シナリオ詳細
<グランドウォークライ>フルダー収容所解放作戦
オープニング
●鋼鉄内乱『フルメタルバトルロア』
大規模イベント<Genius Game Next>をクリアしたことから、R.O.Oはバージョンがアップデートされた。そしてまた、
――新規イベント『機動要塞ギアバジリカ』が開催されました。
そんなタイトルで、またも『R.O.O』から全プレイヤーへ『イベント開催告知』が出された。鋼鉄内乱『フルメタルバトルロア』を攻略し、皇帝殺害の真相に迫ることを目的とするイベントである。
その知らせには、練達上層部にとって見過ごせぬ内容が書かれていた。鋼鉄の『皇帝殺害』と『内乱』――きな臭い気配のするその言葉は、またもネクストからの挑戦状であろう。これまでと同様に、ローレットはイベント攻略の依頼を受けることとなった。
新イベントの目玉は、一部の敵に用意された『特殊パラメータ』である。
今回、敵として出てくる者たちには『シャドーレギオン』と呼ばれる者たちがいる。彼等は元からの願い『WISH』が何らかの原因――『悪意あるバグ』により歪んだ願い『DARK†WISH』へと変化してしまっており、正気であったら絶対にしないであろう行為を平然と行うようになっている。
彼等を正気に戻すには、倒すしか無い。
倒すことだけが、彼等を救う唯一の手立てなのだ。
●DARK†首都
ある日突然、ブランド皇帝を喪った鋼鉄(スチーラー)は混乱に満ちていた。
真相解明をと声を上げる者、自分こそが次の皇帝だと拳を挙げる者――彼等は軍閥を形成し、互いに難癖を付け合い、争いを始めた。皇帝を喪ったことで、鋼鉄内で内乱が勃発したのである。
そうした混乱の中、首都スチール・グラードがシャドーレギオンの都市へと変貌してしまう。首都の中心である城はピンク色の水晶で飾られたディアナキャッスルに変貌し、並み居る精鋭戦士たちもシャドーレギオンへと置き換えられ、主要人物たちはディアナキャッスルの中に囚われ、首都は闇の力で創造された偽物たちに牛耳られてしまったのだった。
シャドーレギオンたちは首都の要所をすべて押さえ、我が物顔で首都を闊歩する。従わない剛鉄民は力づくでねじ伏せ、収容所送りにして口を塞ぎ、弾圧していたのだ。
怯えた人々は何とか目立たないようにと息を潜めて暮らしているのだが――。
「……あっ!」
「ごめんなさい、悪気はなかったのです!」
幼い子供が武装した男にぶつかった。……否、男がぶつかってきたのだ。あらかた反抗的な者や危険な人物は捕らえ終え、男たちはただ巡回するだけとなってしまったことに飽いていたせいだ。
子供の傍らに居た祖母と見られる老婆がすぐに頭を下げるも、武装した男たちはふたりを見下ろしチッと舌打ちをする。
「貴様、反抗的だな」
「そ、そんなことは!」
「反論するとは、ますます反抗的だな。……おい、コイツらも連れて行け」
「おばあちゃんは関係ない! 僕だけにしてください!」
「悪人を庇ったやつも有罪なんだよ、坊主。しかしなんだ、その眼は。ますます気に入らねぇ」
男が拳を振り上げる。塀の中を担当する仲間に引き渡す前に、少し『教育』してやるよ、と。
「止めてください」
「何!?」
少年に向かって振り落とされた拳を受けたのは、少年ではなかった。
素早く間に割って入った軍服姿の青年が拳で受け、掌の向こうから男を真っ直ぐに睨む。
「き、貴様……!」
「彼等の代わりに僕を捕まえればいい。その代わり、彼等には手を出さないでください」
「生意気なやつめ!」
青年の頬が殴られる。遠巻きにニヤニヤ見物していた男の仲間たちがいつの間にか近寄り、俺も混ぜろよと加わってくる。格好の玩具をみつけたこどものように、男たちは拳と足をふるう。昆虫から足や羽根をひとつずつもいでいくような、後ろ暗い陰鬱な歓喜に身を任せて。
青年は殴られても蹴られてもやり返さない。ただ耐えて、足をすくませてしまっている少年と老婆に「逃げてください」と唇の動きだけで伝えるのだった。
●ギアバジリカ内部
「ひとの願いは大切なものです。それを歪めるというのは、尊厳を踏みにじる行為です。僕は、捨て置くことができません。助手さ……いえ、おにいさん、おねえさん。どうか力を貸してください!」
大きくぺこんと頭を下げたのは、普段は神光で活動する『名探偵』猫屋敷・スイ(p3y000218)だ。顔を上げたスイは、では早速説明しますねと手帳を開く。
「今回皆さんに攻略して頂きたいのは、『フルダー収容所』です。此処は元は刑務所だったのですが、他軍閥に攻め落とされ、今では『反抗的な市民』あるいは『彼等の敵対軍閥の関係者』が捕虜となっています」
ですよねとスイが傍らへと視線を向ける。そこに座した『ケモ竜』焔迅(p3x007500)は、少年の言葉を引き継いだ。
「具体的に捕まっていると解っている味方軍閥関係者が、一名はいます」
