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シナリオ詳細

<グランドウォークライ>偽物兎は灰色に

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●VR-F『ミクトラン』
 それは黒い海苔のような、のっぺりとした姿で人々の前に現れた。
 スチール・グラードの工廠区画を覆った影。それを作った平坦な紙を思わせるステルス戦闘機は、まず四角錐に折りたたまれ、先端を地面に向けて鋭く突き立つ。
 落下の衝撃と先端でくり貫いたかと思えば、そのまま地面を穿孔し潜航し、またたく間に半径30m程度の範囲の上にあった建物を地面の陥没に巻き込み、倒壊させていく。
 ズタズタにされた、そこそこ優秀だったインフラの痕跡はしかし、虚しく溢れ出る水が瓦礫を飲み込むことにばかり躍起になっていることから推し量れるのみだ。
 地面から飛び出した四角錐は人型に……四肢の先端が杭状、頭部が高速回転する球状のパーツになった怪ロボットに変化した。
「この地は我々が破壊する! このエクスギアエクス、『ミクトラン』により大地を沈め、然る後に我が工兵軍団により新たな姿に生まれ変わるのだ! そこに貴様等惰弱者は必要ない、我々が送り込む強者さえいれば不要である!」
 機体の中から響いたのは、ともすれば「かわいい」と錯覚しても仕方のない声音であった。おそらくは小型の者が発したと思える声、そしてたった今行われた暴挙の邪なりしコントラストは、続けて現れたエクスギアエクスの量産機達によってその暴力性を補強された。
 押っ取り刀で現れた装甲車達は、『ミクトラン』が放った杭状の弾丸が明後日の方に飛んでいくのを笑ってみていた。
 そして、その杭が展開したことで、そして自らが電流に焼き焦がされたことで遅まきながら『武器』ではなく『電流中継ユニット』であることに気付きつつ絶命する。
 杭のような手足はそれぞれがドリル様の破壊を行う、ばかりか射出までできる、ときた。
 まさに敵を冥府と絶望に突き落とす神のごとく。
 その絶望感は、以前現れたという巨大ロボットよりもなお暗澹とした姿であった……。

●『白兎』部下、戦場へと
「これは隊長の声ですね。間違いない。でも、隊長のやっていることとはまるで違う。酷いニセモノだ」
「ああ、身内がいると理解が早くて助かるな。皆も知っているだろうが、『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュによってスチール・グラードが占拠された。各所に『ニセモノとなったシャドーレギオン』を配置して、『ディアナキャッスル』への侵攻を足止めする腹積もりらしいな。それで、そこのアダムス君達のリーダー、『白兎』ヴァイス氏……の、ニセモノが観測されたのがここ」
 『覆面鉄人』ドムラ・ミンミン (p3y000097)はスチール・グラードの地図の北西あたりを指し示す。工廠地帯の一角を地下に沈め、しかも『エクスギアEX(エクス)』なる巨大ロボットで改造を始めているというのだからたまったものではない。
「エクスギアエクス、つまり乗って操縦する巨大ロボットだな。これとの戦いは避けられない……だから、我々も専用のエクスギアエクスを配備し、それによって敵部隊を排除することになる」
「俺達は部隊で1機、G-Submarineと同じ要領で分業で操縦することになりますね。といっても、ああ尖った機体じゃないけど」
 アダムスは肩を竦めてそう述べる。地下はもう懲りたといわんばかりだ。
「『白兎』の機体は大型アンテナの装備されたEWACタイプだ。そこにあることで大きなレーダーとセンサー補正を受けられるだろう。速度と隠密性が高い『ミクトラン』撃破には出来れば残っていてくれたほうが助かる。彼等をサポートしつつ、全敵掃討を期待する。……私の機体? 盾を複数マウントしたタンカータイプだよ。生憎、痛いのが嫌だから守りを固めた」

GMコメント

 名前はかっこよくなったのになんで設計思想はいい感じにダサいんですか?(電話猫)

