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シナリオ詳細

<アニマルドラゴン>粉砕のゴリラドラゴン

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●邪悪なりし竜よ
「お仕事です……」
 『小さな守銭奴』ファーリナ(p3n000013)は、この世の終わりが来たみたいな顔でそう言った。
 この世の終わり――というか、とうとう自分も色物依頼デビューかという顔というか、ひとつ前は邪悪な魔種の所業に怒っちゃったりするちょっと熱血的な所も見せちゃったりしたキャラアピールしていたのに、次の依頼がこれかよ、という顔というか。
 まぁ、なんにしても落ち込んでるのである。
「えーと、今回のお仕事ですが……アニマルドラゴンです」
 その言葉に、イレギュラーズ達は驚いたかもしれない。
 ドラゴン。龍種。恐らく混沌世界でも最強クラスのクリーチャーであり、間違ってもイージー難易度に登場するようなクリーチャーではない。
 イレギュラーズ達は大いに困惑した。困惑しすぎてざわざわ言い出した。
 いいのか? いいのか? 腐ってもドラゴンの名を冠するクリーチャーを、こんな依頼で出していいのか?
「えーと、まぁ、アニマルドラゴンについて詳しく説明しますね……」
 と、ふよふよとホバリングしながら、ファーリナが言った。
 曰く。
 アニマルドラゴンというのは幼体時は普通の動物と全く変わらないが、成熟するとドラゴンに酷似した身体を持つようになるという珍しい種族なのだそうだ。
 成熟するまで見分けることができず、また通常種のコミュニティに混ざって生活するため、変異後でなければ発見することは不可能なのだという。
 ここまでテンプレ。
「で、一体だけなら愉快な動物って事で適当に動物園に放り込まれて終るんですけど、三体同時に現れた、という所が問題でして。というのも、こいつらは三体揃うと、こう、合体? して、呪いを撒き散らすらしいんですよね」
 そのため、三体が合流する前に確実に撃退しておかないとならない、という事だ。
「えーと、一体でも残してしまったら、こう……多分死体とかエナジーみたいな奴を吸収して合体してしまうそうで……ですので、緊急任務なわけです、はい」
 そう言うと、ファーリナは、ぺろり、と資料を取り出してテーブルの上に置いた。
 イラストである。
 ゴリラのイラストであった。頭は。
 体は――例えば、地球出身の旅人達が持つ「ああ、ドラゴン! ああ言うのね!」という共通認識をそのまま形にした――ドラゴン。
 手足はゴリラ。
 尻尾は――例えば、地球出身の旅人達が持つ「ああ、ドラゴン! ああ言うのね!」という共通認識をそのまま形にした――ドラゴン。
「ゴリラドラゴンです……」
 ゴリラドラゴン。
「ゴリラドラゴンです……」
 ゴリラドラゴン。
「えっと……別チームが討伐する、残り二体のアニマルドラゴンのイラストもありますけど、見ますか……?」
 いえ、結構です。
 と、イレギュラーズ達の誰かが言った。
 ファーリナは深く頷いた。
 知らない方がいい事も、世の中にはあるだろう。
 所で、合体するとまき散らす呪い、とは一体何なのだろう? 
 イレギュラーズのその問いに、ファーリナは答えた。
「お米が不味くなる事です……」
 それは微妙に厄介かもしれない。
 まぁ、なんにしても賽は投げられたわけだ。
 イレギュラーズ達は様々な思いを胸にしつつ、ゴリラドラゴン討伐の準備を始めた。

GMコメント

 お世話になっております。洗井落雲です。
 アニマルドラゴンなる強敵が現れました。
 これらは合体すると強力な「お米が不味くなる呪い」をまき散らします。
 大変危険です。くれぐれも注意して依頼に臨んでください。



 ※注意!!
 このシナリオは『<アニマルドラゴン>大喝采のライラックブレステッドローラードラゴン』『<アニマルドラゴン>玉砕のマグロドラゴン』の2つとは同時参加ができません。予約は可能ですが、ご注意ください。
 >>予約:いくつでも
 >>当選:ひとつだけ

