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シナリオ詳細

<大樹の嘆き>輝きを覆う

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<大樹の嘆き>輝きを覆う
「さて、と……この辺りだったか? もうそろそろ国境線の筈だが……」
 アラビアン風な服装に身を包んだキャラバン一行が、周りを見渡す。
 ここはネクスト『砂嵐』と、『翡翠』の国境付近。
 見慣れた渇いた砂漠から、蒼青と生い茂る森林地帯へと変わりつつある風景は、ここが国境線である、と言うのを視界でも明示している。
 ……何故彼らがここに来たのか。
 彼らは砂嵐の国において、翡翠の国と取引をしていたのだが……つい数日前から、一切の連絡が途絶えてしまったのだ。
 勿論翡翠の国に住まう者からは一切の連絡もなく……突然の音信普通。
 今迄にその様な事が無かった故に、隊商の隊長からの指示の元、現地調査に乗り出す事となったのである。
 勿論、自衛出来る程度の装備を整えており、決して翡翠の国の者達を傷付ける意思は無い。
 ……だが、そんなキャラバンの者達に向けて、不意を突いて放たれるは……多くの弓矢。
『なにっ……!?』
 突然の矢を胸に受け、倒れる者達が多数。
 そして、その矢の射る元には……翡翠の国の国境線を守る、迷宮森林警備隊の服装に身を包んだ者達。
『お、おい! 俺達は敵じゃない! 翡翠の国と交易をしている者達だ、仲間だ!!』
 両手を挙げて、戦闘の意思がない事を明示するキャラバンの隊商。
 ……だが。
『五月蠅い! 国に近づく者は、全て死あるのみ!!』
 矢に続き、非戦体制の風の刃がキャラバンの者達を容赦無く切り刻んでいく。
 そして……全てが倒れた後、迷宮森林警備隊の者達は。
『……近づく者には死を……この翡翠は、我らが護らねばならん……!』
 と吐き捨てつつ……再び迷宮森林へと身を潜めるのであった。


 Rapid Origin Online 2.0。
 アップデートされてから多少の期間が過ぎ行き、様々なイベントが次々と発生している中……『深森の声』ルリア=ルミナス(p3n000174)は皆に声を掛ける。
 そして、集まった君達に、ルリアから。
「皆様……もう既に知って居るかもしれませんが……R.O.Oの世界でいう、私の故郷『深緑』に似た『翡翠』というネクストがあるのです。皆様も今迄に出かけたことがあるかもしれませんが……突然にこの『翡翠』方面のサクラメントが、一斉に停止してしまった様なのです」
「何故停止したのか、その理由は分かりません……ですがサクラメントが閉鎖されている、となると……皆様も直接翡翠の国へと転移する事が出来ません」
「恐らく……ですが、翡翠の国の国境線が封鎖されたのでしょう。私たち深緑の者も多少排他的な部分はありますが……『翡翠』の国は、それよりも排他的な性格で、更に過激な部分もある様です。鎖国政策が実行されることは不思議ではありません……」
「……ですが、今回は流石に唐突過ぎます。何らかの異常事態が、翡翠の内部で発生したのかも知れません。そこでイレギュラーズの皆さんに……翡翠の国で何が起こっているのか、お手数ではありますが調べてきて頂きたいのです。どうか、宜しくお願い致します……」
 胸騒ぎを抑えきれない様、眼を閉じつつ……ルリアは深く皆に、頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 R.O.O、翡翠の世界が突如として国境閉鎖になってしまった様です。

●成功条件
 翡翠の国と砂嵐の国の国境線に立ち塞がる、翡翠の『迷宮森林警備隊』及び、『精霊』達を迎撃する事です。
 倒す、もしくは非戦で無力化させて下さい。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●周りの状況
 今回舞台となるのは、翡翠の国に間近な国境線です。
 砂漠から翠広がる森で、国境線である事は自明な場所です。
 そして、森の中からは国境を警備する、迷宮森林警備隊の者達が森に近づこうとする者を徹底的に排除しようとしてきます。
 イレギュラーズの皆様が訪れても同じ対応であり、足を踏み入れようとした者に対して排除する為に実力行使、となります。
 彼らに声を掛ける事は出来ますが、徹底的に抵抗しようとする意思を持っています。
 説得難易度はかなり難しいでしょう……ただ、一瞬躊躇させる事は出来るかも知れません。
 尚、非戦で倒したとしても、森の中に入ろうとすれば第二、第三の警備隊が出てくるでしょう。
 戦闘中に彼らから、何故翡翠の国が国境閉鎖に至ったのか、の情報の片鱗を手に入れる事が出来れば、作戦敵には大成功と言えるかと思います。

