夏の嵐を越える命

オープニング

●夏の嵐を越える命
　鉄帝北東部に広がる一帯『ヴィーザル地方』。
　その一角には、峡湾が折り重なり、船を着けるのには厳しい海岸線が広がる地域がある。
　勿論冬となれば多くの雪が降り積もり、そのような厳しい環境故に棲まう人々も苦しい生活を強いられている。
　だが、今の季節は……雪もほぼ無く、短くも住みやすい期間と言える。
「良し。今日も頑張って漁に出るかぁ！』
「ああ、そうだな！！」
　……そんな厳しいヴィーザル地方北部、海岸沿いの村『ラリアール』に棲まう人々は、漁へ出る準備を整えている。
　今の内に釣果を重ね、冬を越す為に貯えておかなければ……冬の生活が苦しくなる。
　努力を今の内にしておくことで、冬の生活がちょっと楽になる訳で……その為にも、今の内に出来る限りのことをする。
　それが、北国に棲まう人達の生活の知恵。
　……でも、そんな生活の知恵を脅かすのも、また然り。
『さて、と……そろそろ出漁の頃合いか。今日はどんな奴が無様にやってくるのかねぇ……』
　ニヤリ、と笑みを浮かべたのは、この厳しい湾岸に縄張りを張り巡らせるノルダインに属する一族『ルカテルニ』。
　彼らもまた、この夏の釣果を狙い……略奪行為を繰り返している極悪なる者達。
　夏に釣果を横取りし、冬、遊んで暮らそうという……そんな奴ら。
　そして海に出たラリアールの村の漁船を見つけると共に。
『っしゃ、んじゃアイツ等の船を泳がせておいて、帰ってくる辺りに一気に仕掛けるとしようぜ！』
　と船を用意し、彼らを離れた距離から追跡開始するのであった。

●
「ん、イレギュラーズの皆さん、ちょっとこっちに来て欲しいのです！！」
　ぶんぶんと手を振る『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が、ローレットを訪れし君達にぴょこんと顔を出したりしながら声を掛ける。
　そして、イレギュラーズの皆が集まった処で、うんうんと頷きながら早速。
「イレギュラーズの皆さんに集まって貰ったのは他でもないのです！　えっとですね、この夏暑いですよね？　ちょっと涼しい所に行ってみたいですよね？　ね？」
　ずずずっ、と迫ってくるユリーカにお、おう……と頷く君達。
　ふふん、と満面の笑みを浮かべたユリーカは。
「えっとですね、今回皆さんへの依頼なのですが、夏でも少しばかり涼しい北国、ヴィーザル地方へと向かって欲しいのです！」
　ヴィーザル地方と聞いて思い浮かぶのは、当然……ノーザンキングス。
　鉄帝国に徹底抗戦する彼らの悪逆非道は、時折イレギュラーズ達の耳にも入る。
「今回はこのヴィーザル地方の厳しい峡湾部に現れる海賊の様な行為を繰り返す一族『ルカテルニ』を討伐してきて欲しいのです！　彼らはこの夏の間に少しでも釣果を貯えようとしている村の船を襲い、その釣果を全て横取りにしてしまっているらしいのです！」
「村人さん達からすれば、冬の蓄えをする為のこの季節はとっても大事なのです。でも、その釣果を悪逆非道に奪い去って行く奴らは、絶対に許せる存在ではないのです！！」
　そこまで言うとユリーカは、もう一度皆を見渡して。
「村人さん達の生活に直接敵に手を貸す訳には行かないですが、それを妨げる奴らは許されないのです。イレギュラーズの皆さん、宜しくお願いします、なのですよ！」
　と拳を振り上げるのであった。