焔迅の言葉に合わせ、スイがよいしょと一枚のSS(スクリーンショット)を掲示する。
意思が強そうな満月色の瞳で真っ直ぐ前を見据える、黒短髪の青年である。
「彼の名前は日車・迅。『鳳圏軍閥』に所属する軍人であり――先日少し戦う機会がありましたが、鳳圏軍閥は現在我々『ゼシュテリウス軍閥』の味方です」
開放すればきっと助けてくれると思いますと口にして、焔迅はスッと視線を逸らす。
(と言うか、僕自身なのですが)
R.O.O内の自分に会うのも、自分を救出するというのも、なんだか不思議な話である。でもそれがゲームという非現実なのだろうと、焔迅はぷるると頭を振って毛を震わせ、仲間たちの顔を見た。
「もしかしたら、他の味方軍閥関係者さんも収容されているかもしれませんね」
「もし他にも誰か居るのだとしたら、助力を頼めるかも知れませんよ!」
力強く焔迅とスイは頷き、説明を続けていく。
「おにいさんとおねえさんにお願いしたいのは、『武力による制圧』『囚われている人たちの解放』、このふたつになります」
「僕たちにはゼシュテリウス軍閥から小隊を貸し与えられ、彼等を率いてこれに当たります。敵は全員がシャドーレギオンですが、訓練された兵士並みの力かと思います」
収容所にいるシャドーレギオンたちは捕らえた囚人たちを監視し、強制労働させるためにいる。既に鎖で繋ぎ、その上丸腰の相手なら勝てないはずがないと思っている彼等は、そこまでこの施設に戦力を投入していないはずだ。
「現地の調査と協力者から施設内の見取り図は入手してあります」
スイがブリーフィングルームのテーブルに、大きな見取り図を広げる。
敷地と思われる囲いとその四隅に赤丸、建物ふたつには『東』『西』、そして開けた場所には『運動場』と記されており、建物内の見取り図では地下2F~地上3Fまでの建物であることが解る。
「牢があるのはどちらも地下で、反抗的だとみなされた人ほど東。更に注意が必要な場合は下層行きのようです。迅……殿は、東の地下2Fかと思われます」
「侵入ルートは……いくつか考えられます。正面突破からの陽動、下水道からの侵入、監視台を先に襲撃して成り代わる……等ですね」
他にも考えられる手はいくつもある。
スイは万年筆のキャップの先で、「これが監視台です」と敷地の四隅の赤丸を指した。
「実行は他施設の襲撃等の兼ね合いもあり、昼間です。皆さんには小隊を率いてもらいますので、収容所からは離れた森の中で一度待機。そこから任務を始めてもらいます」
「『黒鉄十字柩(エクスギア)』だと数が多すぎますからね」
中に一人だけ入ることのできる五メートルほどの大きさの黒鉄十字柩は高速で戦場に戦士を送れるが、約百人ともなれば目立ちすぎてしまう。
「それでは皆さん、よろしくお願いします! 皆さんなら無事に作戦を達成してくれると信じています!」
ぺこんと改めて頭を下げたスイと一緒に焔迅も頭を下げ、ピシッと身を正したお座りをしてから口を開く。
「さあ、詳しい作戦会議(ブリーフィング)を始めましょう!」
- <グランドウォークライ>フルダー収容所解放作戦完了
- GM名壱花
- 種別EX
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年09月23日 22時05分
- 参加人数10/10人
- 相談7日
- 参加費150RC
参加者 : 10 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(10人)
リプレイ
●OPERATION:Fulda
――バシャン。
黒い水が、足元で大きく跳ねた。
極力抑えた頼りない灯りのみを手に、暗い通路を人々が駆けていく。その数はその場にそぐわぬ程大勢だ。
時折天井から降り注ぐ薄明かりの下には、決まって『外』から入り込んだ雨水による水溜りがある。其れ故に、薄明かりの下を通る度、幾人かの足が水溜りの水を跳ねさせていた。しかし、先を急ぐ彼等は、ズボンの裾が濡れるも気にしない。たくさんの軍靴の音の前に水音が飲み込まれ、耳に届いてすらいないのかもしれない。
人々は――イレギュラーズ率いる十の小隊、総勢百一名の男女は、極力言葉を発さずに暗い下水道を駆け抜けていく。
向かうは『フルダー収容所』。
収容された人々の解放と、占拠しているシャドーレギオンたちの討伐に。
時を少し遡る。
彼等が顔を突き合わせたのは、少しだけ前のことである。予てより見知った間柄ではなく、この日限りの、この日の任務遂行の為だけの、言わば寄せ集めの集団に過ぎない。
ひと目で訓練されていると解る小隊七つと、ひと目で訓練されていないと解る小隊みっつ。合わせて十の小隊がひとつの任務に当たることになったのだ。
精鋭か。寄せ集めの新人か。
小隊の隊長を任されたイレギュラーズは自分の担当を決め、それぞれの隊員たちと顔合わせをした。
「先ずはその勇気に感謝なのです」