 ログイン位置ですが、翡翠の国から砂漠方面に少し離れて居る所です。
 5ターン程で復帰は可能です。

●討伐目標
・『翡翠』の森林警備隊 x 20人
  姿形は皆様も知っての通り、耳が尖って綺麗な顔立ちの人の姿をした人達です。
  彼らは翡翠の国境線に立ち入ろうとする者を徹底的に排除しようとする為、翡翠の国の国境線に近づいただけで過剰防衛をしてきます。
  攻撃手段は森の中からの遠隔攻撃は弓矢、更に国境線に近づいて来た場合は細剣で動き回りながら攻撃を行います。
  体力はそこまで高くありませんし、防御力も高くありません。
  ただ身のこなしがしなやかで、攻撃回避の率としてはかなり高そうです。

・『翡翠』を守るべく荒れ狂う精霊達 x 10匹
  森林警備隊の者達の意思に同調し、かなり荒々しい気性になってしまった精霊達です。
  彼らは精霊の力を発揮します……例えば風の力を操り、風の刃を嗾けてきたり、雷の力で空から雷鳴を振らしてきたり……その属性に合わせたバッドステータスも合わせて与為てきます。
  属性の内訳としては炎x2、風x4、雷x4、となります。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <大樹の嘆き>輝きを覆う完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月29日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

グリース・メイルーン(p3x000145)
灰の流星
梨尾(p3x000561)
不転の境界
ロード(p3x000788)
ホシガリ
シャル(p3x006902)
青藍の騎士
九重ツルギ(p3x007105)
殉教者
壱狐(p3x008364)
神刀付喪
アズハ(p3x009471)
青き調和
フィーネ(p3x009867)
ヒーラー

リプレイ

●突如ノ鎖国
 R.O.Oのネクストの一つ、【翡翠】の国。
 【砂嵐】との国境地帯に属し、砂漠と緑溢れる森が共存するという……どことなく奇妙な光景が広がるこの周域。
 そんな翡翠の国に住まう人々は、今迄も閉鎖的ではあったが、限られた物資や特産品を交易する程度の、外部との交流は行われていた。
 ……だが、そんな翡翠の国に点在する数多のサクラメント達が、突如として同時に閉鎖され、更にその時に翡翠の国に居た者達は、音信不通の状態。
(「まさかの国境閉鎖とはなぁ……それにここまで強引かつ、これまでの取引先にも酷い仕打ちをするのは納得出来るものではないか……」)
 『妖刀付喪』壱狐(p3x008364)がそう溜息をつく様に、音信不通になった者達は……恐らく翡翠の者達に殺されたのは、ほぼ間違いないだろう。
 それだけ強硬に出る翡翠の者達に何が起こったのか……それを調べてくるのも、今回のイレギュラーズ達の仕事である。
「翡翠の国の閉鎖、か……一体何が起こったんだろうね……」
 そう『灰の流星』グリース・メイルーン(p3x000145)が小首を傾げると、『アルコ空団“路を聴く者”』アズハ(p3x009471)と『ヒーラー』フィーネ(p3x009867)が。
「ああ、急に鎖国だなんて……よほどの事情があるんだろう。それに近づく者を徹底的に排除するなんて……何か大変な事態になっているのは間違いないだろう」
「そうですね。それに精霊達も、彼らに合わせて荒れている、と聞きます。精霊は翡翠国に操られている可能性もありそうなので、なるべく痛めつけたくはないのですが……今回は敵の数も多く、情報を取得しないといけない都合上、被害を出さないというのは難しそうですね」
 アズハとフィーネの言う通り、既にR.O.Oに住む人々に影響が出ているこの事件、穏便に済ます事はもう出来ないだろう。
「深緑も排他的とは聞くけど……全然こんな感じじゃなかったのに……本当に、全然違うんだ。このゲームの中の世界は……」
「そうですね……砂嵐は悪が肯定されていますうし、翡翠の内側で大変な事が起きてるなら、他所がちょっかいを出さない様にするのは分かります。でも、近づいて来た相手の話を聞かずに命を奪うのはどうかと思います……そうしなきゃいけな程に切羽詰まってて、近づく者全てが敵だと思うほど大変な状況だとしても……言葉にしなきゃ、心配して様子を見に来た人達は何も分かりません。だから……自分にぶつけて欲しい。このネクストで誰かが命を失い、涙が零れる悲劇を少しでも減らす為に、考えを、想いを、理由をぶつけて欲しい……!」
 『シャルティエ・F・クラリウスのアバター』シャル(p3x006902)に『父が想像した』梨尾(p3x000561)は強く拳を握りしめて力説。
 そして、そんな梨尾の言葉に『殉教者』九重ツルギ(p3x007105)と『ホシガリ』ロード(p3x000788)も。
「人も精霊も、本性(なかみ)は同じ、という事ですかね……もし違うのであれば暴いて差し上げましょう! 我が翼の光の元に!」
「ああ。ぶち殺すつもりで行くわけじゃねぇけどよ、絶対に説得するっていう気持ちで行くわけでもねぇ。ま、取りあえず適材適所で頑張るとするか」
 と、そんな二人の言葉に壱狐、フィーネ、アズハも。
「そうですね。R.O.O上の存在とはいえ、キャラバンの方達の無念の原因ははっきりとさせないといけません」
「サクラメントまで停止して何を行っているのか……警備隊からみっちりと聞けるだけの情報を得ないといけませんね! 先制攻撃で襲われる可能性もあるので、私は後ろの方から付いて行きますね」
「ああ。了解した。強引な手段になるのは申し訳無いが、これは俺達も知る必要があるだろう……だからこそ、今ここで決着を付けるとしよう」
 そんなイレギュラーズ達の言葉を聞きつつ、グリースは深い翡翠の迷宮森林に目を配り。
(「……現実の深緑を知る者としては、この事件……放っておくわけにはいかない。だから、必ず解決しなければ、な」)
 と内心で強く意識し……そしてイレギュラーズ達は、目の前に広がる迷宮森林へと、注意深く足を踏み入れるのであった。

