PandoraPartyProject

シナリオ詳細

秋の深緑の幸豊か

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●秋の深緑の幸豊か
『ぷい。ぷぷぷいー!』
 鳴き声を上げて、早朝の深緑の森の中を駆け巡る、白っぽい塊。
 その上に乗って居たのは、小柄なピンク色の神の少女、『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)。
「リチェ、今日はどこに連れて行ってくれるの!?」
『ぷい! ぷいぷぴぷいーー!!』
 ぷいぷい鳴くのは、彼女が小さい頃からずっと一緒のジャイアントモルモット、リチェルカーレ。
 その鳴き声は、周りの人は喜んでる、怒ってる……位しか判断出来ないだろうが、小さな頃から一緒の彼女は。
「そうなんだー! おいしい果物がある所に連れて行ってくれるんだねー!! うん、楽しみ!!」
『ぷーい!!』
 やったぁ、と言わんばかりにリチェルカーレは嬉しく鳴く。
 ……そしてキルシェとリチェルカーレが行き着いたのは、深緑の森の奥。
 そこに育つ木には沢山の果物が実りを迎え、とても深緑の木漏れ日から漏れる朝露に美しく輝く。
「うわぁー……すっごーい!!」
『ぷい! ぷいぷいぷぷいー!! ぷいー……ぷい、ぷいぷい!! ぷいー、ぷぷぷいっ!』
(どう! すごくおいしそうなくだものいっぱい! あ、ほかにもしってるばしょはあるけど、ちょっととおいよ!! でも、そこにはくだものとか、このみとかがいっぱいあるんだー!)
「そうなんだー……あ、それじゃあみんなと一緒に、食べに行こうか? あきのみかく、というもの、美味しいって聞いた事があるのです!」
『ぷい! ぷぷぷいー!!』(うん! いこういこうー!!)
 リチェルカーレが身体を震わせて頷き、キルシェは『深緑でピクニックに行こう!』と、皆を誘うのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回はリクエスト頂き、ありがとうございます!

●成功条件
 基本的には成功ですので、お気軽にご参加下さい。!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●周りの状況
 今回の舞台は深緑の森の中です。
 少し分け入った森の中に、様々な野菜、果物、木の実が成る肥沃な場所がある様で、余りに特殊なものでなければ皆様がプレイングに書いた食材がある様です。
 是非とも相談掲示板にどういった食材があるかを提案してみてください!
 そして、それをみんなで料理して、美味しく食べましょう!
 (なお、森の中なので、火を燃やすとかは難しそうです……小規模の焚き火くらいならOKです)
 
 また、皆様の相棒と一緒に参加OKです。
 今回のキルシェさんは愛モルのリチェルカーレさんを連れていますので、他に参加の皆様も愛ペット等々と一緒にご参加下さいね。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 秋の深緑の幸豊か完了
  • GM名緋月燕
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年10月29日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
夜剣 舞(p3p007316)
慈悲深き宵色
クロエ・ブランシェット(p3p008486)
奉唱のウィスプ
観音打 至東(p3p008495)
ニル(p3p009185)
願い紡ぎ
エドワード・S・アリゼ(p3p009403)
太陽の少年
キルシェ=キルシュ(p3p009805)
光の聖女
※参加確定済み※

