シナリオ詳細
人遺の先に眠る実り
オープニング
●人遺の先に眠る実り
『ねぇねぇ! そこのお姉さん、お姉さん! あのね、あのね、ちょっといい!?』
ふわふわと視線の高さで浮かんでいるのは、妖精さん達。
ここ、妖精郷アルヴィオンは妖精さん達が多く住む場所であり、故郷。
更に言えば、この場所は常に常春の穏やかな気候に包まれており、次第に寒く成り行くこの時期においては、その温暖な気候に一時の安らぎを得ようとするイレギュラーズ達も良く良く訪れていたのだ。
「あ……はい、どうされたのでしょう?」
呼ばれて首を傾げて振り返るのは、現地を訪れていた『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)。
小柄な彼女の視線の高さにちょっと降りてきた妖精さんは。
『あのね、あのね! いれぎゅらーずのみなさんに、あったかーいかんしゃのおいわいをしてあげたいの!!』
『でもね、おいしいおいしいたべもの、ちょっととおいところにあるの。わたしたちだけだと、とりにいくのたいへんなの。だからいっしょにいってもらいたいの!!』
顔の周りをぐるりぐるりと飛び回る妖精さん達。
妖精郷を護ってくれたイレギュラーズの皆さんに感謝を伝えたい、というのは妖精さん達が口々に言う言葉。
それだけイレギュラーズが<夏の夢の終わり>に力を貸してくれたのが嬉しいのだろう……でも、その感謝を伝えるために力を貸して欲しいというのは……ちょっとだけ疑問も出てくるけれど。
でも、かわいい妖精さん達からの言葉となると、何となしに。
「あ、えっと……そ、そうですね……妖精さん達が困っているのなら、力を貸さないといけませんね……だって、私達は……イレギュラーズ、なのですから……」
『ほんとう!? やったー、あのね、あのね! ほんとうにおいしいりょうり、つくってあげるの!!』
『そのしょくざい? あのね、いせきからしかいけない、あのおっきなおやまのなかにあるの! くうきがすんで、みずがおいしいところでしかそだたないさくもつなんだって!!』
「わかりました……でも、私だけだと、力不足ですから……その、すぐに戻ってきますので、ちょっとだけ時間、いただけますか?』
『うん! わかったの!!』
『またいっぱいのいれぎゅらーずさんとえんそくー!! たのしみなのー!!』
本音がぽろりと漏れた様な気もするけれど……何はともあれ妖精さん達が困っているのは事実。
そしてルリアは急いでギルド・ローレットへと向かうのであった。
●
「あの……また皆さんに集まって頂き、本当にありがとうございます……」
ぺこり、と頭を下げるルリア。
集まってくれた皆に本当に申し訳無さそうに頭を下げつつ。
「妖精さんが、イレギュラーズのみなさんに感謝をしたい、と仰ってまして……でも、自分達だけではかなり危険な場所だそうで、手伝って欲しい、と言う事なのです……妖精さん達の好意を、無碍にはしたくありませんが、私の力だけではどうしようもなさそうで……それで、皆さんにお手伝いして頂きたく、ここに急いで来たんです……」
「妖精さんからは、山の近くにひっそりと残された遺跡の先に、美味しい食材がある、と言ってました……でも、その遺跡は危ない所だと言われてましたので……恐らく罠とか、ガーディアンの様な者が護っているのだと思います。妖精さんを守りながらその遺跡の守護者を倒し、遺跡から繋がっている山の中の洞窟に生育している果物と野菜を採ってきて欲しい、という事です」
「その食べ物を持ち帰ってきたら……妖精さんの村に運んでいって、妖精さんとお話しながらお料理と、お食事を楽しめれば……と思って居るのです。こちらは冬の気配が漂いつつありますが……アルヴィオンは常に春……その暖かさに包まれながら、妖精さんと一緒に楽しめれば、と思ってます……」
そう言いつつ、ルリアはぺこりと頭を下げて。
「本当に、突然のお話で申し訳ないのですが……どうか、宜しくお願い致します……」
と、心の底から御願いするのであった。
- 人遺の先に眠る実り完了
- GM名緋月燕
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年11月30日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●妖精の誘い
深緑の奥に広がる妖精達の桃源郷、妖精郷アルヴィオン。
多くの妖精達は、訪れる人々にもそんな愉しさを伝えつつも、イレギュラーズの皆さんに対する感謝を目一杯表現している……そんな常春の世界。
