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シナリオ詳細

枯れ果てた島に捧ぐレクイエム

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●今は枯れ果てた島にて
 アニュイ島。
 そう呼ばれる島が、海洋には存在した。
 かつては夜光鋼と呼ばれる蓄光性のある金属が産出する鉱山島として知られた場所だ。
 隆盛を誇ったのも、遠い昔。
 すでに夜光鋼を取り尽くし枯れ果てたアニュイ島に残る者は無く。
 それでもと、ただ1人の男だけがそこに残った。
 この島は死んでいないのだと。
 まだやれることはあるのだと。
 そう主張した男は、島に残り続けた。
 誰もが男を笑った。
 アイツはあの島で死ぬのだと。
 誰もが、男のことを忘れた。
 ……そして、誰もが笑ったように男は死んだ。
 ただし、人々の想像とは違う形で。
「……チッ、死んじまったか」
「ジジイが。大人しくお宝の秘密を喋りゃあ、もっと楽に死なせてやったってのによ」
 髭面の男が舌打ちをすると、部下の男が笑う。
「はははっ、どっちにしろ殺すんじゃねーですか」
「当然だろお? 権利がどうのこうのって言われちゃウゼエからな。しっかりぶっ殺しとくのも仕事の内だ」
 そう言うと、男達は老人……老人となってしまった男の家の中をひっくり返し始める。
「ヒントになるものは全部集めろ! ただの石っころだと思っても見逃すんじゃねえぞ!」
 一体何を探しているのか。
 こんな枯れ果てた島に何の用事なのか。
 その答えは、髭面の男の口から語られる。
「夜光鋼の鉱脈、ねえ……まさかそんなもんが新しく見つかるとはな」

●アニュイ島へ
「事件です」
 チーサ・ナコックはそう言うと地図を取り出した。
「アニュイ島……そう呼ばれる島があるです」
 かつては夜光鋼と呼ばれる蓄光性のある金属が採掘された島だ。
 希少金属の1つである夜光鋼は今ではほとんど採れないとされており、その価値は宝石に近いものとなっている。
 その産出地であったアニュイ島も夜光鋼が採れなくなってから久しく、今は老人が1人住んでいるだけの、そんな島になっていた。
 しかし……ある日、「アニュイ島産の夜光鋼の原石」とされるものが海洋に持ち込まれたのだ。
 それは確かに夜光鋼の原石であり、その小さな原石であっても大きな騒ぎになる程の価値があるものだった。
 それはアニュイ島に住む老人と物資などとの物々交換で手に入れたものであるらしく、持ち込んだ男は騒ぎの中で「事故死」し、夜光鋼の原石も闇から闇へと消えた。
 だが、それで騒動は終わらなかった。
 すでに真実を知る男も夜光鋼の原石も何処かに消えうせ、「アニュイ島で夜光鋼がまだ採掘できるらしい」という真偽不明の情報だけが広まってしまったのだ。
 そして……ロクでもない連中がその島にすでに向かった、とも。
「恐らく最悪の事態はもう起こっているです。それについてはもうどうにもならないですが……この騒動の真実だけは、明らかにしなければならねーです」
 そう、まずはアニュイ島に乗り込んだクズを排除し、夜光鋼の鉱脈についても調査しなければならない。
 それが、この騒動を終わらせる唯一の手段なのだから。

GMコメント

イズマ・トーティスさんのアフターアクションに伴うシナリオです。

アニュイ島はちょっと大きめの島ですが、その大半は岩肌の見えた禿山です。
残りの部分は全て、かつてアニュイ島が採掘で栄えた頃の町……の残骸です。
此処に住んでいた老人の家は港の近くでしたが、彼はもう死んでいて死体も放置されています。
家もかなり荒らされているようです。
坑道には町の奥から入れますが、古いトロッコの線路もあるようです。
探せば何処かにトロッコもあるかもしれませんが、修理が必要な可能性があります。
なお、坑道は山の中へ地下へと相当複雑化しています。

●今回の登場人物
・老人
名前はルード。殺されてしまったため故人です。
彼の霊は、家には居ないようです。
自分の死体を見つめるのが辛いのか、あるいは何か他にあるのか……。

・悪人ども×30
海洋の何処かの町に根城がある犯罪組織です。
夜光鋼が採れるかどうか探っているようです。
シミターで武装しています。

・ゴーレム×不明
何が原因か、坑道内で生まれたと思わしきゴーレムたち。
硬くてタフです。かなり縄張り意識が強いようです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

  • 枯れ果てた島に捧ぐレクイエム完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年11月02日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
防戦巧者
日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
天城・幽我(p3p009407)
孔雀劫火
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
リュビア・イネスペラ(p3p010143)
malstrøm

