シナリオ詳細
<ダブルフォルト・エンバーミング>銀星は蛇を憎み、蒼月は終焉に興を得る
オープニング
●
「結局、『こちら側の』私達の学院を襲った奴が何で私の世界の事を知ってたのかは分からずじまいかぁ。
別にいいけど、ちょっと残念だよね……」
無数の影を眺めながら言うのはメレム(p3x002535)である。
最終決戦たる『ダブルフォルト・エンバーミング』――それは同時にROOに再現された自分が関わった『lost fragment』も終わりに近づいているという事のはず。
しかしながら、その理由をメレムは今のところ知らなかった。
「その話なんだが……」
少しばかり残念そうな声を漏らすメレムへ、グラシア(p3x002562)が声をかける。
「父上、何か分かったんですか?」
同じようにその案件に関わることができたヨハンナ(p3x000394)が問えば、グラシアは少しばかり言いよどみつつ。
「正確には分からないが……メレム――の知り合いが関わってるんじゃないか?」
「私の? うーん、別に知り合いがいるわけじゃないけど」
「推測の域を出ないが『俺達が再現されているのなら、俺達の知り合いも再現されてもおかしくない』っていうのは、今までも何件かあるみたいだ。
再現されたメレムの知り合いが関わってるんじゃないか?」
「正解だよ、おにーさん!」
その声は3人の頭上から聞こえてきた。
「っと……やぁ、3人とも。久しぶり……というほど久しぶりでもないかな?」
着地したのは3人が良く知っている顔――ルーキスだった。
「母――……ルーキスさん、どうしてここに?」
ヨハンナが問えば、彼女は緩やかに笑って。
「ちょっとした道案内をね。あとついでに、面白そうだから来てみたよ」
「道案内?」
グラシアが最後まで質問を投げかけるよりも前に、1つの影が近くへ降り立った。
「急に場所を変えるな、全く。我(わたし)を案内するんだろうが」
「ごめんごめん、でも、こっちに案内する方が早いと思ったんだよ」
ルーキスが謝罪した相手は、褐色の女だった。
天使を思わせる白翼に星を抱く髪、真理を見通す瞳。
「し――セリオン」
「む? どこかで会ったことがあるか……?
……いや、言わなくていい」
驚いた様子を見せたメレムに視線を合わせた女――セリオンは直ぐに視線を外して。
「それより……我(わたし)を食ったやつの親玉はどこにいる」
「正義騎士があっちで学園に来た奴らの大軍と戦ってたぞ。
そっちにいるんじゃないか?」
追いついてきたらしきルナールが告げれば、セリオンがそちらに視線を向ける。
「お、さすがルナールお兄さん。それじゃあ、行こうかぁ……君達も、一緒にどうかな?
そっちが気になってた答えを教えることが出来ると思うけど」
ルーキスが声をかけてくる。
それを拒否する理由はなかった。
●
私立Edelstein魔術学院は『ある種の特異な魔術体系を有する魔術師達』によって築かれ、彼らがその技術を研究、発展させるにあたって創設された小さな都市であり私塾である。
彼らにとって重要なのは自分達の魔術であり、未知の魔術である。
本来的に言えば、極論、世界がどうなっても別に気にするものではなかった。
「だから、今回のお話に参加するのも私達3人だけなわけだよ」
移動がてら、ルーキスはさらりと自分達の所属する組織の事を再度説明した。
「うちは特異な魔術体系を有する魔術師達が組織してるってわけだけど、
セリオンはそんな中でも『魔術体系そのもの』に目がないんだよね」
そう言うルーキスの口調はイレギュラーズへ説明しているというよりも、教えているような感じだった。
「油断したとはいえ恥ずかしい話をそれ以上するな」
人を超越したはずの師が思いのほか気恥ずかしそうにしているのにメレムは驚きながらも。
「ワールドイーターは記憶にも干渉して食らったものを改変するってことは知ってるだろうけど。
セリオンは『初めてワールドイーターと会った時にその魔術体系に興味を持った』んだよ」
「……まさかとは思うが、改ざんされた場所に注意を向けていた隙に、食べられたのか?」
グラシアの問いに、セリオンがバツが悪そうに沈黙する。
このタイミングでの無言は是にしかなるまい。
「でも、それだとあの天使が……ルーキス、さんの故郷の景色を模してるのはおかしな話なんじゃないか?」
再び母上と呼び掛けて飲み込んだヨハンナの問いかけに、肩をすくめたのはルーキスだ。
「そこなんだよねぇ。我が師ながら迷惑なようなすごいような。
『自分を食べたワールドイーターの内側からワールドイーターの形と趣味趣向に影響を与えた』んだよ」
「あー、じゃあ『元々はそんなことなかったけどセリオンを食べたことで、ワールドイーターがセリオンに引っ張られて、貴女の世界を再現した』ってこと?」
「そういうことだね。お、あれかな?」
