PandoraPartyProject

シナリオ詳細

お魚パニック!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●伝承の港町にて
 伝承に存在する港町で、1人のNPCが声を張り上げていた。
「魚獲りに興味のあり方いませんか? 美味しい報酬もありますよー!」
 魚釣り……ではなく魚獲り。ちょっと不可思議な響きではある。
 興味をもった何人かのアバターが立ち止まり、NPCの話を聞き始める。
 NPCの名前は「魚屋の少女」である。
 釣りに必要なアイテムなどを売っているNPCだが、今日は珍しくクエストの呼びかけをしているようだ。
 だが……「釣り」ではなく「獲り」というのが如何にも不穏だ。
 すでに何人かのアバターはいつでも何処かに行ける姿勢になっている。
「魚獲りって……なんだ?」
「はい、言葉通りです! ちょっと新鮮なお魚が足りなくて、獲ってきていただきたいなって思うんです!」
「釣りじゃなくて獲りってことは……」
「はい! 小舟で行った先にある海底洞窟に獲りに行っていただきたいなって!」
 この時点で何人かが逃亡する。
 海底洞窟。そう呼ばれるフィールドは確かに海産物系のモンスターが出るが、クエストになるということはきっとロクでもない何かが出る。
 そんなリスク管理の結果であった。
「獲ってきてほしいのは、そんなに難しい魚じゃないんですが……受けて頂けますよね?」

●とってきてほしいお魚とは
 残ったアバター達を前に、魚屋の少女はニコッと笑顔を向けてくる。
「今回獲ってきてほしいのは『魚肉』なんです!」
 魚肉。魚系モンスターからドロップするアイテムだ。
 何から獲れても「魚肉」になる不思議なアイテムだが、このアイテムから様々な魚料理も出来るという、本当に不思議なアイテムだ。
 しかし、確かに然程難しい要求ではないように思える。
「実は海底洞窟に捕食者が出たみたいで、ブルーフィッシュが激減しちゃってるんですよ」
 ブルーフィッシュ。魚肉狙いであれば当然狙うべきモンスターが減ったというロクでもない情報を、魚屋の少女は平然と口にする。
「捕食者を倒せなんて言いません。それに見合う報酬も出せませんし。ですから、捕食者の目をかいくぐって魚肉をとってきてほしいんです」
 ならば出せる報酬とは何か。
 そう聞くアバターに、魚屋の少女は笑顔でこう答える。
「新鮮寿司です! 通常であれば『米』も必要になるところを、今回は大サービス! 魚肉だけで作っちゃいます!」
 新鮮寿司。作成難度が高い美味な料理の1つだ。
 それを「魚肉」を持ってくるだけで成功率100%で作ってもらえる。
 これは……相当に「美味しい」クエストだ。
 集まったアバターたちは、誰もがそう感じていた。

GMコメント

●クエスト名:お魚パニック!
●成功条件:NPC「魚屋の少女」に「魚肉」を30個納品する。
●報酬:残った魚肉分の「新鮮寿司」。食べるとなんか幸せ。10個で「新鮮寿司セット」になります。食べると凄く幸せ。
●対象フィールド:海底洞窟
 小舟で行った先にある小さな島の洞窟。今回の対象は1~3階層。
 足元が水没した洞窟で、地下に潜れば潜る程敵が強くなります。

●登場する敵
・ブルーフィッシュ:全長1Mの青魚。空中もスイスイ泳ぎます。めちゃ弱。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率大。出現確率:極低。
・レッドフィッシュ:全長1Mの赤魚。空中もスイスイ泳ぎます。それなりの強さ。水流ビーム攻撃。魚肉ドロップ率:小。出現確率:大。
・カニモンスター:全長1Mのカニ。ハサミで凄く挟んできます。ちょっとタフ。ハサミ攻撃。魚肉ドロップ率:極小。出現率中。
・カエル人間:全長2Mの二足歩行のカエル。2階層以降に出現。ホーミングバブル攻撃、ビンタ攻撃。ちょっと強い。あとキモい。魚肉ドロップ率:中。出現率:低。
・捕食者:全長4Mのヤドカリ。ホーミングバブル攻撃、体当たり。馬鹿みたいに強い、逃亡推奨。動きは遅め。魚肉ドロップ率:確定。出現率:1~3階層合わせて1体だけ存在。