リプレイ

●深緑の幸
 深い緑の広がる地、深緑。
 秋の風が穏やかに薫り、絶好のピクニック日和。
「うわー、ここが深緑かーーっ! 深緑って名前の通り、自然がたくさんだな~っ!!」
 両手を広げる『ドキドキの躍動』エドワード・S・アリゼ(p3p009403)に。
「さて……お天気も絶好のお出かけ日和やね」
 と、にっこりと微笑む『暁月夜』蜻蛉(p3p002599。
 そして、目を細めながら『Anonym Animus』観音打 至東(p3p008495)と『夜空見上げて』クロエ・ブランシェット(p3p008486)が。
「そうですねぇ……秋の深緑は、心が癒されますねー。森の散策、小鳥たちの歌、木々のささやき、小川のせせらぎ……そして、川面に跳ねる、深緑名物・あんこくバスのすがた、と」
「……あんこくバス? ……ど、どんなお魚なんでしょう? やっぱりまっくろなのかなぁ? もし釣れたら、見せて欲しいです」
「ええ、勿論ですとも。その為にも、張り切って釣らないといけませんねー。釣って愉しく食べて美味しく、と。これで侵略的外来種でさえなければ、全世界に放流しますのに……という設定の魚がいると、むかーしどこかの与太話で聞いた事があるような、ないような」
「えっ……やっぱり無いんですか??」
「分かりませんねー……私達が知らない魚が居ても、そりゃあ不思議ではありませんしねー」
 くすくすと笑う至東に翻弄されるクロエ。
「えーっと……でもまぁ、実りの他にも秋だから、森の木々も色付いていたり、素敵な景色に出会えそうですね」
 彼女の言う通り、深緑に長く住んでいても、まだまだ新種の魚やら、新種の植物等が発見されるので、この深緑の大地には不思議が一杯。
 ……そんな深緑の森の中に、沢山の果物やら野菜やらが成っているという場所を、『リチェと一緒』キルシェ=キルシュ(p3p009805)の愛モルモット、リチェルカーレが見つけてきた、そんな作物の宝庫とも言うべき場所へピクニックに行こう、というのが今日のお話。
「そっかそっか。今日はみんなで、この森でピクニックするんだよな……」
 とエドワードがちらりと横目に『はらぺこフレンズ』ニル(p3p009185)を見やると、ニルは。
「みんなでピクニック! お天気もいいし、ぽかぽかで、素敵ですね!
「本当、こうして皆とピクニックして、仲良くなれるといいな……って思います」
「そうですね、キルシェ様も、リチェルカーレ様も、よろしく御願いしますね?」
「ええ。キルシェさんの相棒のリチェさん、どんな場所に案内してくれるんでしょうか?」
 と、クロエとニルの言葉に、リチェルカーレは。
『ぷいっ!! ぷいぷいぷいー!!』
 何だかとても嬉しそうに身体を震わせるリチェルカーレ。
 それにキルシェが。
「あのね、リチェはまかせろー、って言ってるよ! みんなが来てくれてとっても張り切ってるみたい!!」
 そんなキルシェの言葉に、蜻蛉も。
「そうやね。今日はご一緒嬉しいわ。よろしゅう御願いします。張り切って素敵な一日にしましょ?」
 とリチェルカーレに目線を合わせてご挨拶。
 それに、リチェルカーレは。
『ぷいっ! ぷいぷいー!!』
「リチェ、どーんとおおぶねにのったきぶんでいてー、って言ってるよー!」
「ふふ……そう、本当頼もしいわ」
 微笑む蜻蛉。
 ……そして、リチェルカーレの先導の下、その作物が多く実るという場所に辿り着くイレギュラーズ。
『ぷいっ! ぷいぷいぷいー!!』
 振り返り、ぴょんぴょんとジャンプしてアピールするリチェルカーレ。
「わぁ! ここなのね、ほんとう素敵な場所ね! 教えてくれてありがとう!!」
 とリチェルカーレをぎゅっと抱きしめるキルシェ。
 周りを見渡すと、取りあえず幾つかの木の実や果物が見て取れるし、少し離れた所の方からは、川の流れる音が聞こえてくる。
 ……そんな自然のハーモニーを聞きながら、『お料理上手』夜剣 舞(p3p007316)は目を細めて。
「……本当に良い森ね。心地よいわ。そして今日は……美食の秋を堪能日和ね!!」
 爛々とした気持ちを隠せない舞に、『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)が。
「確かに……そうだな。食欲の秋とは良く言ったものだ。そこら辺に、食えそうなものが軒並み転がっていやがる。秋は甘い物も多いから、今日はそれらを存分に堪能させてもらうとするか」
「そうね。さぁて……何から始めましょうか?」
 二人が微笑むと、それにキルシェが。
「そうね! ゆっくり風景観察も良いけれど、みなさんで手分けして、美味しい物を探して集めましょ! ルシェは……そう、果物とか一杯探したいな! お楽しみも持ってきたから、楽しみにしててね! あ、リチェもお家に以て帰りたいのがあったら言ってね?」
 仲間とリチェルカーレに言うと、それにクロエが。
「そうですね。エドワードさんとニルさんは、釣りをするつもりなのですよね?」
 と言うとエドワードは頷き。
「ああ、さっき至東が言ってた『あんこくバス』、本当に釣れるか試してみようかな! ニルもいいよな?」
「ええ、もちろん、です」
 エドワードに頷くニル、それにキルシェとクロエが。
「ニルお兄さんとエドワードお兄さんはお魚釣るの? ルシェお魚も好きよ! 美味しいお魚。いっぱい釣れると良いわね!」
「そうね。でも皆怪我には気をつけて下さいね? 一応スキルで治せるけど、ね」
「ああ、分かった!」
 笑うエドワード、そして舞が。
「ふふっ……役割分担は無事に決まった見たいね? それじゃ、自然の恵みに感謝して、獲りに行きましょう」
 と皆を促すのであった。