メレムに頷いたルーキスの視線の先を向けば、騎士団らしき者達が多種多様な怪物を相手に交戦していた。
最も目立つのは、遠方に見えるケンタウロスの下半身を馬から狼にすげ替え、色々と小細工をしたような怪物。
『増員か、たかが13人増えた所で変わらぬ。
――受け入れよ、滅びの時だ』
こちらを見てた巨体の怪物が脳へ直接響くような重い声で言えば、両の手辺りに特大の魔方陣が浮かび上がり、氷の雨と炎の雨が戦場へと降り注ぐ。
それらはワールドイーターと相対する正義騎士団を幾つも焼き払い、凍り付かせて断末魔を轟かせた。
「13人?」
ここにいるのは6人だ。不思議に思って見下ろせば、イレギュラーズらしき7人組が戦場の後ろの方、簡易陣地らしき物へと入っていくのが見えた。
●
「イレギュラーズか……助かった。
早速だが、ここにいる敵を説明させてくれ。
ここの敵は、30体のワールドイーターと、奥にいるあの巨大な化け物……終焉獣だ」
聖騎士の隊長らしき男性はほっと胸をなでおろして説明をしていく。
『終焉獣(ラグナヴァイス)』――それは、『終焉(ラスト・ラスト)』より姿を見せたこれまでとは明らかに異なる異形の怪物たち。
成程、先程見たモノを思えば、確かに異形であろう。
「ワールドイーターどもがいるせいで我々の損害は良く分からん。
中にはどうしてここにいるのかすら分からなくなっている者もいる。
その上、終焉獣が厄介でならん」
疲労を覗かせる隊長に、セリオンが前に出る。
「あー……ワールドイーター、についてだが……少し提案がある……」
そう言って彼女が語り始めたのは、応急処置的なある魔術についてだった。
- <ダブルフォルト・エンバーミング>銀星は蛇を憎み、蒼月は終焉に興を得る完了
- GM名夏あかね
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年12月18日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●
その世界が『彼女』のものであるならば、『黒ノ翼』メレム(p3x002535)は師になんと言葉を掛けるべきであっただろうか。
セリオン。それはルーキス・グリムゲルデの魔術の師。本来在るべき家名を名乗ることは義人為ず、人の域を超えた超越者となった彼女はタロットを用いた召喚術を得意とするらしい。
さて、それが『どこ』までこの世界で再現されているかは分からないが少なくともメレムはやれやれと肩を竦めただろう。
「まさかこっち側で師匠に会うことになるとはね……混沌側じゃ何処で何してるか音沙汰は今のところないんだけど」
呟いたメレムの横顔を眺めた『黒翼の守護者』グラシア(p3x002562)は「難儀な」と呟いた。
「さーて終焉獣だかに好き勝手されるのも癪だし、頑張ろうかグラシア先生?」
「ああ、そうだな。一難去ってまた一難。メレムが絡む案件であるなら手助け位はしないとな。
……さて、色々思う事はあれど今は目の前の仕事を片付けるとするか」
頑張ろうかと告げたグラシアにメレムは満足そうに頷いて。私立Edelstein魔術学院の講師であるルーキスと、カフェのマスターのルナールの姿を見付けてから「母」と口に出しかけた『アガットの赤を求め』ヨハンナ(p3x000394)は立ち止まっていた。
「ぐ、ぐぬ……」
普段のヨハンナからは想像も付かぬ悔しげな声音が漏れる。『両親』の前では不死の王も形無しか。ついついR.O.Oで再現されたルーキスとルナールの事を『父上』『母上』と呼びかけてしまう。R.O.O側の彼らにそう声を掛けても驚かれるか、気味悪がられるかのどっちかだろうか。
(……ROO側の2人とは義理の親子じゃねぇしなァ)
現実側との違いは実に『やりにくい』。そうと言えどもワールドイーターを放置して正義国と同じく空白を作るわけにも行かない。
ワールドイーターは世界を喰らう。故に、その名前が付けられた。それらはその場所に別の空間を作り出すのだという。偶然にもセリオンの影響を受けて作り出されたルーキスの世界には所狭しと敵影が見えていた。
「……今の俺にワールドイーターが狩れルかは分からんガ、」
遣り辛さを滲ませる『遍在する風』Gone(p3x000438)とは対照的に、「最終決戦って感じだね!ㅤ敵がわんさかいるや!」と明るい声音を弾ませたのは『グリーンガール』きうりん(p3x008356)。
「まぁ何体来ようときうりが全員守りきるからね!!」
「ええ、ええ、ブッこみますわ!」
胸を張った『なよ竹の』かぐや(p3x008344)の射干玉の髪が揺らぐ。勝ち気な瞳は『終焉獣』を品定めするようにあちら、こちらと揺らめいた。
「これが、この世界の命運がかかった最後の戦い……ある種の卒業ライブみたいなものよね、冗談だけど。確かに敵は多いけど、きっと大丈夫だって、信じてる」