●精霊と翡翠の力
 そしてイレギュラーズ達が迷宮森林えhと足を踏み入れて暫し。
 一面の迷宮森林の緑が目に鮮やかに広がり……依頼でなければ、森林散策といきたい所。
 ……だが、そんな迷宮森林に足を踏み入れた者達を鋭く察知した、翡翠の森林警備隊の者達が。
『……』
 と、イレギュラーズ達の動向を観察しながら追跡。そして、イレギュラーズ達が立ち止まった瞬間を狙い済まして、森の中から撃ち抜かれる弓矢の連射。
「っ……!」
 咄嗟にその攻撃を、身を呈してカバーリングするのは梨尾。
 多少のダメージを受けつつも、決死の覚悟で立ち塞がる彼は倒れたりしない。
 倒れないイレギュラーズ達に、森林警備隊の者達は。
『今すぐ立ち去れ!! ここは翡翠の地、何人たりとも足を踏み入れさせんぞ!!』
 と強い口調で叫んでくる。
 ……だが、そんな退去勧告を大人しく聞く訳はなく、アズハが。
「翡翠で、何が起こっているんだ!? 話を為てくれれば、これ以上、森の深くまでは入らない。だから教えてくれ!」
 と問いかけるが、森林警備達の者達は。
『うるさい!! お前達に話す事など無い!!』
 と、聞く耳を持たない。
 ……そんな森林警備隊の姿を一瞥するはロード。
「……どうやらこの集団には、バグは存在してない様だ。つまり、こいつらは純粋なNPCって事か」
 彼の力により、R.O.O上のバグの存在は赤く光って見える筈だが、見渡す限りは赤く光っている者は居ない……つまり、彼らはこのR.O.O上に元々存在している、という事になる。
 そんなロードの言葉に頷きつつ、壱狐とグリースが続いて森林警備隊の者達へ。
「鎖国が悪いとは言いません。ですが、力尽くで廃城しようとするのは、文明国とは言えません……! それが、翡翠の森林の総意なのですか?」
「そうだね。幾ら閉鎖的であろうと、君らが開いていた門とを閉じるという事は、大きな理由があると思うんだ。そうだね……『ファルカウ』になにかあったのかな? 信仰を重んじる君らがここまでの行動を起こすとしたら、大体そこらへんじゃないかとは思うんだけどさ」
 あえての固有名詞を出して、敵の真実を探ろうとする作戦。
 だが、森林警備隊の者達は、全く聞く耳を持たず、ぴくりとも表情を変えず。
『うるさい!! 退去しないという事ならば、こちらも力尽くで殺すまでの事だ! 皆、攻撃準備!』
 と手を空に掲げる。
 すると、森林警備隊の周りに種々の精霊達が具現化し、姿を表していく。
 そして、具現化した精霊達は、イレギュラーズ達に狙いを定め、風の刃と炎の球、そして雷鳴が次々と襲い掛かる。
 もちろんイレギュラーズ達はまだ、手を出していない状態……更にアズハは、精霊達が攻撃してきたという現況に。
「精霊達が暴れているのは、貴方達にとっていいことなのか……?」
 素朴に問うが……森林警備隊のっもの達の攻撃指示に精霊達は同調しているのは確か。
「ま、国を守りたい、お前達の気持ちは分かる。だが、武器を持ってない無抵抗な者にまで死を与えるのか? その行動は明らかに国の品位を下げているが……そこまで下げたいのなら、ほら、俺を殺せよ。口しか回らない無抵抗なガキを殺してごらんよ?」
 とロードは手を広げて、あくまで無防備に振る舞う。
 それで躊躇すれば、彼らが人を殺めることに自戒の念があるだろう、と想定。
 だが、森林警備隊は。
『ならば、殺す!!』
 と、四方八方から一斉掃射される弓矢が、ロードに突き刺さり、そのまま倒れる。
 それにグリースと壱狐が。
「君達は翡翠に近づけたくないのか、近づけないようにしているのかは分からないけれど……ならば、僕らの実力をさぁ御覧あれ。そう簡単に引き下がる事は無いよ。僕らは君らの助けになれると思うんだから!」
「ええ。まずは、言葉で済ませられる所を力で訴えた貴方たちの頭を冷やさせます! 貴方たちと違って降参は何時でも引き受けますからっ!」
 まだ慈愛を向けようとする二人の言葉。
『うるさい、うるさいうるさいっ!』
