シナリオ詳細
唾棄すべき文学
オープニング
元来、芸術とは高尚さとは程遠い存在であった。
輝かしい宮廷音楽家は貴族の依頼で下品な歌を作曲するし、場末の劇場では演者と観客が文字どおり交わったりもする。漫画などはそもそもが権力を嘲笑うための道具だし、茶器に至っては無価値に見えるほど良いなどという論理の逆転を迎えたほどだ。
文学もまさに同じで、見事な言葉遊びやら人類への美辞麗句に執心した“格式高い”ものよりも、自分と世間の卑しさに憤怒し足掻く人間の闇を赤裸々に綴るものにこそ本質がある。
そう信じているからこそ小説家シドゥスは、人間の最も黒い部分を、自らの作品に描きつづけたのだった。
殺し。盗み。
呪い。騙り。
どこにでもいる善良な人々が、一歩間違えれば自分もどこかでそうしていたに違いないと誰もが痛感せずにはいられない理由で、重罪を犯す。
救いはない。いや、自らを罪人の地位に貶めることのみが唯一、人を救ってくれるのだ……『贖罪』と名づけられたその作品は、圧倒的な説得力をもって、そんな真実を唆す。
紛うことなき傑作であった。
同時に、この世から滅ぼすべき冒涜の書だった。
その作品を書きあげると同時、シドゥスはこの世でなすべき仕事は全て終えたとでも言うように、齢26の若さで早逝した。
そして今、作品の原稿は彼の死体とともに、彼が借りていた屋根裏部屋に放置されている。
あまりに人の闇を綴られすぎた羊皮紙の束は、今や、呪いの品も同然だ。
原稿は自ず、近づく人の心の闇を描きだす。あるいは捏造する。そしてそれらを増幅し、極めて攻撃的な『クローン』を生みおとす。
屋根裏部屋にたち入って彼らに狙われなかった者は、シドゥスの死後は1人たりともいない。
幸い、今まではいずれの者も殺される前に逃げおおせはしたが、しかし原稿は、この瞬間も世間の悪意を吸いつづけている。
今回の依頼の目的は、原稿を、これ以上強大な力を得る前に処分すること。しかし原稿は邪気の結界で守られており、破るにはまず全てのクローンを排除しなければならない。
もし、それが叶わなければ……。
……いつしか原稿は、自らの手で世に背徳をもたらしはじめるだろう。
- 唾棄すべき文学完了
- GM名るう
- 種別通常
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2018年07月13日 21時10分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
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参加者一覧(8人)
リプレイ
●善と悪
『ユートゥスは雄叫びを上げた後、手あたり次第に辺りの石を泉に投げこみつづけた。この美しい水面が二度と、醜悪な顔を映すことのないように』
それが誰にも知られぬ名作だというのなら、『自称、あくまで本の虫』赤羽・大地(p3p004151)の好奇心をくすぐらぬわけがない。けれども彼の図書館に、人を傷つける本のための書架は残されていなかった。
罪も悪も。確かにシドゥスが書くとおり、人ならば誰もが持つものに違いない。が、その贖罪の先が滅びであるのなら、贖わぬほうが余程マシなのだ――『落ちぶれ吸血鬼』クローネ・グラウヴォルケ(p3p002573)はかつて読んだ小説を引用する。『地上に美徳しかなければ全ては破壊される』、と。
はたして先陣を切って敵を圧迫しにいった『メイドロボ騎士』メートヒェン・メヒャーニク(p3p000917)の目の前に、“ありえたかもしれない彼女”は人の姿をとり、凝り固まった悪意を向けていた。『赤備』ノブマサ・サナダ(p3p004279)の偽者は、本物よりも禍々しく映る赤い鎧を着こみ、血塗れた戦斧をふり上げて。『見習いパティシエ』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)の偽者は、初めての命をかけた戦いに怯え、心優しいほんもののミルキィとは逆に、身を守るには誰を利用し誰を殺せばいいかと打算を巡らせる。
人の思想がもろに関わるものには、こういう悪意が染みつきやすいものだ。けれども紛い物ごときに殺されてやる趣味など、『蒼ノ翼』ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)には到底ありえなかった。
「そうよねぇ。どうせなら飲み友になってほしかったわぁ」
スキットルを呷ると踏みだす『とにかく酒が飲みたい』祈祷 琴音(p3p001363)。彼女の偽者も酒瓶を呷り、そのまま瓶を本物へと向けてふり下ろす。
机に伏せたまま動くことのないシドゥスがその光景を見てどう思うのか、『魔剣殺しの』ヨルムンガンド(p3p002370)には想像だにつかなかった。もしかしたらこの呪いすら、彼の作品の一部だったのか。
だが、それを知る術も必要もない。何故なら壮絶な自己嫌悪の末に今の姿になった彼女は、逆説的に人の光を知っているからだ!