●サクラメントについて
港町にあります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • お魚パニック!完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月30日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リュート(p3x000684)
竜は誓約を違えず
シラス(p3x004421)
竜空
九重ツルギ(p3x007105)
殉教者
とっかり仮面(p3x007195)
よう(´・ω・`)こそ
ダリウス(p3x007978)
尾を喰らう蛇
カノン(p3x008357)
仮想世界の冒険者
イズル(p3x008599)
夜告鳥の幻影
天狐(p3x009798)
うどんの神

リプレイ

●海底洞窟へ
 小舟に乗って向かった先の小さな島。
 その中央に海底洞窟と呼ばれるフィールドは存在している。
 今回のクエストはNPC「魚屋の少女」に「魚肉」を30個納品するというものだが……何気に30は結構な個数ではある。
 まとまって動いても、数を集めることはできない。
 その為、AチームとBチームに分かれることが決定していた。
 まずAチームは『竜空』シラス(p3x004421)、『ワモン・C・デルモンテのアバター』とっかり仮面(p3x007195)、 『バンデッド』ダリウス(p3x007978)、『きつねうどん』天狐(p3x009798)。
 そしてBチームは 『食いしん坊ドラゴン』リュート(p3x000684)、『アルコ空団“輝翼”』九重ツルギ(p3x007105)、 『仮想世界の冒険者』カノン(p3x008357)、『夜告鳥の幻影』イズル(p3x008599)。
 互いに手分けして魚肉を集めるということで、シラスたちは海底洞窟の入り口で最終確認を終えていた。
「お魚っす!! すぐに食べたいけど我慢するっす! なんたって我慢したらもっと美味しいもの食べられるッスからね!!!!!!」
 お腹をすかせたドラゴンは凶暴なんだぞ、などとリュートが言っているが……概ね似たようなテンションの者も多い。
「イズル、預かってもらえるか? 好きに扱って良いからさ」
「連絡用か……このミニシラスドラゴン撫でてもいいの?」
 シラスはイズルにミニシラスドラゴンを渡し、軽く頷く。
「一方通行だが話しかけてくれたら俺には聞こえる。加えて五感も共有できるから様子も分かるし、本体の俺と分身の『超方向感覚』で互いの位置も多分把握出来るだろう」
 そう、分かれて動く以上は連絡手段は必須だ。シラスの「ミニシラスドラゴン」は、何かあった時の重要な役割となるだろう。
「ひゃっはー! 魚だー! アジ! イカ! 腹が減るぜ! 魚とりまくっていっぱい美味い寿司食うぜー!」
「さぁ! いざ往かん、栄光の海鮮ロード! 腕が鳴るのぅ!! 浅めの階層で2手に別れて効率よく突き進むぞい!」
 そんなとっかり仮面の掛け声と天狐の最終指示が飛び、全員が奥に進んでいく。
 そう、同じ場所で狩っても何の意味もない。
 だからこそA班とB班は海底洞窟に入るなり分かれていき……A班は足元の水没した海底洞窟をチャプチャプと進んでいく。
「よーし、たくさん寿司くいてーからいっぱい魚狩ろうぜー!」
「要は出来る限り倒し続けりゃ食い放題とか最高じゃねぇか! クキャキャキャキャ!」
「まあ、そうなるな」
 豪快なことを言うとっかり仮面とダリウスにシラスが頷くが……本当にその通りなのである。
 此処に出てくるモンスターは皆、魚肉を一定確率でドロップする。
 だから倒して倒して倒し続ければ、理論上は食べ放題なのだ。
