PandoraPartyProject

シナリオ詳細

取り出すのも面倒臭いからザラザラと口腔へ流し込んだ、カプセル剤の中身は空

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●カレイドスコープに近しい君達は脳内に熱をブチ撒けた
 ひどい病魔に侵されている、それが当たり前の僥倖だと謂うならば人類、注射針の意味を知らされていない。
 こもり熱を治す術も頭痛を和らげる術も腸を縫合する術もない、その歓びを無くすだなんて正気ではないのだ。
 彼等or彼女等の寝床にはたくさんの朦朧が用意されており、嗚呼、おくすりのひとつも下せない。
 ――今日の症状はどんなのだった?
 ――お花畑に吸い込まれるようだったよ。
 ――それはそれは、なんて素敵な嘔吐なのでしょう!
 楽しそうに嬉しそうに人々は毎々、患っている。ぐるぐると廻るような心拍数に頭が茹だっていた。
 そろそろ新しい病を知りたいね。このなにも罹っているのに、未だわからない症状があるのかい? ワクワクするような結石が咽喉の奥に転がっている――君の誘発を教えてよ、かわいらしい誰かさんがぶっ倒れていた。

●弱々しい貌で縋ったとしても、皆々臥せっていたならば甘えようがない
 境界案内人、コズミック・コスモス――こすもって呼びなさい――は特効だろうおくすりをがばがばと吞んでいた。何処か具合でも悪いのかとイレギュラーズが訊ねると、蒼い顔で側頭部を撫でてみせた。
「このところ頭痛が酷いのよね、まあ、原因は判ってるんだけどね。今回行ってもらう世界は『不治の病に罹っている世界』よ。心配しないでちょうだい、少なくとも『死ぬ事』はないのですから」
 また妙ちくりんな世界を引っ張ってきたものだとイレギュラーズは溜息を吐くだろう、それで、今回も『最初』はお遊び目的なんだろう。反射的に頭を揺らした案内人、ズキズキと響いているようだ。
「皆には、そうね。今までに『みた事のない』病に罹ってほしいの。たくさんの症状を住民達は味わいたいんだって。ええ、勿論、大丈夫よ。混沌に戻ってきたらぜんぶぜぇんぶ夢物語なんですから。よろしくね……ア、いた、頭が」
 読み飛ばしてはいけない。     

NMコメント

 にゃあらです。
 なんか高熱出た時って変な夢見るよね。

●不治の世界
 住民全員がなんらかの病を患っています。中には原因不明な、とてもファンタジーなものも有るそうです。

●目標
 未知なる病魔に罹ってみよう。
 例としては花を嘔吐したりふわふわ飛んでみたり、全ては皆さんの自由です。

●サンプルプレイング
「また何とも言えない世界だよな、仕事だってんならやるしかないけど」
 シンプルに風邪をひこうか。ぶえっくしょん!!!
 この寒気と鼻水はよくある症状だ、お薬も欲しい所だけど生憎持ってきていない。
 それなら布団に包まってゆっくり寝よう、氷嚢も忘れずに。
「しかし誰かがいない時に罹るのは、ちょっとだけ寂しいな」

「うーん。私はいつだっけ健康体なんだけど」
 ふと気が付けば地面が七色まみれ、ひどく綺麗だけれどこれは汚物でしかない。
 中身がからっぽだと謂うのに、気持ち悪さは治まってくれやしない。
 縋るように、ぐったりと膝をつけたら、あーあ、台無し。
 助けて、助けてと泣いたって医者はいないのだ。
「帰りたいよぉ」

  • 取り出すのも面倒臭いからザラザラと口腔へ流し込んだ、カプセル剤の中身は空完了
  • NM名にゃあら
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年09月27日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

エル=シャドウ(p3p000986)
シャドウストーカー
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
ラクリマ・イース(p3p004247)
白き歌
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
秋縛