ぐるりと自隊の面々を見て口を開いた『双ツ星』コル(p3x007025)は、静かな口調で告げるとともに頭を下げた。豊かな尾を揺らしながら顔を上げ、見つめる先には緊張した顔ばかりが並んでいる。
コルが受け持つ隊は、新人――もしくは素人たちだ。けれど皆、やらねばならない事があるからと、覚悟を決めて其処に居た。そしてコルもまた、そんな彼等の力を借りねば戦力が足りない作戦だということを解ってここにいる。
「私たちは必ずあなた方の気持ちに報いてみせます、きっと助け出しましょう」
ひとりひとりに声を掛け、ハグをして。コルは勇気づけながら匂いを覚えていく。
「大丈夫ですよ、私たちがいますから」
はぐれてしまっても匂いを追って必ず見つけるし、血の匂いがすればすぐに助けてあげる。手をぎゅっと握って、何度も大丈夫ですよと告げてコルは微笑んだ。
「あー、この部隊の隊長を務めるネコモにゃ、諸君の働き期待してるにゃー」
コルの小隊よりもずっと強い精鋭たちの揃う小隊へ、どこか気の抜けた口調で告げるのは――一応本人はビシッと決めているつもりだが――『にゃーん』ネコモ(p3x008783)だ。部隊を率いての侵入任務と聞いて心は燃えるが、隊長だけが勇み足ではいけない。現地での戦いっぷりで評価よろしくにゃーと自信溢れる笑みを見せたネコモは、隊員たちへ詳しい行動の説明を始めた。
ネコモの『山猫部隊』の隣では、『だぁくひーろー』お龍(p3x007422)が隊員たちの前に立っている。
(小隊を率いるなんて久々だ。祖国にいた頃を思い出すぜ)
救出対象である『挫けぬ軍狼』日車・迅(p3p007500)は、現実世界のお龍の可愛い後輩だ。可愛い後輩が困っているのなら、助けてやるのが先輩として当然の務め。いつもの着物を脱いで隊員たちと揃いの軍服を纏い、やる気に満ちた好戦的な瞳を自隊員たちへと向ける。
「いいか? お前ら。俺たちは東の棟、地上1階を制圧する役割を担った」
助け出した人々が安全に脱出するためにも地上1階を制圧することは、必ず必要だ。
「逃げるな、進め。俺も決して逃げない……不安を感じた時は、俺の背中についてこい」
気張っていくぞと強い意思を篭めた声でお龍が告げれば、「はい!」といくつもの声が重なった。
お揃いの龍モチーフのバンダナを新人部隊の面々へと手渡した『青の罪火』Siki(p3x000229)は、頑張ろうねと告げてから眉を下げた。
「お願いだから死ぬような無茶はしないでおくれ」
彼等に言い聞かせる。彼等が危機に陥れば、Sikiは必ず助けるつもりでいる。けれど、戦場において『絶対』というものはない。命を掬い上げようとしても、その指先が届かない時だってある。突然のアクシデントに呑まれてしまうことだってある。戦場において命は軽く、一瞬前まで笑い合っていた命が眼前で平然と喪われる。
絶対に帰してあげるとは言えないことが苦しくて、Sikiは胸の前でぎゅっと拳を握る。ぐっと奥歯を噛み締めて、強い光を宿して彼等を見つめた。
「それでも、私が守るから。この手が届く限り、全力で、命を懸けて」
だから、力を貸して。一緒に戦おう。私を信じて。
Sikiの言葉に、小隊の仲間たちは真剣な表情で頷きを返す。
その姿に、Sikiは笑う。見惚れるような笑みを浮かべれば士気が上がるのかもしれないけれど、Sikiはそんな風に上手には笑えない。けれど、作り物じゃない下手くそな笑顔で、精一杯の気持ちを篭めてSikiは笑った。
「行こう」
一緒に、愛しい人たちを助けに。
そうして隊を率いて下水道に侵入したイレギュラーズは下水道を静かに駆け――途中でお龍が「う!」と声を上げたが、特別怪我等はなかったようだ。服が破けたようだが――とある地点で足を止めた。
収容所は西と東に分かれている。十の小隊を六と四に分けてそれぞれの建物に近い地下に潜み、決めてあった時間になるまで待機。
作戦開始は、同時に。連絡を取り合わせて援軍を呼ばれるような愚は犯さない。
頭上にある蓋。それを開けて潜れば収容所の敷地内だ。時間になり次第そこを抜けて施設に侵入する手はずになっている。
「いいか、お前ら。ここを抜けたら後戻りはできねぇ」
睨むように地上へと繋がる蓋を見上げてから『職業無職住所不定』ダリウス(p3x007978)は自隊――他の小隊よりも一見軽装に見える『黒豹隊』を振り返る。上官の襲撃前の最後の言葉だと察した彼等の気が引き締まった事が、顔の半分以上を覆う襤褸切れ越しでも察せられた。
「今から私たちが攻撃する箇所は、確実に敵が多く存在する場所です」
ダリウスの隊と近しい役割をする『機械の唄』デイジー・ベル(p3x008384)も、彼の言葉に続く。ふたりは真っ先に敵の懐へと飛び込み道を作る、先陣を切る刃だ。
「つまるところ、危険性は大きい。そして逆に言えば、此処を削げば作戦は成功に近づく。大事な場面です、刈り取りましょう」