●成功条件
・『ミクトラン』含む敵エクスギアエクスの全滅

●VR-F『ミクトラン』+ヴァイス(シャドーレギオン)
 ヴァイス・ブランデホトのニセモノ(シャドーレギオン)が搭乗した巨大ロボットです。
 地面を掘り進めてくり抜くほどの貫通力を持つドリル、杭を突き立てることによる範囲電流発生装置、その他軽火器類各種を搭載した地中、地上戦特化機。飛行形態はおまけみたいなもんです。
 あのまま飛んでたら装甲が悲劇的なので……。
 攻撃方法は上記のものをベースに『移』をふくむスキルなどを有します。
 移動に関して、埋没した工廠区画を使って遮蔽物戦闘を行ってくる賢しさはあるようです。十分相手を捕捉したうえで戦うのが安全です。

●配下エクスギアエクス×15
 そこまで強くはありませんが、平均的な実力を持っています。
 銃による飽和射撃や近接武器での包囲戦闘などを得意とし、数の優位で能力の優位をブチ壊す感じです。
 遠近ともに戦えます。そして頑丈。

●超強襲用高機動ロボット『エクスギア・EX(エクス)』
 エクスギアEXとは大型の人型ロボットです。
 『黒鉄十字柩(エクスギア)』に附随した大型オプションパーツを超複雑変形させそれぞれの戦闘ロボットへと変形します。
 搭乗者の身体特徴や能力をそのまま反映した形状や武装をもち、搭乗者にあわせた操作性を選択し誰しもが意のままに操れる専用機となります。
 能力はキャラクターステータスに依存し、スペックが向上した状態になります。
 武装等はスキル、装備、アクセスファンタズムに依存しています。
 搭乗者のHPがゼロになると破壊され、多くの場合爆発四散します。
 搭乗者が装備する剣と同様の剣で斬りかかったり魔術砲撃をしたりと、搭乗するキャラクターによってその戦闘方法は変わるでしょう。
 もしお望みであれば、普段と違うデザインをオーダーしてみるのもいいでしょう。
 ※すべてが専用にカスタムされているため、別の人物が乗り込んだり敵のエクスギアを鹵獲し即座に使用することはできません。逆もまた然りです。

●『白兎』用レーダーEWAC機
 戦闘能力もありますが、イレギュラーズ専用機とは一枚おちる性能です。
 こちらの機体が残存する間、『ミクトラン』の地中隠密などを無効化できます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

※重要な備考『デスカウント』
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。

  • <グランドウォークライ>偽物兎は灰色に完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月24日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ルチアナ(p3x000291)
聖女
シャドウウォーカー(p3x000366)
不可視の狩人
リュート(p3x000684)
竜は誓約を違えず
夢見・ヴァレ家(p3x001837)
航空海賊忍者
タント(p3x006204)
きらめくおねえさん
ダリウス(p3x007978)
尾を喰らう蛇
うるふ(p3x008288)
銀河を狩る獣
黒子(p3x008597)
書類作業缶詰用

