナナ(p3p006169)
タブララサ

リプレイ


 暗く深い森の中、すすり泣く少女の声が響く。
「こっちか……」
 『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021)が耳をすませば、森の奥からすすり泣く声が聞こえる。
 姿が見えない程距離があるというのに、この声を耳にするだけで不快感を感じる。
 イレギュラーズの中には、ぐらりと意識が揺れる者もあらわれた。
「大丈夫?」
「無理はするなよ」
 心配そうに『ハム子』主人=公(p3p000578)が声をかけた。
 超能の鎧を見に纏う二人は、完全にゴーストの鳴き声をシャットアウトしているが、他の面子はそうでもない。
「しかし、声を追いかけてたらやっぱ来るよな」
 サイバーゴーグルの暗視能力の先にかすかに人影が映ったのを見た『拳力者』リオネル=シュトロゼック(p3p000019)は自らの身体を光らせて周囲を照らす。
「来たようだな。まったく哀れなものだ」
 松明の灯りを掲げた『絡繰人形』黒須 桜花(p3p000248)の視線の先にはこちらを睨む腐り落ちた腐肉の人型の姿があった。
「そうですね……こちらは私達が」
 『LV9:グール』スリー・トライザード(p3p000987)がゾンビと仲間達の間に立つ。
「まぁ厄介だよな。こっちは片づけるか」
 『GEED』佐山・勇司(p3p001514)がゴーストと戦う構えを取る
「……ふぅ」
 気を引き締め、守りの姿勢を取る『空を舞う正義の御剣』シルヴィア・エルフォート(p3p002184)は、迫るゾンビを見据えた。
「まぁ、話すなら少しばかり待つが」
 『タブララサ』ナナ(p3p006169)がけだるそうにメンバーを見る。
 状況が状況の為、あのアンデットたちと話をしたいと思う者達は居た。
 即座に仕掛けないのもそういう事だ。
「……殺す……殺し返す……」
 ぶつぶつと殺意を口から漏らしながら、ゾンビはイレギュラーズの前に立ち、止まった。
「少しいいでしょうか?」
 スリーが話しかけたからか、単純にまだ考えうる思考能力が残っているかは定かではない。
「なんだ……」
「私には、貴方の事情は分からない。貴方の恨みも、貴方が何を求めたのかも、分からない」
 彼を支配する知識欲が、何故かを問いただす為に動き出す。ゆえに、お聞きしたく。
「貴方は何故、彼女を襲う? 殺された怨恨か、はたまたそれ以上の何かが、あるのか」
 この地に伝わる話が正しいものであるのならば。
「貴方は何故、彼女を襲った?」
「ひひ」
 ゾンビは笑った。
「そうだよ、なんで彼女を追うんだ?」
「ああ、欲しかったんだよなぁ……きひひ、ちょっと近づいたらこうだぜ?」
 合わせて主人が聞けば、彼はそう笑った。
「話をしましょう。聞きたいことがあります」
「俺ぁ一人だった、ぬくもりがほしかった。だってのになぁ……!」
「っ!?」
 凄まじいほどの殺気。合わせて執着心。
 勢いよく駆け抜けたゾンビが、イレギュラーズ達を突破してゾンビの意識を引いていたシルヴィアの目の前に飛び出した。
「早い……!?」
 想定していた以上の速さ、距離を詰められたシルヴィアは盾を構えて備えて受ける。
 強烈な一撃に、シルヴィアが大きく仰け反った。
「貴方は、少女を襲ったのですか……!?」
 体勢を整え直しながら、盾を構えなおす。
「襲ったぁ? ひひ、仲良くしようと近づいただけなのに、なぁ!!」
「全く……」
 仲間たちを鼓舞する音色を奏で終えた桜花は守りを固め、仲間達を支援する姿勢に入る。
 同情の余地はあれど、ここまで堕ちてしまっているならばもはや討伐するほかはない。
「……はぁっ!!」
 シルヴィアがゾンビの一撃に合わせて盾を押し付ける形でバッシュによるカウンターを放つ。
「はははっ!」
 確かに手ごたえはあったが、この一撃でもゾンビは止まらずシルヴィアの肩が避けたかと思えば、肉薄したゾンビが思い切り彼女の柔肌に牙を立てる。
「ぐっ……」