●成功条件
 ゴリラドラゴン一体の撃破
 
●エネミーデータ
 ゴリラドラゴン ×1

 解説
 ゴリラの頭と手足、ドラゴンの身体と尻尾を持つ、全長1mくらいの生物です。
 ゴリラドラゴンは身体がドラゴンなのでドラミングができません。
 ゴリラドラゴンは身体がドラゴンなのでバランスが悪く、ナックルウォークができません。
 ゴリラドラゴンはちっちゃいからバナナが半分しか食べられません。
 ゴリラドラゴンはゴリラなので空は飛べません。
 ゴリラドラゴンは主に近接レンジで殴ってきます。痛いです。
 ゴリラドラゴンは主に近接レンジ列範囲で尻尾を振り回します。痛いです。

 マグロドラゴンとライラックブレステッドローラードラゴンと合体することで『アルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴン』になり、強力な呪いを撒き散らします。

●戦場について
 ゴリラドラゴンとの戦場は、何もない草原の真っただ中です。
 ですが戦う事だけが、倒すことだけが解決手段なのでしょうか。
 僕は最近思います。人と人は必ず分かり合えると。
 人は様々なコミュニケーション手段を持つ生物です。
 言葉。ジェスチャー。文字。絵画。歌。
 これらは時に人を傷つけてしまうかもしれないけれど、本当にとても素晴らしいものだと思います。
 そんな高度なコミュニケーション能力を持った皆様。
 まぁ、でも普通に考えたらゴリラドラゴンとコミュニケーションをとる事は無理ですよね。
 ですので、普通に撃退してください。よろしくお願い致します。


 それでは、皆様のご参加お待ちしております。

  • <アニマルドラゴン>粉砕のゴリラドラゴン完了
  • GM名洗井落雲
  • 種別通常
  • 難易度EASY
  • 冒険終了日時2018年07月11日 21時35分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)
戦気昂揚
クロバ・フユツキ(p3p000145)
黒裂き
シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)
蒼銀一閃
ワーブ・シートン(p3p001966)
とんでも田舎系灰色熊
原田・戟(p3p001994)
祈りの拳
レンゲ・アベイユ(p3p002240)
みつばちガール
アクセル・オーストレーム(p3p004765)
闇医者
トルハ(p3p005489)
極限インブリード

