PandoraPartyProject

シナリオ詳細

夏はパイナポー

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●パイナップれ

「くそっ、今年も出たぞ! パイナップルだ!」
「男連中は集まれ! パイナップルを村に入れるな!」

 平和な村に騒がしい声が響く。
 パイナップルを村に入れるなとはどういうことなのか?
 パイナップルはパイナップル。勝手に村に入ってくるはずなどないのに。

「パイナポー……」
「来たぞ! パイナップルだ!」
「盾はまだか! そろそろ来るぞ!」

 叫ぶ男達の視界の先にいるのは1つのパイナップル。
 しかし、はて。やけにサイズが大きいような……?

「パイナッポ!」
「パイナポ!」
「パイナポー!」

 地面を揺らす足音。いや、果物に足などないから何音というべきなのか。
 ともかく地響きと共に大量の巨大パイナップルが村へと迫りくる。

「パイナナナナッポー!」
「うわああああ!」
「ダメだ、逃げろおおおお!」

 パイナップルの発射した大量の小型パイナップル。
 それらは地面にぶつかると同時に爆発を起こし、村人たちを蹴散らしていく。

「くそっ、もう勘弁ならねえ! また建て直しだぞ!」
「こうなったら倒せる奴等に頼むしかねえ!」

●パイナップる

「というわけで何故か一直線で依頼人が私のとこに来たです」

 『旅するグルメ辞典』チーサ・ナコック(p3n000201)は、そう言って小さく溜息をつく。

「端的に言うと、パイナップルが暴れてるです」

 正確にはパイナップルっぽい何かと言った方が良いだろうか?
 あるいはそういう品種のパイナップルなのかもしれない。
 大きさは人間の大人程度。
 小型のパイナップルを大量射出する技を使うが、どうにも着弾と同時に爆発する性質を持っているらしく、これが夏になると大量に出現して付近の村人の生活を脅かすのだという。

「すでに1つの村が壊滅し、近くの2つ目の村を目指してパイナップル達が進撃を開始しているです」

 予測では、到着は3日後。
 此処からその村までは1日で着くから、何らかの防御策をとることだって可能だろう。
 そして、ここからが大切なことなのであるが。

「そのパイナップルども、夏の名物として重要な収入源になる可能性があるです」

 つまるところ、出来るだけ可食部を残すような戦い方が望ましいということだ。
 勿論、無事にゲットした暁にはパイナップルパーティが催されることにもなっている。
 太陽の下元気に育ったパイナップルはさぞ美味しいだろう……とは依頼人の言葉だ。

「ま、頑張ってくるのですよ」

 チーサはそう言うと、村までの地図を手渡してくるのだった。

GMコメント

夏はパイナポー。
無事にパイナップル達を倒してパイナップルパーティと洒落こみましょう。
なお、防備策を施す場合は資材は村からある程度貰えます。
その気になるなら簡易要塞だって作れます。
防備策の度合いによって、村の安全度は高まるでしょう。



□パイナップル×たくさん
足もないのに走る自走式パイナポー。
小型パイナップルの群れの射出爆破、中型パイナップルの射出爆破、自身のハイジャンプからの着地爆破といった技を使用します。

□ボスパイナポー
でかいです。タフです。

□パイナップルパーティについて
パイナップル達を解体して楽しむフルーツパーティです。
村人たちがパイナップル料理を振舞ってくれたり、ミスター&ミスパイナップルコンテストが開催されるらしいです。
ミスターにはマッチョ、ミスには夏の似合うワンピース美人が集まります。
飛び入り参加歓迎らしいので、猛烈アピールすると入賞の可能性が高くなります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 夏はパイナポー完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年08月07日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

リリー・シャルラハ(p3p000955)
自在の名手
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
甘夢インテンディトーレ
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
小さな願い
ヴィリス(p3p009671)
黒靴のバレリーヌ
エーレン・キリエ(p3p009844)
特異運命座標
フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)
百合花の騎士