参加者 : 8 人

冒険が終了しました！　リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧（8人）

リプレイ

●夏の合間
　鉄帝国北部に広がりし一帯、ヴィーザル地方。
　冬は多くの雪が降り積もり、人が生活するには厳しい環境のこの地域。
　更に海辺においては、つづら折りの如く峡湾が折り重なり、船がつけるには厳しい海岸線が広がる。
　故に限られた、船が着岸出来る所にはこの厳しい地で生き抜く人々の街や村があり、彼らは短い夏の季節を縫って冬のための蓄えを積み重ねている。
「いや、ヴィーザルの短い夏がとうとうやって来ましたね。村の方々も、冬に備えて頑張っている様です」
　訪れた村の村人達の動きに、『挫けぬ軍狼』日車・迅（p3p007500）は軽く微笑む。
　彼らがこうやって命を繋ぐ為に、自分達の出来る事を必死に頑張っている……彼らが息づく生活を、皆で守らなければ、と強く想う。
　……だが、そんな生活を脅かすのもまた、このヴィーザル地方に根を張るノーザンキングスの一派である『ルカテルニ』一族。
　彼らは己が手の苦労を取る事無く、村人達が手にした釣果を横取りしよう、という訳である。
「……今度はノルダインの連中ですか。何度も何度も、無辜の方々から全てを奪う……気に入らないですね」
　と、静かに『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル（p3p004352）がばっさりと断じると、それに『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル（p3p009744）も。
「本当、漁師様が汗水流して獲ってきた魚を奪い、生活を滅茶苦茶にするとはまさに外道！　筆舌に尽くしがたい『素敵』な悪党ですわね！」
　と声を震わせる。
　そんな彼女の言葉に『「Concordia」船長』ルチア・アフラニア（p3p006865）が。
「そうだね。確かに必要な物を自分で用意したり、交易で手に入れるのではなくて、力尽くで奪うなんて……蛮族の所業と言う他は無いわ。シャルロッテが怒るのも仕方ないわね」
　と零すが、それにシャルロッテはニコッと笑い。
「いえいえ、ワタクシ起こっているのではありませんのよ？　ノーザン・キングスの方達も、食糧難が苦しくて、仕方なく行っているのかもしれませんもの。故に奪って暴れる、そうでしたら真っ当な理由ですもの！　だからこそ理解（わかっ）ているはずですわよね？　『他人の生を奪うなら、奪われる覚悟をしろ』と。うふふ。なので最初から全開（ガチ）で行かせてもらいますわね！！」
　満面の笑みを浮かべるシャルロッテに、迅、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ（p3p006270）、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス（p3p009471）も。
「ええ……他者から奪うというのも、まぁ……この大地に住んでいるならそれなりにあるものですが、だからと言って見過ごす訳にはいきません。力で他者をどうにかしようとする者は、いつか力で誰かに倒されるもの。そして今が、その時です！」
「そうだな……掠奪そのものを否定はしないが、せめて戦略の下にやって欲しいものだ。この程度の連中と喧嘩をしている我々が、バカに見えてくるだろう……不愉快だ」
「うん。もっと資源に溢れた土地だったら……なんて思ったけど、現実はそうじゃないからな。他人の苦労を奪うのは、ここで打ち止めだ」
　そんな仲間達の言葉に、無言で胸の十字架に奪わせない、と誓うルチア。
　そしてオリーブが。
「では、ここで終わらせてやりましょう。奴らに明日を見せてはやりません」
　確固たる意思と共に、ぐっと拳を握りしめるオリーブ、そしてルチアが用意した船へと乗り込むイレギュラーズ。
　……既に村人達が乗り込んだ漁船は出航しており、それを追いかけるように、全速前進を開始する。
　波を掻き分け、左へ右へと揺れる船……つまり、この様な荒れた足場で戦わなければならない、という事。
「中々に荒れた船上での戦闘だね！　でもやる事は変わらない！　救って倒す、それだけさ！！」
　と『雷光殲姫』マリア・レイシス（p3p006685）が気合いを込めると、それに『甘いくちどけ』金枝 繁茂（p3p008917）も。
「そうね！　筋骨隆々のマッチョマンが相手となると、ハンモも本気を出さざるを得ないね！　後はリーダー格が特に強かったノルダインの二の腕くらい持って帰ってもバレないかな？　かな？」
　ニコニコながらに、中々物騒な事を口にする繁茂。
「え、えっと……そこらへんは、出来れば穏便にして欲しいかな？　ほら、改心するかもしれないしね！」
「そうかぁー……まぁ、でも楽しそうだからいいかな♪　さぁてと、頑張るぞー！」
　マリアの回答に繁茂は苦笑、そしてイレギュラーズ達は更に海を進んで行くのであった。

