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シナリオ詳細

ゴブリンズビレッジ

完了

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ドバーグゴブリン
「『牧場主は言った。家畜に牛泥棒を罰する権利はないが、持ち主には権利がある』――有名な哲学書の一節さ。
 パーガン・ミリオンダラーの書を読んだことは?
 ……おいおい、浅学非才なんて言わないが、本は本だほうがいいぜ。
 じゃあこれは知ってるか?
 『左の頬を叩かれたなら、右手で相手の鼻を殴れ』――そうさ、有名なボクサーの言葉だな。ハッハー、いいぞノってきた。
 じゃあ情報について語ろうか。
 『ドバーグゴブリン』のことだったな?」
 幻想南部フィッツバルディ派貴族の領地がひとつ、ガルバルド鉱山。
 偏狭民族の言葉で『太陽から逃げたもの』の意味をもつ山である。
「ガルバルドで貴重な鉱石がとれることが分かったのがつい最近のハナシ。でもって利益大好きな貴族が労働者を雇って採掘を開始したが数日たっても連絡がない。気になって見に行ってみれば、見つかったのは骨と衣服の切れ端だけ。
 現地のモンスターに食い殺されたのさ。
 何に喰われたと思う?
 そう、いいね、軽妙快活! それが世にも醜いドバーグゴブリンってやつさ」

 所変わって王都の酒場。
 『黒猫の』ショウ(p3n000005)は伝え聞いた情報を殆ど同じような調子で語っていた。
「ドバーグゴブリンは亜人系ゴブリン種のモンスターで、個体ごとは猿と変わらないんだが統率がとれると厄介な種類でもある。
 昼間に活動せず光を怖がる習性があることから、数年前まで近似したドバーグの一種だと思われていたが、モンスター学者の研究で別種と判明した。名前の由来はソレさ。
 ま、学術議論はコッチには関係の無いよね。知るべきは強さと数。そして依頼の明確な内容だ」

 貴族から依頼されたのは『ドバーグゴブリンの巣』を制圧することだ。
「全ての個体を討伐できなくてもいいけど、できたらステキ――ってところらしい。
 奴らは木の枝や草で竪穴式住居を作って集落を作ってる。
 そうだなあ……地図でいうとこの辺り。山中、うっそうとした森の中さ。
 普段は動物を狩ったり木の実を集めたりして生活してるらしいから、集落から離れた個体を徐々に倒していって、ある程度の数を減らしたら本格的な襲撃をかけるっていうのが利口かもね」
 作戦時刻は『夜』か『昼』のどちらでもいいが、森に潜んで徐々に数を減らしたいなら夜。一気に襲撃をかけたいなら活動が鈍る昼が適切だろう。
「奴らは弓や槍、それから人から奪ったツルハシなんかを武器にする。それに夜目がきくらしいから、夜中での戦い方には注意してね。
 それじゃあ、後は任せたよ」

GMコメント

【オーダー】
 成功条件:ドバーグゴブリン集落の制圧

 このシナリオは『昼ルート』か『夜ルート』のどちらかを選択してください。
 ざっくり説明すると……
 昼は正面から突撃するドンパチルート。
 夜はこっそり少しずつ数を減らすスニークルート。
 両方は選択できません。万一メンバー内で意見が分かれたら多数決と空気でどちらかに絞られます。

●フィールド情報
 ドバーグゴブリンの集落(巣)は森の中にひっそりと存在しています。
 夜になればあちこちへ1~2匹ずつバラバラに散って、獣を狩ったり木の実を採取したりという生活行動をとります。
 昼にはそれぞれの住居で過ごしますが、強く警戒しているため昼ルートの場合は強制的に正面からワーッとドンパチすることになるでしょう。

 仮に夜ルートで少しずつ倒していくなら、チームを細かく分散させてあちこちに潜ませ、ひっかかるそばから倒していくのが効率的です。
 昼ルートなら集中攻撃を避けるべく一丸となって突っ込んでいくのが効率的でしょう。

●ドバーグゴブリン
 個体数は不明ですが、最低でも20以上の数が確認されているそうです。
 個々の戦闘力は(難易度相当に)低めですが、集中してダメージを受けすぎれば倒されてしまう危険もあるので立ち回りには注意してください。

【アドリブ度】
 ロールプレイをよりお楽しみいただくため、リプレイにはキャラクターのアドリブ描写を用いることがございます。
 プレイングやステータスシートに『アドリブ歓迎』『アドリブなし』といった形でお書きくだされば、度合いに応じて対応いたします。ぜひぜひご利用くださいませ。

