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シナリオ詳細

ウナギが攻めてきたぞ

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●おいしいウナギ
 ウナギ。夏の味覚の1つだ。
 脂ののった香ばしいウナギを炭火で焼き、ジュウジュウと美味しいところにタレをかける。
 ただそれだけで最高な、そんなウナギ。
 そんなウナギが……今、海洋の村に攻め込んできていた。
「ウナギが攻めてきたぞー!」
「ウナナナナナナー!」
「ぎゃあ!」
 大人程もある巨大なウナギの目から放たれたビームに撃たれた男が倒れて、そんな彼をウナギたちが囲む。
「う、あ……や、やめ」
「ウナナナナナ」
「ウナナナ」
 取り囲んだウナギたちが男に香ばしいタレをかけていく。
 あっという間にタレでドロドロになった男をそのままに、ウナギたちは次の被害者へと向かっていく。
 なんということだろう。
 食べられたウナギたちの恨みだとでもいうのか。
 巨大ウナギ達はあっという間に村を制圧すると全員を香ばしくドロドロにして去っていく。
「あ、あれは……」
 村を制圧したウナギ達が去っていく先は、巨大なウナギの頭の船首像のついた船。
 ウナナナと笑いながら去っていくウナギ達の被害にあった村は7を超え、素早い対処が求められつつあった。

●ウナギをやっつけたい
 香ばしい香りを放つ鰻丼を前に、『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)はお箸を器用に操りながら「依頼です」と告げた。
 ウナギの美味しいこの季節に、ウナギが船に乗って攻めてきた。
 実に訳が分からないが、事実をそのまま告げるならそうなってしまう。
 もっと言えばウナギがビームを撃って人にタレをかけていく。
 説明すればするほど分からないが、事実なのだ。
「……なのですが、ついこの前、それに関する追加の事実が分かったです」
 ウナギ達がかけていくタレだが、どうもウナギ達の身体で生成されるものらしく、ウナギの口から物凄い勢いで発射されるのを確認している。
 そして、それをかけられた者だが……巨大電撃クラゲを呼び寄せてしまうのだという。
 ウナギのタレから放たれるフェロモン的なものが巨大電撃クラゲを興奮させるのだろう。
 哀れな被害者が巨大クラゲに絡みつかれ電撃を喰らった上に舐められる追加の被害が多発している。
「で、ついにちょっと前に偉ぶってた何処かのご子息がドロドロ&舐め回し&電撃のコンボを受けまして。親御さんからの依頼に至ったです」
 最初は自分でどうにかしようと子飼いの部下と船を行かせたらしいが、砲撃戦で思いっきり負けた上に全員ドロドロにされて帰ってきたという。
「……今言った通り、結構手ごわいです。頑張ってくるですよ」

GMコメント

依頼人の好意により、船を借りる事が可能です。
砲撃戦仕様の船で、負けた子飼いの部下さん達が操船&砲撃戦をやってくれます。
ただし砲撃戦開始からおよそ3分後には大敗して船は沈んでしまいますので、その間にウナギの船に乗り移る必要があります。子飼いの部下さん達は勝手に脱出して逃げます。なお、砲撃戦をしない場合は1分で沈みます。弱ぁい。

・ウナギ×30
巨大ウナギ達。相手の動きを一時的に止めるウナギビーム、相手をドロドロかつ香ばしくするタレを放つウナタレストライクを使います。
なお、ウナタレストライクを受けた相手は1ターンごとに巨大電撃クラゲを1体引き寄せてしまいます。
・ウナギ船長
巨大ウナギより更に大きい船長帽を被ったウナギ。攻撃方法は同じです。
・巨大電撃クラゲ
ウナタレを受けた人を優先的に狙います。
相手に巻き付く触手抱き着き、電撃、舐め回しを使用します。
なお、舐め回しを受けるとウナタレ状態が消失しますが、なんか尊厳的なものは消失するかもしれません。

なお、巨大ウナギ達は高級な味がするので食べる元気がある人は食べて大丈夫です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • ウナギが攻めてきたぞ完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年09月04日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
嶺渡・蘇芳(p3p000520)
お料理しましょ
寒櫻院・史之(p3p002233)
冬結
メル=オ=メロウ(p3p008181)
Merrow
レニー・エメディア・オルタニア(p3p008202)
半百獣のやんちゃ姫
クルル・クラッセン(p3p009235)
森ガール
御子神・天狐(p3p009798)
鉄帝神輿祭り2023最優秀料理人