偽者の琴音が叩きつけた酒瓶は、本物の肩を打った後で弾かれた。それを皮切りに次々と琴音を攻めたてるクローンたち……だが、それでも琴音は頬を火照らせたままだ。かつては酒場のテーブル天板だった盾を立てておくだけで、この程度なら1人ででも2~3分はあしらえる……ある1人の攻撃さえ受けずにいられれば。
その『1人』とは、ヨルのことだった。欲望のままに万物を喰らい、人々が去るまで自らの横暴に気づかなかった竜は、わずか4度その力を振るうだけで、琴音を窮地に追いやるだろう。
ゆえに特異運命座標たちの攻撃が彼女の偽者に集中するのは、必然であった。身を守る術を持たぬ偽の竜は傷つき悲鳴を上げる……まるで、あの頃の彼女のように!
「いちど、全力で殴ってやりたかったんだ……過去の私!」
その噛みつきは、確実に偽者の息を止めるはずだった――が、彼女の牙が砕いたものは、鋼鉄のメイドの腕だった。
●罪と罰
『「いいかいアゲーテ。いちど犯した罪は骨の髄にまで染みこんで、滅ぼそうったって消えないんだ。それこそこの身そのものを滅ぼさない限りは──」』
人の心の闇に支配され、互いを助けることなどせぬはずのクローンたち。それが他者を守ったことは、特異運命座標たちの作戦を、大きくゆるがす事態であった。
何故――いや、その中でもメートヒェン自身にだけは、薄々と理由が解っていたかもしれない。
あの日、師匠に拾われるまで、生きるために罪を重ねていた孤児だった彼女。
決して大それた罪じゃない。償いだって済ませてはいる。だとしてもそれを誇れるわけなんてなく、一歩間違えれば仲間たちに討伐されるのは、本物のほうの彼女であったかもしれぬ。
だとすれば……どうして同じ姿をした闇が、それを望まぬことがあるだろう? 自らを罰し、それでいて本物たちを苦しめることもできる。誰かを守るとは素晴らしいことだ。
「……だったらアタシは、次の相手を狙うだけッスよ……」
クローネの魔弾がノブマサへと向いた。こちらのノブマサはメートヒェンに庇われているが、敵の側はいまだにノーマーク。偽メートヒェンに目をつけられる前に倒しておくのが、クレバーなやりかたというやつだろう。
「……アタシは、これくらいしかできない役立たずッスけどね……」
魔弾は偽ノブマサから外れ、クローネは自身の偽者に向かって、お前もアタシみたいな役立たずなんだと言いたげに顔を歪めてみせた。続いて、ルーキスも黒翼の狼を喚ぶ……この狭い屋根裏部屋の中では本来の力を発揮できない、哀れな悪魔伯爵を! ……だがそれは、やはり敵にとっても同じことのはずだ。
「当たるかどうかが問題じゃないしね。運が良ければ当たる……最悪、牽制になれば十分だ」
たとえ当たらずとはいえど、悪魔伯爵の存在は確実に、偽ノブマサの逃げ場を奪いゆく。クローネも、ルーキスも、確かにクローンを傷つけることこそなかれども、それは決して無駄を意味なしない。
厄介な追いつめかたをしてくれたルーキスへと、偽ノブマサは最期の力で太刀を叩きつけた。直後そんな彼を無に帰したのは……キッとクローンたちに真剣な目を向けて、炎の華を放ったばかりの、ガーリーなポーズを決めているミルキィ。
「書くなら悪いところだけじゃなくて、いいところもまとめて書かなくちゃ嫌な作品になっちゃうよ!」
そう憤慨する彼女をあざ笑うかのように、偽ミルキィもルーキスに本物と同じ技を使ってみせた。
「ムカつくくれェ、俺達に似てやがるナ……」