此処で世界を救えば、自身等はR.O.Oに『遊びに来る』事になるだろう。思えば、研究員を助けて欲しいと管理権限が使用できなくなった練達から連絡を受けてから随分と季節が巡った。『オン・ステージ』トリス・ラクトアイス(p3x000883)にとっての卒業ライブは言い得て妙、歌って踊って、アイドルらしくアピールをして敵を倒す彼女らしい表現だ。
『増員か、たかが13人増えた所で変わらぬ――受け入れよ、滅びの時だ』
ルーキスとルナール、そして、セリオンにイレギュラーズ。
セリオンの魔術によって、正義騎士団や幻想種達の支援が受けられるのだ。『たかが』とは随分と舐められたものだと『アルコ空団“路を聴く者”』アズハ(p3x009471)はドラゴンブロウに包まれた拳を固める。
「その『増員』を舐めるなよ? ――何にせよ、滅びを受け入れる気はないな」
そう。これが世界を終焉へと導かんとする敵との戦いだ。正義国はワールドイーターとパラディーゾによる侵攻を受けている。
それらは伝承へと広がり……否、正義だけの話ではない。砂嵐では驚異なるベヒーモスが。鋼鉄でも動乱が起こり、伝承ではピエロまでもが姿を見せた。未踏の地であったラスト・ラストでは原罪との戦いまで起きているというのだから。
「此処をクリアして、必ずしも滅びを退けよう!」
「そうだな。にーちゃんとねーちゃんと協力すればワールドイーターくらい倒せる!」
そうだろうと人懐っこい笑みを浮かべた『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)にルーキスは「まあね」と勝ち気に笑って見せたのだった。
●
無数のワールドーターの軍勢。そして終焉獣(ラグナヴァイス)。此方も彼方も揃い踏みであると『悪食竜』ヴァリフィルド(p3x000072)はまじまじと戦況を見極める。
行う事は単純明快、ルージュと共に連携し早々にワールドイーターと決別すれば良いのだ。
「……あれであるな、彼奴らに関わりすぎると我の能力的に実験材料にされかねぬな。
ワールドイーターのように変質されてはたまったものではない。なのでまぁ、戦闘が終わったらそそくさと退場させてもらうとしようぞ」
「え? にーちゃんって」
ルージュの問いかけにヴァリフィルドは沈黙した。そう、現時点でのヴァリフィルドはアカウントがロックされた状態なのだ。
「……そういえば、ログアウトができないのであったな」と呟いたその声にヨハンナは「何時まで続くんだろうなァ」と呟き返す。
そのお陰もあり、力を付けることが出来ることは確かに出来て居るが、先が見えぬ状況は混沌とした終焉の気配にも似ている。
「何にせよ、目的がはっきりしている方がやりやすいんじゃない?」
「ああ、そうだな。此方はやることが分って居る以上、さっさとケリをつければよさそうだ」
メレムとグラシアの声に、流石は義両親だとヨハンナは頷いた。義両親の明るさに救われた心地になりながらヨハンナは終焉獣へと距離を詰めて。
「わたくしのお相手を決めましたわよ! アポカリプス・サーペントウルフ!」
びしりと指さしたかぐやは博愛の杖――と、名付けられているが竹槍である――を握りしめて突貫していく。
相手に定めた理由は単純明快。『でかい』からである。喧嘩するなら大きい方が良いというのがかぐや流。しかも、生意気にも人語を有するのだという。
「何が目的でいらっしゃったか分かりませんけれど、わたくし達に何か用事ですの?」
『わ――』
特に知りたくない情報だったと終焉獣が口を開こうとした瞬間を狙ってかぐやは竹槍を投擲した。
「ごちゃごちゃ喋ってるんじゃねぇですわ……バトルは既に始まっているのです……!!」
「じ、自分で聞いておいて!」
ひょえーと驚いたように身を縮めたきうりん。バトルは既に始まっているらしい。囮と時間稼ぎは得意なきうりんはエネルギーを自身に叩き込んで雑草が美味しく感じる装備に身を固める。
「さあ、張り切っていこう!!」
えいえいおーと拳を振り上げてきうりんは終焉獣に対して自身がただの餌食である事をアピールした。弱く見せるはったりを使うデスカウント上位者、きうりん。食物連鎖の最下層でありながらも、その実、かなりの実力者となった彼女は死をも恐れることはない。
自身を強化したアズハは直ぐに自身へと付与の魔術を掛ける。念には念を入れたのは援軍達の命を守るための行動だ。
自身を狙ってくれるならそれでいい。他の誰かを狙うのだって構わない。ただ、現地の『NPC』――即ちリスポーン対象ではない存在を狙われるのだけは許せない。
(俺達は死んでもまた戻るが、彼らはそうじゃ無い。
アバターの命が易いとは言わないが……願わくば、より唯一の存在である正義騎士団や幻想種が喪われないように。負けられない、諦められない!)