リプレイ

●ウナギ狩りの船で
 海を、一隻の船が進んでいく。大砲を積んだ大型の戦闘船だ。
 その船の上で、『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)が真剣な表情で決意を固めていた。
「ウナギは、わたしの……アナゴの、宿命の、ライバル。なぜなら……かれらは、海の、丸くて細長い魚すべての、代表みたいな顔を、しているからですの。今回のも、きっと……蒲焼きといえばウナギ、という認識を広めるための、卑劣な、ロビー活動の一環に、ちがいありませんの。わたしは、戦わなくては、なりませんの……すべての、カライワシ上目の、尊厳のために……!」
 アナゴはアナゴで美味しいし、確かに蒲焼きになった時にどっちか迷う者もいるかもしれない。
 しかしウナギ達が蒲焼きの事を考えているかといえば……どうだろう。
 あとアナゴ的には蒲焼きの対象から外れたほうが幸せな気がしないでもないが、此処に蒲焼き代表としてノリアがいる以上は、それがアナゴの意見である。
「タレを自前で用意してくるとは、最近の鰻は随分と丁寧だことで。鰻はタレを塗って炙った時の香りで味の良し悪しがわかるらしいな。知り合いの漁師連中の受け売りで、生憎と俺は食ったことはねぇんだが。というか――鰻はそんな鳴き声じゃねぇし、そもそも鳴かねぇと思うんだがね」
『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)はそんな事を呟くが……そう、確かに鰻は鳴かない。しかしウナギは鳴く。
 つまりそういうことである。
 まあ、そんなノリアと縁の視点はディープシーだからこそ、なのかもしれないが……ならば他のメンバーはというと、中々に楽しく騒いでいるのが分かる。
「なんでウナギちゃん達は村を襲ったのかしらねー? ……というか、なんで船に乗ってるのかしらー?」
 そんなもっともな疑問を呈するのは『戦場の調理師』嶺渡・蘇芳(p3p000520)だ。
「うーん。なんでだろうね。分かんないなー」
『半百獣のやんちゃ姫』レニー・エメディア・オルタニア(p3p008202)も首を傾げてしまうが、分かるはずもない。
「どうして人を襲うのかは知らないけど、結構だいぶ良い迷惑だよね、これ? 取り敢えずやっつけちゃおうっ! おー!」
「まあでも、確かに皆捌けばいいのよねー。ウナギもクラゲも美味しく食べられるんですものねー♪」
 拳を突き上げる『森ガール』クルル・クラッセン(p3p009235)に蘇芳も同意するように笑い、『最高の一杯』御子神・天狐(p3p009798)もクフフと笑みを浮かべる。
「鰻がタレと一緒にやってきたじゃと? 随分献身的な奴等じゃないか! その好意を無駄にしてはならんのう、全匹調理して食う!」
「ウナギ……食べたらすっごーく、美味しい物……って聞いたことあるよ♪ 向こうから来てくれるなんてね。ふふふっ、今日の夜ご飯は……もういらないね♪」
 食べる気満々の天狐と『最終兵器:蜂蜜』メル=オ=メロウ(p3p008181)に、『若木』秋宮・史之(p3p002233)も頷く。
「安いウナギって身を食ってんだかタレ食ってんだかわかんない時があるよね。その点そいつらは高級……つまり天然もの。絶対に逃さない、最期の一匹まで滅する。俺は女王陛下と食欲には忠実なんだ」
 おお、天然モノのウナギに対する食欲はかくも凄いのか。
 それともノリアの主張する通りにウナギ達による卑劣なロビー活動の賜物なのか。
 分からない。分からないが……船員達の声が、響き渡る。
「イレギュラーズの皆さん! ウナギ共の船でさあ!」
「船乗りさん達には申し訳ないけど、ある程度船で近づいてもらわないといけないわねー。砲撃で引き寄せてくれるなら、ありがたいわー」
「任せてくだせえ蘇芳の姐さん!」
「よーし手前等、砲撃戦と接舷の用意! メルさん達の攻撃の邪魔にならねーようにしろよ!」
「あたし達からもビームをプレゼントしてあげよう……♪」
「味方の船はワシらが乗り込んだ後は沈まぬうちにササッと離脱するがよい! 船を作るのも泳いで帰るのも大変じゃろうて、うむ」
「大丈夫ですぜ天狐ちゃんさん! 救出用の船はすでに手配済みでさあ!」
 何とも安心だが……ズン、と接舷する音が響き、一足先に縁が船に乗り込み暴れている。
「なーにがウーナウーナウナーじゃ! こちとらコーンコーンコヤーンじゃウナギめ!」
 叫び乗り移る天狐の耳にはうどん神の「カレールーはフレークよりルーの方が初心者には簡単じゃ」という天啓が届いていたが……ともかく、開戦である。