『ぷい! ぷいー……ぷいぷいっ!!』
 と、木の実と果物を採りに行く側。
 リチェルカーレがくんくんと匂いを嗅いで、ここにあるよ、と鳴いて報せる。
「クロエお姉さん! あそこに果物があるみたい! 一緒に行こう!!」
 とキルシェはクロエと一緒に、リチェルカーレが嗅ぎ付けた樹へ。
 ……結構背高く成長しているその樹の上の方に、瑞々しそうな果物が成っている。
 ただ、結構背が高い樹なので、キルシェには届かない位置。
「うーん……クロエお姉さん、獲れる?」
 と上目遣いで御願いするキルシェにクロエはふふっ、と笑いながら。
「任せて下さいキルシェさん!」
 羽を広げて飛行し、高い所の果物を採ってあげるクロエ。
「わぁ、高いところの果物もあっという間ね! 有り難うございます!」
 ぺこり、と頭を下げつつ、更にキルシェは。
「果物採れたし次は……」
 きょろきょろと周りを見渡すと、世界は地面に目を凝らしていて。
「……この辺りか?」
「ん、世界お兄さん、何を探しているのかしら?」
「ああ。ちょっと芋やらを探してるんだ。ここにありそうだから、ちょっと掘ってみるか」
 と言いつつ彼は、焼き芋が育っている可能性がありそうな所を見つけ、精霊を呼び出して掘らせる。
「……サボってる訳じゃないぞ。背負ってる籠だってなかなか重いんだ。これ以上何かしたら、筋肉痛になる事が目に見えている」
 と言う彼に、キルシェは目をキラキラさせて。
「お芋? いっぱい掘って焼くの……!? ルシェもお手伝いするわ!!」
 自分から進んでお芋を掘ろうとするキルシェ。
 ……なんだかキルシェが掘っているのを見て、世界は。
(「……仕方ないな……」)
 と、精霊と一緒に、彼も芋を掘り始める。
 ……そんな二人の動きに舞が。
「たくさん芋も掘れそうね? そうね、秋の味覚と言えば焼き芋……それじゃ私は枯れ葉とか枯れ枝を集めるようにしましょうか。大丈夫、お姉さんはこの国で暮らして長いから、こういうのは得意なの! ちゃーんと火が着くように乾いた物を狙ってくるわ。任せて頂戴! 後の火加減の調整と始末もばっちりよ!」
 ぽん、と胸を叩く彼女に、更に蜻蛉も。
「そうやねぇ……ならうちはお皿を調達して来る事にしましょか。味気ない皿じゃなくて、大きな葉っぱを使ってお皿の代わりにでもしよか」
『ぷい!』
 蜻蛉に、リチェルカーレが一声啼く。
「あ、蜻蛉お姉さん! リチェルカーレ、あっちの方に美味しい木の実があるから、着いてきて欲しい、って言ってるの。リチェと一緒に、獲ってきて貰ってもいいかなぁ?」
「あら……うちに任せてくれるん? それはそれは……こちらも一肌脱いで頑張らせて頂くとしましょ。あ、それじゃ舞さん、集めたらこの辺りに……一緒に焼き芋、造りましょ」
「そうね。そしたら大きめの石も使って、簡単なかまどを作ってみましょうか。そうすれば、焼き芋だけじゃなくて、いろんな料理に応用できそうだしね」
「え? 蜻蛉お姉さんも焼き芋してくれるの!? やったー! 熱々甘々美味しいのよね! すごい楽しみ!! それじゃあ、おいも、みなさんの分、頑張って掘るわ!!」
 と、一層の気合いを入れるキルシェなのであった。
 ……その一方で。
「さて、と……ここに観音打のねーちゃんが言ってた『あんこくバス』が居る筈なんだけどよ、ニル」
「ええ……ニルはとってもとってっもきになります。見たことのないお魚、どんな色の、どんな大きさのお魚なんでしょう? 何を食べるんでしょう? 本当に居るかはわかりませんが、釣りにチャレンジです」
「そうだな。あ、せっかくだしどっちが先にあんこくバスが釣れるか競争しよーぜっ!」
「あ……はい、ですっ!」
 エドワードから差し出された釣り竿と釣り糸を、嬉しそうに受け取るニル。
 そして二人、川に並んで釣り糸を垂らす。
 ……深緑の森の木々から時折響きわたる、小鳥達の囀り。
 眼を閉じて、そんな小鳥達の囀りに癒されながら暫し。
 あんこくバスは釣れてないものの、一般的なお魚さんは結構釣り上げているエドワード。
「ん……エドワードさん、何か一杯釣り上げてます……?」
「へへっ。まぁ、な。釣りはよくやってたから、それなりに得意なんだ。まぁあんこくバスでなくても、みんなの分は二人で揃えられると良いな!」
「ええ……そうですねぇ……ニルも、頑張ります……」
 エドワードの言葉に、ニルも一念発起し、二人は約束の時間まで、川に糸を垂らし続けるのであった。