リプレイ

●パイナップルを迎え撃つために

「ざくざくよいしょ。ざくざくよいしょ」

『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)が穴を掘る音が響く。
 此処はパイナップルの襲撃を控えた村の前。エル達は今、パイナップルの襲撃を防ぐ為の陣地の構築中なのだ。
 具体的には穴を掘って堀として、掘ったことで出た土を土嚢にして積み上げる。
 これだけでかなり強固な陣地と化すのだ。

『黒靴のバレリーヌ』ヴィリス(p3p009671)もザクザクと穴掘りを進めていく。
 村を守る堀は、上手くいけば来年以降も村を守ってくれる。
 しかもこれが有効であるとなれば、来年以降は別の村でも堀が出来るだろう。
 まさに良い事尽くめ。それがこの堀作りなのだ。

「とらぁ君! とらぁ君は陣地の作成と杭の作成をお願いするね!」
「とらぁ……」
「良い子だ!」

『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)も、とらぁ君と一緒に穴を掘っているが……杭とは何か?
 それはつまり、土塁の陰に斜め上に突き出た鋭い杭を設置し、土塁を飛び越えたパイナップルに突き刺さるようにしようというアイデアであった。
 それがどの程度活躍するかは今は分からないが……そうしたマリアのアイデアに村人達が感心したように頷いていたのは事実であり、恐らくは来年以降も杭は作成されるものと思われた。

「さらに鉄条網でも仕込めば、飛べない者にとって相当に嫌な妨害となりますね」

 言いながら『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)はザクザクと穴を掘っていく。
 残念ながら鉄条網は用意できなかったが……それも来年以降、設置される可能性はあるだろう。

「パイナップルを収穫するのに気を取られすぎて村が壊滅しちゃったら元も子もないからね! パイナップルが来る前に穴掘りをするのがんばるぞー!」
「私の知ってるパイナップルと違うんだけど……」

『ミルキィマジック』ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)にマリアがそう呟くが、パイナップルなんだから仕方ない。

「以前の世界でトマトとリンゴ、あとヤシの実に襲われたことはあるが……パイナップルは初めてだな」
「パイナップル、とても大好物なのですけれど村を壊滅させるほど……こんなクレイジーなフルーツだとは思っておりませんでしたわ。今までは世間知らずだったということでしょうか、もっと見識を広めなければいけませんわ」
「ああ、世界は広いな」

『特異運命座標』エーレン・キリエ(p3p009844)と『百合花の騎士』フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)が頷きあうが、それにとらぁ君が「とらぁ……」と呟いている。
 たぶん「違うんじゃないかな」的な意味と思われるが……仕方ない。これが現実だ。
 穴を掘り、土嚢を詰み、更には逆茂木まで用意して……その間にも『マスターファミリアー』リトル・リリー(p3p000955)はファミリアーを飛ばして偵察を実行していた。
 そう、敵の現在位置が分かれば今後の作戦も変わる。
 そんな重要な仕事を任されたリリーはリトル・ライに転ばないように支えられながらもファミリアーと感覚を共有する。
 パイナップルの姿は……まだ、ない。
 しかし、まだ堀も出来ていないのだから、来ていないのは安心できる事実ではある。

「おーい、皆さん! 昼食が出来ましたよー!」

 丁度昼時になったのだろう、村人がリリーたちを呼びに来る。

「こちらも村に被害が及ばないよう全力を尽くす。負担をかけてしまうが、どうかお願いしたい」
「いえいえ、こちらこそ色々とやっていただいて! 本当に感謝しておりますとも!」