 体中に毒が回る。思考が乱れ、まともに立つ事さえ難しい。
「あいつが欲しくて求めて近づいて……へへ、その結果勝手に勘違いされて殺されて……だから殺さねぇとさぁ!」
「いかん!」
 動きが止まったシルヴィアの前に飛び出たナナが盾を構えてゾンビの攻撃を受け止める。
「ぐ、何という重さ……!」
 だが、その虚弱な彼女ではゾンビの一撃を全てを受けきれず、盾が弾き飛ばされる。
「お前も、ははははっ!!」
 笑い、狂うようなゾンビの詰めが桜花の胴を裂く。
「……ぐ」
 体を巡る毒。深呼吸して体の状態を整えるも、この屍毒だけはどうしようもなく体を蝕んでいく。
 動けない。完全に隙を晒した桜花の前でゾンビがにやりと口元を歪める。
「おおっとぉ!」
 思い切り爪を振り下ろそうとした桜花の前に躍り出たナナが腕を拳で弾き、ゾンビと距離を取る。
「邪魔するなぁ!!」
 割り込まれたことに激怒したゾンビが爪を振るう。
 回避を意識し、爪を躱す。
「くぅ、当たったら死にかねん!」
 実際一撃を受けたシルヴィアは傷は癒せても毒を治療しなければまともに動けそうもない。
 回避に集中するナナの頭上から、樹上からの援護射撃がゾンビに突き刺さった。
「この程度じゃ止まんねーか!」
 拳銃を収め、機械剣を抜き放ったリオネルがテンポよく剣戟を繰り出し、ゾンビに的確に斬撃を加えていく。
「手加減は無用か。この怨念、滅ぼす……!」
 R.R.が内包する破滅をオーラとして放つ。
 連続で放たれるそのオーラはゾンビの腕を片方弾き飛ばす。
「ぎひっ……次はぁ……!」
 しかし、ゾンビは腕が弾け飛んだことなど気にさえせず、主人へ向かう。
「こっちか……!」
 真っ直ぐ突っ込んでくるゾンビに向けて主人が異能の力によって作り出した炎をぶつける。
 焼け落ちる腐った肉の香りが辺りに立ち込めても、ゾンビは止まらない。
「はははははっ!!」
 死者の怨念、執念か。
 炎に身を包みながらも、近づくなり主人へ爪を振るい、肉を抉る。
「ぐ、く……」
 毒が体を巡る。一撃自体も軽くはない。
 自己回復を試みるも、身体を癒すので精一杯だ。
「これ以上好きにやらせるかよ!」
 追撃を主人に叩き込もうとするが、飛び出した勇司が両手の剣をゾンビに突き立てると、炎が吹き上がる。
「家族ってわけでもなさそうだな。お前の執着は何だっていうんだ!」
「き、ひひ……お前達だってあるだろう、欲しくて欲しくて、手を伸ばしたくなる。あいつが欲しいって」
 なるほど、とスリーは様子を見て呟く。
「殺す気はなく、少女に近づき、殺された。その原点は、君の恋心」
 ゾンビの行動はわかった。
 であればな何故殺されてしまったか、答えはここにはない。
 スリーは術式を展開し、ゾンビに向けて連続で放つ。
 炎がさらにゾンビを燃やし、崩れさせていくが相手はまだ止まらない。
「ぐっ……!」
 返しの一撃を抑えながら勇司は隙を伺う。
「はああああっ!!」
 突如、後ろからシルヴィアの雄たけびが聞こえた。
 先ほどまで動けなかったというのに、彼女は自身の『運命逆転力』を開放し、倒れる定めをひっくり返して突撃した。
 強烈な盾の一撃でゾンビは大きく怯み、その身体の半分が吹き飛んだ。
「ひ、ひ……」
「襲われたから殺していいわけじゃない。テメェ、せめて好きだったっていうならもっと別の事をやれよな」
 彼の言葉が真実であるならば、この事件は悲しい勘違いから起きたのだろう。
 ああ、面倒だ。リオネルはそう思うが、これ以上の被害など増やせない。
「やることは変わらねぇけどな……お前が逆の立場だったらどう思うかね!」
「ひ、ひ……殺す、だろうなぁ」
「……そうかい!」
 なら遠慮はなしだ。
 容赦なくリオネルの剣がゾンビを穿つ。
「せめてこれで成仏しろ、よな……!」
 同時に勇司の魔力を伴った一撃が叩き込まれ、ゾンビは完全に崩壊し、倒れ伏す。
 依頼の片方はこれで終わりだ。
 想定以上に仲間達は被害を受け、毒に蝕まれている人もいる以上、早くもう片方の問題も解決しなければならないだろう。