「俺らの部隊は生憎喜んで貰えたり何か勲章貰えるもんじゃねぇ。泥臭ぇ事して血を流し歯ぁ食い縛ってやるような裏方仕事だ」
黒豹隊とデイジー小隊の役割は、地下へ敵を向かわせないことだ。仲間たちが地下で囚われている人々を開放している間に上階へ登り、敵を食い止める。救助された人々の喜ぶ姿を一番に見られる訳ではない。感謝の言葉を投げかけられる訳ではない。けれど必ず、仲間や救助対象者たちにとって無くてはならない仕事だ。
死なないように、とデイジーが口にする。裏方として活躍する彼等が感謝の言葉を告げられるのは、全てを終えてからだ。そしてそれは、生きていなくてはならない。助ける側が死んでしまったなど、元も子もない。助けた人たちが気を病まないようにも、生き延びねばならないのだ。
「英雄なんて呼ばれん、それでも俺だけはお前らを信じている。だからこそ、俺の事を信じろ」
ピ、と短くアラームが鳴った。時間だ。
行くぞと口にすると同時に、ダリウスは下水道から出る梯子に手を掛けた。
「少し不安でしたが、案外大丈夫でしたね」
東側の隊と途中で別れて西側の棟の真下へと向かった『ケモ竜』焔迅(p3x007500)は、施設へ続く梯子と蓋とを確認してホッと息を吐いた。もしかしたら大きな体が下水道を塞いでしまうかもなんて案じていたが、確りと水路と通路が分かれている下水道だった為、誰かと並ばなければ何とかなった。
しかし、頭上に見えているのはマンホールだ。
「焔迅様が最初に登られた方が良さそうですね」
「だな。詰まったら下から押し出してやるから安心しな」
「……力の限りお願いします」
感情の浮かんでいない瞳でマンホールを見遣った『人形遣い』イデア(p3x008017)の提案に『赤龍』リュカ・ファブニル(p3x007268)が楽しげに笑い、少しだけしゅんっと身体を細めた焔迅の姿をSikiが目で追った。
「さて、そろそろ刻限さ」
東棟の仲間たちも、同じように待機をしている頃だろう。Sikiの声に、やる気を篭めるべく拳を打ち鳴らしたリュカが、率いてきた隊を振り返る。
「同胞を助けに来てテメェが死んでりゃ笑い話にもなりゃしねえ!」
何が言いたいかわかっているなと向けられた視線に、大きな頷きが返ってくる。
「全員死ぬんじゃねえぞ!」
リュカの声と同時に、ピ、とアラームが刻を告げた。
時間ですと小さく告げたイデアの声に背を押されるように、焔迅は器用に梯子を登っていく。
(東棟の皆、『僕』をよろしくお願いしますね……!)
敵に気付かれぬよう出来るだけ静かに。
同時刻の少し離れた似た場所で、今、同時に作戦が開始された――。
●MISSION START!
「うぉー! 我ニ続ケ!!」
まずは西棟1階の安全の確保が先決だ。時間経過で外を巡回している敵兵や、上階や下階の敵兵が駆けつけるであろうから、踏み入れた仲間たち全員で速やかに対処する。
「な、何者だ!」
突然現れたもふもふした襲撃者が爪撃で仲間を倒すのを見た敵兵が声を上げる。その声に急ぎ銃を構えた兵たちが『見えない何か』に縛り上げられた。不安が伝播するように驚く敵兵たち、タタタタタと銃が打ち込まれていく。
「手厚く持て成せ無くて申し訳有りません」
指先を曲げてキツく締め上げ、意識を刈り取ったイデアが今は急いでおりますのでと瞳を伏せ、彼女の背後で銃を構えていた隊員たちが、敵が落とした銃を回収していく。まだ動ける敵に武器を与えないこと、そして開放した人々に武器を与えるためだ。
この施設にいるシャドーレギオンは、倒しきればそこに身体が残ることはない。DARK†WISHだけを抽出された彼等が消滅すれば、王都の何処かで本物の彼等が健全な状態で目を覚ましていることだろう。
1階を巡回していた兵たちが駆けてくる足音に気付いたリュカが俺に任せろと前に出て自隊員たちを下がらせると、敵が顔を覗かせると同時に何かを握り潰すようにすれば――ぎゃあと何かに潰されたような悲鳴を上げた敵兵たちが倒れ伏す。
倒しきれていない敵へとファブニル隊員たちが銃を撃ち、その隙間を縫うように駆けたリュカが止めを刺しに行く。
「後は俺に任せろ。アンタたちは先へ進め!」
「わかりました! よろしくお願いします!」
階段の位置は頭に入っているため、頷いた焔迅がすぐさま駆けだす。Sikiとイデアも隊を率いて続くが、ファブニル隊は精鋭とは言え一部隊で大丈夫だろうかと、新人部隊の者たちは後方を気にしながら続いた。
「君らがここに来たのは大切な人を助ける為だろう? 早く君らの顔を見せてやっておくれ」
Sikiは地下への階段を仲間たちとともに駆け下りた。
上階の異変に気付いた地下で囚えた人々の監視にあたっている兵たちは、西棟は少ない。地下だけではなく、2階から上の階も東よりは少ないのだろう。階段下で出くわした兵を焔迅が攻撃し、隊員たちが止めを刺した。
「お膳立てはメイドにお任せください」