リプレイ

●超合体! ゴリラとマグロ、それと小鳥!
 ドラゴン。この世界では竜種とも呼ばれる。
 絶大な力を持ちながら、勇者として認めた人間に力を貸すこともあるというが、それは稀――というより、神話の類だ。
 竜種とは、自然災害のようなものと考えてもいいだろう。意思の疎通は出来ず、人はその被害を多少は抑えることはできても、対策も、対話もできず、ただ蹂躙されるのみだ。幸福なのは、その自然災害は、よほどのことがない限り、己のテリトリーから外に出ることがない、という所だろう。
 アニマルドラゴン。この世界では――何と呼ばれるんだろうか。多分珍獣とか呼ばれている。
 愉快な外見を持ちながら、合体するとコメが不味くなるという、絶妙に困る呪いを振りまく。亜竜種とも絶妙に異なる、へんないきもの、としか言いようのない生物である。
「…………ドラゴン、って言ったよな?」
 『業に染まる哭刃』クロバ=ザ=ホロウメア(p3p000145)が、呆然としたようで呟いた。情報屋は、確かにドラゴンと言った。ドラゴン、の前に『アニマル』ってついていたけれど。
 イレギュラーズ達の目の間にいるのは、ゴリラドラゴンである。記述ミスではない。ゴリラドラゴンだ。ドラゴンの体にゴリラの頭と手足が生えたというか、ゴリラの体にドラゴンの部位がくっついているというか、何とも言えない珍妙な姿をしている。
「ゴリラなのか……いや、ドラゴンなのか? どっちだ……?」
 真面目に考え始めるクロバへ、
「まぁ、どっちにしてもやる事は変わらんだろう……」
 と、ぼやくように言うのは『海抜ゼロメートル地帯』エイヴァン=フルブス=グラキオール(p3p000072)である。
「よくはないわ! ドラゴンにはドラゴンに対する、ゴリラにはゴリラに対する戦い方があるのよ!」
 と、ドヤ顔を決めるのは、『みつばちガール』レンゲ・アベイユ(p3p002240)である。確かにその通りなのだが、この場合はどっちでもいい気もする。ついでに、ちょうどいいドヤ顔シャッターチャンスであったので、『祈りの拳』原田・戟(p3p001994)はレンゲを腹パンした。中々生々しい音があたりに響くが、レンゲに戦闘ダメージはない。これはそう、ボケとツッコミの様式美である。
「まぁ、でも実際、倒さない事にはしょうがないわけでぇ」
 『とんでも田舎系灰色熊』ワーブ・シートン(p3p001966)が言った。その言葉通りで、倒さなければ、コメが不味くなる呪いを振りまく凶悪な存在になる事は間違いないのだ。ちなみに、ワーブの主食はコメではない。
「しかし、アレで、ゴリラなんですかねぇ。ちっちゃあ。ものすごいちっちゃいですよぅ」
 ゴリラは本来、巨大な動物である。だが、ゴリラドラゴンの全長は1m程度。本当にゴリラなのかは怪しい。かと言って、ドラゴンなのかと言われれば、それも怪しいのであるが。
「ゴリラらしくない……ならば、ドラゴンか……!?」
 クロバはまだ悩んでいた。
「ゴッちゃんはな……? 本当はゴリ子という名前なんだ……」
 いきなりの設定をぶちかましてきたのは『咆哮する遺伝子』トルハ(p3p005489)である。ゴッちゃんとは、ゴリラドラゴンの事のようだ。
「小さい……小さいから、自分の事をゴッちゃんって言うんだ。そして、バナナが半分しか食べられないんだ……悲しいだろ? そんな事……あっていいのか……?」
 悲しみと義憤にくれる表情で、トルハが続ける。その真相はよくわからないが、ゴリラドラゴンがバナナを一本丸ごと食べられないのは事実である。
「ううっ……ゴッちゃん……ゴッちゃん……!」
 感極まって口元を抑えたのが、『駆け出し冒険者』シャルレィス・スクァリオ(p3p000332)だ。その瞳は潤み、世の理不尽さと残酷さに対する静かな怒りと悲しみに満ちていた。
「どうにか……どうにかならないのかな!? ファーリナさんも『あー、はい、何とかなるなら、皆さんのお好きなように……』って言ってくれたし! 私はみんなが幸せになれる道を選びたいんだ!!」
 ぐっ、と拳を握りしめて力説するシャルレィスである。因みに、呪いの範囲は多分全世界規模で、アルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴンに合体してしまった場合、その呪いの放出を止める事は、自らの意志ではきっとできないだろう、と思われる。多分、とか、きっと、とか言う言葉が多いのは、ファーリナが持っている情報も、伝聞によるものが多いためである。
「と、なれば、まずは説得だろうか」
 『闇医者』アクセル・オーストレーム(p3p004765)が、ふむ、と唸りつつ、言った。強面の外見で『闇医者』を営む故に誤解されがちのようだが、内面は非常に優しく、良い人である。
「まぁ、別に構わんが」
 エイヴァンが言った。別に殺さずに済むのなら、それにこしたことはない。疲れるし。
「無害……というわけではないが、それでも殺さずに済むならそうした方がいいからな。とりあえず試してみる分には構わんだろう」
「では、話しかけてみるか」
 エイヴァンの言葉に、アクセルは頷いた。
「アニマルウェルフェアってやつね! 意味は全然分からないけど! ゴリラを見るのはこれで二度目だけど、大丈夫! あたし達ならきっと分かり合えるわ!」
 当然よね! とその胸をそらせるレンゲさん。絶好のチャンスだったので、戟はレンゲに腹パンを食らわせた。今日は沢山腹パンチャンスが来る日だな、と戟は思った。このままの勢いで、腹パンを決めていきたい。戟はニヤリと笑った。
「ゴリラドラゴン……ゴリラが先に来る名前なんだから、ゴリラか……? いや、しかしサンダードラゴンとかはドラゴンがラストに来る名前なのにドラゴンだから、やはりドラゴン……?」
 クロバはまだ悩んでいた。