 しかしそれらの言葉に対しても、一切耳を閉ざす森林警備隊。
 そして、先陣を切るはツルギ。
 先にタンクとして立ち塞がった梨尾と入れ替わるように敵との間に割り込んだ彼は。
「しかし、俺達を傷付けるのは仕返しですか? 仕返しなど、何も海はしないというのに」
 と挑発し、敵の怒りを買う。
 更に入れ替わった梨尾は、攻撃してきた一体に向けて騒霊の獅子獣人が反撃の噛みつきを行い、相手のHPを吸収する。
 そしてタンク役の二人が攻撃を惹きつけて行った所で、続いてアズハが動く。
「警備隊の人達は、そちらに任せるよ」
 と、アズハがターゲットにするは精霊達。
 彼ら彼女らに向けて、呪縛と狂気を与える一撃を放つ事で、精霊達の動きを制限。
 一方でシャルは。
「何故そうまでして排除しようとするんだ!? 俺達はただ、何が起きてるか知りたいだけだ!」
 と、まだまだ警備隊に言葉を掛けつつ、炎獄で警備隊を巻き込み、更に壱狐も陽の構えから続く、不殺の範囲攻撃で敵を傷付けて行く。
 更にフィーネは、仲間達から数歩下がった所でタンク役二人の回復の為に、己に常に天使からの祝福を受けつつ、回復を行う。
 そして、最後に行動するグリースは。
「流星群のような矢を存分に喰らってね! 大丈夫、ちょっと痛いだけだから安心して!!」
 と、精霊達を纏めて、空に放つ矢で狙い撃つ一撃で一網打尽にする。
 ……そんなイレギュラーズ達の手慣れた攻勢を見た森林警備隊は、流石に驚きの表情を浮かべる。
「どう? 僕らの実力はわかってもらえたかな? これはしっかり覚えておいてね。後でいろいろと質問したいんだから!」
『くっ……こ、これ位の攻撃で、我らは屈するものか!!』
 とは言え迷宮森林警備隊の面々は、戦う意思は一切失ってはいない模様。
 次の刻となるが、迷宮森林警備隊の面々は熾烈な射撃攻撃を続け、荒れ狂う精霊達はそれを補佐するように、三属性の魔法っで攻撃を繰り広げる。
 タンク役として動くツルギと梨尾の体力はハイペースで削れていくが、フィーネが回復に傾注してくれるお陰もあり、何とかギリギリの線を保つ。
 そして二人が攻撃を惹きつけてくれている間に、まず優先して倒すべくは精霊達。
 彼らはそこまで回避力が高いという事も無く、落ちついて対処していく事で一匹ずつ、確実に仕留めていく。
 ……そして精霊種達全てを倒した位のタイミングで、リログインしたロードも戦列へ復帰。
「待たせたなぁ……って訳で俺を殺したお前等らを、俺達は『しょうがなく』倒させて貰うぜ? 倒して来たのはそっちだからな!」
 とロードは不敵に微笑むと、警備隊に接近する。
『この……死に損ないが!!』
 再度殺すべく、矢を番うが、ソレよりも早く懐に潜り込まれれば、対処も出来ない。
 そしてロードが。
「そうそう、大樹が理解できない事言ってんなら教えてくれよ! 俺、理解不能なのを解明するのは好きなんでな!」
 今起きている理解不能な事象を解明するべく、眼前の敵を非殺にて倒すことに集中。
 各々、自己強化も適度に付与しつつ、派手に非殺で立ち回り、20人居た森林警備隊達を確実に斃し、残るは後数人レベル。
『くっ……はぁ……はぁ……』
 完全に息を切らしている彼らにグリースは。
「さぁ、その理由とか諸々教えて貰うよ! 身のこなしが軽くても、僕の矢からは逃げられない……よっ!」
 と言いつつの、鋭い射撃で撃ち抜く。
『っ……!?』
 その一射を喰らった警備隊の者が、がくりと膝から崩れて体勢を崩す。
 そこに更に、シャルの不殺の一線と、ツルギの連続した不殺攻撃が更に決まり、更に一人を気絶させる。
 とうとう……残るは後一人となり。
『……こうなっては……最後の手段だ……!!』
 吐き捨てた彼が、大量の矢を一度に番い、四方八方に乱射。
 破れかぶれの一閃を放つ事で起死回生を狙ったのだろうが……その様な目眩ましはイレギュラーズ達には効かず。
「これで終わりにしてあげるよ……!」
 と、シャルの最後の一閃が命中し……最後まで残りし警備隊員もまた、その場に崩れ去っていった。