だが、だからこそその中につけ入る隙はあるはずだ……狭い部屋の中で敵味方がいり乱れる様子を虎視眈々と観察しながら、大地はそれが訪れる瞬間を、虎視眈々と捜しつづけていた。
●その身朽ちても
『むっとした顔を浮かべる青年を、老人は赤ら顔で嘲笑してみせた。「馬鹿を言え。儂は知っておるよ、お前さんは仲間がどうこう言う癖に、誰のことも信じとらんじゃないか」』
戦場は狭く、次々に互いの位置が変化する。その中で複数の敵だけを魔弾の射線上に乗せるのは、けれども大地にとっては決して難しいことじゃない。
問題は1つだ。
そのために彼は前に出るべきか、それとも集中攻撃される危険を避けて、狙える数が減るのを承知で後ろから撃つのに甘んじるか。
彼は前に向かって駆けだした。
「撃つ。当たるんじゃねェ」
ぶきらぼうに仲間たちへと警告すると、たった1発のレーザーで、3人ほどまとめて貫いてやる。反撃が来るのは解ってはいるが、それが今すぐでないことも彼は知っている。
標的の1人、偽ルーキスが蒼い翼を広げ、ぐいと彼へと向けて加速した。だが……彼女が狙うのは大地ではない。その先の、すでに偽ノブマサにより傷を受け、最も倒しやすいと踏んだ相手――再び悪魔へと何事かを命じんとする本物の彼女!
技巧など何も必要はない。魔導書に魔力、憎しみ、暗鬱を乗せて、偽ルーキスはそれを振るう。そして他のクローンたちも彼女に続く。
「昔なら悪魔たちもいた。追っ手たちをふり払うだけの力もあった」
ルーキスは、自嘲めいてそう呟いた。今の彼女にできるのは、せめて自らの身を守り、仲間の治癒術を待ち、わずか数秒を足掻く程度だ。……けれど。
「でも……今の私には、見ての通りの仲間がいる」
ルーキスは倒れる。けれども7人が彼女の仇を取ってくれるし、彼らでもダメならさらに別の誰かが戦ってくれる。さあ、キミはどうだろうね?
こうしてルーキスが倒れたならば、次に集中攻撃される対象は、突出した大地の番に違いなかった。
「でも、そんな見えすいたことなんてさせないわぁ」
そんな大地を追って敵陣に分け入り、色っぽい声を出しながら体をくねらせる琴音。本物を殴ろうとした偽琴音が酒瓶をふり上げたまま、どう動くのがよいかと冷や汗を垂らす。彼女がちょっとやそっと攻撃を当てた程度では倒せないのは、ここまでで十二分に証明されている。
けれども特異運命座標らのほうも……手詰まりに近づいていないかと問われれば、決して大丈夫とは言いがたい状況だった。
●死の恐怖
『「結局のところ人なんて、生まれたこと自体が間違いなんでさぁ! そうでなければいったいどうして、人は苦しみながら生きるんですかねぇ旦那?」』
互いに睨みあったままのメートヒェンたち。本物は自らの責務を果たすため。偽者は自らに罪を刻むため。理由こそ違えどどちらも攻撃の要を2人その背に庇い、じっと状況を注視する。クローンをすべて倒したら、原稿を燃やしてしまうのがいいのだろうか……そんな簡単な思索すら、しばし脳裏から追いやって。
ミルキィが、今まで経験したことのない緊張感だ。この場にいるだけでも気力と体力を奪われて、おなかが空いてきたように感じられるほどに。
このまま攻撃を続けるか、用意してきたポーションでの回復役に舵を切るか、彼女にはどうにも判断がつかなかった。舵切りは、本来なら偽ヨルを倒してからのはず……でも、彼女を倒せずにいる今は、いったいどうするのが正しいのだろう?