●ウナギとの戦い
「わたしは、マアナゴの、ノリア・ソーリア……どちらがよりおいしいか、勝負ですの!」
 そんなノリアのとんでもない名乗り口上に何人かがちょっとギョッとしていたが……それはさておいて。
 今まで乗ってきた船が轟沈する中、縁の戦鬼暴風陣が炸裂し、レニーが打撃戦を展開する。
「タンクやるよ! 尊厳? しゃらくせえそんなもの捨ててやるよ! おいしいごはんはすべてに勝るんだ! クラゲも立派な食材だ、あとでしゃぶしゃぶにしてやるから待ってろ!」
 尊厳もしゃぶしゃぶするような名乗り口上を史之がきめているのが聞こえてくるが、もしかして本当に何かウナギの陰謀なのだろうか?
「うな丼ー!」
「大漁大漁……♪」
 台詞すべてがウナギ料理に染まったクルルが夜陰に咲くナイトシェイドを放ち、メルが破式魔砲を放つ。
「きゃっ……」
 そうしている間にも蘇芳がウナタレを受け、船べりから巨大クラゲが姿を現す。
「クラララララ……」
「クラゲちゃんも、嫌ねぇー。こんなおばさんが絡まれても需要ないわよー?」
 当然のように蘇芳を狙ってくる巨大クラゲではあったが、タイミングが悪かった。
「冗談はさておいて、微塵切りで真っ先にバラバラにしてあげるわー♪」
 あっという間に微塵切りにされる近くでは史之が別のクラゲに嘗め回されているが、それはさておこう。
 ちなみに「こいよウナタレ、周りは海だ、香ばしくなるのもいいもんさ。クラゲに嘗め回されたからなんだってんだ。あとでたっぷり仕返ししてやるともさ!」とは史之の台詞であり……ちゃんと仕返ししたことは添えておこう。
「ひゃああ……って、あ! 船長だ! 船長が出たよ!」
 史之の光景に思わず声が出ながらも、クルルは船長ウナギの姿を発見する。
 他のウナギよりも大きく、色つやも良いそのウナギは……ウナギが食材にしか見えていない面々に、ゴクリとつばを飲み込ませる。
 美味しそう。素直にそう思ったのだ。
「よーし軽くジャンプしてカカト落としだ!!」
 向かっていったレニーだが、他のウナギよりも動きが良くウナタレを受けてしまう。
 狙いすましたように現れたクラゲはメルの破式魔砲が滅したが、時間稼ぎでしかない。
「食べられたくは、ないものの。ライバルよりは、おいしくありたい、魚心」
 そんな事を言いながら、ノリアはウナギ達を挑発する。
「ふふ……脂のすくない、アナゴには、ウナギのタレでは、濃さと、あまさが、たりませんの。そんな、中途半端な、調味料よりは……この、特級天然海塩のほうが、おいしくなれるはず!」
 自分を美味しくしてどうしようというのか。白焼きにでもなるつもりなのか。
 それは分からないが、何故かその挑発にウナギ達の視線がノリアに向いて。
「やれやれ、つくづくウナギに生まれねぇでよかったと思うぜ」
 縁の黒顎魔王が、その隙を狙い船長ウナギに炸裂する。
「ウーナナナ!」
「蒲焼きー!」
 クルルの神討つミストルティンが船長ウナギに放たれ、天狐がリヤカーうどん屋台『麺狐亭』を握る手に力を籠める。
「轢く! 問答無用で轢く! 美味しく頂く為に! リヤカーで!! 轢く!!!!」
 何という事か。スーパーノヴァ……瞬時に超絶加速し、目前の敵を粉砕するスキルを使い、天狐は船長ウナギを思いきり轢く。
 絶対に轢いてやるという強い意思が籠っている。船長ウナギが異世界転生でもしたらどうするつもりなのだろう。
「さーて、捌いてあげるわー」
 蘇芳が、クルルが……全員が襲い掛かり、船長ウナギは見事に轢き倒されて。
 ウナギ全てが殲滅された丁度その頃、戦いが終わった気配を感じたのだろう……迎えの船がやってくるのが見える。
「おーい、イレギュラーズの兄さん、姐さん! 迎えにきやしたぜー!」
 先程別れたばかりの船員達がそんな声をあげ、ウナギ船に接舷してくる。
 早速ウナギを運び……そう、実食の準備である。
 ノリアと縁はそっとその場の雰囲気を壊さないように離れていくが、基本的に全員のテンションは高い。