  • ゴブリンズビレッジ完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2018年07月06日 21時45分
  • 参加人数10/10人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 10 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(10人)

ラノール・メルカノワ(p3p000045)
夜のとなり
西條 友重(p3p001835)
贄の呼聲
鬼桜 雪之丞(p3p002312)
白秘夜叉
ヴィクター・ランバート(p3p002402)
殲機
天現寺 勇人(p3p003755)
狂科学者
ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)
最上・C・狐耶(p3p004837)
狐狸霧中
アリス・フィン・アーデルハイド(p3p005015)
煌きのハイドランジア
アニーヤ・マルコフスカヤ(p3p006056)
鋼鉄の村娘
エリシア(p3p006057)
鳳凰

リプレイ

●ドバーグゴブリンの住む森へ
 でこぼことした土と草を進む。舗装されぬ森中を進むのは、慣れた者にとっても体力を使うものだ。
 暫く進み、『朱鬼』鬼桜 雪之丞(p3p002312)は汗をぬぐって水のボトルを取り出した。
「害獣駆除。と言ったところでしょうか。これもそうですが……数が多いのであれば、鍛錬にはちょうどいいかもしれません」
「害獣にしては知能が高そうですが……」
 自分も水分補給をしてから、『贄の呼聲』西條 友重(p3p001835)は深く息を整えた。親指で口元をぬぐう雪之丞。
「これもまた、生存競争でございますね。弱ければ狩られる。それだけのこと
ですから、こちらも気を抜かずに行きます。気を抜いて狩られるなど、もってのほか。ですから。狩るからには、全力で参ります」
「ええ。生きるのに希薄とはいえ、自分の役目くらいは果たしますわ」
 少し背伸びをして木々の向こうを見る『狐狸霧中』最上・C・狐耶(p3p004837)。
「はー、ゴブリンですか。統率に自信あるゴブリンですね、相手にとって不足なしです。不足はないですが面倒くさいです、不足してるほうが私にとっては楽です……ですが、人間は知恵と閃きで困難を乗り越えてきた存在。ゴブリン如きに遅れをとるわけがありません」
 『さあ見せてあげましょう、人間の知恵の力を。仲間が』と呟いて、遠くに見えるは集落の影形。
 ドバーグゴブリンの集落である。

 山だけあって森の高低差は激しい。
 ドバーグゴブリンの集落が見下ろせるほどの高所を、『魔法少女』アリス・フィン・アーデルハイド(p3p005015)たちは移動していた。
 獣道化した場所を進まないのは、あまりにあからさますぎるためである。集落から大勢が逃げて別の場所で再建されてはたまらない。
「ゴブリン……ゴブリンかぁ。ひとくちに言っても、本当に色んなのが居るよね。この前何て波乗りサーフィンしてたし。……とにかく、今は任されたお仕事を果たすだけだよね?」
 雇われ身分というのはこういうときに気が楽だ。世界平和や治安維持や人道あれこれが必要条件に入らない。目の前のことに集中できる。
 『身長2m20㎝』アニーヤ・マルコフスカヤ(p3p006056)も深く頷いて、自分の武器を軽く点検し始めた。
「冒険者が慣れる場としてはうってつけですね。誠心誠意頑張らせていただきます。こう見えて鉄帝の民の端くれですから。うふふふ」
 こうしてコツコツ沢山依頼を受けてお金を稼げば両親に楽もさせられよう。気持ちも上向きになろうというものである。
 大きく胸を反らす『狂科学者』天現寺 勇人(p3p003755)。
「ふはははははぁ!! コレが初の本格的な依頼である!! 相手は、雑魚いのでお馴染みのゴブリン……とは、若干違う黒いゴブリンだというのであるな!! そして、殲滅を目標としてドバドバ倒すことで、今までのストレスを解消させておらうのである!!」
 ゴブリンが雑魚かどうかは世界と種類によるところではあるが、少なくともドバーグゴブリンの個体戦闘力は農民以上傭兵以下といったところらしい。
 アニーヤや勇人ではないが、最近になって依頼に顔を出し始めた人々にとっては丁度いい相手かもしれない。決して、安全ではないが。
「夜行性のゴブリン、といったところか。縁も恨みもないが……これも仕事なのでな。悪く思うな」
 今から襲いに行く集落に、小さく祈るように片手を翳す『鳳凰』エリシア(p3p006057)。
 七色の髪がふわりと風にゆれた。