●暖かい海と
　そしてイレギュラーズ達の船が出航し、数時間。
　北方の厳しい峡湾を横目に眺めながら、視線は先に出港した漁船の姿を探すのに釘付け。
　大海原故に、漁船の様な小さな船を発見するのは中々大変。
　とは言え海賊船よりも先に見つけなければ、被害は甚大……だからこそ、必死に探す。
　暫くの時が経過し……水平線ギリギリの所に、小さな一隻の船の影が朧気に見える。
「……ん、あれか？」
　とイズマが指差し、目を凝らす。
　勿論船の速度も上げて、どんどん距離を詰めていくと……漁用の網を丁度回収している所の船の姿を発見。
「……ああ、あれで間違いだろう。まだ襲われていない様だが……ん？」
　エッダが更に目を凝らすと、逆の方向から近づきつつある船の姿。
　こちらはまだはっきりしないが、漁船に向けて一直線に加速してきているので……まぁ、海賊船なのは間違いないだろう。
「奴ら、隠れもせず意気揚々と現れましたね。兎に角、あの船より先に漁船へと近づかなければなりません。ルチアさん、船の加速を宜しく御願いします」
「ええ、判ったわ！」
　更にスピードを上げて、漁船に接近するイレギュラーズ。
　……両方向から船が近づいて来てくる状況で、漁船の乗組員達は。
『……え？　あれ、何だかあの船、こっちに来てるぞ？』
『こっちもだ……不味いこのままだとぶつかっちまう！』
　と焦りを見せるも、船の方向を簡単に転換する事など出来ない。
　船の速度を落としつつ、針路を少し逸らせるが、当然ながらイレギュラーズの針路もそれに追従。
『っ……後ろからもくる、くるぞ！！』
　と叫ぶ漁船の村人達。
　……そして、ほぼ同じ位のタイミングで、漁船を挟み込むように、『ルカテルニ』一族の船と、イレギュラーズの船が横付け。
「おい、邪魔すんじゃねえよ！！　この船の釣果は俺達のものだ！！」
　と怒りに声を震わせて叫ぶルカテルニ一族。
　そんな彼らの怒号に萎縮し、ひいい、と悲鳴を揚げる漁師達。
　しかし、そんな怒号に萎縮する漁師達へ、マリアとルチアが。
「諸君！　落ち着きたまえ！」
「救援に来たわ！　こちらに逃げて！！」
「そう、必ず守る！　私の傍へ！」
　大きな声で呼びかけながら、船に梯子を掛けて、こちらに乗り換えるよう叫ぶ。
　両方向からの声に慌てるている彼らだが、その後押しをする様に、他のイレギュラーズ達が次々と漁船へと乗り込み、逆側から乗り込んでこようとする敵陣に対峙する。
「くそったれが！　邪魔すんじゃねえって言ってんだろう！！」
「そうだそうだ！　どけやてめえら！！』
　とイレギュラーズ達を次々と罵りつつ、その手の巨大剣や巨大斧を掲げて威嚇する。
　しかし敵の動きに決して慌てる事無く、迅とオリーブが。
「させませんよ、村人さん達が避難されるまでは、ボク達が相手です！」
「絶対に村人と、彼らが頑張って釣り上げた釣果は絶対に渡しはしない。力尽くで、と言うなら俺達を倒してからだな」
　と断じる。
　しかしルカテルニ一族は、その様な言葉を意に介する事無く、ただただ罵詈雑言を吐き捨てるばかり。
　……そんな敵の汚い言葉を、表情を変えずに聞いていたエッダは。
「ああ……貴様等、本当に国家の自覚があるのか？　掠奪とは、気分気ままに行う手軽な収入源ではない。将来併合する民からの反感、労働力の喪失……そういう多大な損を飲み込んで尚行うべきと判断した時のみ行うもの……」
　と告げる。
　……とは言えその様な言葉を聞く気配も無い彼らに、はぁと深い溜息をつきながらエッダが。
「……いや、いい。塵に理屈を垂れたのが馬鹿だった。もう殺そう」
　言い捨てたエッダの言葉にオリーブ、繁茂にシャルロッテらも頷き、次々とルカテルニの船へと突撃。
「さぁ、始めよう。判らせてやる」
　とエッダが隙の無い構えで対峙し、敵の攻撃を誘い出す様、怒りを付与しつつ、敵の攻撃をいなしていく。
　一方でイズマ、マリア、ルチア、の三人は、未だ混乱に陥っている漁船の村人達に。
「助けに来た！　危ないからこっちに！！」