「わっ!?」
悩む彼女のすぐ傍で、炎の華が爆発した。同じく戦いの恐怖で体を強ばらせたままの、彼女のクローンが放ったものだ。
さらに悪いことに偽琴音まで、大地を諦め彼女のほうへと駆けこんでくる。
けれども――偽ミルキィの狙いも偽琴音の狙いも、どうやら彼女ではないようだった。
「……どうしてアタシなんかを狙うんスかねぇ……」
クローネの声が恨みがましく、虚空に向かって呟かれる。
そこへと、さらなるクローンたちの攻撃。
死にたくない。たとえ、どんな手段を使ったとしても。
どこで間違ったのか、あるいは間違えられたのか。少なくとも彼女は人として死ぬべき時を見うしない、誤った生に執着する化物となり下がった……だが、所詮はここまでだ。
「……そんなアタシのクローンなら……生きようと思うこと、それ自体が間違いッスよ……どんなに生きたがったところで……」
そんな呪いを残した後で……彼女もルーキスに続いて意識を手放した。その間に偽大地が果てていたことだけを、せめてもの希望と抱きつつ。
「……大丈夫。斬られてるのは、俺じゃない」
首を刈られて最期を迎えた偽者の姿を、大地は自らの首の傷痕に手を遣りながら見おろしていた。けれども次の瞬間には別人のように口許をひき攣らせ、誰にともなく囁いてやった。
「あァ、首に刃物を当てられるのは怖いよナ? なにせ……テメェは俺なんだからなァ?」
けれども彼も……残弾は尽きていた。回復すらも打ち止めだ。
ならば……。
●底なし沼
『「そこで盗賊は言うわけさ。確かにあなたがたは私を恐れるのでしょう、けれどもそれ以上に私があなたがたを恐れていないと、どうしてあなたがたに言えるのでしょう、ってね。こいつを出任せだと思うかい?」』
とび出した大地がわが身を呈して偽の自分の爪から仲間を守るさまを、ヨルは蒼白な顔で見おくっていた。
自身の行ないのために誰かが傷つくさまは、もう、前の世界でだけで十分だ。他人の感情、特に恐怖を知った今は、傷つけるのが自分の偽者であっても、やはり恐ろしくて堪らない。
けれどもそれと同じ恐怖を、彼女のクローンも感じているはずだった。その感情が自らの弱点であることを、ヨルは誰よりもよく知っている。
仲間の姿をした化物を喰らう。本物にすがるような視線を向けた偽ミルキィは、泣きながらヨルの牙に喰い殺される。偽者と解っていても気分が悪いが……味方を仲間とも思わぬ偽ヨルは、どこまでそれを感じていることか?
お互い、もっと楽しくやればいいのにと、琴音はつまらなさそうに独りごちるのだった。殺し、殺されなんかより、自堕落な生活のほうがより性に合う。けれども、このままではそれが許されぬのならば……力を振るうのも吝かではない。
偽ルーキスも偽ヨルも、依然、偽メートヒェンに庇われままで。次に倒すべきは、はたして誰か?
けれども彼女は一瞬の逡巡の末、偽クローネへと向けて天板盾を振るう。偽クローネが足掻きながら斃れる瞬間は、決して遠くはないだろう……が、同時に彼女は沈まされてゆく。互いに互いを殴りあい、地獄までひきずり下ろそうとする戦いの中に。
ぷはぁ、と、彼女は豪快にそれを飲みほした。それから空になった綺麗な小瓶を、ぽいと本来の持ち主であるミルキィへと投げわたす。
酔いどれ姐さんの最後の仕事は、倒れるまで立ちつづけることだった。そして、それが終わった頃には……。
敵の数は1人減り、さらに偽の彼女まで満身創痍になっているのだ。
●喧騒の果てに
『「そしたら司教は言うわけさ。善も悪も、結局は神様の掌の上だってね、」マルトルは興奮しながら説きつづける、「だったら、善と悪とに何の違いがあるんだい!?」』
全ては、終わりつつあった。
互いに全力を出しつくしたヨルたちの爪は、かつてほど鋭く防御を貫けず。それでもそれを自らの血で研ぎすます彼女らの意志は、確実にメートヒェンの鉄壁の防御を蝕んでゆく。
そんな彼女に液体がかかる。見まがうことのない、ミルキィのポーションだ。その力に後押しされながら、メートヒェンは時折体をずらし、クローンの体勢を崩しにかかる――そして自らも同じように崩し返される。
ミルキィがついている分だけ、かろうじて本物の側が有利であるようには見えた。けれども戦いの趨勢というものは、どこかで一気に傾けておかない限り、絶対になるものじゃない。
「2人を倒させるわけにはいかないからね、守りきるよ」
そんなメートヒェンの覚悟がくだけ散るのと、見届けるように彼女の偽者が消滅するのは、ほぼ同時のことだった。その後はまるで崩れるように、ノブマサ、偽ヨル、そしてヨル自身も膝をつく。
「たとえ、命を捧げて仕上げた傑作だとしても……後世に残させるわけにはいかない」
そう呻いて目を閉じたヨルを踏みこえて、偽ルーキスは、最後に残ったミルキィへと憎々しげな目を向けて――。
●失われた傑作
(このままじゃ、みんな殺されちゃう!)