リプレイ


「超強襲用高機動ロボット……?」
「ぎゃう、ロボットッス! かっこいいッス!」
 『聖女』ルチアナ(p3x000291)は自分をそのまま等倍して巨大化させたような、しかし植物の意匠が多めになっているデザインのロボットに呆然とした表情となった。元の世界でも、混沌でもここまでのものは見られない。『神の仔竜』リュート(p3x000684)のロボット『オーバードラゴン』に至っては人型ですらない。4足歩行の巨大ドラゴン……ロマンの塊ではないか。
「なんかやっている事と声が合っていないの、気のせいです?? 敵は敵ですから、手を抜いたりなんてしませんけれども!」
「シャドーレギオンですから倒せば消えます。『白兎』各位と連携してミクトランの撃破を最優先としましょう」
 『航空海賊忍者』夢見・ヴァレ家(p3x001837)は敵の声のトーンと所業の荒々しさのミスマッチにしばし思い悩むこととなる。が、『書類作業缶詰用』黒子(p3x008597)のいっそ冷徹とすらいえる冷静な物言いに背を押される格好でヤル気がもりもり上がっていくのはなんとはなしに認識していた。なお、ヴァレ家の機体はなんだかビール樽をベースとして『なんで飛べるの?』感のある機体であり、黒子のそれは非常にソリッドな仕上がりをした万能機といった風情だ。
「ロボット対ロボット、まさにゲームならではって感じだね」
「ハッハー! ロボに乗り込んでヤリ合えるなんざ想像以上に未来に行ってんねぇ!」
「ロボがロボに乗るたぁ、世の中何が起こるか分かんないもんデスネー。しかもすげぇなコイツ、うるふの武装大体再現してマセン? これぞ鋼鉄パワー……」
 『不可視の狩人』シャドウウォーカー(p3x000366)、『職業無職住所不定』ダリウス(p3x007978)、そして『Let’s Dance!!!』うるふ(p3x008288)の3人は、目の前に用意されたエクスギアEXの姿に驚くやら喜ぶやらで情緒がどうにかなりそうだった。ダリウスの機体は速度と能力特性の発揮の為か、排気口とブースターが絶妙な配置を為されており、うるふのものはコクピットが肉体接続式になった再現型、そしてシャドウウォーカーのものは典型的な軽装甲機なのだが、どうにも外装の接続がゆるそうに感じる。それでも基本駆動に支障はなさそうなのが技術的にすごい不思議。
「昨日の敵は今日の友、ねぇ」
『長い人生、そういうこともあるんだろうな。よろしく頼むぜお嬢さん』
 『きらめくおねえさん』タント(p3x006204)は、すぐ側で跪く形で待機姿勢を取る『白兎』の機体が響かせた声に軽く手を振った。彼女の乗る機体は、日輪を背負ったF型の機体だ。細身だが芯の通った強靭さを思わせるフォルムは、成程、彼女の普段の姿を想起させる。
「システム起動、各部問題無し……エクスギアEX・うるふ機、行くぞぉ!!」
「あっかっこいい! 航空海賊忍者ヴァレ家、参りますよ!」
 うるふは頭部に操縦ケーブルを繋ぐと、意思ひとつで飛び上がった。器用だ。ヴァレ家もそれに倣い、名乗りをあげて中空へ身を乗り出していく。
 何につけても、格好いいことはいつの時代も正義なのである。
「その機体……話の種の冗談かと思っていましたわ?」
「そうでもないさ。私だけ地上にいるわけにもいかん。最低限の働きはするつもりだ」
 タントは自らのエクスギアEXに乗ると、盾に覆われたような外見の機体(ドムラの乗機だ)をちらりと見た。どの程度まで期待していいかは未知数だが、居ないよりは随分とマシだろう。

 埋没し、崩れた建物の合間から姿を表す雑兵のエクスギア、数15。ミクトランの姿はない。が、EWAC機から共有されるデータで概ねの位置は捕捉できている。
『ヤツは一歩引いて様子を見ているようだ。雑魚にひと当てして引っ張り出さないと顔も拝ませてくれないらしい』
「そういうことなら、派手にやるッス! ぎゃうーっ!」
 無線越しに届いた声に応じるように、リュートは己の声を機体スピーカーから最大音量で発する。敵機の動きは、しかし健在。生物としての意思が無い者には通りが弱いか。それでも最低限、自分に視線を向けることには成功したらしい。
「電流杭が厄介です。固まりすぎないよう、散開してまずは数の不利を覆しましょう」
「そうね、数の不均衡を崩さないとできることもできないわ。……あちらさんも馬鹿じゃないってのは面倒だけど」
 黒子の言葉に応じたルチアナは、シャドウウォーカーが牽制に打ち込んだハンドガンの軌道を追うように範囲攻撃を叩き込む。それだけで倒される個体群ではないが、しかし自分達の脅威のアピールにはなったらしい。
 ……戦闘開始の準備は整った、というわけだ。


