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シナリオ詳細

<Noise>再現性東京2010:吹嵐の刻

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<Noise>再現性東京2010:吹嵐の刻
 再現性東京の都心から少し離れた小都市、『塚目町』。
 秋という、暑くも啼く、寒くも無いといった……穏やかな気候の日々は、中央制御システム『マザー』によって制御されており、人々が住みよい環境を作り出している。
 もちろんこの小都市に住まう住人の方達は、そんな穏やかな気候を謳歌しており、厳しい天気など過ごした覚えが無い。
 天候が制御されているからこそ、天気予報も100%の命中率。
 ……だが、ある日。
『……んー……あれ、何だ? 雨か? おっかしいなぁ……今日は晴れの日だろ? 傘、持ってきてなかったぜー』
 と溜息を吐き、コンビニで傘を買う青年。
 同じ事を考えた人々が一杯いた様で、最後の傘を購入する事になる。
 ……そして傘を開いて、目的地へと歩く彼……だが、雨に続けて、更に強風が吹きすさぶ。
 今迄に経験をした事が無い位の強風に傘は吹き飛ばされ……そして周りの人々も悲鳴を上げる。
『な、何なんだ!? おい、おかしいだろ!!』
 と怒り声を上げる人々だが……その『マザー』を制御する端末のある市役所では。
『……許可サレテイナイ侵入者、排除、ハイジョ……!!』
 突如、市役所の警備システムが暴走し、市役所職員はおろか、『マザー』の端末を操作する職員も市役所を叩き出されてしまう。
 台風のような天候と共に、警備システムの暴走が同時に起きた町は……最悪の混乱に陥るのであった。


「皆さん、大変です。少々お時間を頂いても宜しいでしょうか?」
 と、カフェ・ローレットに居合わせた君達へ、音呂木・ひよのが声を掛ける。
 表情はいつも以上に険しく、何か事件が起こったのだ、と誰しもが瞬時に理解した事だろう。
 そんなひよのの声掛けに応じた君達を集めた所で、彼女は頭を下げて。
「最近この希望ヶ浜で異常事態が立て続けに起きているのは、もう皆様も知っていらっしゃいますよね?」
 と問いかける。
 頷く君達に、ひよのは。
「であれば、話は早いです。この希望ヶ浜地域は、中央制御システム『マザー』によって、皆さんが住みよい天候を維持しているのですが……そのシステムの一部が暴走してしまっている様なのです」
「つい先程『塚目町』という町が荒天に襲われてしまったのですが……どうもそれは、この町の『マザー』システムが暴走してしまっており、天候の制御システムを狂わしている様です」
「それと同時に、制御システム端末がある市役所の警備システムもそれにリンクするかの様に暴走しており、市役所職員と、マザーの操作を行う職員の方も市役所に入れないでおり、荒天を制御する事すらも出来ないという状態になっています……そこで皆さんには、至急この街に向かって頂きたいのです」
「『マザー』システムの操作は、制御出来る人が限られています。恐らく市役所を追い出された人が市役所の外に居ると思いますので、その方を探した上で彼と共に『マザー』システムのある市役所の電算室に向かって頂きたいと思います」
 そこまで言うと、ひよのはもう一度皆を見渡し。
「町の人々が苦しんでおり、私達でなければ解決が難しい事件でしょう……皆さんの力で、困っている人達を助けてきて頂ければ……と。宜しく御願いします」
 と、彼女は深く頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 天候が操作されているシステムっていいですよね……運動会の日は必ず晴天でしょう……。

●成功条件
 希望ヶ浜の『塚目町』にある中央制御システム『マザー』の端末を操作し、荒れ狂う町の天候を収める事です。
 その為には、市役所で暴走している『警備システム』を破壊し、市役所に派遣されている職員の方を端末のある、
 市役所最上階の『電算室』に送り届ける事が必要です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 市役所の中は、暴走した警備システムが動き回っています。
 そんな警備システムの目をかいくぐりながら、マザー端末を操作して天候を操作している職員の方を連れて行く必要が有ります。
 当然職員の方は戦闘能力は皆無ですので、無防備に攻撃されてしまえば、死亡するのは間違いありませんので、皆さんが護る必要があります。
 又、警備システムの暴走は、『マザー』システムとは別の形で暴走しているので、『マザー』を操作したとしても、警備システムの暴走は止まりませんので、警備システムの制圧は必須、となります。
 