●美味と感謝
 そして森の幸、川の幸を採っての集合時間。
「わぁ、みんな、いっぱいなのね!」
 笑みを浮かべるキルシェの前には、舞が火を付けた焚き火がパチパチと燃えていて、ほのかに暖かい。
「中々立派な焚き火だな……キルシェが作ったのか?」
「うん、これは舞お姉さんが用意してくれたの!」
「そうなのか……すげーな! あ、でもさ、こーいうのもあるんだぜ?」
 エドワードが声を上げつつ、その手に持った軽く洗った石を、火の上の一部に並べる。
「エドワードお兄さん、何してるの?」
「ふふふ……この石が暑くなると、立派なオーブンになるんだぜ! ほら、この魚もあるしな!」
 肩に掛けた袋の中には、ニルと一緒に釣った魚が一杯。
「ふふ、キルシェ様もお魚好きですか?」
「え? あ、うん、大好きよ!」
 頷くキルシェにニルは。
「そうですか、良かったです……それで釣れたお魚は、どうやって食べましょう? ニルは、お魚にいろんな食べ方があるのを知ったのですが……焚き火もあるし、舞様の削ってくれた枝もある様ですし、刺して焼くのがいいでしょうか?」
「そうだな! それじゃあその準備の為にも、魚の下味をつけないとな!」
「そう、ですね。エドワード、やり方教えてくれれば、ニルも、手伝う」
 とエドワードを進んで手伝うニル。
 その一方で、蜻蛉は世界が掘ってきたお芋を、舞の用意してくれた焚き火にないないしていく。
 焚き火の炎にパチパチと熱せられるお芋達から、白い煙と共に香ばしい香りも漂う。
「うわぁ……いい匂いなの!」
「そうやね。きっと密が詰まっとって甘いはずよ」
「そうなのね! 甘いお芋さん、楽しみなの! あ、クロエさんも、お帰りなさいなの!」
「ただいま、お芋も焼けてきたみたいね。それじゃ、これも組み合わせてみたらどうかしら?」
 とクロエの籠には、沢山の果物と木の実。
「ほうほう……これはこれは中々ですねー。それじゃあ果物の下拵えはお任せ下さいー」
「え、至東お姉さんが切ってくれるの? メイドさんってなんでも出来るのね、凄いわ!」
 そしてクロエが果物を差し出すと、それを至東が出来る限り栄養を損なわないよう、更には食べやすいように皮を剥いたり、包丁を入れたり。
 ……そんな至東の手際の良さに羨望の眼差しを向けつつ、その果物を見て。
「……あ、そうだ! リチェ、今日はパンとクリームを持ってきました! 見つけた果物を挟んだら、フルーツサンドになるのよ!」
「それはいいですねー。では、一部はパンにはさめるよう、細長くカットしておきますねー」
「そうやね。パンがあるんやったら、お芋さんも挟むと美味しかったりするもの。それも準備しましょかね」
 至東がくすりと微笑みつつ、パンに挟むように切ってくれたり、蜻蛉も、お芋さんを挟んでみたり。
 魚、木の実、果物という美味しい食材を活かし、盛り付ける。
 勿論その量は食べきれる分だけ。
「へぇ……果物も、いろんな種類があったのですね」
 余り目の当たりに死亡かった果物に興味津々なニル、そしてぱくり、と一口。
 口の中で広がる甘味……。
「うんうん……美味しい物いっぱいですねっ」
「そうですね。みんなでたべるごはんは『おいしい』のです。ニルはとってもうれしいです」