「まずはあの鬱陶しい配下から片付けマス!」
「動きを止めれば一気に楽にはなるでしょう。まずはそれを最優先に」
 うるふの機体は、トイガン型の大砲を傾けると広範囲をカバーする弾頭を敵陣中央へと叩き込む。エクスギアEX特有のド派手な爆発は、規模に反し敵を巻き込めなかったものの、その動きに方向性を与えるには十分だった。……そう、黒子機の攻撃範囲に送り込む程度には。射出された軽い音の一撃は、しかし音にそぐわぬ衝撃でもって愚鈍な個体の動きを止める。すかさず声を張る黒子に応じたのは、ルチアナ機の放った範囲攻撃。威力と攻撃精度に長けたそれは、威力ばかりが高いわけではない。直後、数機のエクスギアEXが自らに銃をつきつけ、引き金を引いたのだ。オープン回線ごしに流れる動揺の声から、センサー類の障害と思われる。
「言ったでしょう?数を減らすのが最優先だって」
「なかなかにエグい戦い方ですな! 感服いたします! えーっと、じゃあ拙者はそこで右往左往している連中を!」
 ヴァレ家はその様子にちょっとかわいそうなどと思ったりしつつ、右足のペダルをベタ踏みにして全力駆動で敵を翻弄する。速度のなかにおちょくりの気配を濃く残すヴァレ家機の軌道は、雑兵程度の機体であればIFFのマーカー表示をより強く目立たせることなどお手の物だ。
「オーバードラゴン! どーんっと花火をぶちかますッス!」
 リュートの動きはそのままオーバードラゴンに反映され、開いた口から発せられた光は本人のそれを遥かに超えた派手さで地上に降り注ぐ。工廠跡地を逆しまの花火が彩ると、消耗していた雑兵機は次々と爆発四散し、パイロットごとノイズの向こうに消えていった。なにかの伝説よろしく振る舞うその姿は、サイズ感もあって敵にとってはまさしく悪夢のそれだ。
「あいつら、何してやがる……! 『ノック』!」
 削られていく戦力は、それなり闘ってはいるものの、一方的といっていい。ヴァイス(偽)は怒りを押し隠しつつ、敵がまとまっているところへ電撃杭を射出、すぐさま移動を開始する。威力は十分、損害それなり。戦略は間違っていない、と彼の自信は鰻登りとなり。
「はいはい強者強者言ってるけど穴熊決めるなんざ雑魚のやる事じゃねーか? しかも隠れても簡単に見つかっちゃうなんて坊ちゃんはかくれんぼがお下手でちゅね~!」
「……は? 今なんつったテメェ……?」
 次の瞬間、地中の自分に追い縋るように地上を疾駆する小型機から発せられたスピーカー音の露骨なアオリに、そして自らをたやすく見つけた事実に、歯噛みしかネぬほどのいらだちを覚えた。

「レーダー共有。データ双方向通信良好……IFFから逃がす気はないぜ、ニセモノの隊長さんよ」
「あそこね、りょうかぁい」
 アダムスの、信頼と憎悪が相半ばする複雑な声が漏れる。それに伴ってタント機に送信されたIFFマーカーは、彼女の手によって地上にレーザーポインター状に投影される。光の強弱により地中深度も判別可能とくれば、コレ以上無い索敵支援だろう。恐らく、レーダー波によって相手に筒抜けだろうが……そこはダリウスの激しい煽りが利いている。
「天網恢恢、太陽の眼からは逃れられないわよぉ」
『タント、油断するなよ! ……いや、するハズないだろうけど、一部そっちに向かったぞ! ワタシはこっちのひきつけで手一杯だ!』
「大丈夫よぉ、わたくしは護るためにここにいるのだから」
 無線の向こうから響く、シャドウウォーカーの焦り混じりの声に、タントはたおやかに笑って応じてみせた。表情は見えまいが、声の余裕は与えられよう。
 ……なんでか、その時すでにシャドウウォーカー機はスク水姿にパージしていたのだが。
『なんで?』
「なんでかしらねぇ」
『……何でなんだろうな』
 シャドウウォーカーの激しい疑問(オープン回線)に、タントも、そしてタントらを護るべく近くにいたドムラ機からも疑問の声が響いたのだった。