……だが、そんな常春の世界に住まう妖精さん達のお悩みを聞くのもまた、イレギュラーズ達のお仕事。
『あ、いれぎゅらーずのみなさんだー!!』
『つれてきてくれたのー? わーい、みんなでいっしょにたんけんだー!』
と、アルヴィオンに戻って来た『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)と、彼女と共に来てくれた君達の顔の周りをぐるりぐるりと周りながら嬉しさを表現する。
そんな妖精さん達の元気いっぱい、夢一杯な言葉に『魔風の主』ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)は。
「ふふ。妖精達は相変わらず元気いっぱいだね」
『うん、げんきなの!! イレギュラーズの皆さんがきてくれるとあれば、はりきらざるをえないの!! いっぱいおいしいのをとって、いっぱいいっぱいおいしいのをいっしょに食べるの!!』
小さい身体でガッツポーズを取る妖精さんに、ウィリアムもどこか嬉しそう。
そんな妖精さん達の『おいしい』という言葉に、『はらぺこフレンズ』ニル(p3p009185)と『特異運命座標』フロル・フロール(p3p010209)の二人も。
「そうですか。妖精さんのおいしいごはん、ニルはとっても気になります!」
「うむ。感謝のお祝いとは良い案じゃのう……わしも妖精郷の出じゃからな、手伝わせておくれよ」
『もちろん、なの!!』
無垢なる妖精さん達の言葉。
……とは言え今回の話、色々と不思議な点も一杯。
美味しい美味しい作物は妖精さん達が言うに、普通の人間サイズの人が立ち入ることを想定された位の大きさの遺跡の先にある、洞窟の中に育っているという
「うーん……遺跡の先に作物ですか。作った人は、よほどの野菜好きか、そこまでしないと防げない害獣がいたのでしょうか……?」
とロウラン・アトゥイ・イコロ(p3p009153)が小首をかしげると、それに『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)と『澱の森の仔』錫蘭 ルフナ(p3p004350)も。
「ああ、そうだな。だが、遺跡は相も変わらず何の為に作られて、使用用途がわからないな……調べることが出来れば妖精郷の事をもっと知れるんだが……」
「そうだね。妖精達も、僕達をお祝いしたいから、一緒に来て欲しいって……色々考えると「ん?」って来ない事もないけど……ね」
確かにルフナの言う通り、お祝いする相手にお手伝いを願うというのは、何だか二律背反しているような、そんな気がしないでもない。
でも、妖精さん達がイレギュラーズの皆に妖精の手料理を振る舞ってあげたいというのは、小さな身体に秘めた大きな願い。
「本当、美味しい果物があるとはいえ、危険な遺跡の奥へ向かうだなんて相変わらずの妖精達ね……」
「まったくだ。妖精さん達も本当に懲りないなぁ……でも、こうして企画してくれるのは嬉しいし、楽しみだけどさ」
『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)に『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)が苦笑。
でも……そんな妖精さん達の願いを無碍には出来ない、と言うルリアの御願いに応じ、一緒にやって来た訳で。
「まあ、妖精達のこういう呑気さに僕も救われる部分あったしね。彼女達の慰労も兼ねて、小さな冒険にお付き合いするのも悪くないか」
とルフナが小さく笑うと、それにニル、ロウラン、アルテミア、ウィリアムの三人も。
「そうです。そのために、食材を取りに行く、ですね!」
「美味しい作物、楽しみですね。トマトとかあるでしょうか……お弁当も、持って行きませんと」
「うん。感謝の気持ちは嬉しいし、ちゃんと守りながら連れていって、お食事を楽しみにしましょうか」
「そうだね。美味しい物を食べさせて貰えるなら、どこへでも喜んで付いていくよ。楽しい遠足になるように頑張って行こう!」
そんなイレギュラーズ達の言葉に、妖精さん達は。
『ほんとうにほんとうに、ありがとうございます、なの!!』
『ほんとーに、わたしたちだけだとどうしようもなかったの。でも、いれぎゅらーずのみなさんがいっしょなら、ひゃくにんりきなの! しっかりまもってほしーなの!!』
護って欲しい、という言葉に敏感に反応するのはサイズ。
「勿論です。今回は妖精さんの護衛が最優先です。絶対に妖精さんを護ります!」