 そして、ダリウスは自分は前兆の消失にて気配と足音を消し、姿勢を低くし敵に見つからぬ様注意しながら移動を行い、足元まで水がある以上引き抜いたりすると音が発生する為、水や石で滑らないのも含め摺り足状にしバシャバシャ音を立てぬ様注意するといったような工夫をしていた。
 これはA班の面々が結構目立つような動きをしてくれている為、奇襲、そして強襲要員としてのポジションを更に確立する手助けとなっていた。
 空中を飛翔する存在もいる為、遮蔽物に隠れつつ観察もしていたが……とりあえず1階層には、こちらを見るなり襲ってくるようなモンスターはいないようであった。
「あーあ、自慢の羽が磯臭くなっちまうぜ」
 シラスはスペースが許す限りは少し浮いて歩こうとしていたが……それでも、この洞窟内の海の匂いを完全に消すには至らない。
 ちなみにだが、狙いはレッドフィッシュだ。
 よくエンカウントするエリアがあればそこに留まり出なくなったら移動。『超方向感覚』を頼りに無駄なく探索範囲を広げていきたい……と、そんなことをシラスは考えていた。
 その為に天狐も『エコーロケーション』で洞窟内の構造や生物の位置に大体の大きさも探知していくつもりだった。
「ヤバい奴は確か4mもの大きさなんじゃろう? 流石にそれは避けねばなるまい」
「情報だとそうなっているな」
「うむ。それに洞窟内の構造をある程度把握しておけば行き止まりや逃走経路も何とかなるじゃろうて!」
 そんな事を言う天狐にダリウスもとっかり仮面も頷き、シラスも態勢の盤石さを再確認するが……そんな天狐はどうにもこうにも光っている。
「目指すは大漁……ッ! 圧倒的大量……ッ! 捕食者以外は全て魚肉に変えてやるから覚悟せぇよ!!」
 ぺかーっと光っている天狐の言う「捕食者」だが……R.O.Oに付き物のステータスがおかしなことになっているモンスターである。これはA班、B班ともに回避するという事で統一されている。
「『絶対幸運領域』にて幸運パワー全開! さぁ来たれレアモノにレアドロップ! 少しでも運気は上げておくが吉じゃからな! うむ!」
 そう、出現率にドロップ率。様々な確率的なことを考えれば、天狐の言う通りなのだ。
 そして、そのせいだろうか。出現率が低いはずの「ブルーフィッシュ」が空中をスイスイと泳いでいるのを見つけてしまう。
「いやがったあ!」
 ダリウスの突破が炸裂するとブルーフィッシュの姿が消失し、代わりに「魚肉」がドロップする。
 しかも天狐のアクセスファンタズム「麺神の手」の力で様々な種類のうどんが何か1つ確定ドロップしている。
 なんともカオスな光景である。だが……まあ、ドロップ品に食べ物が増えるのは良い事なのかもしれない。
「オラオラー! ぶっとばすぞー!」
 とっかり仮面もやる気満々。
「お、ブルーフィッシュ! こいつが狙い目だからなぁ! 寿司食う為なら逃すわけねぇだろうがよぉ!」
「うむ、魚肉に変えてやるのじゃ!」
 ダリウスと天狐が襲い掛かり、シラスもアクティブスキル3で相手を引き付けるべく動く。
 Aチームの態勢は盤石、この調子であれば目的の魚肉も予想より早く集まるだろうと、誰もがそう予想できた。
「この調子でどんどん魚肉を集めていこう。ひょっとしたら他にも珍しいドロップがあるかも知れない。集めたアイテムの運搬は任せてくれ、俺には『騎竜天恵』がある」
 2階層に行けば、更にモンスターも出てくる。少し強力だが、カエル人間もだ。
「カエル人間がドロップする肉で寿司を?」
 しかしカエル人間の存在を思い出し、シラスはそう呟いてしまう。
「……きっとお魚を集めている魔物なんだろうな……そう思うことにしよう」
「それがいいと思うぜ。たぶん深く考えちゃいけねえやつだ」
 ダリウスにまでそう言われて、シラスは頷いてしまう。
 魚肉の得体の知れなさを含めても、そう考えるのが精神衛生的に良さそうではあった。