「これだけ大きいウナギだと、蒸しても焼いても骨は柔らかくならないわねー。骨抜きで抜いてー、身が小さいならフライパン使って、大きいなら串に刺して調理しましょー♪ やっぱりうな丼が定番ねー、骨は揚げておせんべいかしらねー♪」
 ウナギを調理していく蘇芳の動きは素早く、この時を待っていたという気合が透けて見えるほどだ。
「クラゲは、一回塩で処理した方がいいかしらー? きゅうりと一緒に和え物ねー♪」
 しかし、気合で言えば史之も負けてはいない。
「さあ本番だ。ウナギとクラゲを料理するよ」
 そう、見事にこれが本番だと言い切った史之はウナギを前にメガネをキラリと輝かせる。
「ウナギと言えばやっぱ肝吸いにひつまぶしだよね。肝のだしとごはんとうなぎのハーモニーがたまらなくなるはずだ」
 同じウナギを扱いながらも蘇芳と打ち合わせもせずにメニューが違ってくるのは、ウナギという食材の持つ可能性だろうか?
 それとも、蘇芳という料理人と史之という料理人の方向性の差だろうか?
「クラゲは宣言通り一口大に切ってわさび醤油のしゃぶしゃぶにするからね。あと一応クラゲもさりげなく高級食材なんだよね」
 いや、クラゲですら出来上がるメニューが違う。やはり2人の料理人としての方向性の差なのだろう。
「……美味しそう」
 調理過程を見るだけでレニーがそう呟く程には、蘇芳と史之の調理風景は堂に入っている。
「本当にカバ焼きにして食べちゃおっか、とは思ってたけど……美味しそう……」
 じゅわっとウナギの焼ける匂いに、クルルも思わず唾を飲み込む。
「鰻の蒲焼に鰻丼、うなぎうどんなんかも美味しいそうじゃのう。まだまだ残暑もあるじゃろうて、元気をつけるにはピッタリじゃろ。量的にも船員や親御さんもお腹いっぱい食べられるくらいあるじゃろうし、ガンガン作るぞ!」
 そしてそこに「うなぎうどん」をいう新勢力を投入するのは天狐だ。
「勿論! 料理スキルとコックの合わせ技で作るのじゃ! 美味しい鰻のフルコース食べ放題じゃな! 美味しい海の幸に感謝しながら沢山食うがよい、グルメ万歳! こーんこーん、こやーん!」
 こちらも蘇芳や史之に負けない手捌きで、しかもうなぎうどんという一味違うメニューを投入することで皆の視線を集めている。
 そう、まさにこの船の上で3人の鉄人によるウナギ食べ尽くしの贅沢が始まろうとしているのであった。
「ウナタレもいいけどあたしは通常運転で蜂蜜かけちゃうのだ……♪」
「はちみつソース……なるほど、じゃあそれも作ろうかしらー」
 メルの呟きを聞いて蘇芳が即座に一品追加するが、そうして出来上がったウナギフルコースは実に香ばしい匂いと共に船上に並ぶ。
「美味しい! このウナギ……すっごい!」
 クルルがそんな声をあげ……その場に居る全員がほぼ同じ感想を抱く。
 調理過程も大きく貢献しているが、ウナギ自体の質が違う。
 普通に素人が調理しても美味しくなるだろうウナギが、蘇芳や史之、天狐といった3人の料理人たちの腕により一段階も二段階も↑の味になっているのだ。
 その味はまさに、究極に限りなく近いモノに仕上がっているだろう。
 ウナギの味に……飽きはしないが、口の中をちょっと整えたいという時のクラゲ料理も嬉しい。
 うどんもあるから、お腹を落ち着けたいときのサポートも万全だ。
 ああ、なんという至福か。旬のウナギを今、世界の誰よりも贅沢に味わっている。
 そう実感しない者は、この場には居ない。
「二重の意味でおいしい依頼だったな」
 全員の感想を統括するように、史之がそう呟く。
 そう、その感想に異を唱える者はこの場には居ない。
 ウナギの香りは遥か遠くまで伝わり……この場には今この瞬間、たぶん世界で一番幸せにして一番の贅沢を楽しむ者達の姿があった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事ウナギを倒しました!

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