並々ならぬ気概を含むサイズ。
……そうしてイレギュラーズ達は、妖精達に導かれるままに遺跡へと赴くのであった。
●遺洞に眠る
そして遺跡の中に立ち入るイレギュラーズ。
妖精さん達は、えーっと、どっちだったかなー……あ、こっち、と言う様な感じで、とってもふわふわしながら皆を誘導する。
ちょっと先に行こうとしてしまうので、そんな妖精さん達を落ちつかせつつ、先に行かないようにやんわり注意しながら遺跡の奥へ、と進んでいく。
……そして、遺跡に足を踏み入れ十数分。
重厚そうな扉を前に、その両脇には……石像三体。
「これは……明らかにそうかな?」
「だろーなー。それじゃ早速だけど、石像つついて引っ張り出すかな?」
「そうですね……では、始めましょう」
ルフナに頷くロウラン……そしてサイズ、アルテミア、イズマの三人がすすっ、とその扉に近づいていくと、扉を護るかの如く建っていた石像がゴ、ゴゴゴ、と動き始める。
「危ないから妖精さんは離れててね!」
「わ、判りました……! みなさん、こちらです……!」
声を上げて妖精さんの避難を指示するイズマと、それに従い妖精さん達を誘導するルリア。
攻撃が届かない距離まで離れた所で、サイズが素早く先陣を切って斬り込んでいく。
「さぁ……妖精達を邪魔するお前達は、何であろうと叩き斬る」
真摯な言葉と共に名乗りを上げて、敵の怒りを買う様に動くサイズ。
そしてサイズの動きに続き、ウィリアムが神秘的破壊力を集中させて、ガーゴイル一匹に叩きつける。
たった一撃であっても、かなりのダメージ。
さらに、アルテミアも石像を引き付ける様にしながら破刀の一閃を叩きつけ、さらなるダメージを積み重ね、イズマからも魔性の一撃で貪り喰らう。
……そんなイレギュラーズ達の攻撃の結果、早々に石像一体がボロボロに崩れ去る。
「攻撃力は高い様ですけど、体力はそこまで亡い……みたいです?」
「その様じゃな。良し、皆の者頼むぞ! わしは後ろから援護させて貰うのでな!」
ニルにフロルが頷きつつ、仲間達のダメージを確認すると同時に回復を飛ばす。
「ありがとうございます。では、こちらは倒す事に集中させて貰います」
「うん、一気に纏めて攻撃していくね」
そしてロウランは破壊的威力を集中させて放ち、ニルも霧氷を周囲に撒き散らして攻撃為ていく。
……そんなイレギュラーズ達の攻撃に数刻の内で、ガーディアンである石像達は全て倒れていき……それと共に扉が開く。
『うわー、イレギュラーズさん、すっごいつよーい!』
『すごいなー、ひゃくにんりきだー!!』
そんな戦いを目の当たりにした妖精さん達が、とっても嬉しそうに声援を送る……それにフロルが。
「そうじゃな。みんなたよりに出来る存在じゃ! さぁ、まだまだ先はあるのじゃろう? 案内、よろしく頼むぞ?」
『うん! それじゃー、れっつごーだー!!』
同じ妖精郷出身であるフロルの言葉に、やはり妖精さん達は波長が合う様で、とても嬉しそうに妖精さん達は仲間を誘導。
……その途中、落とし穴や毒ガス、矢の罠が幾度となく襲い、さらに同時に石像も襲い掛かってくる事もあるが……決して妖精さん達が被害を喰らわない様に注意警戒しつつ。
「しかし……いつ作られたのか、なぜ人間が入るのに適したサイズなのか、ホントに謎ね……?」
とアルテミアが疑問に思うと、それにロウランも。
「ええ。妖精側とはいえ、深緑に遺跡というのも珍しいですね……そう、何か言い伝えとかあるのでしょうか?」
と妖精さんに問い掛ける。すると妖精さんからは。
『あー……えっとねー? なんだっけなー……ここにいるのはよーくわからないんだけどー、むかしむかーし、すっごいむかしにだれかがきて、たてたんだってー!』
とってもふんわりとした妖精さん達の回答……謎に謎が重なった様な気もするけれど、でも妖精さん達は納得している模様。
「あー……そうでしたか。まぁ、何にしてもこの先に美味しい物があるという訳ですし、それを獲りに行く為に頑張りましょう」
ロウランの苦笑、妖精の笑顔……ともあれ、イレギュラーズ達は妖精さん達との会話を楽しみながら、遺跡の奥へとさらに進む。
……そして、数回の階段を上り、部屋の大きさもかなり狭くなった壁に設置された扉には、鳥のようなレリーフが刻まれている。
「んー……もしかして、ここかな? ちょっとまって」
ルフナはそう言いつつ、式神を使役し、その壁に向かわせる。
すると白煙が立ち上ると共に……扉から解き放たれるガーゴイル二体。
ガーゴイル達は大きく羽ばたき、高い怪音波を鳴らして、仕掛けてきた者を魅了に捉えようとする。