●お寿司を目指して進め
 そして、2階層。
「よし、ドロップしましたね」
 倒したカエル人間からドロップした魚肉を拾い上げながら、カノンはそう笑いながらレリックインベントリーに保管する。
 鮮度は大事……つまりはそういうことだ。
 B班の狙うモンスターはA班同様に出現確率が高く、ドロップ率も低過ぎないレッドフィッシュだ。
 A班のシラスは「狙い目」と言っていたが、実際に「魚肉ドロップ率:小。出現確率:大」というのは海底洞窟の中でも結構な狙い目といえるだろう。
「……よく考えたらカニやカエルで魚肉って言えるか疑問ですしね。いや遭遇したら、また撃破しますが!」
 カノンはそんな常識的なことを言うが……まあ、その辺りは深く考えないのが吉ではあるだろう。
 さて、B班はピカピカと光っているA班の天狐と同様にリュートが光っていたが、それだけではない。
 具体的にはカノンがレリックインベントリ―から長靴やランタンと、濡れて冷えても大丈夫な様に携帯用の懐炉も取り出して……まあ、そうやって用意されたランタンの輝きを頼りにしていた。そして、リュートだが。
「この調子で、めざせお寿司! 40匹? いやいやみんながお寿司食べるには110匹いるっすね!!!! 頑張るッス!!!」
 ぺかー、と光りそうな勢いでリュートもそう言い……いや、実際光っている。
「神竜」の効果でぺかーと光っているのだ。後光である。あがめよ。そして喰われよ……と、そんな感じらしい。邪神だろうか?
(心のなかで思ってるけど魚さんは崇めないだろうなぁ。しょんぼり)
 後光がしゅーん、としている辺りちょっとリュートは本気っぽい。
 しかし、そのテンション上げ下げで魚を引き寄せるつもりでもあった。
 ……もっとも、捕食者が来れば逃げるつもりなのだが。
「リュートは食べても美味しくないっすよ!!!」とまあ、そんなわけである。
 さて、ちなみにイズルだが……光っている天狐を見て、アクセスファンタズム「ポーションファウンテン」で気分に応じてカラフルに光るポーションを生成したりしていた。
「夜間の漁船は灯りで寄せたりするらしいけれど、強い光に惹かれるものはいるのかな? ……以前、ジャンプして体当たりしてくるヒトデが光を好んだような。ツルギさんも光ってみるかい?」
「どうしましょうね……」
 無下に断れず、どうしかものかと悩む九重ツルギであったが……実のところ、イズルのことで脳内を埋めていたりもした。
(ROOグルメのご意見番としては、見過ごせない依頼ですね。イズルさんにあーんして貰うためならどれだけ深い場所でも潜ってみせますとも!)
 口には出さず、そんなことを考えているようだったが……周囲の確認を怠っていないあたりは流石だろう。
「見つけた! レッドフィッシュっす!」
 リュートがそう叫び、襲い掛かる。
「何事も全力全壊! 早く倒すことで消耗も防いで狩り遊び効率もアップ!」
 ちなみに生け捕りにしようとしてもドロップ率は上がらないことが分かったので、もう容赦とかはゼロである。
 そうして、あっという間にレッドフィッシュを倒すと……魚肉が運よくドロップしてくれる。
 くれたの、だが。
「……何度見ても思うっすけど。思ったより魚肉っすね、これ」
「ああ、そうとしか言いようがないね」
 ふと呟いたリュートにイズルが頷く。
 そう、魚肉なのだ。赤身でも白身でも光物でもなく。
 なんというか……魚肉、だ。それ以上は何とも呼び難い不思議なアイテムだ。
「料理して貰えるのなら安心だね」
「……え? 調理がNPCでホッとしている? 余り物の魚肉で簡単に作ってしまっても構わないのでしょう?」
「……ツルギさんを信用していない訳ではないよ? でもさ、キミ、時々……いや、結構な割合で、奇食に関わってなかった……?」
 イズルと九重ツルギが、そんな会話を交わす。こんな下手に調理せずとも奇食になりそうなものを前にしては、そうならざるをえないのだが……。
「通常のヤドカリは視覚、嗅覚に優れていると聞きます。つまり奴に気づかれず魚を集めるとなれば、聴覚に訴えるが宜しいかと」
 言いながら、九重ツルギはサイバーカンテラの中から蝋燭を取り出し、代わりにサイバー錆びた画びょうを入れて蓋をする。