リプレイ

●眼窩に突き刺さった自然物をのぞく事は出来ない
 中々にハードな依頼だと『守る者』ラクリマ・イース(p3p004247)は奇怪性を撫でた。見た事も聞いた事もない病に罹ってくださいなどと、告げられたのは絶望だった頃の青か。混沌世界での廃滅は実にドロドロとした驚異で、塑の神威は未だ脳髄の隅っこで粘ついている。あれより変な病気なんてあるのでしょうかね。疑問符をふわふわ遊ばせながらも辿り着いたのは緑の絨毯、人も動物も在り来たりながら『嫉妬深そうな』彼等に触れるのも患いそうだ。何かしらに感染させられるならば蔦しかない。オオ、響き渡るかな町はずれの食虫生。
 まっ茶色な根元に枝分かれした青々しさ、突出したかの如く棘の群れが指肚を弄ってくる。ずきずきと痛み始めたら不意の頭重感、嗚呼、死なないと言えど病気にかかるのは気分がよいものではない。酔っ払いじみて寄りかかった巨木、ヤケにヒンヤリとしていた――苦しくはない。痛みは鈍くなっている。ぼんやりとした鉛雲が身体の中で生成されている心地だ――皮膚は如何だろうか、オマエの表面はこんなにも緑色だったか。じくじくと熟れだした貌、色々と不安しかない。
 違和感は窖からやってきた。視界を嘲笑うかの如く伸びて来た植物の蔦、オマエの空洞、つまり右は花瓶ではないと謂うのに。ふむ、植物が生える病気でしょうか。じわ、り、人差し指が如何にも動かし難かった……何かに蝕まれていく。
 痺れを切らした一本々々が青筋の在り方を殺してしまうのか、硬直しつつある四肢を無理やりにでも酷使して進む。おいで、おいで、遂に沸き立った幻覚は林檎の流れ、深紅の回転はどこぞの神様の真似事だろうか。
 人を想わせる木々が手招きしていた。脳味噌の端っこがスクスクと成長して異る、早く街の方に戻らなければ永久の日光浴を咀嚼しなければならない。ねえ、このグロテスクさを受け入れて花を咲かせましょう。煩わしかった人の容が白色を汚してみせた。
 この病気の行く末は――植物そのものになるのか。土に還ってしまうのか。後者で在れば生命としては当たり前だろう、ならばもっと違うものなのか。たとえば、反転じみて悪質な、二度と元へ戻れない、筆舌も出来ない……。
 最後まで見れるといいですね。異厭、オマエはしっかりと末期を描けたのだ。こぼれた種子は風に乗り、新たな宿主を求めて――。
 美しくも歪み、苦悶を称えた枯渇だった。

●太陽光に晒された君の形は渦、ズレが生じている
 頭――それが脳天だと描写可能ならば地面を見つめると好い――が揺れて、ふれて、たまらないと『影こそ本体』エル=シャドウ(p3p000986)は壊れたスクリーンじみて異た。身体が熱い。普段は熱をほとんど持たぬ故に苦労しているくせに、いざ普段ないものを持ってみれば――コンクリートに罵倒され、叩かれ、振り回されて在る気分だ。実に、つらい。一歩、二歩と行くだけで息が荒れ、ぜぇはぁの苦しみに落下してしまう。真直ぐな視線だと思えば右へ左へ、美少女の殻も心なしかきぐるみに感じてくる。狂う、狂う、あぁクソ、転ぶのは何度目か――からからの世界に横たわっている、ふと気が付けば萌えている緑。
 緑と言えば嫉妬だろうが、オマエに対してそのような感情は抱けないだろう。抱かれたジャングルジムが重症患者を搬送していく。嗚呼、搬送されていたのは我の筈だ。おかしい我はここに存在……腕と脚がいっそ鉛で在ればよかったのだ、言い訳する術が見当たらない。考えと考えがごちゃ憑いてわけのわからない門を――点@への入口は此方です、出口はありませんよ。
 投身するのに良し悪しはないのだと漸く理解が出来た、しまいには視界が回り始めると。あぁ、懐かしき神様への同一化が現に来て絶大と嗤っている。忌々しいというべきか。どんなに遠くへ逃れたとしても廻りグセからは離れられないのか。泥船が渦潮に呑まれて往く――。
 いつしかの道端、すれ違った子供の持っていたものはぐるぐる描いたキャンディだったか。とても美味そうな表情でカップ・ケーキも食していた。望んで旅に出た際の銀河系、観察したブラック・ホールに耳石が流れて――成程。ぐるぐるが我の目を回すのだ――酔い止めを処方します、そんな錠剤はないと知っている。
 身体があるから辛いのか。認識しているから辛いのか。この熱から切り離してくれよ、なぁ――スクスクと成長していた、ものも言えない若木に懇願する。それは人ではない。
 金色と茶色が限界を訴え始めた時、ほてりが恍惚に変わり始めた時、地面が揺れているように思われた。剥がれていく。剥がれていく。何が剥がれている? 五つも六つも在ってはならない。

●隔離された彼と彼女は水槽に触れなかった
 機嫌と縁を切ったのは何者の鋏の仕業だったのか、『若木』秋宮・史之(p3p002233)には判断出来る筈もなく、ぐらぐらと熱っぽさに震えていた。いつにも増して不愉快なダブル・ベッドにおひとり様だ。ため息が重くてギシギシと鳴いている。ぐしゃぐしゃシーツを握りながらドンペリ求めて咽喉を晒す――病人にアルコールは厳禁です――看護する人類もいないクセにオカタイ世界観だ、すこしくらいいいじゃない。歪曲した脳漿にちょぴっとの60度、傾いてくる傾いて狂う。
 思考実験を為せば成すほどに愚かな男だと神様が散らかした、でしゃばりなおてんとさんには帰ってもらって、ありきたりな病と語るべきだ。十五年もの地獄を貪っていた柘榴み、名付ければ恋煩いだろう。嗚呼、成就したと謂うのにおまえはまだおこさま。プレゼント・ボックスはシュレーディンガーごっこだ、開けてはいけない。据え膳を喰らう前にひっくり返してしまえ。