 市役所は地上3階のコンクリート造りの建物で、電算室は最上階にあります。

●討伐目標
・人間視認システム付き防御用監視カメラ x 50台
  防御システムがついた監視カメラです。
  元々は防御システムは何の機能も無かった筈ですが……暴走した事により、火花(スパーク)を起こすことにより、侵入者を検知すると自動認識にて攻撃してきます。
  ただこいつは移動する事はなく、ただのカメラなので一撃攻撃を当てれば即破壊されます。

・自律型警備システム『まもるくん』 x 20台
  寸胴型の胴体と、二つのアイカメラを備えた警備システムです。
  足はキャタピラー式と人の足型がありますが、キャタピラー式は水平方向への移動が素早いものの、段差を越えるのに手間取る、一方人足型は移動速度は遅いものの、フロア移動が可能です。
  当然鉄の胴体なので、防御力はかなり高い様です。
  攻撃方法は、監視カメラと同様火花をその手から放つ事が出来て、遠距離まで届く攻撃です。
  また、体力限界にまで近づいた場合、物騒な自爆システムがある様で……至近距離のもの諸共爆発します。
  イレギュラーズ達にとってはそこまで痛くない一撃ですが、これが職員の方に当たれば即死間違いなしですから、注意して下さい。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <Noise>再現性東京2010:吹嵐の刻完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年10月27日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
山本 雄斗(p3p009723)
命を抱いて
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
ウルファ=ハウラ(p3p009914)
砂礫の風狼

リプレイ

●秋の嵐
 再現性東京の都心より少し離れた小都市『塚目町』。
 秋の季節に伴い、穏やかな気候が広がる……筈なのだが、ここは再現性東京。
 その天候は中央制御システム『マザー』により制御されており、住まう人々によって住みよい環境を作り出していた。
 ……だが、そんな過ごしやすい天候は、今は見る影も無い。
『おいおい……何だってんだ……』
『知らねえよ……市役所の警備システムが突然暴走するだなんて誰も思ってないし……』
 吹き付ける雨と風に苦情をつらづらと吐きながら、市役所の外に放り出された一般人達はぶつぶつとぼやいている。
 ……そんな一般人達の困り具合を横目に見ながら、『砂礫の風狼』ウルファ=ハウラ(p3p009914)が。
「ふむ……文明の発達も善し悪しじゃな」
 と溜息一つ。
 その言葉に『ヒーロー志望』山本 雄斗(p3p009723)と『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)も。
「確かに、発電所の次は天候システムの暴走、と……マザー暴走の影響があちこちで出ていて大変だ。マザーもどうにかしないとだけど、先ずは天候制御システムを正常化しないと。というか、希望ヶ浜の天気って制御されてるだなんて知らなかったよ」
「そうだね。まぁ天候と言うのは人が生きていく上でかなり重要な物だからね……それを操れるってのはとても頼もしい事だし、そしてそれが暴走する事による影響も計り知れないんだよね」
 と、そんな仲間達の言葉に『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)が。
「ああ。これは件のR.O.Oからの逆浸食という話だが……思ったよりも洒落にならない事態に発展しているようだ。早い事解決せねば、双方の民に被害が及ぶ事だろう」
 と眉根を寄せて深く思慮すると、『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)と『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)夫婦は。
「確かに天候を操作するなど、奇跡のようなものですが、全て錬達のマザー頼りかと思うと滑稽なものですね……」
「ああ。マザー暴走の影響で天候だけでなく、あちこちに問題が起こっている様だしな。てか、天候の制御が奪われたって……一番やばいパターンじゃねぇか」
「ええ。天候が操作できなくなった途端に嵐になるなど、今迄制御していた分荒れているようで、笑ってしまいますね……それに警備システムを全部壊しながら、職員の方を制御室まで連れて行けとは、面倒極まりないですね」
「ああ。だが流石にこいつは放っておける問題じゃねぇ。そんなわけで、俺達夫婦も一肌脱がせて貰おうか」
「ええ。こうしないと錬達の方が困るのならば、行くしかありません。仕方ありません……報酬はたっぷり弾んで貰いましょう」
 そしてイレギュラーズ達は、困り果てている市役所職員達の下へ。
『……ん? 何だ、君達は??』
 と職員のうちの一人がそう問うと、『月夜の蒼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)が。
「やぁ……酷い天気だねぇ。嵐は嫌いじゃないけど、人工なのが残念だよね」
 と語りかけてくる。
『……何を言ってるんだ??』
 と、怪訝な表情と口調になる職員達。
 だが、ルーキスはどこか達観した雰囲気をそのままに。
「管理されている世界はこう言う時に厄介なんだよなぁ……? という訳で、大暴走している奴らを大人しくさせて、被害をきっちりと抑えさせて貰わないとね?」
 そんなルーキスの言葉に、『恋する探険家』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)とウルファ、そしてカインも。
「うん……便利な機能も、時として牙を剥くんだねぇ……晴れたら皆で、ピクニックに行けるかも……デートだって、行けちゃうかもね?」
「そうじゃな。天候操作……砂漠の民としては羨ましいものじゃが、堕落のもとにもなりそうじゃ。じゃが、だからといって放置しておく訳にも行かぬじゃろう」
「うん。失敗出来ない大変な依頼だけど……ローレットの冒険者にお任せ、ってね?」
「そう……天候が荒れているんなら、外も危険……施設の中も危険だけれど、そこはワタシたちに任せて……」
 そんなイレギュラーズ達の言葉におおお、ありがとう……と市役所職員達は感謝の言葉を口にする。
「所で、この中に『マザー』を操作している職員の方は居ないか? 俺達だけで『マザー-』の部屋に辿り着いても、操作できない事にはどしようもないからな……」
 と、エーレンが周りの人々に呼びかけると、市役所職員の中から一人、手を上げて進み出てくる。
『は、はい……私ですが……』
「居たみたいだね……申し訳無いけど、お兄さんは着いてきて欲しいんだ。大丈夫、僕達が守るから、さ!」
「うん……ワタシ達が、絶対……手出しさせない……だから……御願い」
 雄斗とフラーゴラが頭を下げると、それに応じて周りの職員達からも期待の眼差し。
『……分かりました……!』
 マザーを捜査する職員故の責任感もある様で、ぐっと拳を握りしめて頷く彼。
 そして、ジェイクは。
「良し。それじゃ先に監視をさせて置くとするか」
 とジェイクはその傍らに鳥を召喚し、先行して市役所をの偵察を開始させる。
 そして市役所職員達の応援を背に、マザー操作の職員とと共に、イレギュラーズ達は警備システムが暴走する施設内へと急ぐのであった。