「これでラトル音の出る楽器の出来上がりです。振って音を立て、魚達を誘いましょう」
(いっぱい食べる子が多そうだ。合計どれくらい必要かな? 捕食者のせいで減ってるとはいえ、ある程度は再沸きするだろう)
「お魚かじったら回復しないかな? だめ?」と腹ペコらしいリュートを見ながら……イズルは、そんなことを考えていた。
「これだけの大きさの魚類なんですから、1匹で十人前分くらいの魚肉になっても良いと思うんですけどね……」
 カノンがそんな事を言うが……まあ、それは言ってはいけないお約束である。
 そもそも、10人前分のカエル肉とかがリアルに出て来られても、流石に全員食欲を失くしてしまうだろう。
 ……とまあ、そんなこんなで何とか全員食欲を失くさないままに「魚屋の少女」に魚肉を納品完了すると、少女はペカッと笑う。
「ありがとうございます! たくさん持ってきてくれたんですね! これならお寿司どころかセットを作れますよ!」
 そんな事を言う少女を、リュートが上目遣いでじーっと見ていた。食べたいって目で訴えているのである。
 神竜の後光、カリスマも兼ね備えた仔ドラゴンのかわいい姿。
 尻尾もぶんぶん。竜というよりも大型犬のソレ。ドラゴンのプライドどこいったな姿……なのだが。
 少女もさるもの。全く動揺せずに包丁を取り出す。
「さあ、ではご覧ください。私の包丁さばきを! てやー!」
 そしてあっという間に……何故なのかは不明だが、様々な赤身や白身、光物などのたっぷり入った新鮮寿司セットがドカドカと積み上げられていく。
「さあ、召し上がれ!」
「おおー!」
 なによりご飯がいちばん大事なのだ、とリュートがお寿司にかぶりつき、幸せそうな表情になる。
「シラス先輩もたくさん食べるっすよね!!」
「まあな。さあ、腹いっぱい食うぞ」
「オイラアジとイカを多めに食べたいぜー! アジやイカにこだわらない奴いたらネタの交換をしねーか?」
 リュートやシラスがガツガツと食べてもなくならないほどの量の新鮮寿司セットの山を前に、とっかり仮面がそんな提案をしたり。
「さぁ食うぞ食うぞ!せっかく苦労してまで獲ってきたんだ、御馳走位あり付けなくちゃ割に合わねぇぜ! ……と言ってもSUSHI食う時の作法とか知らねぇからそこは雑でも許してくれや!」
 ダリウスがもう我慢できないとばかりに自分の寿司セットを確保する。
「んで食う時は何かショーユーソースにつけて食うんだったか。たかが生魚にコメ合わせた料理がそこまでうまいかってーと新鮮なら美味いんだろうけどそこまでなんじゃねーか?」
 言いながら、ダリウスは寿司を1つパクッと口に入れる。
「うんめぇぇぇぇ!!!! やっっっっば!! 想像以上にイケるぞこれ!」
「確かにこれは凄いです……!」
 目を輝かせるダリウス同様に、カノンも寿司を食べる手が止まらない。
 あの謎魚肉から出来たとは思えない美味しさだった。
「よしよし、ツルギさん、頑張ったね。え? ……仕方ないなあ。はい、ツルギさん、あーん?」
 そしてそんなカノンたちの横では、イズルが九重ツルギの口に寿司を詰め込んでいた。
「もごもご。イズルさんのあーんは身体にいい…少々詰め込み方が豪快なのもご愛嬌です」
「私から見ると、キミはあれこれ抱え込み過ぎて…危うく見えてしまうんだ。多少の無理はしても、無茶はあまりしないで……するなとは言えないけれどね。キミの想いはキミのものだ」
「無茶はしますよ。貴方の相棒ですから。ですからいつも、隣にいてください。そうすれば俺は無敵です」
 そんな、素敵な空間が出来上がっている中……天狐は、余った魚肉で海鮮うどんをこしらえていたりした。
「いやあ、美味いのう! ところで海鮮うどんもこしらえたが……どうじゃ?」
 お腹いっぱいのお寿司と海鮮うどん。
 新鮮で美味しいそれらは……きっと、これからも思い出す素敵な記憶となるだろうことは、間違いなかった。


成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事新鮮なお寿司とうどんを楽しめました!

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