 ドバーグゴブリンにギリギリまで気づかれぬよう回り込み、やや高い斜面を駆け下りて集落へ向かうルートをとることにした。今はその斜面の上。相手はまだこちらに気づいていない。
「作戦を確認しよう」
 ルフト=Y=アルゼンタム(p3p004511)は白い刀の柄を翳すと、オーラの刀が現われた。身の丈ほどもある妖刀からは蒼い光が沸くようにして現われている。
 身を伏せ、マトックを強く握りしめる『砂狼の傭兵』ラノール・メルカノワ(p3p000045)。
「俺たちはここから一気に駆け下り、集落に突撃する。見たところ塹壕や狙撃台のようなものはないが……狩猟をして暮らしている以上弓や銃といった遠距離攻撃の使い手はいると見ていいだろう。相手が防衛のために高所をとったら注意してくれ。俺はなるべく後衛に近接攻撃型のドバーグゴブリンが行かないように注意するつもりだ」
 といっても相手が数で上回る以上マークしきれはしないだろう。先述した遠距離攻撃にもやはり対応はしきれない。
 『殲機』ヴィクター・ランバート(p3p002402)は小さく唸った。
「数が多いのは厄介だな。何時の時も、数の暴力は侮れない。だが引く事能わず、常に目指すは撃破のみ」
「確かに、そうだ」
「一応、集落の地形を説明しておく。皆覚えて置いてくれ」
 ランバートはその場に集落にある竪穴式住居の位置と、その中央に存在する何らかの建物の位置を記述していった。
 光線銃を抜き、いつでも走れる姿勢をとるランバート。頷くルフト。
「準備はいいな。では、行くぞ!」
「質で勝り陣形を組んで挑む。そこに負けはない。人々が悲しむ姿を見ないで済むように、征こう」

●アサルト
 いつもの日常。いつもの風景。
 夜行性であるドバーグゴブリンは夜の内に獣や木の実を集め、昼間は住居に籠もって眠るという習慣があるらしい。
 それでも社会は築いているようで、メスのドバーグゴブリンが大きな鍋に獣の部位を入れては火にかけてぐるぐるとかき混ぜている。それが人間の部位でなければまだ寛容になれたものを。
 ハッと何かに気づいて顔を上げたメスドバーグゴブリンの脳天を、光線が貫いた。
 ギャッと叫んで倒れ、鍋の中身をぶちまける。
 物音に気づいて顔を出した別のドバーグゴブリンと、斜面を猛烈に駆け下りるエリシアとで目が合った。
 エリシアは光線銃の狙いを定め、金色の目を光らせた。
「愚か者めが……裁きを受けよ!」
 光線銃がより大きな熱光線を放ち、メスドバーグゴブリンの死体と顔を出したドバーグゴブリンをもろとも焼いていく。
 住居に火が付き、めらめらと燃え始めた。
 文字通り火が付いたように動き出すドバーグゴブリンたち。ごうんごうんと警鐘が鳴り響き、武器をとったドバーグゴブリンたちがそれぞれの住居から飛び出してくる。
「ゲンティウス、システム起動!」
 助走をつけて高所から跳躍したアリス。瞬間的に戦闘衣装へ変身すると、手に中にSFライフルめいた魔法の杖が顕現した。
 住居から飛び出したドバーグゴブリンが木で出来た弓を構える――が、相手が矢を放つよりも早くアリスはエーテルガトリングを放った。
 杖からアサルトライフルのごとく魔術弾を放ち、右から左へと対象を薙ぎ払っていく。
 一斉にひっくり返るドバーグゴブリンたち。
 仲間を支援すべく狐耶が駆け込み、神子饗宴を使用して味方を大きく強化した。
「助かるっ」
 ラノールたちは狐耶に小さく礼を言うと、棍棒や肉切り包丁を持ったドバーグゴブリンたちへと突っ込んでいった。
 ラノールが走るたび、自らに残像のような影が生まれていく。
 まるで空間を滑るようにして飛来する矢を回避。とびかかるドバーグゴブリンの首を掴むと、地面へ投げつけてから自慢のマトックで頭部を打ち抜いた。
「『ドバーグ』ゴブリン……か」
 ラノールはガルバルド鉱山も、そこに巣くうというドバーグという亜人系モンスターも見たことが、そして戦ったことがあるが、確かに似ても似つかない生き物だ。
 光を嫌うがそれは目が闇に慣れているせいでまぶしがるためであって、陽光を浴びて死ぬからではないらしい。
「紛らわしい名前だ」