「こっちだ！　ほら、しゃんとする！　大丈夫！　私も私の仲間達も、あの程度の連中の遅れは取らない！」
「村に釣果を持ち帰りたいんでしょう？　大丈夫よ、私たちが必ずあいつらを倒す。だから、今は大人しく、私の船に避難して！」
　とそれぞれが声を掛けつつ、村人達をルチアの船へと避難させていく。
　……そして船に乗っても、まだ混乱しているような人達に向けて、マリアが遠距離の敵に向けて雷撃をぶっ放す。
『ぐぅぁーーー！！』
　突然の雷撃に、避けれずに雷鳴を喰らったルカテルニの者達の悲鳴……それを聞かせつつ。
「ざっとこんなものさ！　私は雷撃を生み出せる！　大船に乗った気になっておくれ！」
　と、実際に敵を攻撃する場面を見せる事で、自分達を信頼させるように促す。
　勿論、その間もずっと、他の仲間達が漁船と敵の船の間に立ち塞がることで、決して漁船に乗り込まさせない様に立ち回る。
　そんな仲間達の動きが証明となり、村人達はイレギュラーズ達を信頼し、ルチアの船への避難を何とか完了させる。
　……そして村人達を避難させ終えた三人も、漁船を飛び越え、敵の船へと乗り込んでいく。
『くそっ……！！　絶対に殺す、こいつらを殺してあの船諸共沈めてやらぁ！！』
　一層、苛立ちを吐き捨て、自分達の体長と同じ位の巨大武器を全力で振り回し始めるルカテルニ達。
　一発当たるだけでも、かなりのダメージが予想されるので、その攻撃の回避に集中。
　しかしながらダメージを負ってしまった仲間に向けて。
「ハンモの目の前で男を襲うのは御法度だよ！」
　とルカテルニ達に言い放ちつつ、仲間達に回復の歌声を届ける。
　ただ、一人だけでは全てを回復する事が出来ず、更にルチアも回復の歌声を響かせる事で、仲間達の体力を出来うる限り回復。
　そして、回復を受けたシャルロッテは。
「うふ、うふふふふ！　唆りますわ、滾りますわぁ！もっともっとワタクシと殴り合い（たわむれ）ましょう！！」
　満面の笑みで、一番近い所に居る相手へステゴロの力を全開にした一撃をぶっ放す。
　流石に彼女が至近距離の間合いまで詰めてきて、放つ一撃を躱す事など出来ず、後方に吹き飛んでいく。
『何、だとっ！？』
　強烈な一撃に、周りの仲間達は僅かに怯む。
　その瞬間にマリアが。
「観念して投降したまえ！　命まで奪う気はない！　そんな元気と力があるのなら、罪を償って漁師にでもなりたまえ！　社会貢献にもなるだろう！　加減はしよう！　わざわざトドメも刺さない！　だが、そんなに器用でもない！　反攻するなら、死んでも恨んでくれるなよ！！」
　と最後通牒を突きつける。
　……それで従ってくれれば、まだ手加減も考えて居たのだが、やはり彼らは。
『うるせえ！　お前達こそ俺達の力の前煮ひれ伏せ！！』
　と完全に拒絶。
「そうですか……ならば仕方ない。皆さん、完膚なきまでに叩き潰しましょう」
「ええ。分かり合えない隔たりがある様ですから、仕方ありませんね！」
　オリーブの言葉に迅が拳を振り上げる。
　そして迅が敵の懐へと潜り込むと、その脚で上方に蹴り上げ、その後、渾身の一閃を放つ。
　更に別の敵にはイズマが刺し貫く一閃で敵の腕を突き、マリアも紅雷を纏い、立て続けの追撃を繰り出していき、敵を薙ぎ倒す。
　続くオリーブは、ターゲットとなる一体に攻撃しつつ、他の敵陣から引き離す。
　引き離したところで、高火力の竜撃を叩き込む事で、確実にトドメを刺す。
　そんなイレギュラーズ達の巧みな動きにより、十四人居たルカテルニ一族は次々と倒れていく。
　そして、両船が衝突してから十分ほどで、残るは後一人。
『っ……ちくしょう！』
　と叫び声を上げた彼に、エッダが。
「本当、バカがバカげた武器を、バカの様に振り回してくるだけでは怖く無いであります。取りあえず、あの世で悔いる事ですね。許しませんが」
　と、敵をバッサリ断じると共に、その徹甲拳を叩き込む。
　一撃だけに収まらず、連撃が決まり彼を瞬く間に追い詰めていく。
　……そして。
「これでトドメだ」
　とイズマが敵を蝕むメロディを放ち、最後の一人も抵抗出来ず、崩れ墜ちていった。