囚われた人々を解放する前に、監視兵を倒しきってしまう方が被害はずっと少ない。人質を取られたら別だが、施設内に散開している敵と違い、固まっている分人数はこちらの方が多い。集合しきる前にイデアが囮になりつつ小隊員たちと倒していけば新人部隊でも足りることだろう。
「小隊の皆様の安全は保証いたしますので、私についてきてください」
隊を率いるのは久し振りだと笑みを浮かべかけ、いいやこの身体では初めてだと冷静に楽しむくらいの余裕はある。
この階は任されましたと折り目正しくも凛然とした姿で引き受けるイデアの姿に、Sikiと焔迅は次の階への階段へと急ぐ。真っ直ぐに脱出されないよう、階ごとに階段の位置が違うのが少し面倒くさい。
「東棟の皆も大丈夫でしょうか……」
――それにこちらの『僕』も。
無事に開放されていれば『自身』はきっと元気に暴れているはずだ。役に立てていることを祈りながら、焔迅とSikiは更に下へと駆け降りていった。
その姿を見送ったイデアは、牢の前を抜けて奥へと向かう。
「敵襲か! い、いや、メイド!?」
「メイドは何処にでもいますよ」
汎ゆる方の接待をし、汎ゆる方のお世話をするために。
この階に残っているシャドーレギオンたちに少々手荒なおもてなしをするため、イデアはクラシカルなスカートを翻した。
――同時刻、東棟。
「目に見える範囲の敵は制圧。後は任せるね」
西棟よりも警備が厳重である東棟に当たるのは1隊以外精鋭部隊だ。それぞれの小隊で遠近の担当を分け、奇襲をかけて地下へ通じる階段を素早く確保した『一般的少年』勇(p3x000687)が声を振り返って声を掛ければ、開放した人々の安全のために1階確保を任されたお龍が「任せろ」と返す。かわいい後輩を自ら助けに行きたい気持ちはあるものの、これは大勢での作戦だ。
(まあ、迅が簡単に折れるやつでも倒されるやつでもないからな)
無事な顔を見られることを後からの楽しみに取っておき、上階と下階へと散っていく仲間たちの背中をお龍は見送った。
「死ぬ気で進め!! 死ぬんじゃねえぞ!!」
隊員たちには必ず二人一組での行動を指示し、お龍は残っている敵を探してひとつずつ部屋を覗いていく。何やら法に触れそうな物や武器の製造をさせる強制労働部屋もある1階には、当然囚われた人々や監視の兵がついている。敵だけが廊下へと飛び出してくれればいいが、人質を取られれば厄介だ。
出来るだけ暴れて敵を引きつけ、そうして確実に潰していく。制圧が完了してもお龍は他の階への援護には向かわない。『まだ』。下階に向かった仲間たちと合流するまでは、万が一上階から敵が流れてきた際に対処するためだ。
それに……。
「来やがったな。よしお前ら、迎撃だ!」
外の警備担当の敵兵が騒ぎを聞きつけやってくるのも、見越していた。
「たつまきにゃんぷーきゃく!」
グルグル回ってキックしたネコモが、階段下にいたシャドーレギオンたちを蹴り飛ばす。倒れてもまだ起き上がってくる敵兵に山猫部隊員たちが素早く銃を撃ち込めば、ネコモは背中越しにぐっと親指を立てた。いいかんじ、いいかんじ。
「はにゃー、続々とやってくるのにゃー」
銃撃が止めば、ネコモとコルの隣を揃いの服装と黒い制帽の小隊が駆けていく。接近戦に特化した勇の部隊だ。
「指揮官を見つけたら、指揮官を狙え」
警備にあたっている者たちは固まっている訳ではなく、改装に散らばっている。一度に多数で圧される事はないから制圧しやすいが、それでも指揮系統を乱せるのなら乱したほうが良いだろう。
「まだです。早く牢から出してあげたい気持ちは解りますが、制圧するまで待ってくださいね。戦闘の巻き添えになってしまうかも知れませんので!」
コルが率いる隊員はすぐにでも牢から解放したそうにするが、コルはしっかりと言い含める。基本的な戦闘は勇とネコモと彼等の率いる小隊に任せて前面には立たず、通り過ぎた牢へ「制圧してから開放しますね」と声を掛け、においを探っては敵の接近を知らせながら地下2階への階段へ向かった。
「やはり戦意を滾らせている人は下階にいるようです」
「そう。それならコルさんたちは下に。ここは全て僕たちが片付けておくよ」
「任されたにゃー。いくにゃよ、コルりん!」
「はい! 勇さん、ご武運を」
「さて、と」
ふたりの背中を見送った勇は、自分の隊をふたつに分けた。様々なルートで向かってくるであろう、騒ぎを聞きつけた敵兵たちに対応するためだ。
「装備破壊と行動不能までを目標としろ」
少々喧しくなるかもしれないが、ノイズは敵の集中を阻害する。最終的には止めを刺してDARK†WISHだけ抽出された彼等を消すのだが、それは制圧し終えた後でも出来る。優先すべきは無力化と、囚われた人々の解放だ。
「自らの傷は厭うな。流れたその血は、無辜の民が流す筈だったそれの肩代わりだ。誇れ」