●閉じし声
 そして……どうにか森林迷宮警備隊の者達を非殺に抑えたイレギュラーズ。
「さて、と……それじゃ、傷ついた所を治療しますね?」
 とフィーネがそそくさと、気絶に留めた彼らの傷痕を開始する。
 だが……すぐに目を覚ます事は無く、一時間程が経過した頃。
『……ぅ……』
 静かに、ぼんやりと目を開く彼ら。
 ……そんな彼らの周りには、一戦を交えたイレギュラーズ。
『……!! ま、まだやる気か!!』
 再びの臨戦態勢を取る彼らだが、まだまだ言えたばかりの傷痕が痛み、顔をしかめる。
 ……そんな彼らに、礼儀正しく、深く頭を下げたのはツルギ。
「本当、手荒なまねをしてしまい、申し訳ありません。ですが、こうする他に撮りうる手段も無かったのです」
『な、何を言っている……!!』
 どうにか間合いを取り続け、威嚇する警備隊。
 ……どうやら不殺で斃された事で、尋問を受けるのでは……とまだまだ警戒している様である。
 そんな、彼らが意固地になるのをシャルは。
(「翡翠の国柄は知ってる。余所者に国の事を話すのも、頼るのも、そう簡単じゃないんだろう。けど……」)
 と内心、彼らが置かれた境遇を思う。
 だが、こちらも現状情報が無く、聞くほかに無い訳で。
「国の状況を、聞かせてはくれないか? 少しでも力にならせて欲しい。これ以上……翡翠にも、他の国にも、犠牲が生まれないように」
「そうですね。国を閉鎖したのは、翡翠国の総意なのでしょうか?」
 シャルの言葉にフィーネが言葉を加える。
『……お前達のような、自然を荒らす者達がいるからだろう! 自然が荒れ、精霊達も我らに同調している。この自然を荒らす者共を、許す訳にはいかん!!』
 そう言うと共に、彼らは眼を閉じ、口を閉ざす。
 ……その後もイレギュラーズ達から様々な質問が投げかけられるが……それ以上は決して口を開かない。
 もちろん拘束が続けば続くほど……彼らは更に強固に口を開かなくなる事だろう。
「……わかりました。それ以上、自分達からは聞きません。ありがとうございました。皆さんも……いいですね?」
 と梨尾が促し、そしてイレギュラーズ達は……彼らのテリトリーである迷宮森林を脱出。
 彼らはそれ以上追いかけてくるような事も無く、立ち入らなければ危害を加える事も無い……それは確かな様で。
「取りあえず……分かったことは、自然を荒らす者に対する、強力な憎悪、といった所でしょうね」
「そうですね……私達の他に、自然を荒らした者が居る、という事でしょうか……?」
 ツルギに首を傾げる壱狐。
 彼らも守るべくして守り、それを脅かされるから牙を剥く。
 そんな……彼らの心境を理解しつつも、解決策は見いだせずに、この場を後にするのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

ロード(p3x000788)[死亡]
ホシガリ

あとがき

R.O.O翡翠の国の大事件に参加戴き、ありがとうございました!
っどうして彼らが国境を封鎖したのかはまだまだ不明確な部分はありますが、少しずつでも情報が得られていく事でしょう……。

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