●徹底防御に備えよ
 そして、警備システムが動き回る市役所の中。
 各所にあるのは、人影を自動認識する監視カメラ。
「取りあえず……まずはあれが監視カメラ、と……入口から見渡す限りで2台、3台……と、結構あるな」
 と、溜息をつくのはジェイク。
 それに幻も。
「そうですね……まぁ監視カメラですから、人が通りがかりそうな所全てにあるのは至極当然な事です。取りあえずあれに補足されれば、警備システムにも追いかけられる事になりそうですね」
「ああ。取りあえずこのフロアを先ずは制圧する必要がありそうだな。職員は……」
 ジェイクの言葉にカインが手を上げて。
「大丈夫。彼らは戦闘の心得が無いんだし、その分僕らがちゃんと護衛するさ」
「ああ、んじゃそっちは宜しく頼むな」
 そして、イレギュラーズ達はいざ、足を踏み入れる。
 当然、監視カメラはイレギュラーズという人影を感知し、ピピピピ、と甲高い警告音を発する。
 そして、その警告音と同時にカメラからはパチン、とスパークが発生。
「……させない」
 咄嗟にその火花から職員を守るフラーゴラ。
 雷撃を受けて身体が痺れるものの……その一撃だけで致命傷になる様なものではない。
 そして、監視カメラのスパークを掻い潜りながら、反撃の一閃を繰り出せば、その一発で即座に監視カメラは破壊される。
「ふむ……監視カメラ自体の攻撃は、一般人を守りきればそこまで脅威ではなさそうじゃな。となると……取りあえず見える所にある監視カメラを早々に潰すとするか」
「そうだな。それでは次は……あれを潰そう」
 ウルファにエーレンが頷きつつつ、イレギュラーズ達は市役所入り口の周囲に在る監視カメラを、先ずは破壊していく。
 ……そうしていると、市役所の奥の方向より更なる追撃の手。
『ピー、ピー……!!』
 寸胴の様な胴体とアイカメラ、更にキャタピラーの脚部という自律型警備システムが、監視カメラの情報を元に姿をみせる。
 キャタピラーは地面を駆り、中々に素早いスピードで接近。
 アイカメラで敵である存在を検知すると……その手を前方に掲げると共に、スパークの雷撃で攻撃してくる。
「次はこいつか。良し、俺が相手になるぞ!」
 とジェイクが声高らかに宣言し、姿を表した警備ロボットに怒りを付与し、それら攻撃を一手に引き受ける。
 そして敵を惹きつけた所で、フラーゴラが。
「職員を電算室に送り届ける事……これがオーダーだもの……! 落とさせないよ!」
 とジェイクと連携して、白狼の遠吠えを戦場に鳴り響かせる。
 続く幻は、敵の目の前で奇術を繰り広げ、混乱状態を付与するように攻撃。
 更にカインの神の光が一面を光に包み敵を目眩まし。
 その光が収まりつつある間際に、エーレンがまもるくんの真っ正面へと展開。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ……お前たちに恨みはないが、悪いが押し通る」
 その剣の一閃を華麗に舞わせて、そのアイカメラ一つを破壊。
 片目失い、視認性能が低下した警備ロボットは、更なる警告音を立てつつ、その手のスパークを四方八方に、無差別に放つ。
 そんな敵の動きにウルファはぽつりと。
「まもるくん……ガーディアンが人を襲ってどうする。これも機械文明の善し悪しか……難儀なものじゃな」
 と溜息を吐きつつ、見えない悪意の一閃で敵を追い詰め、更に雄斗の気を光柱に込めた一撃を叩きつける。
 ……そこまでの攻撃で、まもるくんのダメージはかなり積み上がった模様。
『ピ、ピピ……ピーーー』
 最後には、鳴り響く警告音。
 その警告音と共に、寸胴型の胴体はみるみる内に赤色に染まり始める。
「来るよ!!」
 と、雄斗が叫ぶと共に、エーレンが職員を守るべく、身を持ってカバー。
 次の瞬間、まもるくんの身体は内から爆発。
 周囲に破片を撒き散らしながら自爆し、動作を停止する。
「早速爆発した様だな。この爆風は結構堪えそうだ」
 とルーキスが息を吐くと、それにフラーゴラもこくりとうなずき。
「そうだね……出来れば、爆発する前に倒したい所……攻撃を、もっと集中させる必要が、あるかな……?」
「ああ……次はその辺りに気をつけていこう」
 二人の言葉に頷き、そしてウルファが。
「では、更に奥地へと向かうとしよう。そういえば電算室へのマップはあるかの? 天候とシステムが暴走しておっても、地形までは変わらぬじゃろ?」
 と職員に問いかけ、職員は。
『勿論です……! 微力ですが、道案内します……!』
 自分を守りながら進んでいくイレギュラーズ達の努力に答えるべく、自分の役割を真っ当に果たすのであった。