それは、出発前にも彼等に告げた言葉であり、『役目』を確りと認識させるためのもの。
勇たちの役目は、矛だ。敵を無力化するために、最初に真っ直ぐ突き出される矛。
「檻を砕き、敵を貫き、悪を縫い留めろ」
隊員たちの瞳は揺るがない。帽子の位置を正すと、隊の半分を連れて駆け出した。
いつもは『一般人』だけれど、今日の勇は『少しだけ』一般人ではない、指揮官なのだ。身を置くべきところは、最前。隊員が恐れぬよう、その背中で全てを示す。
(本当は危ない橋は渡らず、日々を穏やかに暮らしたいのにねえ)
勇は小さく口の端を上げて、出会い頭の敵を思いっきり殴りつけたのだった。
地下2階へ到着したネコモは敵に出会う度に真っ直ぐにきりこみ、隊員たちが削りきれなかった分のダメージを与えて先を急ぐ。向かうのは、コルがにおいで感知する先だ。
「キミ、かにゃ?」
「貴殿らは……」
ネコモが視線を向けた牢の中に座る真面目そうな青年の手には、重たそうな手枷がつけられている。
味方軍閥の者であること、助けに来たことを告げ、「みんな、見張りをよろしくにゃー」と隊員たちに敵への警戒を頼んだネコモは、素早くバキリと(恐らくとても頑丈な)牢の鍵を蹴撃で破壊した。
「手枷もやるにゃ。動いたらダメにゃー」
えいにゃーっと同じ要領でマスターキー(物理)を使用して解錠をすれば、自由になった手首を抑えてグルグルと回した迅が、ありがとうございますと直角に近い形で頭を下げてくる。
「怪我はありませんか?」
「はい。僕は大丈夫です。しかし……怪我をしている方もいるかもしれません」
反抗的だ、態度が気に入らない。そんな理由でシャドーレギオンたちは時折暴力をふるう。
「では、負傷者の手当もしていきますね」
「他のみんなも開放したいから、手を貸してくれるとうれしいにゃ」
「僕で力になれるのなら、是非」
ひとまずはまだ敵がいるかもしれないからとネコモが地下2階を見て回り、迅とコルで人々を開放していく。
戦う気概のある者には敵から奪った武器を与え、「全員伸したにゃー」と戻ってきたネコモと合流し、囚われた全ての人々を解放すべく上階へと上がり、勇とも合流を果たした。
1階へと上がれば、外の警備の敵を倒したお龍が手を振り駆けてくる。
「元気そうでよかったぜ、迅!」
「えぇっと……」
どちら様でしょうかと尋ねるのも憚れるのか言葉を濁す迅の背を、気にすんなとお龍がバンバン叩いて笑った。
「戦える奴は進め、上の階も制圧するぞ!」
「さあ、反撃なのです!」
開放した人々の安全を確保しなくてはならないが、ここから先は反撃の時間だ。
●COUNTER ATTACK!
西棟1階を制圧し終えたリュカは、ファブニル隊を率いて上階へと上がる。この先の2階と3階は仲間が救援に来るまではファブニル隊のみだ。東棟よりは敵は少ないとは思うが、それでもファブニル隊よりは多いだろう。
待ち伏せされているのを前提とし、ファブニル隊は行動する。広い建物内は一本道ではないため、別ルートから下階に行かれないように少しずつ行動範囲を広げるようにし、慎重に竜呪圧潰を打ち込み、時に大胆に蹂躙し、先へと進んだ。
それをファブニル隊のみでこなせるのも、直感あってのことだろう。
しかし、敵とて無手ではないから怪我も増えていく。
「隊長、すみません……」
足を撃たれた隊員を庇って負った傷に、隊員の視線がいく。
「心配すんな。後は俺らがやる。それとも俺らの強さが信用出来ねえか?」
「しかし……」
「お前は下がれ。死ぬんじゃねえって言ったろ?」
これくらいかすり傷だと立ち上がったリュカは、他の隊員に支持して負傷者を退避させる。
疲労は溜まる。仲間も減っていく。判断も鈍れば、直感も鈍る。
「しま……っ」
待ち構えていた銃弾の雨が、リュカに降り注いだ。
――だが、リュカの意識がサクラメント前に転送されることはなかった。
「間に合いましたか!?」
「遅れてすまない。待たせたね」
もっふりとした獣じみた竜がリュカを庇い、その向こうでSikiが青いブレスを轟々と吐いている。反撃が来る前に焔迅隊員が銃を撃ち込み、銃の扱いに少しだけ慣れてきた様子のSiki隊員も銃を撃つ。
「リュカ殿が退避させた隊員たちも無事です!」
焔迅とSikiの隊員が少なくなっているのは、彼等に回復を施したり1階で待機しているイデアの元へ連れて行ってくれたりしているのだろう。無事に地下を制圧し開放したイデアが、1階で彼等の護衛と誘導を買って出てくれている。
回復スキルをリュカに使用したSikiが、隊員たちを誇るように視線を向けた。新人部隊なのに、現在進行系でSikiが護りながら育てている彼等はとてもよくやってくれている。
「さて、人の意思の力を見せてやろうよ」
「そうです、シャドー達に目にもの見せてやりましょう!」
「さくっとひと暴れして、東側の救援に向かおうぜ!」
――同刻、東棟。
(つまりは……共に殴り込みに行けば良いのですね?)