決意し、アズハはスキルを駆使して終焉獣を引付ける。その巨体を相手にするのだ。ヨハンナとの虐壱に陣取って、その動きを遮ることを目的とした。
『終焉獣』アポカリプス・サーペントウルフ、敵はそれだけではない。有象無象と呼ぶべきか。はたまた、それは伝承の獣達の襲来とするべきであろうか。
無数に存在する『ワールドイーター』フェニクスを相手取ってからルージュは地を蹴り飛ばした。自身へと課す強化はその身を包み込む。ログアウト出来ないと言うことは今までの死は己を鼓舞する力となった。
死すら恐れぬ蛮勇は、大いなる勇気となり、力を転じた。愛の力から放たれた凍て付く気配。ルージュが勢いよく地面を蹴って飛び上がった。同様に動いたのはヴァリフィルド。
「早々にけりを付けるぞ」
「おう! にーちゃん、行くぜー!」
ぶんぶんと拳を振り回したルージュに頷いてヴァリフィルドの息吹がフェニクスらを狙い続ける。正義騎士団を引き連れるヴァリフィルドは攻撃に巻込まれぬように彼らに言い含める。この戦いはアズハの危惧したとおり『NPCは復活することがない』からだ。
「冷たい攻撃がいっくぜーー!! 騎士団のにーちゃん達、悪いけど近くに敵が来たらカバーをお願いな」
出来るだけ護ってみせるからと微笑んだルージュ。傍に寄られることは苦手とするルージュにとってそのカバーを行ってくれるのが正義騎士団の面々だった。
「承知しました。必ずしも!」
「我らが国を護るために!」
彼の掲げた正義の形にルージュは大きく頷いた。ヴァリフィルドと共に天より飛来するフェニクスを相手取る。悍ましき焔の気配、其れさえも退けるように広がる凍りは留まるところを知らず。
二人がフェニクスを攻撃し続けている中、Goneは『DEMON』を振り上げた。通常ならば術者の魔術行使をサポートするプログラムであった筈が鎌へと変化したそれを振り下ろせば、闇の外套が揺らぐ。
換気扇の様に武器を振り回し、ワールドイーターを優先するGoneはちらりとフェニクスの側を一瞥した。飛んで射程に収めるのが一苦労であるそれを竜と『竜の妹』が対処してくれているのだ。ならば、出来ることを優先した方が良いだろうか。
「さテ……」
「数が多いわね。けれど、大丈夫よ。一人たりとも膝を尽かせやしないから」
微笑んだトリスはメジャーアイドルとして歌声を響かせる。
アンプ要らずのエレキギターが掻き鳴らされた。潮騒の呼声は博愛の福音となり、仲間達を包み込む。
その支援は騎士達にも届き、傷つく不安から解き放つ。支えとなる彼女の傍に立っていたのはグラシアと、メレム、そしてルーキスだ。
広域の支援を中心とするトリスの傍らで「数が多いのは実に厄介だねえ」とメレムが呟けばルーキスがおやおやと首を傾いで。
「まあね。けど、得意そうだけれど」
「勿論さ。――さーて広域術師同士派手に奏でるとしましょう。戦場だからこそいい音が出来るのさ」
ぱちんと指を鳴らし、仲間達が楽に敵を倒せる事を意識する。メレムが持つのは影の名を冠する殺人術。それそのもの。それはカラスの音響魔術となり、領域に立ち入る者を赦さない。漣のように広がっていく気配にルーキスがふむ、と小さく呟いた。
「さ、キミも」
「……やれやれ。そうだね、師匠の手前、何もしないとなればどやされてしまいそうだ」
肩を竦めたルーキスの唇が揺れる。
”クラウストラ”――深淵は何時もとなりにあるのだ。さあ、聞け、資格ある者よ。
それは『メレム・メンシス』から放たれた。ちなみだの如き災禍の赤月。金鎖が揺らぎ、魔術が広がる様にメレムはその調子だと笑った。
二人の魔術がワールドイーター達を包み込む。広く、そして仲間を巻込まぬようにと注意を払った攻撃の下をすり抜けるように走ったのはGoneか。
「広域は任せるカ」
彼はワールドイーターを殺す事も躊躇うような――そんな気持ちを抱えながら、走った。
「良いかい? どちらが多く数を減らせるか。ここからが勝負だ。
師しょ――……セリオンは余った正義騎士団の指揮を頼みたい。出来るでしょう?」
上空からの偵察でサポートに回って欲しいと請えば「師匠使いが荒いね」と軽口が返される。
自分と同じ顔が目の前に居るのも何とも奇妙な感覚だとでも言うようにメレムが肩を竦めればグラシアは「俺もそうだ」と肩を竦めて。