 そしてその後、市役所内に多数存在するカメラを破壊。
 更に次々と襲い掛かるまもるくんも迎撃し……電算室があるという三階へと到着。
『えっと……あの角を左に曲がって、三つ目の部屋が、『マザー』と繋がるシステムがある電算室です』
 と彼の言葉に頷き、そしてイレギュラーズ達は角を曲がる。
 そこには……警備システムが、ここが重要だと認識為ていたのかは分からないが……キャタピラーと、人の足の二種の『まもるくん』が巡回していた。
 勿論、イレギュラーズ達を発見した彼らは、すぐさま攻撃態勢へとシフトし、スパークを立て続けに連射。
 更に頭上の監視カメラからもスパークが放射され、電算室前は雷鳴の嵐。
『ひぃっ……!』
 流石にそんな状況に恐怖を感じる職員……だが、その周りを完全にイレギュラーズ達が守る体制を取っており、彼に攻撃が行く事はない。
 そして、敵の攻撃が一巡し落ちついた瞬間を見計らい。
「取りあえず監視カメラはこっちに任せてくれ」
「了解。んじゃ僕はまもるくんを!」
 カインと雄斗が声を掛け合い、神の光でカメラを一網打尽に破壊。
 破壊した後に雄斗がキャタピラーのまもるくんに対峙し、もう一方にはルーキスが対峙。
「痺れるのと氷漬け、どっちがいいかな?」
 と戯けた口調で言うも、それの答えはスパーク。
「きゃー、暴力反対ー!!」
 と悲鳴を上げながらも、素早いまもるくんの動きを鋭く追跡。
 そして敵が動き終わった所に。
「そのご自慢の装甲がブチ抜かれる覚悟はいーい?」
 と容赦無くゼロ距離から神秘的破壊力を集約し、叩き込む。
 その一撃は強力無比、かつ当たり所が良かったようで……敵はその一撃でスクラップに。
「良し。後一匹だけじゃ、一気に叩き込むぞ!」
 とウルファの号令一下、イレギュラーズ達は容赦無く一斉攻撃を叩きつける。
 一撃、二撃で脚部を破壊。
 三、四、五撃でアイカメラも破壊……そして。
「……これで、止め……刺す!」
 とフラーゴラの白狼の遠吠えが敵を貫く。
『……ピ、ピィィィ……』
 その一撃によって、アラームはまるで断末魔の叫び声の如く収束。
 50基の監視カメラと、30体程の警備システムは、全て破壊され尽くしていった。