「……そう、あの人はもう逝ったのね」
 驚くほどあっさり、残ったゴーストは見つかった。
「思った以上に素直だな。話さえ聞いて盛らないと思っていた」
「……貴方達なら」
「はっきり言わねばわからん。だが、問答無用で滅ぼす真似はせん。話ぐらいははっきりしていくといい」
「……ありがとう。でも、私が悪いのよ。私がいたから」
 啜り泣きながら、彼女は後悔に満ちた声をあげる。
 その声は不思議と彼らの思考を揺らし、自身の中で罪悪感を膨れ上がらせた。
「そうだな……俺も悪い。俺なんかがいるから変なことが起きるんだ……」
 ナナがすっと剣を構え、自分に向ける。
「ああ、オレもだ。あのゾンビをまた殺して……一緒に死ぬか」
「そうだな」
 呼応するように、リオネルまでもが拳銃を引き抜き、撃鉄に手をかける。
「落ち着いて、意識をはっきり持って」
「ちょいとはたくぞ」
 スリーが二人の動きを制止、桜花が軽く二人の顔をはたく。
 小さな痛みが二人をはっとさせる。
「しかし……厳しいな」
 二人の意識は戻るも、毒が桜花を蝕む。
 同じように主人も毒で苦しんでいるが、仲間の治療を受けR.R.に支えられながらなんとかゴーストへと向きなおる。
「過去のキミの身に何が有ったか正確なところはわからないけど。もうそれに対して裁きは下されている、だからキミはもう許されて自由になるべきなんだ」
 毒に耐えながら、彼ははっきりとそう伝えた。
「本当に? だとしたら、今の私はなんなのでしょう。貴方達も苦しめて、到底許されるものではありません」
「それは……でも、あの男が問題だとしても、ボクらがなんとかした。君はもう自由であるべきなんだ」
 死んでからも弓に囚われ続けているのはやるせなかった。
 何とかして彼女を自由にしてあげたかった。
「……自由は、私が望みません」
 すすり泣く声と共に、彼女は俯く。
「話をしましょう。貴方が何をしたのか、どうすべきか」
 シルヴィアが肩で息をしながらそう問いかけた。
「私は……あの人に言い寄られ、受け入れられず……そして、少し迫られたことで殺してしまった」
 怖い、そんな気持ちを少し抱いたという。
 ただそれだけで人を殺してしまったという。
「本当に殺めたのですね……ならばそれは確かに裁かれる罪。ですが、裁きはもう果たされているはずです」
「………いいえ」
 彼女は首を振る。
「じゃあ、敢えてこう聞くぜ。あんたは何で死んだんだ?」
 ナナが真っ直ぐ彼女を見つめて、問い詰めた。
「裁かれたかった」
 ぽつりと、彼女はつぶやく。
「自殺か……あんた、あの男を殺したけど、正当防衛とか周りの人に言われて、自分の罪の行き所がわからなかったんだな?」
 返事はない。けれど彼女は頷いた。
「涙は……裁かれぬ事、から」
 結果として、男は襲うまでの気はなかった。
 けれど、勘違いから彼女は男を殺してしまう。
 しかし、男を悪と彼女の周囲は断じて誰も彼女を裁かなかった。
「……やるせねぇな。つまりされたいことは、そういう事か」
 リオネルは拳を握り締めた。
 彼女は裁かれたいのだ、今ここで悪だと断ざれる事が望みなのだろう。
「………そんなの」
 言葉で彼女を救いたかった主人はうなだれた。
 強い思いがあったからこそだろう。その気持ちは決して間違いではない。
 ただ、場が悪かっただけなのだ。
「そういう事で悲しむこともあるんだな」
 すすり泣く彼女の声。
 心を蝕む呪いの涙。
 それら全てを聞き入れ、勇司は説得を諦めた。
 説得してはいけなかった。それが一番望まれないことだ。
「……貴方に救いがありますように」
 シルヴィアが祈る様に彼女に言葉を送る。
 小さく少女は微笑みを浮かべた。
「それじゃ、あんたを裁こうか」
 ナナは彼女の望むべきことを理解し、今彼女に対して何をすべきかを理解していた。
 それは彼女を裁く事。
 そして、彼女を次の生へと送る事。
「頼むぜ」
 ナナは仲間へ向けて頼み込んだ。
 皆の力を合わせれば、余計に苦しむこともないはずだ。
「そうだな、少女。これがお前の選択だ……楽に逝け」
 R.R.が拳を構える。
 それに合わせて、イレギュラーズは皆で構えた。
 
 そして少女は、それを微笑んで受け入れた。



 無事に依頼は完遂された。
 森を彷徨うアンデットは無事に消え、周囲には安全が戻ってきた。
 結局誰が悪いでもなかったのか、それとも明確な悪がいたのか。
 それは依頼を受け、真相を知り、それでいて選択を下した彼らのみが知る事だろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

長らくお待たせいたしました、依頼は無事完了です。
少々ややこしい経歴を持つ彼女達でしたが、少女は無事に成仏し、ゾンビの男の怨念は地に返りました。
再び事件が起きる事はないでしょう。

何はともあれ、無事に事件を解決して頂きありがとうございました!

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