●激戦! ゴリラドラゴン!
「ステイ! ステイ! ステイだよ! ゴッちゃん!」
 両腕を広げ、足を絶妙な角度で曲げつつ、シャルレィスが声をあげた。様子を窺うように、ゴリラドラゴンはシャルレィスの顔を見つめる。こういう感じの絵を、何かの映画で見たような気もするが、まぁそれはさておき。
「ゴッちゃん、私の話を聞いて! 呪いを振りまくなんてやめよう? 合体したって……アルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴンになったって、いい事なんて一つもないよ!」
 さらっ、とアルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴンと発音するシャルレィス。そこのところはさすがプロである。ゴリラドラゴンは不思議そうな顔で、シャルレィスを見つめた。多分、何を言っているのかわからないのだろう。シャルレィスは動物会話スキルを持っていないのだ。いや、そもそもスキルで会話ができる類の生き物なのかは、恐らく神であってもわかっていないであろう。
 だが、スキルがなんだ。ギフトがなんだ。古来より、動物と人間達は、立派にコミュニケーションをとってきたじゃないか。本当の所では分かり合えていないのかもしれない。だが、動物たちも一生懸命意思表示をし、人間達も一生懸命意思表示をして、お互い、ほんの少しだけでも、その意思を伝えてきたじゃないか。
 コミュニケーションとは、人間だけが持つ能力ではないのだ。人間のそれは様々形で進化、発展してきたため、人類種が一歩抜きんでている感はあるが、動物たちも同種によるコミュニケーションを、そして他種へのコミュニケーションを、しっかりと行ってきたのだ。そう、わかり合おうと思えば分かり合える。通じ合えるのだ。シャルレィスは確信していた。ゴリラドラゴンが、その手を持ち上げた。そう、これは、相互理解の握手に違いない。シャルレィスは笑顔で、その手を差し出した。
「あ、殴られたよぅ」
 ワーブが言った。シャルレィスが吹っ飛んだ。

「異種族コミュニケーションって難しいのね……!」
 レンゲが戦慄した様子で呟いた。ドヤ顔ではなかったので、戟は腹パンチャンスを逃した。残念だった。
「説得、続けるかい?」
 エイヴァンが尋ねると、
「やっぱり、人間、鍛え抜かれたスキルの力も借りないとダメだよね……! アクセルさん、お願い!」
 アクセルの手により、治療を受けていたシャルレィスが答えた。その言葉に、アクセルは、若干の迷った様子で頷くと、
「う、うむ……とりあえずやってみよう……」
 そう言って、ゴリラドラゴンの元へと向かった。
「そうか、やはりゴリラドラゴンなのでゴリラ……!」
 クロバはまだ悩んでいた。
 ゴリラドラゴンは、アクセルの瞳を、その黒い眼で見つめている。一般的なゴリラ相手なら、些かの神秘性を感じたりもするかもしれないが、相手はゴリラドラゴンである。シュールすぎて、恐怖を超えて笑いがこみあげてくるのを、アクセルは必死に抑えた。
「……君たちは、どうしてもアルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴンにならなければならないのだろうか」
 アクセルが言った。アルティメットゴリラックマグロテッドローラードラゴンを噛まずにストレートに発言できるのは、プロだからである。
「このまま君たちに合体をされてしまうと、私たちは大変なことになる。君を倒さないといけない。……私はそれがとても悲しい。一緒に生きていける方法を探したい」
 告げた。紛れもない本心であった。命が失われるのは悲しい。それが、たとえどんな命であろうとも。アクセルは医者である。非合法の、闇に生きる医者であろうとも。アクセルの仕事は、命を救う事だ。だから、出来るのなら、命が救えるのなら、それはどんなにか幸せな事だろう。
 ゴリラドラゴンが、静かにアクセルを見つめた。
 アクセルも、静かにゴリラドラゴンを見つめた。
 みつめた。
 みつめた。
 みつめた。
 みつめた。
 逸らした。
 アクセルはいそいそと仲間たちの元へと戻ってくると、
「伝わった……と思う」
 と、告げた。「すまない、もう限界だ、あれ以上見つめていられないし、相手が何を考えているのかもよくわからない」。言外にそう匂わせて。
「あ、諦めちゃだめだ!」
 トルハの言葉に、
「いや……その、でも、アレだぞ!?」
 アクセルが上ずった声をあげる。普段は冷静沈着なアクセルが、明らかに精神を乱されている。仕方あるまい。ゴリラドラゴンと見つめ合うなど、正気度判定を何度すればいいのか。むしろ、アクセルは頑張った方だろう。これ以上見つめ合っていては、秒で正気度が削られていくに違いない。
「結局、ダメそうですかねぇ」
 ワーブが嘆息する。戦わずに済むのならばそれでいいが、そうでないならやるしかない。
「いや、とりあえず、次は私が肉体言語で――」
 そう言ったトルハの言葉をさえるぎる様に、
 ――イインダヨ。
 言葉が、響いた。
「なっ……!?」
 トルハが、驚きの声をあげ、辺りを見渡した。だが、声の主と思われるものは、ただ一つ――。
 ――アリガトウ。
「ゴッちゃん……君なのか……?」
 トルハの言葉通り。目の前にいる、ゴリラドラゴン。それだけしかいない。
 果たしてこれは、何なのか。ゴリラドラゴンの能力なのか、奇跡か、それとも皆正気度判定に失敗したのか、それは分からない。因みに、PPPには正気度判定というシステムはない。念のため。
 ――コロシテ。
 ゴリラドラゴンが、そう言った。深い深い黒い眼が、イレギュラーズ達を見つめていた。
「そんな! そんな事……!」
 トルハが声をあげる。ゴリラドラゴンは微動だにしない。
 ――ショウガナイ、コトナノ。
「しょうがなくなんてないわ!」
 レンゲが声をあげた。ドヤ顔ではなかったので、戟は腹パンができなかった。
 ――ワタシハ、融合ヲ、止メラレナイ。生キテイテハ、イケナイ。
「ゴッちゃん……ゴッちゃん……!」
 シャルレィスが、涙ながらに声をあげた。
 ――アリガトウ、アリガトウ、優シイ人達。ワタシニ名前ヲクレタ。
 ゴリラドラゴンの言葉に、アクセルは悔し気に、悲し気に、俯く事しかできなかった。
「そうか、お前は――」
 クロバが言った。得心の言った表情で、ゴリラドラゴンと対峙した。
「ゴリラドラゴンなのか」
 確信するように言ったクロバの言葉に、ゴリラドラゴンは静かに瞳を閉じた。