「やりにくさはあるが……逆に『分って居る』から戦いやすいのかもしれないと思い返したところだ」
「成程。流石は気付くねグラシア先生」
揶揄い笑ったメレムに、嘆息していたグラシアがふと、顔を上げる。
飛び込んできたのは獣の爪先か。癒やし手を危機と認識したか、トリスを狙わんとするそれはこの乱戦状態を活かしてやってきたのだろう。
「やれやれ、乱戦ってのはしんどいな?」
回復手であるトリスを庇うグラシアはちら、とメレムとルーキスを見遣った。彼女達は彼が護るべき存在だ。
そして、自身を反映したNPCでもあるルナールには壁役となって欲しいと指示をした。ルナールは「了解した」と短く返して乱戦の中に消えゆく。
巨大すぎる敵の向こうから響いたのは、勢いよく竹槍を投げるかぐやの笑い声だった。
「さあ、戦いはまだまだ続きますわよ! ブッこみますわ!」
●
何方を見回しても強大なる敵が居る。人という物は余りにもちっぽけだ。
そうとしか思えぬほどの強大さ。そして、世界をも喰らう獣の恐ろしさに身を包まれながらも騎士は剣を握る。
その足が竦み、縺れた。その様子を一瞥し、ヨハンナは終焉獣に肉薄しながら声を張り上げた。
「……化物が相手でもビビんじゃねぇ。臆せば死が近付くぞ!」
ヨハンナはそう、叫ぶ。王たる資質。それは騎士達を勇気づける一筋となる。
鼓舞され剣を振り上げた騎士は此処で負けては国を喪うと、そう決意したように走り出した。
ヨハンナはよく知っている。臆する者から死に絶える。膝を突くことを厭うならば前を向かねばならぬのだ。
終焉獣の懐にまで接近したヨハンナは手首を切り裂いた。溢れ出る血潮が槍を作り上げた。緋色の殺意は紅蓮の焔を纏い、終焉獣へと突き刺さる。
月下に咲き誇った白き花の如く、嫋やかな薫りを放った華奢な体を動かしてノスフェラトゥは獣の獰猛さを見せ付けた。
炎槍の切っ先が終焉獣の脚を突き刺した。勢いの儘、肉を断たんとする動きを留めんと放たれる攻撃も近接域ではそれ程の効果は持たない。
「なるほどなァ、その巨体だ。灯台もと暗し――弱点は此処に在ったか」
ヨハンナの笑みに応えるように両手をばっと広げたきうりんは「近付くんだよね、オーケー!」と叫んだ。
「ほら獣さん!ㅤエサだよ! おいで、おいしいよ!」
『……』
自身が側に近付くのではない。敢えて、終焉獣を自身の元に怒りで近づけることを考えたのだ。それだけで動きは制御できたとも云える。わざわざ出向いてやる必要は無い。品種改良に遺伝子改造まで行った素晴らしいきうりをご賞味あれ、だ。
「こっちが近づくんじゃなくてお前が私に近づくんだよ!! おいで!!」
『この面妖な野菜は――』
「え、何?ㅤ人の言葉喋れるの?ㅤ上半身は飾りじゃなかったんだね〜賢いでちゅね〜!」
どこまでも煽ることは忘れなかった。僅かな苛立ちを感じた終焉獣の狙いが自身に定まったことを感じ取りきうりんは「ひゅう!」と口笛を吹く。
死ぬ事なんて怖くない。耐えるだけじゃない、死んだって『もう一度此処に戻ってこられる』のだから。
「さあ、おいでよ!」
にんまりと笑ったきうりんはヨハンナへときうりを投げ、その身を苛む者から解き放つ。
「はいきうり!ㅤ食べなくても触れるだけでいいから!!」
食べた方が美味しいと思うと告げるきうりんにヨハンナが妙な顔をしたのは――仕方が無いことであったのだろう。
「食う、カ?」
「いや、仲間を食べる経験というのは……」
「まア……」
Goneもこの世界ではエネミーと称されようとも経験は無い。だが、きうりんの支援がこの場では役に立つことは確かだ。
これだけの状態だ。歌い続けるトリスの声が霞むほど遠くに思えたのは『巨大な敵』が多いからか。
乱戦状態ではトリス一人だけの回復では足りず、グラシアの支えも必須となっている。指揮を行っているセリオンの側も気になるが――
「直ぐにこいつを仕留めた方がいい、カ」
ワールドイーターを狙うと告げるGoneは『ワールドイーター』ウォーウルフが終焉獣に近付かぬようにと薙ぎ払う。
獰猛な獣の牙を受け止めた鎌が、ぐん、と其れを押し返し、のけぞった正義騎士が「ひ」と恐れの悲鳴を漏らした事に気付く。
「あア……」
その姿に畏怖を覚えたか、僅かに惑うたGoneの傍でアズハが声を張り上げる。
「忘れるな! これは未来を掴むための戦いだ!