 樽に乗って弓を構えるドバーグゴブリンを、ルフトの遠術が打ち落としていく。
「無理せず連携を。後ろには俺達が居るから安心してくれ。前衛は連携し孤立包囲されない様に頼む。中衛後衛はフォローを。頼りにしている」
 味方をまとめるように声をかけると、ダメージを受けている仲間の回復のためにライトヒールの詠唱へと移った。
「まるで蜂の巣をつついたような騒ぎですね」
 アニーヤは積まれた丸太を壁にして身を伏せ、相手の隙をつくようにして頭を出してはデザートイーグルを連射した。
 がっしりとした腕だけあって反動を無理矢理に殺せている。九発撃ってマガジンを排出。丸太の裏に戻ってから別のマガジンを装填すると、再び近づいてこようとするドバーグゴブリンたちめがけて撃ちまくった。
 ドバーグゴブリンたちも住居やその他諸々を盾にしつつ、徐々にこちらに近づいてきている。様子から察するに左右からも回り込むつもりだろう。
 早速側面から顔を出したドバーグゴブリンに、勇人が光線銃を乱射した。
「始まったようである、ならば、こっちも始めるのであーる!」
 襲撃を焦ったドバーグゴブリンが接近前に直撃を受け、派手に倒れた。
「ふははははははぁ!! KILL'EM ALL!! このブラスターが火を吹くぜ!!ふはははははぁ!!」
 ガンナーズハイ、というより最初からハイな勇人である。
「相手の回り込みが予想より早い。だが――」
 ルートは分かっている。とランバートは丸太から顔を出して光線銃を連射。手榴弾の安全ピンを抜くと、敵が集まっているであろう箇所に狙いを定めて塔撃した。
 爆発。悲鳴。慌てて飛び出してくるドバーグゴブリン。
「ふははははははぁ!! 狙い撃ちで――く、このっ!」
 勇人トリガーを引いても光線の出ない銃をがしがし叩くと、再び光線を発射しはじめた。

「敵が回り込み始めた。前衛の移動を頼めるか」
「只今」
 雪之丞が丸太とルフトたちをもろとも飛び越えると、背後を守るように立って刀を抜いた。
 飛来した矢が眼前で破壊される。
 刀の鍔をスッと撫でると、水の魔力が刀身を走った。
 機を見てか一斉に飛び込んできたドバーグゴブリンたちめがけ、横一文字に払う。
 と、電撃と魔力が合わさりドバーグゴブリンたちを一息に打ち払った。
 そこへ突撃する友重。
 刀を派手に抜くと、慌てて構えなおしたドバーグゴブリンの棍棒を跳ね上げた。回転して飛んでいく棍棒。
 返す刀で相手の喉を切り裂き、紫の血しぶきを上げさせる。
「敵が何であろうと関係ありませんわ。ただ斬るのみ」