隊を率いる経験はないが、みんなで仲良く殴り込みだと思えば話は早い。1階でダリウス率いる黒豹隊以外とは別れてしまったけれど、それでも2隊合わせて16名。みんなで仲良く殴り込みスタイルは崩れていない。うん、完璧。
よしと頷いたデイジーの隊は遠距離の銃撃重視。
一緒に行動するダリウスの黒豹隊は回避得意の足止め型。
少し先行した黒豹隊が敵をおびき寄せたり奇襲をし、虚を衝けたらすぐに離れ、デイジー隊が銃弾の雨を降らせて殲滅していく。勿論、黒豹隊が意識を落とさせる等ですぐに対処が必要ない者は後回し。より確実に、素早く敵の数を減らすことを優先してふたつの小隊は東棟を駆けた。
仲間たちの肉盾にデイジーがなるのと、役割分担がしっかりと分かれた隊との連携であることが功を成し、2階は順調に制圧が叶った。下階には行かせないように気をつけてはいたが……ふたりが気付かない内に下階に降りた敵がいたとしても、1階にはお龍が居る。彼女がすくに対処してくれているはずだ。
「やっぱ管制室は上か」
2階の監視室を攻め落としたついでに、たくさんのモニターを見る。いくつか何も映していないのは、仲間の誰かが監視カメラを破壊したのだろう。
「存外、管制室ほど混乱しているかもしれませんね」
何せDARK†首都のあちらこちらでこの状況が一斉に起きているはずだ。外部からの連絡等も受け取るであろう管制室は施設内からの報告も一気に処理をしなくてはならず、命令系統をしっかりと両立出来ていないかも知れない。ここまでの敵の動きから、デイジーにはそう思えた。
しかし、油断は禁物。
撹乱するためにも矢張り抑えるべきは管制室だろう。
「では、私が敵を引き寄せますので、その間に行ってきてください」
大丈夫です。私、元々死んでいますので。
多少の傷は気にしないし、預かった仲間たちも絶対に死なせはしない。
「サクラメントも遠いので、お互い死なない程度に頑張りましょう」
「だな。お互い、生きて会おうぜ」
手の甲を打ち付け合って別れ、デイジーが大立ち回りを繰り広げている間に黒豹隊は管制室を落としに向かった。
常に2対1に持ち込むように言い聞かせてある隊員たちは優秀だ。倒しきらずともその場に留まらせることを優先し、黒豹部隊は――名を冠する黒豹のように駆けていった。
地下の人々を解放した仲間たちは、頼もしい仲間を増やして必ず救援に来てくれる。ダリウスはそれまで保てばいい。
持てる手を全て使って管制室を落としたら、管制室で確認したデイジーの元へ即座に戻れば、
「思ったより早かったですね」
傷だらけの顔で笑ったデイジーが、巨大な骨の手でぐしゃり。シャドーレギオンを握りつぶすところだった。姿に似合わぬその豪快さに、ダリウスは思わず口笛を吹いた。
仲間を待つまでもないかもしれない。
ふたりとふたりの率いる隊となら、全てを成し遂げられるような気がした。
●MISSION COMPLETE!