 頭を下げるエーレンに、村長がそう言って笑う。
 今のところ、村は平和で。しかし、着実に防衛準備は進みつつあった。

●防衛設備の完成

「よし、完成したな」
「おいしいパイナップル、食べる為に、エルは頑張りました」

 エーレンとエルが、完成した防衛施設を前に頷きあう。
 そう、今2人の前には村を囲む立派な堀と土嚢の壁、そして逆茂木や杭といったものまで設置されているのが見える。
 パイナップルだけでなく盗賊やちょっとしたモンスター被害まで防げるのではないかという充実っぷりだ。

「おおー!」
「流石です!」
「凄いなあ、これ!」
「いやあ、俺等じゃこんなの思いつかなかったよ!」

 村人たちの賞賛の声が次々と響き、「やってよかった」という想いが全員の中に満ちていく。
 しかし……その充実した時間も、長くは続かない。

「来たよ! パイナップルだー! ……パイナップルだー!?」
「まだ時間はありますが……!」

 なんだかちょっと疑問符が浮かんだリリーの声が響き、ライと一緒に走ってくる。
 
「皆さん、落ち着いて村の中に!」
「よおし、ここからが本番だ! はい、こっちだよー!」

 オリーブとミルキィが村人を誘導し、村の中へと連れていく。
 そうして村人達は全員村の中へと避難し……すぐに防衛体制が整う。
 完成した防衛設備も、マリアのドリームシアターが隠していく。

「よーし、こらしめてあげるわよ!」

 ヴィリスが気合を入れたその時……聞こえてくる。
 
「パイナポー……」
「パイナポー……」

 聞こえてくる。パイナップル達の声が、遠くから聞こえてくる。

「何アレ!? ほんとに知ってるパイナップルと違うんだけど!」
「流石にこれは……いや、もう突っ込むのも野暮、ですか……」
「しかも多いし、なんか……うん、混沌だからしょうがないよね!」

 マリアにライが頷き、リリーが気を取り直したように拳を握る。

「……まあ、こういう奇天烈な植物もいますよね。混沌ですから」

 オリーブの呟きは、全員の意見の代弁でもあるだろうか?

「パイナポー!」
「パイナポー!」

 遠くから地響きと共にやってくるのはデカいパイナップルの大群。
 そして、その背後にいるひときわ大きなパイナップル。
 足もないのに地響き。どう動いているのかも分からない。

「よーし! パイナップルだかパイナッポーだか知らないけどぶっ飛ばして食べればいいんだね!?」
「ええ、やりましょう!」

 マリアにフィリーネはそう答え、愛馬である軍馬「ユウキュウ」に乗り駆ける。

「わたくしは、百合花の騎士フィリーネ! パイナップルよりメロン派ですわ!」

 堂々たる名乗り口上をするフィリーネに応えるのは「パパパイナッポー!」という叫び。
 飛んでくる小粒パイナップルは命中率こそよくないようだが、ドンドカンと爆発音を響かせる。

「なるべく可食部を残した倒し方をした方がいいんだよね! それじゃあメテオジェラートで凍らせて倒しちゃおう☆」

 ミルキィの放ったメテオジェラートが何体かのパイナップルを凍らせ脱落させる。
 
「ふっふー、冷凍パイナップルにすれば色々な調理に使えるだろうしガンガン打ち込んで凍らせちゃうぞー♪」

 絶好調のミルキィの隣で集中するように目を閉じているのはエル。
 先程から飛んでいる水色の小鳥はパイナップルの上を、桃色の小鳥はボスパイナップルの上を飛んでいる。
 それはエルのファミリアーで……やがて、エルは納得したように目を開く。

「状況、しっかり把握、できました」
「ええ、サポートお願いするわ。さぁ、パイナップル狩りよ!」
「守り切ったらパイナップル、いっぱい食べるよ!」

 ヴィリスの魔砲がパイナップル達を薙ぎ払い、リリーとライの銃撃が確実にパイナップルを倒していく。

「パイナポー!」
「パパパパパイナッポー!」

 しかし、それでもパイナップル達は怯まない。
 いや、そもそも「怯む」とかそういう類の感情があるのかも不明だが……。
 とにかく果敢に突撃しようとして……しかし、その前に立ち塞がる者達がいる。