終焉獣は全てを滅ぼそうとし、ワールドイーターは全てを喰らおうとする。喰われて終わりなど納得できようか!?」
士気は高いに越したことはない。強く言葉を出し続ければ、それは自身を鼓舞することにも繋がっていく。
セリオンの召喚術、そして、そのサポートなどを見詰めながらも凄い所業をしてみせるのだとアズハは一連の流れをまじまじと見ていた。
興味と度胸は何ものにも勝ることがあるらしい。ならば、己等の度胸とて、この様な獣に害される物ではないはずだ。
「無意味? 絶望的? 黙れ、決めつけるな。俺達は生きる、それを他人に邪魔されてなるものか!」
叫んだアズハが傍を走り抜け、終焉獣に再度肉薄した。その巨体、ぱから、ぱからと跫音を響かせ人の言葉を有するアポカリプス・サーペントウルフ。
位置を確保しスキルを多数使用しての攻撃。アズハは音を見極めてその距離を感じ取る。
一寸、身を捻った。周辺へと叩きつけんと狙った近距離の攻撃はきうりん諸共周囲の存在を薙ぎ払おうとしたのか。
「ッ――」
「動きがいちいち大きくありませんことー!?」
『デカブツ』と呼んだサーペントウルフの攻撃にかぐやが非難の声を上げる。竹槍を此の儘の勢いでばこばこと投げ付けてハリネズミウルフにしてやるつもりである彼女は非難しながらも強敵との邂逅に心を躍らせているようであった。
「っと――数が多いけど、あと少しだぜ、にーちゃん!」
「我のやることは変わらん」
ヴァリフィルドの言葉にルージュはにんまりと笑みを浮かべる。ルージュの愛の力と共にヴァリフィルドがその息吹を放つ。
共に戦う騎士達は迫り来るウルフを退け、自国を護るための戦いを続けているのだ。『一時的にワールドイーターに食われた者との記憶を保持させ、食われた場所を視認できる』というセリオンの術式は大いに役に立っている。
彼らにとっての守るべき祖国は領土の大半を食らい付くされたのだ。そして、それを戻すためにはワールドイーターを撃破し、終焉獣を退けるだけ。
これだけ多く存在するともあらば、彼らの力だけでは難もある。
「騎士のにーちゃんたち、任せてくれよ。かならず、正義(ジャスティス)を取り戻すから! さ!」
微笑んだルージュに無言の儘で同意するヴァリフィルドは「どのような状況でもこれらを『捕食』すれば良いのだろう」と返す。
「捕食――」
捕捉された。ヴァリフィルドが振り向けばセリオンが「面白いね」とまじまじとその肉体を眺めている。ルージュは「セリオンのねーちゃん、今はそんな場合じゃないぜ!」と揶揄うように笑う。
「ああ。任せてくれ――少しなら力になれる」
召喚術の術式と共に、それらは大オロチへと襲い征く濁流となった。ばくんと口を開いていたその様子にメレムが「わあ、大量だね」と笑う。
広域魔術を放つメレムとルーキスの攻撃をその巨体は避けることも出来ない。人などちっぽけに見えるが、広く放たれる攻撃は的が大きいほど当てやすい。
「さて、大丈夫か?」
「ええ。こんなにもお客様が一杯なんだもの! 歌う甲斐もあるわね。さあ、聞いて。ヒットナンバーよ!」
手を差し伸べて、アイドル・オン・ステージ! トリスはぱちんとウインクをひとつ。
歌声がのびのびと響き渡り騎士達を、そして、仲間を鼓舞し続ける。
その気配をひしりと肌で感じGoneは無言の儘敵を屠り続けた。
走り回る獣は素早さに優れては居るが、全てを巻込めばその反応も無駄になる。薙ぎ払うように腕を振り上げたウルフを前にして仕返しだと言わんばかりにGoneは鎌を振り上げた。
「さテ、ウルフは減ったが――オロチ、それから……?」
「フェニクスはこっちに任せてくれよ! 数は随分減ったぜ!」
オロチを倒しきれば、あとは言葉を有し、きうりんとかぐやの問答に挟まれて無言を貫き通すアポカリプス・サーペントウルフのみ。
「全く以て、」
そう口を開いたのはセリオンだった。
「興味深い」
呟く彼女の声音に「ええ、実に面白いデカブツですわー!」とかぐやが笑う。人語を有し、何らかの目的を持って此処にやってきた。
曰く――『この地を蹂躙し、終焉を齎す』為なのだという。
かぐやは「聞いてないと言いましたのに!」と槍をその口内にがんがん投げ入れる事を目的としていた。
肉薄することでダメージの蓄積を避け続ける。周辺のワールドイーターを手分けして倒す中でも1分のロスタイムは僅かに気を急かすか。
それでも、そのロスタイムを多く感じずに済んだのはそれだけ統率がとれていたからとも云えよう。
『何故、邪魔をする?』
終焉獣の問いかけにまず「楽しいからですわ」と返したのはかぐや。沸き立った闘争心は、留まるところを知らず。
次に「興味があるから」と返したのはセリオン。そして、「世界に終焉とかちょっと良く分からないよね」と呆れたように笑ったのはメレムであった。
「終焉を齎したい理由はわからない――けれど、生憎此処は『よく知っている場所』だからさ」
メレムが地をとん、と叩く。終焉獣を眺めれば、その背を支えるようにグラシアが立っていた。
「ね? グラシア先生」
「ああ。思い出を汚されるというのは我慢ならないものだと聞くからな」