……だが、勿論それは囮であり、効果は無し。
さらにそれを補助する様に石像も続けて姿を表し、仕掛けてきたイレギュラーズを亡き者にしようと攻撃を繰り出してくる。
「っ……絶対にこの先は通さない……!」
前に出てくる石像とガーゴイルを、全力で抑え込むサイズと、イズマ、アルテミア。
前線三人が確実に敵を押さえ込む事により、妖精さん達へ攻撃を通す事もない。
そして怒りで以て敵を惹きつけつつ、一匹ずつ石像とガーゴイルを倒して行く事で……最後の扉を護るガーディアンズを、全て仕留めて行くのであった。
●虚構の先に
そして……。
「ふぅ……どうにか、倒せましたね」
と、安堵の息を吐くは、ルリア。
「そうですね……さぁ、妖精さん。この先に美味しい作物が実っているんでしたよね? あともう少し……頑張りましょう」
そう妖精さん達を促すサイズに、周りの妖精さん達は。
『あ、うん! ほんとう、いれぎゅらーずのみなさん、つよくてたよりになるの~!』
『ほーら、こっちこっちーなの!!』
パタパタと先陣を切って飛んでいく妖精さん達を追いかけるように、イレギュラーズ達もその後を追いかける。
……すると、清流の流れる音と共に、その清流の水を育みすくすくと成長している大樹。
その大樹からぶら下がるのはスイカや、トマト、サクランボに苺。
さらに、周りの地面に花が咲き、その下にはキュウリやジャガイモ。
さらに瑞々しく、丸々と育ったキャベツ……と、イレギュラーズ達の住まう世界とは多少違う形式で育っているのもまま多数。
こんな人気の無い離れた洞窟の中に、そう育っている作物に妖精さん達は。
『ほらほら、こーんなにいっぱい!! すごくおいしいおやさいいっぱいなの!!』
とっても嬉しそうな妖精さん達の笑顔。
「そうか……空気が澄んでて、水が綺麗な場所、か……」
「そうね。人が来る事も、あんまりなさそうだし……妖精さん達の隠れた畑……という感じかしらね?」
「そうだな。折角だ、此処は常春だけど、暖かい料理に向いた作物とかあったりしないかな? 例えば水菜とかにんじん、キノコとか」
『えーっと……にんじんはこっちのほうにあるの!!』
イズマとアルテミアの言葉に、妖精さんはちょっと考えつつ、その袖を引っ張ってにんじんが実る下へ。
一本掘り出してみると、しっかりと実が付いた太いにんじん。
「これは美味しそうなにんじんですね。ジャガイモもあるし……これなら、カレーが出来そうね!」
『カレー……うん、それもおいしそうなの!!』
思い浮かんだとばかりに笑みを浮かべた妖精さん。
そしてイレギュラーズ達は、妖精さん達と一緒に作物の収穫を開始。
妖精さん達からすれば、一つ一つの作物はかなり大きくて、持って帰るのも一苦労。
そんな妖精さんが一生懸命収穫した作物を、持ち込んだ籠に入れて、持ってあげるのはニルと、ロウラン。
「おやさい、妖精さんだけだと持ちきれないですよね? ニルもいっぱい一杯、抱えて持ちますね?」
「そうですね。美味しいものは分かち合ってこそ喜びも増えるというものです。妖精さんのお料理、楽しみです」
……そして、満遍なく作物を収穫した所で。
「さて、と……これ位でいいかな? それじゃ、無事に実りも手に入ったし、妖精さんの村へ行って、ご飯だね」
『うん。頑張って作るの!!』
ウィリアムの言葉にうんうんと頷く妖精さん。
そして……来た道を帰り、妖精さんの村へ。
『それじゃ、腕によりを掛けて作るの。楽しいにしてて、なの!!』
『おーーー!!』
何人もの妖精さん達が、えいえいおー、と声を合わせて料理作りを開始。
そんな妖精さん達の可愛い仕草に、ニルとフロルが。
「ニルも、お料理手伝います!」
「うむ。わしもじゃ。皆への礼をしたいのは、わしも同じじゃからな?」
と手伝いを進言。
『あ、でもー……ありがとうをつたえるのに、てつだってもらうの、もうしわけないの……』
妖精さんは、ちょっと申し訳無さそうに言うが、ニルは。
「きにしないでください! ねえ、妖精さんはどんなふうにお料理するのですか?」
そう妖精さんの料理の仕方を観察すると共に、一緒に料理を開始。
「ふむ……どれも新鮮な野菜じゃ。ならば、その素材の味を活かす方が良いじゃろう」
一方でフロルは野菜に塩胡椒や出し汁など、素材の味を活かす方法での調理を開始。
その一方で、ルフナは野菜を幾つか手に取り、パパパッ、と刻んで、和える。。
「うん。やっぱりこういうのは、サラダがいいかな? 妖精達も、そういうのが好きみたいだし」
そんなルフナの言葉に妖精さんは。