●雪解けの先に
　そして……ルカテルニ一族達を全て倒したイレギュラーズ。
「……ふぅ……これで少しは海が平和になってくれればいいな……」
　と汗を拭いながら、息を吐くマリア……そして、その言葉に頷く仲間達。
「さて、と……それじゃあ私は私が楽しませて貰うわねぇー♪」
　と繁茂が倒れた敵の下で何かをし始める一方でエッダは。
「しかし、陛下も陛下だ。なぜこの様な垂れた屁の方がまだ存在としてマシな連中を放りだしているのか。怒りがふつふつとわき上がって、暴れ出しそうになる。死力を尽くして争うべき楽しい難敵にもならん。信念を戦わせる自分とは別の正義にもならんな。塵だ、塵は塵に還れ」
　ぶつぶつと愚痴の様に紡ぐ彼女に、オリーブは。
「……そうですね。奴らは私利私欲の為だけに動いている。崇高な目的がある訳でも無いでしょう……そんな奴らをのさばらせておく訳にはいきません」
　と頷く。
　まぁ、確かにノーザン・キングスに属する彼らが団体的な行動を取っている気配はあまり無い。
　けれど、奴らを放置しておく訳に行かないのも確か。
　……そんな様々な思いを秘めつつ。
「まあ、後は村人さんを安心させないといけませんね。船の状態も見ないといけませんし」
「あ、そうですね！　わたくし、お手伝いいたしますわ！」
　迅の言葉にシャルロッテが手を上げる。
　そして、船に避難していた村人達の怪我を治療したり、村人の船の破損を応急処置したり、と……それぞれが出来る事を対応していく。
　そんなイレギュラーズ達の動きに、村人達も。
「ほ、本当に……ありがとう……最初、両方向から襲撃されたかと思ってよぉ……すまねえ……」
　最初の混乱を詫びる彼らに、イズマが。
「大丈夫。厳しい土地だからな……疑心暗鬼になるも仕方ないさ。ほら、敵の船にあるもので、必要な物はあるかい？　言ってくれれば探して持ってくるよ」
　と提案する。
　……まぁ、必要な物なんて、資材や食料くらい。
　それを漁船へと積み替えつつ……修理も終えた所で。
「それじゃ、村へ戻りましょうか♪」
　ほくほく顔の繁茂を深く追求しないようにしつつ、イレギュラーズ達は、漁船と共に村へと帰還するのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

なし

状態異常

なし

あとがき

夏のノーザンキングス依頼に参加頂き、ありがとうございました！
厳しい 環境だからこそ、生きる彼らも獲る彼らも必死なのかもしれません。
とは言え分かり合える事もないでしょうから、このような事件はこれからも続く事になりそうですね……。