●コンバット
 前後衛一丸となり集落に突撃し出てくる敵を片っ端からぶちのめすという王道作戦をとったルフトたち。
 対してドバーグゴブリンたちは地の利を活かして相手を囲い込み、矢の雨を降らせたり決死の突撃を繰り返したりといったオーソドックスな作戦で返してきた。
 が、それもはじめの間のみのこと。
 棍棒や包丁といった粗末な武装しかなかったドバーグゴブリンを暫く倒しているうち、集落の反対側からどこかへ逃げていくドバーグゴブリンの姿が確認できた。
 ゲンティウスからスコープを出して狙いを定めてみると、メスや子供のドバーグゴブリンが助けを求めながら必死に逃げているのがわかった。
「……あれは放って置いてもいいわね」
 それからもう暫く。逃げるドバーグゴブリンたちの一部が引き返し、集落へと入ってくるのが見えた。
 そのドバーグゴブリンたちはソードやヘルメットを装備し。個体によっては鎧まで装備していた。
 仲間に呼びかけるアリス。
「みんな気をつけて、手強そうなのが来るわ」
「…………?」
 敵の猛攻も一旦収まり、ギフトの力を使ってドバーグゴブリンの死んだふりがないか確認して回っていたルフトがふと顔を上げた。
「分かった。回復に回る」
「私もそうするわ」
 フルトとアリスが回復に集中し始める一方、勇人と狐耶は援護を始めた。
 神子饗宴を使用して再び味方を強化する狐耶。
 勇人は丸太の影から光線銃を構え、どすどすと足音のする方へと狙いを定めた。
 足音は近づいてくる。近づいて、眼前の小屋を丸ごと吹き飛ばして大柄なドバーグゴブリンが突撃してきた。
 体感で言えばダンプカーでも突っ込んできたようなものだった。大きな鉄のハンマーを振りかざす。
「ぬっ……!?」
 勇人は危機を察し後ろ向きに走りながら銃を乱射。彼の場合は『全力攻撃をしないほうが強い』ので当然の動きだが、そうでなくても走って逃げるような状況である。
「ただの村人じゃなさそうですねっ」
 アニーヤは途中までデザートイーグルを乱射して、近づいてきた所で腰にさげた斧に持ち替えた。
 ハンマーを受ける。背骨が折れるかと思うような衝撃だが、それでもこらえて相手を殴りつけまくった。
「伏せて転がれ!」
 ランバートの声。
 言われたとおりにすると、ランバートの手榴弾がドバーグゴブリンの眼前へ放られた。ぶつかる直前に爆発。
 大きくのけぞり、仰向けに倒れるドバーグゴブリン。
 ランバートは油断せず倒れたドバーグゴブリンに光線銃を撃ち込みまくってトドメをさすと、エネルギーセルをリロードした。
「ここからは激戦、というわけか」
 ランバートの予想通り。あちこちからガチガチに武装したドバーグゴブリンが飛び出してくる。
 すらりとした全身鎧の剣士や、ライフルを装備した者。大砲を担いだ者。とても狩人や村人といった風貌ではない。むしろこの土地の統治階層とみるべきだろう。アリスやルフトたちに回復を任せ、ラノールと友重は剣士風のドバーグゴブリンへと突撃した。
 盾を翳して突撃してくる剣士ドバーグゴブリン。
 対して友重は跳躍で突撃をかわし、刀を幾度も打ち込んでいく。
 ダメージは通っているようだが、ギリギリ通りきっていない。
「――!」
 が、隙を突いて相手の鎧の間を刀で抜いた。
 ギャアと悲鳴をあげ、無理矢理に彼女を薙ぎ払う剣士ドバーグゴブリン。
 直後、ラノールが急接近。
 再びの薙ぎ払いをスライディングでかわすと、相手の背後をとった。
「悪いな――」
 相手が振り向くより早く、マトックを叩き付ける。
 背をまもるはずの鎧をぶち抜いて、ラノールのマトックが相手の背骨を破壊した。
「傷を受けた者は我に近寄れ! 回復を施そう!」
 エリシアが残った戦力をあつめ、シェルピアの空間を展開。
 味方を癒やすと、すぐさま光線銃を大砲ドバーグゴブリンへと向けた。
 仲間たちも同じように光線銃を向ける。
 全ての射撃――はほぼ同時だった。交差する光線と砲弾。
 爆発がお互いを包む。
 一方で、雪之丞は住居の屋根にわたされた板の上を駆け上がる。
 ライフルドバーグゴブリンを狙うためだ。
 こちらに狙いを定めるドバーグゴブリン。射撃がくる。
 雪之丞のまぶたがぴくりと動き、着弾の寸前に刀を払った。
 眼前を走る水の魔力が壁となり、ライフルの弾速を落とす。
 が、とめきれずに着弾。右肩が下がる。刀が飛んでいく。
 だがそれで構わない。雪之丞は道をそれさえしなければ勝ちなのだ。
 ライフルドバーグゴブリンもそれに気づいたのか、しまったという顔でその場から逃げようと身をひいた。
 が、遅い。
 雪之丞は至近距離まで迫り、相手の首と腕をとり。
「最後です」
 高所から勢いよく投げ落とした。
 頭から木の板へと落ちたドバーグゴブリンは、それきり動かなくなった。





 いくつもの銃声。
 いくつもの悲鳴。
 いくつもの爆発。
 いくつもの鮮血。
 そのすべてが交わされて暫し、ドバーグゴブリンの集落は静寂に包まれていた。
 焼けた住居がはなつ焦げ臭さと、天に昇る煙。それだけの空間だ。
 ランバートたちの提案で集落は端から焼き払われた。再利用をさせないためだ。井戸も見つけたが、それも塞いで置いた。
 ラノールは襲われた鉱山夫たちから奪ったであろう遺品を見つけ出し、それを遺族に届けるべく回収していた。
「ひとまずお疲れ様だ」
 ルフトはそう言って、途中で採取したという木の実を取り出す。
 仲間たちは頷き、ひとまず傷ついた身体を癒やすことにしたのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

最上・C・狐耶(p3p004837)[重傷]
狐狸霧中

あとがき

 ――mission complete!
 ――congratulation! 

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