 ほんの数秒さかのぼって。
「敵が集まってる! 気にしないで、ワタシごと範囲攻撃で仕留めて!」
「ワタシごと、って言われてもうるふには狙えないデスよ! だからこういう時は、こうするデス!」
 シャドウウォーカーは、敵をひきつけて自ら犠牲になろうとした。のだが、うるふは人道的かつ器用に機体をのりこなすことで、トイガン(ではない)から次々と貫通弾を吐き出し、雑兵機を縫うように打ち込んでいく。
「一発だけ巻き込みます。負傷程度を確認し、素早く離脱してください」
 黒子はこういう時、チャンスとリスクを適切に天秤にかける。あとから対応できるなら、今の被害は度外視する――その意思のもとに放たれた一撃は、雑兵の動きを一斉に縫い止め、彼女の機体への追撃を阻害した。そして、彼女の接続の緩かった外装を爆散せしめた。
『なんで?』
「いやー拙者にはできない荒事でありますな! 向こうの夢見ならできるかもしれませぬが!」
『向こうの「夢見」さんに悪いッスよ……』
 ヴァレ家とリュートの追撃じみた言葉がただただ耳に痛い。穴があったら入りたいが、今穴から出てこないのは敵のボスなのである。

「隠密が得意な割に、居場所バレバレじゃねえか!」
『お前らの仕掛けはわかってんだ、今に潰して……やるよッ!』
 ダリウスの煽りに苛立ちつつ、ヴァイス(偽)は冷静に立ち回っていた。地面を掘り進め、バレてると知りつつEWAC機へと接近する。地中から一気に飛び出したミクトランは、正面に照準したEWAC機に全て叩き込む気で一気に勝負をキメにかかる。
 ……が、発射直前でジャムった。何故だ、と叫びそうになった彼に、ダリウスの笑い声が混じった。
「ただ単に煽られてたと思ったか? 甘いぜ」
「うるふ達がダリウスサマだけに対応任せてたと思ったんならちょっと甘いデス。居場所がわかってる時点で、もう少し対策を考えるべきデシタ」
 そう、ミクトランは地中を移動する間、誘導されるがままに動き回り、(そこそこ被害は出しつつ)結果としてその間些細な攻撃を受けることで消耗し……必然的に、敗北への道を舗装されていたのだ。
「ぶっちゃけ配下のほうが隠れたりする分面倒臭かったッス! リーダーがやたらと素直なの、リュートは好きッスよ!(戦いやすくて)」
「……まあ、そんなところです。それで、いいのですか? 皆様の集中攻撃を受けてでも、私の攻撃は避けたほうがよかった、と今更ながら思うのですが」
 リュートの素直な、しかし最大級の罵倒を受けて、そして彼の機体が放った光球を受け、頑健たるミクトランの装甲にやや支障が生じ……そこに、黒子の行動阻害がマトモに入る。
「この距離なら外さないわぁ。……最後にお顔が見れてなによりだったわ」
 「じゃあ、またね」と。二度と無い約束の下に、タント機から射出された雷撃がほとばしる。

「いやー、それにしてもこの機体惜しいデスね! こんな時でもないと使えないなんて」
「拙者はちょっと……乗り物酔いが激しいので次回は遠慮したくオロロロロロロロ(死亡マーカー化)」
「ところで、ワタシの機体の仕様……あれ、何で?」
「何でかしらねぇ」
「皆目検討つかないデスね」
「いやいや、面白いからよかったじゃねえか!」
 工廠跡は、さらなる激戦によりボコボコにぶっ壊れていた。それだけの戦闘と、遮蔽物の破壊が行われた証拠であり、翻って、相手の戦闘技能が高かったという証左である。
 そうなれば、なおのこと。隠蔽能力に長けつつも騎士道精神というか単調さを表に出したヴァイスのニセモノとの機体相性の最低最悪の不一致が、敵の敗因ともいえるのだろう。

成否

成功

MVP

うるふ(p3x008288)
銀河を狩る獣

状態異常

シャドウウォーカー(p3x000366)[死亡]
不可視の狩人
夢見・ヴァレ家(p3x001837)[死亡]
航空海賊忍者

あとがき

 死因:乗り物酔い、恥ずか死

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