それが大きな理由になれば構いやしない。この地を救い、人の命を喪いたくないと願うアズハの願いも遂行されよう。
神様にも手が届くような強大な力を、経験をと望んだルージュの心さえも無駄にはならない。
「さーて、でっかいにーちゃん。他の獣は倒したぜ?」
笑ったルージュが愛の力をその身に宿す――
●
全員の力を合わせたことで撃退するに適った終焉獣(ラグナヴァイス)。石花の呪いを癒やしてくれた幻想種達の協力も、この場では大いに役立った。
騎士達の命を守らんと掲げて居たアズハは「良かった」と誰一人欠けることのなかった仲間達を確認して呟いて。
「勝利致しましたわね!?」
拳を固めたかぐやの目の前で、世界が『ぐんにゃり』と歪んだ。ワールドイーターの消失が即ち、構築された世界の崩壊である。
この場所に元から存在した『空間』と『建築物』が取り戻される様は幾度見ても奇妙そのものだ。
「……これで、此処は守れたんだよな?」
「うむ」
頷いたヴァリフィルドにほっと胸を撫で下ろしたルージュは自身に蓄積した力が普段の己とは懸け離れ始めたことを感じる。
其れだけの力が無ければ神(おにいさん)には届かないのだ。この世界を包み込んだ未曾有の危機。
今はその一端を『攻略』したことだけで満足して行くべきか。
ルーキスとルナールがほっと胸を撫で下ろす様子を見るだけで、一先ずの平和が齎されたのだと安堵する。
「けれど、世界にはまだ強敵が残っていますのよね? ブチ転がしにいかなくてはなりませんわ!」
ねえ、と微笑んだかぐやにきうりんが「そうだね、ピエピエとかー、デッカくんとか、それから」と指折り数える。
それらが強襲を仕掛け、パラディーゾの暗躍によってこの地に住まうNPCの平和が乱されたというならば見過ごせぬ。
(……父上も母上も無事で良かった)
口に出しそうになった言葉を飲み込んでからヨハンナはほっと息を吐く。どうしても、知った顔である事から彼女らを義両親として扱ってしまいそうになるヨハンナは彼らが穏やかに微笑んだだけで満足行く『おわり』を見届けることができただろう。
「いやあ、懐かしい世界だったね」
ふむ、と呟いたメレムに「寂しいか?」とグラシアが問いかける。
「いいや、けど……そうだな、奇妙な体験をしたような気がするねぇ。
あの世界にずっと居られたらどんな心地になるんだろう? まあ、紛い物だとそんなに興味は無いけれど」
メレムが見守るその視線の先で、世界が変化し、崩れ落ちていく。元ある姿に戻すような『巻き戻し』
そんな奇怪な様子をまじまじと眺めながらルーキスは「ふふ、何だか夢でも見ているようだったねぇ」と肩を竦めた。
「真逆、師匠がその理由でワールドイーターが『出し惜しみ』をしていただなんて考えてもみなかったよ」
「出し惜しみされる立場になるとはね。それでも、役に立っただろう?」
「勿論。隠し玉としては一級品だったさ」
揶揄うように笑ったルーキスとセリオンの姿を見てからルナールは「勘弁してくれ」と肩を竦めたのだった。
『私立Edelstein魔術学院』に訪れた平和が、この世界全部に広がって言ってくれることを――今は、願わずには居られない。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
お疲れさまでした。シナリオの代筆を担当させていただきました夏です。
この度は弊社クリエイター都合によりお客様には執筆担当変更のご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。
GMコメント
練達決戦3本目になります。
こちらはルーキスさん、ルナールさんに関する<lost fragment>の完結編になります。
●オーダー
【1】ワールドイーターの殲滅
【2】終焉獣の討伐
●フィールド
平野部。戦場の奥の方にスターイーターが見えたり見えなかったりするぐらいの最前線です。
視界は良好、なんの問題もありません。
フィールドのやや後方辺りに正義の聖騎士団が仮の前線拠点として築いた陣地が存在しており、そこにサクラメントがあります。
・リスポーン時間
サクラメントからのリスポーンには6T~20Tほどかかるものとします。
1分後(6T後)にはHPとAPを3割回復した状態での復活となり、1分(6T)ごとに3割回復し20T目には全快での再開になります。
●エネミーデータ
・『終焉獣』アポカリプス・サーペントウルフ
全体的なフォルムがケンタウロスの下半身を狼にしたような怪物です。
また、本来尻尾がある場所に蠍の尾を持ち、人間の背中から翼のように2対の蛇を生やしています。
人語を介する高度な知性を持ちます。高さは6m、奥行き12m。
巨体に見合った豊富なHP、神攻、防技、EXA、命中を持ちます。
『石花の呪い』を振りまくほか、【凍結】系、【火炎】系、【痺れ】系、【毒】系のいずれかをもたらす魔術を用い、
【石化】、【狂気】をもたらす魔眼の類を持ちます。
おおよそ全ての攻撃が【域】相当範囲を持ちますが、至近距離まで来ると攻撃方法が大幅に限られる弱点を持ちます。