運命に見はなされたことを悟ったミルキィが、助けを呼んできた時には。
屋根裏部屋には、想像もしない光景が待ち受けていた。
倒れ伏す7人の仲間たち。
いずれも意識こそ失っているものの、止めを刺された形跡はない……そこまではいい。
何よりも人々にとって驚くべきことは、辺りに漂う死臭と瘴気が、忽然と部屋から消えていたことだった。そればかりかシドゥスの遺体と、あの、呪われた原稿までも。
ミルキィが目を離した隙に起こった出来事も、原稿が何故特異運命座標らの命を奪わなかったかも、人々には推しはかることしかできるまい。
しかし、ただひとつ言えることがあるのだとすれば……。
原稿は世に悪意をばら蒔く力を得たと同時に、特異運命座標らとの縁を、否応なくその身に刻まれたのだ。
ルーキスが、倒れる間際に呪ったとおりに。
●『贖罪』
『「これは君が望んだことなんだ、」もう一度ユートゥスはくり返した。それから意を決し、二度と物言わぬアゲーテから目を背けると、逃げるように森の中へと消えていった』
成否
失敗
MVP
状態異常
あとがき
皆様、ご参加ありがとうございました。
クローンたちの行動原理は『1人でも多く倒す』『そのためなら他のクローンも利用する』ですので、いくら積極的に連携しないとは言っても、自分が防御役や回復役っぽくて誰かを守った方が最終的に多くを倒せそうならそちらを選ぶのです。連携と言うにはお粗末な、自分勝手な判断の結果ではあるわけですが。
あとは……心情の話。どれだけ敵が不利にできそうなトラウマがあっても、最大限に活用できるのはそれを突くためのプレイングあってこそ、というのはご理解いただけるかと思います。
そんなわけで今回は残念ながら、討伐失敗、という結果になっております。
次に出会った時、『贖罪』はきっと、さらなる進化を遂げていることでしょう。その時がいつ、どこであるかは判りませんが、もしよろしければその時もお付きあいくださいませ。
GMコメント
どうも皆様、るうでございます。
この戦い、レベルの高い方は高いなりの、低い方は低いなりの仕事があることでしょう。皆様の健闘を祈ります。
●クローン
1人につき1体、皆様のデータを(付与等の内容や残り時間を含めて)全てコピーして現れます。戦闘不能になるかシナリオが終了するまでは消えません。
クローンは自身のデータを元に、1人でも多く皆様を倒せるように行動します。皆様がプレイングにパンドラ使用と記載している場合は、パンドラ復活もしてきます。
……と、この条件ですと皆様の勝率は最大でも50%になってしまうわけですが、彼らは『他のクローンを利用する』ことはあれ、積極的な連携はしてきません。皆様がいかに連携するかが、勝率向上の鍵となることでしょう。
また、クローンたちは皆様の負の感情を増幅して持っています。プレイングに心情や過去のトラウマなどがあれば、状況次第でクローンたちはそれに囚われ、ペナルティを受けてくれるかもしれません。これも勝利の鍵になりえます。
●戦場
小さな屋根裏部屋なので、最大でも近接距離までしか離れられません。ご注意ください。
依頼人からは「部屋はなるべく壊さないように」と言われてはいますが……まあ、故意に壁をぶち抜くような作戦を立てなければOKということで。手加減して勝てる相手ではありませんので。
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