リプレイ

●夜光鋼の眠っていた島へ
 アニュイ島。そう呼ばれる島がある。
 かつては夜光鋼と呼ばれる蓄光性のある金属が採掘された島だ。
 希少金属の1つである夜光鋼は今ではほとんど採れないとされており、その価値は宝石に近いものとなっている。
 その産出地であったアニュイ島も夜光鋼が採れなくなってから久しく、今は老人が1人住んでいるだけの、そんな島になっていた。
 しかし、その老人も殺され……今となっては、悪党どもが潜むだけの場所となり果てていた。
 朽ちかけた港から降り立った『malstrøm』リュビア・イネスペラ(p3p010143)は、その寂しげな島の様子をじっと見つめる。
「色々、大変だよね」
 ポツリと呟いた言葉は、まさに全員の気持ちの代弁でもあるだろうか。
「賊が出て人死にが出てるのもそうだけどさ。実際どの位残ってるのやらって感じだけど、売り物になるほど鉱脈が残ってたら管理の話だけで面倒になるだろうし。好き勝手言うなら、後腐れを無くすなら鉱石は出てこない方がいいんじゃないか、とすら思うよ」
 そう、鉱石がまだ出るかもしれない……というだけでこうなったのだ。
 ならばいっそのこと、リュビアの言う通りに鉱石など出てこない……鉱脈が枯れ果てていた方が、きっと良いのだろう。
「ただの噂だけで人を殺し島を荒らすか。信じられないよ」
「うん。島に住んでいる人の命を奪ってまで稼ぎが欲しいなんて……救いようのない人種ってそういう人たちのことを言うんだろうね。おじいさんもさぞ無念だったことだろう……早くこの騒動を終わらせないとね」
「我が物顔をしている悪人どもをとっちめてやらなくちゃね。それがルードさんへのせめてもの手向けだ」
『若木』秋宮・史之(p3p002233)に『孔雀劫火』天城・幽我(p3p009407)も頷き、今回の騒動のことを思う。
「夜光鋼っスか、そんなのがあるんスね」
『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)はそんな事を言うが、それが現代においては普通の反応だ。
 元々そんなに産出量も多くなく、獲り尽くされてしまったが故に出回らないからだ。
 出回らなければ、知る者が減るのも当然のことだ。
「夜光鋼って海洋で採れたんだな。もう掘り尽くしたって言うけど……噂で悪人が集まるほどに貴重だったとは」
「夜光鋼っていうと……前にヤドカリ連中とやり合って守った灯台にあった、あれかい。俺にはただの光る石にしか思えねぇんだがねぇ。世の中何に高値がつくかわからんモンだ」
「んで、それについての真偽も怪しい話に乗っかった賊が好き放題、と。まったく……欲に目が眩んだ奴ってのはロク事しないっスね」
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)と『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)の話を聞きながら、葵も頷く。
「きらきらの宝石みたいな石は気になるけど、その為におじいさんの命奪って、島も荒らして何が残るのかしら」
『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)がそう言うが……きっと、何かを残すなどということは考えていないのだろう。何もかもを奪い尽くして、それで何もかもが消えてもどうでもいいのだろう。
「あー……鋼? がなんとか、みたいなのは僕にはよく分からないんですけれども。うぅん……いえ、そうですね。悪人というのは基本的に好かないので。この海を好き勝手されるのも困りますし、とっ捕まえてしまいましょう」
『よく炙られる』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)がそう言って、葵も気合を入れる。
「あのジイさんの為っス、ここでキチッと解決して成仏させてやろうぜ」
 そう、此処で悲劇も事件も終わりにしなければならない。
「ええ、ルシェたちに出来るのは、おじいさんがゆっくり眠れるお手伝いと鉱脈の調査ね! 頑張るわ!」
 言いながら、キルシェは目の前にある老人の家を見上げる。
 扉も壊され無残な姿を晒しているが……何かの情報はあるかもしれない。
「まずはおじいさんのお家ね! おじいさんいないの?」
「……霊は、此処には居ないみたいだね」
 幽我の霊魂疎通に反応する霊は居ない。
 老人の無惨な遺体はあるが……ただそれだけだ。
「うーん……できることなら先にお墓を作るだけでもしてあげたいけど」
 悪人どもを逃がすリスクを考えれば、後で埋葬するしかなさそうだ。
「ねぇみんな。ここに住んでいたおじいさん、どこに行ったか知らないかしら?」
 ようやく見つけた精霊にキルシェは聞いてみるが「たぶん坑道ではないか」といった返事が返ってくる。
「後ルシェたち坑道行くんだけど、おじいさんが使ってた地図とかあったら教えて欲しいわ」
 これに関しては「持っていかれてしまったが、坑道までの地図はある」という返事が返ってくる。
 なるほど、部屋の中は相当荒らされている。それこそ地図の類は全部持っていかれてしまったのだろう。
「死人の家を漁るってのは気が引けるが、流石に坑道に何の準備もなしに入る訳にもいかねぇんでな」
 とはいえ、家の中のもの全てが持っていかれたわけではない。
 工具やロープ、道中の明かりに使えそうなものを縁は探し、借りていくことにする。
 幸いにも悪漢どもは、そういった道具類には興味がなかったようだ。
「全部終わったら、おじいさんの遺体ちゃんと埋葬してお家も綺麗にしたいわ」
「そうだね。そうしよう」
 キルシェに幽我も、そう頷き答える。
 今はこのままにするしかないとしても。老人は、弔われるべきなのだから。