全力で近づいて全力でぶん殴りましょう。
※石花病と『石花の呪い』
・石花病とは『体が徐々に石に変化して、最後にその体に一輪の華を咲かせて崩れて行く』という奇妙な病です。
・石花病は現実の混沌でも深緑を中心に存在している病です。
・R.O.Oではこの病の研究者アレクシア・レッドモンドの尽力により『試薬』が作られました。幻想種達はこれらを駆使して、『石花の呪い』に対抗できます。(1Tのギミック解除時間が必要)
・『石花の呪い』はバッドステータスと種別を同じくする特殊ステータス状態です。
・敵の攻撃がクリーンヒットした時に20%程度の確立で『石花の呪い』が付与されます。
・『石花の呪い』に感染したキャラクターは3ターン後に体が石に転じ死亡します(デスカウントが付与される状態になります)
・『ワールドイーター』フェニクス×10
4~5mの鳥型のワールドイーターです。
常に飛行状態にあります。
神攻、命中、機動力が高め。
<スキル>
炎風:神中扇 【炎獄】
吶喊:神中貫 【移】【炎獄】
まき散らし:神遠域 【業炎】【炎獄】
叩き落とし:物至単 【必殺】
・『ワールドイーター』ウォーウルフ×10
3~4mの狼型のワールドイーターです。
HP、反応、物攻が高め。
<スキル>
喰らい潰し:物至単 【必殺】
振り回し:物至単 【致命】
薙ぎ払い:物近列 【飛】
・『ワールドイーター』大オロチ×10
5~6mほどはありそうな巨大な蛇型ワールドイーターです。
物攻、防技、命中が高め。
<スキル>
吶喊:物中貫 【移】
丸呑:物近単 【必殺】
薙ぎ払い:物近扇 【飛】
毒射:神超単 【致死毒】
●NPCデータ
・『蒼き月夜の教導者』ルーキス・グリムゲルデ
ROONPCのルーキスさんです。
私立Edelstein魔術学院の講師です。
現実よりも教導者の側面が強調されている点を除くと現実とさほど変わりません。
スペックは現実のルーキスさんを参照します。
メレムさんはEXプレイングでやらせること、使用スキルなどを指定して構いません。
やらなくても適切に動きます。
・『紅を為す静かなる仕事人』ルナール・グリムゲルデ
ROONPCのルナールさんです。
私立Edelstein魔術学院にあるカフェのマスターをしています。
現実とさほど変わりません。
スペックは現実のルナールさんを参照します。
グラシアさんはEXプレイングで使用スキルなどを指定して構いません。
やらなくても適切には動きます。
・『銀星』セリオン
ROONPC版のルーキスさんの関係者です。
ルーキスさんの師匠であることは変わりません。
私立Edelstein魔術学院に所属してフィールドワーク中に見つけたワールドイーターに興味を持っていた所、
背後から奇襲されて食べられたことで逆に『食ったワールドイーターの趣味趣向を自分寄りに変質』させる仰天な御業を行ないました。
曰く、油断していた。
曰く、『食われたのなら仕方ないが、この姿ならルーキスが何となく察するだろう』とのこと。
シナリオ中は召喚術によってサポートしてくれるほか、
正義騎士団に対して魔術を行使しています。
『一時的にワールドイーターに食われた者との記憶を保持させ、食われた場所を視認できる』ようになります。
いわば簡易の外付けのバックアップ処理です。
・正義騎士団×40
正義の聖騎士団です。
セリオンの魔術により、主に上記セリオンの部分での記述に加え、
『何故ここにいるのか』や『ワールドイーターとの戦いを優先すべき』ことを絶対に忘れなくなっています。
士気は非常に高く、歴戦でもあります。彼らの指揮をしても構いません。
・幻想種×6
石花の呪いに対抗できる幻想種です。
回数に制限はありませんが、1人につき同時に治療できるのは1人までです。
戦闘能力はありますが、そちらを期待するよりは治療に専念してもらった方がよろしいでしょう。
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
R.O.O_4.0においてデスカウントの数は、なんらかの影響の対象になる可能性があります。
●重要な備考
<ダブルフォルト・エンバーミング>ではログアウト不可能なPCは『デスカウント数』に応じて戦闘力の強化補正を受けます。
但し『ログアウト不能』なPCは、R.O.O4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』が敗北に終わった場合、重篤な結果を受ける可能性があります。
又、シナリオの結果、或いは中途においてもデスカウントの急激な上昇等何らかの理由により『ログアウト不能』に陥る場合がございます。
又、<ダブルフォルト・エンバーミング>でMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。
MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
予めご理解の上、ご参加下さいますようお願いいたします。
Tweet