イレギュラーズたちと十小隊の隊員たちによって収容施設は開放された。
開放した人々はまだDARK†首都内の騒動が収まっていないかもしれないからと、収容所敷地内の運動場に留まってもらっている。
全て終えれば連絡なり見える形での動きがあるだろうが、市街地から少し離れた収容所では街の様子をすぐに知ることが叶わない。そのため、ダリウスや勇を始めとした行動しやすいイレギュラーズが他の場所の様子を見に行ってくれているところだ。
じきに戻ってくる彼等はきっと、『勝利』という言葉を持ち帰ってくれることだろう。
「皆様お疲れさまでした。怪我をしているひとはこちらへお願いします」
「歩けない子は私が連れて行くよ」
回復スキルを使う隊員やイレギュラーズの間を、青龍の姿を取ったSikiが負傷者を乗せて飛んでいく。
その途中、Sikiは自身が連れていた隊員たちが泣いている姿を見た。きっと、会いたい人に会えたのだろう。再会を喜び合う姿に、ひとを乗せてゆうるり飛ぶ青龍は柔らかく目を細めた。
Sikiと同じ気持ちで、頑張ったかいがあったと黒い尾を大きく揺らしているのは、コルだ。コルの隊もイデアの隊も欠けている隊員がいないのは、戦力的な分散が優れていた証拠だ。そして、各自がやるべきことを確りと把握し、持てる力を出し切った成果だ。
運動場に、爽やかな風が吹く。
青々とした芝がそよいで、優しく風が頬を撫でる中、焔迅はROOの自身と一言だけ言葉を交わした。
――これからも、頑張ってください。
(ね、『僕』)
その拳は、人々を護るためにあるのだから。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
シナリオへのご参加、ありがとうございました。
戦力配分がとても丁度いい感じでした。バッチリです。
おつかれさまでした、イレギュラーズ。
GMコメント
ごきげんよう、イレギュラーズの皆さん。壱花と申します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
簡易な施設見取り図はありますが、敵の配置等は不明です。
●成功条件
収容所の襲撃・制圧
収容された人々の開放
●シナリオについて
大人数vs大人数、大隊バトルとなります。小隊を率い、手分けをして行動しましょう。
施設内での敵の配置は不明ですが、東側の棟の方が警備が厳重でしょう。
開放した人々の生死は成功判定に含まれませんが、折角開放するので生存が『望ましい』です。
●小隊指揮について
・このシナリオには小隊指揮ルールが適用されます。
PCは全員小隊長扱いとなり、十名前後の配下を率いて敵部隊と戦うことができます。
・兵のスキルや装備といった構成内容はおおまかになら決めることができます。
防御重視、回復重視、機動力重視、遠距離砲撃重視、特定系統の非戦スキル重視……といった感じです。細かいオーダーは避けましょう(プレイング圧迫リスク回避のため)
・使用スキルや戦闘パターンの指定は不要です。(プレイング圧迫リスク回避のため)
・部下の戦意を向上させるプレイングをかけることで、小隊の戦力が上昇します。
先陣をきって勇敢に戦って見せたり、笑顔で元気づけたり、料理を振る舞ってみたり、歌って踊ったり、格好いい演説を聴かせたり、効率的な戦術を指示したりとやり方は様々です。キャラにあった隊長プレイをお楽しみください。
・兵のデザインや雰囲気には拘ってOKです。
自分と同じような服装で統一したり、自分の領地にいる戦力を選抜したり、楽しいチームを作りましょう。特に指定が無かった場合、以下のデフォルト設定が適用されます。
●小隊
10個の小隊で行動し、ひとりにつき1小隊ずつ率いてもらいます。
服装は黒色の軍服。これは敵軍閥の服装と近い形をしており、咄嗟の時の相手側の判断を鈍らせる為に配布されております。味方は片腕に赤いバンダナを巻いています。違う服装であれば敵ではないことはわかるので、上記こだわりデザインにしても大丈夫です。
基本的には銃とサバイバルナイフを所持しています。
下記A~Jの10小隊の担当を決め、『プレイングの一行目』に【A】等記してください。リプレイでは『(あなたの名前)隊』になりますが、名乗りたい隊名があったら指定してください。
(※例 【A】シュネーゲル隊)
・【A~G】あなた含む、8名。それなりに訓練を積んでおり、武器の扱いや隊列、ハンドサイン等申し分ないレベルです。
・【H~J】あなた含む、15名。新人、もしくは助けたい相手が居る等の一般の志願者からなる小隊です。戦闘力は低いです。
リプレイでは、各隊ごとにスポットを当てての描写が入ります。
他隊と一緒に行動する、解放を優先し隠密行動に専念する、開放した人たちを安全に外まで誘導する、隊員を勇気づける等、あなたらしい隊長プレイングをどうぞ。
最終的に目標を達成できるよう、それぞれの役割を成してください。
・敵小隊
敵側は10人ずつの10小隊です。強さはA~Gは互角、イレギュラーズは少し有利になれるでしょう。
見張りや巡回中は固まって移動はしませんが、近くにバラけて任務に当たっています。
全てシャドーレギオンですが、DARK†WISHだけを抽出されて分裂した個体なので、倒せば消えます。
●収容所
西と東のふたつの棟があり、中央には芝生の生えた運動場がある結構広い施設です。かつて刑務所だった時に囚人たちを運動させたり、また見晴らしを良くすることで脱獄を防いでいました。
・地下1F2F…収容施設、囚人用食堂等
・地上1F2F…労働部屋、監視室、看守側休憩室
・地上3F…主にシャドーレギオンが使用。休憩室、管制室(セキュリティルーム)、通信室……等、主要設備があると思ってください。
●日車・迅(p3p007500)
現在は味方軍閥である『鳳圏軍閥』に所属している軍人。義に厚く、実直で優しい青年です。
打たれ強さと決して屈しない意思の強い宿る眼力から、東側に収容されました。
拳による戦闘を得意としているので、武器がなくても戦えます。解放してくれた隊に入って行動することが可能です。
●EXプレイング
開放してあります。
部隊の特色を出したいけど文字数が足りない時や、関係者関連にお使いください。
鋼鉄関係者を部隊に入れることも可能です。その際はモブ隊員がひとり減って人数の帳尻合わせがおきます。
または、囚われている関係者が『居た』場合、助力を願えるかもしれません。丸腰ですが。
※関係者採用の確約ではありません。何らかの理由で難しい場合もあります。
●重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
※サクラメントからの復活
今回の復活地点から再度の合流は、30分以上掛かるものと思ってください。
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