『うん、しぜんいっぱい、とってもおいしいの!』
こくこくと頷く。
そんなサラダやアルテミアのカレー等、皆で協力し、料理を一杯作る。
並ぶと壮観……さらに香りも香ばしくて。
「妖精さんが思いを込めた料理なら、それはきっとおいしいのってわかるのですよ!」
「そうですね……妖精さん、ありがとうございます……」
ニルに微笑むルリア、そしてウィリアムも。
「そうだね。それじゃ、冷めないうちに頂くとしようか。ルリアも、妖精さんの話を持ってきてくれて、ありがとう」
「いえ……妖精さんが困っていると、見過ごせなくて……」
ウィリアムの言葉に、恥ずかしそうに笑顔を浮かべるウィリアム。
そして料理に舌鼓を打ちながら、妖精さん達とささやかな一時を楽しむイレギュラーズ。
なんの気もなしの会話をする中、イズマの腰に下げた楽器に気付いた妖精さんが。
『……それ、なーに?』
と問い掛けるとイズマが。
「ん……? ああ、これは楽器だよ。演奏しようか?」
と提案し、拍手する妖精さん達。
……その演奏に身を傾けつつ、サイズは一人気付かれないよう、その場を離れる。
「……本当に、あそこには謎が一杯だな……何か分かればいいんだが……」
再び遺跡へ戻り、調査するサイズ。
妖精郷にある人サイズの遺跡、という奇妙な謎が潜むこの場所に、何か手がかりか無いか……と探し始めるのであった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
妖精さんの誘いに乗って頂き、ありがとうございました!
今回は美味しい美味しい食べ物を皆仲良く食べることが出来て、とても楽しかったです……!(ルリアも、そして妖精さん達も)
GMコメント
皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
朝夜は常春の世界に引っ越ししたい……今日この頃ですね。
●成功条件
妖精さん達と一緒に、遺跡を突破して奥にある果物を採取してきて、妖精さん達のお料理に舌鼓を打ちましょう!
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●周りの状況
突破する遺跡ですが、妖精郷にありながら人が探索するのに適する大きさをしています。
なので皆様が苦難する事も無く遺跡探索は十分可能です。
遺跡自体は山にもたれ掛かるように存在しており、遺跡を登っていけば山の洞窟へと辿り着けます。
しかしながら、中にはガーディアンと呼ばれる守護者と共に、幾つかの罠が設置されています。
これら罠は、皆様ならば耐えられるでしょうが、妖精さん達はひとたまりも在りませんので、妖精さん達を護る様に行動していただけると助かります。
罠は足元が抜ける落とし穴(これは妖精さんはそこまで被害無いかもしれませんが)と、突然出入り口が閉鎖されて毒ガスが充満して数分耐える罠、そして矢が四方八方から吹き飛んでくる罠の三つです。
また、その罠が発動しながら敵が出てくる事もありますので、複合的に対応出来るようにする必要があります。
尚行き着いた先の作物は、『スイカ』『キャベツ』『キュウリ』を想定していますが、プレイングで提案頂ければ採用させて頂きます。
戻った後に、妖精さん達と一緒にお食事を作るようならば、それら食材で作ってみて下さいね。
●討伐目標
・遺跡を護るガーディアン『石像』 x 3体ずつ
遺跡を守護する為に動く魔法兵器です。部屋毎に3体ずつ出て来ます。
どうして石像が動いているかの原理は分かりませんが……少なくとも敵対者と認めた者を殺すために動きます。
特殊な能力は無いものの、岩石で出来た拳で殴り掛かってくるので攻撃力が高いです。
反応速度は遅い(0扱い)ですが、体力が遙に高いので、しぶとい相手となります。
・遺跡を護る門番『ガーゴイル』 x2体
洞窟に立ち入る直前に現れる最期のボス的存在です。
上記ガーディアンと同時に出現します。
彼らは飛行能力を持ちますので、前に立ちふさがるなどはほぼ意味を成しません。
またその口から怪音波を放つ事で攻撃を行います。
攻撃としては衝撃波(単体遠隔・『混乱』BS)、悪魔の視線(遠隔範囲、『石化』BS)、怪音波(遠隔範囲、『魅了』BS)の三つです。
防御力は低いですが、それ以外の能力は総じて『並』となります。
それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。
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