●夜光鋼を探して
「やー、まさか本当に入り口にいるとは思いませんでしたね」
 目の前で倒れている盗賊たちを見下ろしながら、ベークが呆れたように呟く。
 どうやら見張り役といったていでサボっていた者達が相当数いたが……然程の苦労もしなかった。
「まあ、集団行動が出来るか分からないとは思ってましたが……」
「ち、ちくしょう……こんな事してただで、済むと……」
 言いながら気絶した盗賊を見下ろし、史之は侮蔑の目を向ける。
「言われずとも、ひとりも逃さないよ。覚悟するんだな! おまえたちがこれまでしてきたことのツケを払うといいさ!」
「おじいさんにあんな仕打ちをしたんだ、報いを受ける覚悟は当然できていると見なすよ。殺される覚悟もなく殺すなんてしないよね?」
 幽我もそう言うが……出来てはいなかっただろう。
 こういう類は、自分の命は計算から外すものだからだ。
 それでも生き残った盗賊がいるのは「ここで起こった事を証言させねぇとならんからな」という縁の提案に全員が乗ったからに過ぎない。
 それに気付き、溜息をつきながらも幽我は梟のファミリアーを召喚する。
「何かあったら鳴いて知らせてくれるように言い聞かせておけばすぐに対応できるんじゃないかな」
「私も精霊さんに色々聞いてみるわ!」
 坑道内にも何かの精霊は居るだろうとキルシェがそう言って、リュビアも坑道の中を覗き込む。
「注意すべきは暗さと狭さかな……まあ最低限の灯りとかあれば持ってきたもので暗さは対応できると思うけど」
「カンテラもあるし、俺には暗視もある。どうにかはなるだろうさ」
 イズマもそう言って、カンテラの明かりを点ける。
(俺も、夜光鋼があるか確かめたくてここに来た。だが、悪人のような意地汚い真似はしない。俺も身体の一部は鋼だからな。同族のよしみ……ってわけじゃないが、気になるんだ)
 夜光鋼。あの船の無事を祈る灯台で使われていた金属。
 その金属を巡って争いが起きているのは皮肉としか言いようがないが……。
「……ヒントになりそうなものは、ないか。なんだこれ、金目のもの? なんていうか、とことん……」
「クズだな、こいつらは」
 盗賊が老人の家から持ち出したであろう何らかのヒントを探していたリュビアだが、銀製のスプーンなどを見つけて思わず嫌な気分になってしまう。
 縁も同じ気分のようではあるが……とにかく、役に立つ者は中に入っていった「やる気のある」盗賊が持っているのだろう。
 そうして、暗視を使えるイズマを先頭に坑道へと潜っていく。
 辿るのはトロッコの線路であり、それには当然狙いがあった。
「迷いにくくするためと、トロッコ本体を見つけるのが狙いだ。坑道の広さがわからねぇ以上、まともに歩いて進むのは面倒――あぁいや、効率が悪いだろ」
「それに複雑とはいえ、トロッコの線路を頼りに進めば多少は迷わずに行けるっスね」
 そんな事を縁と日向が言っていたが……盗賊どもを追うにしても、線路を使うのは非常に効率が良いだろう。
 史之のエネミーサーチと超方向感覚もあり、同じ場所をぐるぐる巡るといった事態にもなりそうにはない。
 マッピングまで担当しているのは、流石の気遣いだろうか。
 しばらく歩いていると、壊れたトロッコが線路の脇に放置されているのを発見する。
 形自体は綺麗なようだが……幸いにも他にも壊れたトロッコはあるし、老人の家から借りてきた工具もある。
 縁が修理を施せば、すぐにトロッコは使えるようになる。その様子を、リュビアも驚いたように見ていた。
「流石だね……放置するしかないと思ってたよ」
「ま、このくらいはな。よし、これで後は乗っていきゃぁいい。ゴーレムどもも振り切れるだろうよ」
「そうですね、積極的に壊す理由もありませんしね。稼働領域に入らないようにするのが一番ですが」
 ベークも頷き、トロッコに触れる。今後の事も考えれば、ゴーレムは守護者と考えて手を出さないのが一番だ。
「しかし……」
 言いかけて、ベークはやめる。
 死んだ老人以外の霊がいないかとずっと探っていたが、此処には何もいない。
 もしかすると、此処が捨てられた島であるせいかもしれない。