●空の恵みを
 そして……全ての暴走警備システムを倒し、電算室を取り戻したイレギュラーズ達。
『ええっと……ここが、こうでこうして……こうやって、っと……』
 と、連れてきた職員がキーボードを叩き、外の荒れ狂う天候を抑えようとする。
 ……勿論、その間撃ち漏らしの警備システムがあるかもしれない……という事で、イレギュラーズ達はその間も警戒の為に、電算室を護る様廊下で円陣を組んで、護衛陣を組み立てる。
 キーボードを打ち続けて、十分ほどが経過した頃。
『……ふぅ……』
 息を吐く職員が、電算室のドアを開く。
「……どうでしたか?」
 と幻が問い掛けると、職員は疲れを見せつつもこくり、と頷いて。
『何とか制御は、取り戻せました……ほら』
 彼が指さすのは窓の外。
 今迄吹き荒れていた嵐と雨は最早影もなく、空からはさしこむ日射しが見え始める。
 市役所の入口に居た他の職員達も、声は聞こえないものの、とても嬉しそうな笑顔を浮かべているのが分かる。
「……無事に制御を取り戻した、という訳だな。お疲れ様」
 とジェイクが激励し、幻も。
「そうですね。嵐の次は……やっぱり晴れがいいでね。美しい虹が空に架かる事でしょう」
 と笑みを零す。
 彼女の言う通り、嵐の後の雨上がりに浮かぶのは美しい虹。
「……凄い綺麗……制御されている天候じゃ……きっと……出てくる事が無い光景……ね」
「そうじゃな。確かに制御されている天候は、過ごすには都合が良い所かもしれん。じゃが、こう言う自然の美しさはこういう自然があるからこそ、見える物じゃな」
 フラーゴラに頷くウルファ……そしてルーキスが。
「そうだね。まぁ、天気予報が100%当たるのがいいって言うのなら、この町の人達ににとってはそれがいいのかもしれないんだけど……こういうのもいいって、みんな思ってくれるといいよね」
 と笑う。
 ……そんなイレギュラーズ達の言葉に、職員は。
『確かにそうですね……ですが、それは中々難しい所です……とにかく、町の人達が平穏無事に過ごせることが、私の役目ですから、ね』
 天候を操作する事は、自然の摂理にはそぐわない。
 だが、科学の力でもってそれを制御する事で、町の人々が平穏無事に過ごせる環境を維持する事は、再現性東京の求める姿なのかもしれない。
「さて、取りあえずは来なかったけれど、後もうちょっと市役所内をくまなく探索して、脅威が無いかを確認するとしようか。中に入れたら警備システムがまだ残っていた、なんて目も当てられないからな」
「ああ、そうだな……あともう一息、頑張るとしよう」
 カインに頷くエーレン。
 そしてイレギュラーズ達は市役所の中をくまなくさがし、残る脅威が無い事を再確認した上で、外に居る職員達に奪還を報告するのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

天候操作ができる環境って素晴らしいですよね……と、それはさておき。
皆様のお力のお陰で、無事に暴走を止める事が出来ました、ありがとうございます!!

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