●レクイエム・フォー・ゴリラドラゴン
「ゴッちゃん……どうして、どうしてアニマルドラゴンなんかに……!」
 シャルレィスが、泣きながら、跪いた。悔し気にこぶしを握り、地へと叩きつける。
 死を受け入れたゴリラドラゴンとイレギュラーズ達との戦いは、あっけなく終わった。ゴリラドラゴンは、死んだ。やむを得ない事であったのだ。ゴリラドラゴンもまた、それを受け入れていた。それ故に、その戦いはあっけなく終わったのだ。
 イレギュラーズ達の心に、辛く、重い影がのしかかっていた。それはきっと、ゴリラドラゴンとのコミュニケーション故にもたらされたものだ。
 それを行わなければ、もっとあっさり殺し合えただろう。後悔などせず、殺し合えただろう。
 我々は、殺し合わなければならなかった。それは不幸だ。だが、その運命の中で、しかし我々は希望と、ささやかな幸福を勝ち取ったのではないだろうか。
「無念だ、ゴッちゃん……だが……」
 トルハは泣いた。男泣きに泣いた。牝馬ではあったが、男泣きであった。
「……命が奪われることは悲しい。それでも、私達は分かり合えた……それがきっと、希望なのだ……」
 アクセルが瞳を閉じて、言った。心中で静かに祈りをささげる。それは、ゴリラドラゴンへ。あるいは、共に生きて行けるかもしれなかった、友となれるかもしれなかった存在へ。
「オレは死神だ……殺すことしかできない……だが、お前の死の痛みはオレへと刻まれた。良き死出の旅路を」
 クロバは呟いた。自身の体を染めた血を、戦いによって付けられた傷を、クロバは誇りに思うだろう。これは、痛みだ。ゴリラドラゴンの痛み。それはまた、自身にも刻みつけられたのだ。具体的に言うと、使った技の反動ダメージを受けた。
「ゲキってばなんてことをしてくれたの! ゴッちゃんなんかより貴方のほうが余程野蛮よ! 暴力的よ! ゴリラよ! ううっ……!」
 レンゲは戟の体をぽかぽかと叩いた。叩かずにはいられなかった。やり場のない怒りを、どこかにぶつけなければいられなかったのだ。
 戟はそれを無言で受けていた。腹パンチャンス、あんまりなかったな……。そんな事を思いながら、戟は静かに、静かに、レンゲにポカポカされていた。
 やがて、ほどなくして、イレギュラーズ達は静かに歌い始めた。
 それは、友へ捧げる鎮魂歌。
 ゴリラドラゴンの安らかな眠りを願う、子守歌であった。
 草原に、イレギュラーズ達のレクイエムが、しずかに、しずかに響き渡る。
 風に乗って、風に乗って。その歌声は、きっと、天国のゴリラドラゴンに届くはずであった。

「なんですかねぇ、このオチ……」
 ワーブがすこし、困惑したように言うのへ、
「分からん……」
 と、エイヴァンもまた、困惑したように返すのであった。
 まぁ、なんにしても、めでたしめでたしである。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 ご参加ありがとうございました。

 ゴリラドラゴンって一体何なんだ……。

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