 クロエに微笑むニル、そしてキルシェも、傍らのリチェルカーレと一緒にもぐもぐ。
「……美味しいー。リチェルカーレも美味しい?』
『ぷいー!』
「うんうん、リチェもご飯一杯見つかって良かったね! あ、あのね、ルシェ今日初めて知ったの。フルーツサンドに、焼き芋さんも合うって……!」
『ぷいー! ぷいぷいぷいっ!』
 そうだねー、美味しいよねー、とでも言ってる模様なリチェルカーレ。
 キルシェもリチェルカーレも、そして……参加為ている皆も十分に、秋の幸を楽しんで行く。
 そして、作られた料理をほぼ食べ終えた後。
 焚き火の火もあともう少しで消えちゃう瞬間だが……積もる話は終わらない。
「本当に、今日は愉しかったし、おいしかったの! リチェも愉しかったよね?』
『ぷいー!!』
 ぴょんぴょんと飛び跳ねるリチェルカーレ……その仕草と表情から、嬉しいのは間違い無いだろう。
 そして食後の、蜻蛉のお茶を飲みながら。
「いやぁ……そうやなぁ。誰かと一緒に食べるご飯は、特別美味しいものよなぁ」
「うん、本当に美味しかったの! 皆さんも、楽しんで貰えたかな……?」
「ええ、勿論。キルシェさんも、今日は誘ってくれてありがとう、ね?」
「あ、うん……!」
 ちょっと恥ずかしそうに頷くキルシェ。
 ……ともあれ、そんな焚き火を囲みつつ、更に話は積もり積もる。
 そんな仲間達の会話を聞きつつ、焚き火の仄かな暖かさに。
「……愉しそうな騒がしさの中で眠るのも、これはこれで心地よく……ふわぁ……」
 大きく欠伸をするのは至東。
 身体を横たえると……すぅ、とすぐに寝息を立てる。
 いや、暖かさだけでなく、お腹もいっぱいだからかもしれない。
 ……見れば至東の他、ちょっと離れた樹の上で、世界も又眠って居る。
 でも、残る火を囲む人達の会話はまだまだ尽きない。
 ……そんな中。
「な、ニル。お前に手料理を作るのは、今回も初めてだったけどさ、どうだった? もし、美味しかったなら嬉しーんだけどさ」
 と、傍らのニルに問い掛けるエドワード。
 それにニルは、というと。
「あ、えっと……うん、美味しかったです!」
 彼女も又、満面の笑みで答える。
 ……そんな二人の言葉を効きつつ、更に火を囲み、更に暫し。
 もう火が殆ど消えており、空もちょっとずつ暗く成り行く頃。
「……そろそろ時間かしらね? それじゃ、帰る時には焚き火の消火やお片付けを忘れずに、ですね」
「そうね! しっかりと片付けるわ!」
 クロエを手伝い、てきぱきとお片付けをするキルシェ。
 立つ鳥後を濁さず、の如く、しっかりとお片付けをした後は……そらが真っ暗闇に包まれるよりも前に。
「これで……良しっと! それじゃ、帰るまでがピクニックなのよ!」
『ぷいっ!』
 キルシェにそうだね、と頷くリチェルカーレ……そしてイレギュラーズ達は、作物の咲く郷を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

深緑ピクニック、皆様お疲れ様でした!
本当、秋の焼き芋は美味しいですよねぇ……。
冷やし焼き芋(焼いた芋を真空パックして冷やしたもの)というのを食べた事があるのですが、あれは感動しました……。

PAGETOPPAGEBOTTOM