 ヴェールを破るには未だ早いのだ。

 右向いて左向いて上向いて、下を向いたならば虹色どもの蜻蛉ごっこだ。ふらふらと振盪していた『しろがねのほむら』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)はすてきすてきと感嘆を湧かせた。この幻覚はキノコを食べたからじゃないよ。それじゃあきもちよくなるおくすりでもやったのか。やってません。つまりこれは水槽にブチ込まれた脳内麻薬と呼ばれるやつで無害、アルコールを啜らずに酩酊、健康的。ちがう? それはインスタント・ミソ・スープに訊ねてくれ。らりらりとってもハッピー。僕のビョーキ、お裾分け出来たら最高だろうか。お饅頭の中身は婚約指輪ね。
 痛いとか苦しいとか世間話になっても自慢の種にはならないでしょう? 無口な植物さんにお話してあげる。その点この病はピンクのペガサスも視えるしユニコーンの角は導きにもなる、島みたいな大きさの亀が尚の事ラーメンみたいにのびているのだ。見るものすべてが楽しいでしょう。旋律と大渦に皆で飛び込んで合唱、合掌。掌握されてみんなみんなハッピーになっちゃえばいいです……ダブル・ベッドにイマジナリー一匹。

 君等は健康じゃないか。
 植物を持ち帰ってくれ。

 内心はどうなんだい? 男心の罅割れにオマエは何度も質問していく。泣き言まみれの惑いっぱなしが手を掴みたいと笑えている。大事がすぎて手を出せない? アハハ、半端なコーン・スープが鍋底で固形化している。幸福とは何だろうかと熱病に突き付けてみせた、これは見世物じゃないぞ、さっさと枯れてくれないか。バラの花束だけじゃ飽きられちゃうだろうさ――捧げられるかもわからないハッピー・エンド。
 七色、七色、七色だ。オウムもラッパも人型には無意味でしかない。何も怖くはないと宣言したとしてゾクリと這う思いには抗えない。熱があがってきた? 影踏みで遊ぼうにも身体がついていけない――見せられない見せたくもない。

 ワンコインでお買い上げ、顔色が良いよね。

 ふわふわとした頭と胴体綿菓子、四肢砂糖菓子でおっことしたのーみそ。くすくす、くすくす、脇腹を擽るような微笑が漏れている。いいよねべつに。深刻だなんて誰が俯いたのだろうか、被告に告げた罪状は永久――ハート・マーク――この世界で君だけハッピーじゃないの、どうして。躁鬱ドクドクして知的な好奇心。ねえねえ教えて。多幸感極まっちゃって高揚、上手に飲めたよ。
 紅葉が虹色ではないと人々が決めたのか、それなら君だけは天然色。不可思議がはじけて口腔ビリビリだ。抱きしめてほおずりして、わけてあげる。微熱もくしゃみものどの痛みも、全部がぜぇんぶ共通項だ。そんなに暗い顔しないで。
 あそぼう。
 あそぼう。
 あそぼう。
 時間の概念は溶けて消えてなくなった。

 腐敗したカーテンをぐるぐると巻きつけよう、とっくに手遅れな木乃伊ではないか。

 優しくて甘々でいつもの、カッコつけた俺。だいじょうぶと騙し騙しに皮算していけばあと何年。本当の自分を晒す必要なんてないよな。なぶり殺した雑菌がごぼごぼと肺胞で復活している。嘘つき欺瞞疑ってばかりの内心――今から心の準備をしておいた方がいいよね。マイナスの魔障がぞろぞろと眩んでいく。今日のアルコールは何色だ、黄色だよ。海、膿、崩れて落ちて。

 あげちゃう。全部あげちゃう。

 普通に夢中で異様なの。だから「僕だけを見てくれるよね」――特別なの。そばにいてくれないと虹色も褪せちゃう。汗ばんだシーツから漂ってくる、愛らしさのにおい。いかないでね。捨てないでね。イエス以外は許さない。それが贋作でも構わない――それで、このビョーキ。

 なんていうの?

●黒い病室から不治のたより
 無限に育まれた隻眼が思惟持てなかったのはある種の僥倖だった。ただ、乗り物に揺られている熱病は影も形も診れやしない。プラス・マイナスの独白も此処まで成せればビョーキだろう。
 クセになりそうな時の中で、徐々に感染するオマエ等は互いの症状もわかるだろう。
 そうして君、気付かれて終うのだ。

 薬はないからね、お大事にしてください。

成否

成功

状態異常

なし

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