「何にせよゴーレムと夜光鋼が紐付けられる事も考えると……戦闘はしなくとも体をよく見ておく必要はあるっスね、余裕があればやっておくか」
「そうだね。トロッコがあるならその余裕もありそうだ」
 日向にリュビアも頷き、そうして全員がトロッコに乗り線路を走る。
 ゴウゴウ、と風を切って走るトロッコは速く……時折、ゴーレムのいる側を通り過ぎていく。
 その途中、壊れた武器や殴り殺されたと思わしき死体を見るに……盗賊たちにはゴーレムの存在は予想外だったのかもしれない。
 まあ、どのみち弔う必要性すら感じられないが……転がっている明かりが、彼等の墓標になるのだろう。
 そうして、トロッコの進んだ先。その終点に……ベークと幽我は1人の老人の背中を見た。
 いや、誰もがその老人の姿が見えていた。余程想いが強いのだろうか。
「ルードさん……でいいのかな?」
「ああ」
 史之の言葉に老人……ルードは振り返らず、しかしそんな明確な返事が返ってくる。
「貴方は、何を望んで此処に住んでいたんだい?」
「……此処が儂の終の棲家だ。捨てるなど考えられん。儂の全ては、この島にこそある」
 なるほど、此処への思い入れが強すぎたのだろう。
 それが彼を、此処に縛り付けた。
「それで……夜光鋼の鉱脈はあったのか?」
「鉱脈は、あると儂は思っている。判断するに足る証拠もある……故に、それを証明したかったが……間違っていたようだ」
 それ故に悪人を呼び、それ故にルードは死んだ。
 その結末を知っているイズマは、静かに祈りを捧げる。
「オレとしては夜光鋼の鉱脈があろうとなかろうと、どっちでもいいっス」
 葵は、本当にそう思っているからこそカラッとそんなことを言い放つ。
「これはきっと、あったとしても残しておくべき物だと思うんスよ。調査報告には「全部土と岩だらけでガセだった」とでも言っとけばいいっスよ」
「ああ、俺もそう思ってた。夜光鋼の原石はなかったと報告書を作るつもりだった。もしも夜光鋼が見つかったとしてもそうする」
 史之も同意し、イズマも縁も……全員が頷く。
 結局のところ、それが一番なのだろう。
「ねえ、おじいさん」
 キルシェが思いついたように、声をあげる。
「おじいさんも一緒に坑道巡りどうかしら? 坑道全部巡れたら、おじいさんも心残りなく眠れると思うの」
「そうだな。それもいい。儂は死んだ。盗賊共も死んだ。ならば儂も消えるべきなのだろうさ」
 ありがとうよ、お嬢ちゃん……と。そう言い残してルードの霊は消えていく。
 そこには何も残らず……ただ、坑道の橋が残るのみだ。
「荒らされちまった爺さんの家を片づけるか。もう住むやつはいねぇし、依頼にも含まれてねぇが……ま、たった一人の“守人”への敬意と手向けってとこかね」
「ええ、頑張って片付けましょうね」
 縁とベークがそう言って身を翻し、全員が再びトロッコへと乗る。
「おじいさんの住んでいた家をできる限り綺麗にしてあげよう。弔いもできてないならそれも一緒にね……安らかに眠ってくれるように祈るよ」
 幽我の祈りに、イズマも続く。
 夜光鋼のことは気になるが……きっと、これで良いのだろう。
 トロッコに乗る前に、ふと振り返って。そこに……微かな発光を見て。イズマはハッとする。
 なるほど、ルードの言っていた事は正しかったのだろう。
 あるいは……再びこの島が正しく賑わう未来も、あったのかもしれない。
 進むトロッコに乗りながら、リュビアは思う。
(何かがあったとしても、何もなかったとしても。ボクは、この島の事を、覚えておきたいと思う……それがきっと、望まれていたことだと思うから)
 アニュイ島。
 やがて、その名前すらも朽ちていくであろう島。
 あるいは、いずれ違う名前と役目を得て新生するかもしれない島。
 しかし、それを覚えている者が居る限り……アニュイ島は、いつもそこに在り続けるのだろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
事件を見事解決しました!

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