「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。甘みがぎっしりと詰まったその果肉、悪いがここで収穫させてもらう」

 エーレンの斬神空波がパイナップルを見事に切り裂き、マリアの天槌裁華がパイナップルを粉々に打ち砕く。

「わたくしが見極めて差し上げますわ!意志弱きものは下がりなさい!」

 叫び広がっていくのはマリアの審判の領域。
 ローレルの攻撃がパイナップルを撃破し、パイナップルは次から次へと倒されていく。
 
「パイナポオオオオオオ……」

 しかし、健在なのはボスパイナップル。
 その巨体を前に、しかし怯む者はこの場には誰1人としていない。
 いや、むしろ……食べ応えのあるパイナップルにしか見えないのだ。

「……うん、ちょっと本気出さないと倒し切れなくて大変な事になりそうな気がする! 全部の技を出して対抗するしかないや!」

 リリーが叫び、DFCA47Wolfstal改を構える。

「パイナポポポポポー!」

 空を舞うのは無数のパイナップル。
 しかし……負ける気は、一切しなかった。

●パイナップルパーティー!

「勝利に! そしてパイナップルにかんぱーい!」

 グラスが打ち鳴らされる音が響き、村人たちの笑い声が響く。
 見事打ち倒されたパイナップル達は村の中に運ばれ、痛まないように並べられている。
 村人たちの顔はどれも笑顔で……「勝利」を感じさせる、そんな表情だ。
 
「さあ、パティシエとしての腕の見せ所だね! これだけの新鮮なパイナップルどう料理しようかな?」

 ミルキィは、並んだパイナップルを前にニコニコ顔だ。
 当然だ。戦闘中に漂ってくる香りからも気づいていたが、これは極上のパイナップルだ。
 パイナップルの名産地と呼ばれる場所に行ったって、こんな上物のパイナップルは中々手に入らないだろう。
 そんなものを思う存分調理できる。それはまさにミルキィ自身が言った通りに「パティシエとしての腕の見せ所」なのだ。

「凍らせたパイナップルはシャーベットにするとして、生のパイナップルはパイにしてみようかな? そうだ、パイナップルパイ! なんか語呂もいいし、アップルパイの親戚みたいで美味しそうだね!」

 幸いにも村には調理器具も多数ある。その中でミルキィが視線を向けたのは搾汁器。
 これを使えば、美味しいジュースだって出来る。

「後はパインジュースもしぼってパイナップルづくしだね!」
「こんなこともあろうかと、オレンジ味の、青いシロップが、あります」
「おお、これがあれば美味しいソーダも出来そう!」

 エルが差し出したシロップと、用意された炭酸水。これを使わない手はない。
 きっとエルが望むとおりに大人な気分になれるソーダが出来るだろうことは間違いない。

「私はあんまり食べられないからパイナップルジュースがあるのは嬉しいわ!」

 村人の楽器に合わせて踊るヴィリスの言葉に、村人達からも賛同の声が上がる。

「そりゃあいいですな!」
「あ、舞姫が愛したパインジュースってのはどうでしょうな?」
「プリマじゃなかったか?」
「じゃあプリマパインジュースだな!」

 陽気な音楽と、ヴィリスの踊り。それは何故か流れでマリアが参加しているミスパイナップルコンテストにも負けない拍手をアy詰めている。

「……いけるぞ、これ。ザク切りにしてパインたっぷりのパウンドケーキにするのもいいな」
「焼いた事で甘みが増してる……?」

 リリーが焼いたパイナップルをエーレンが毒見し、リリーとライももぐもぐと食べる。
 幸いにも今日この場にはパティシエであるミルキィがいる。
 望みのものを期待以上の味で作ってくれるのは間違いない。

「仕事をしただけなのに美味しい物を沢山食べられるなんて、得しましたね」

 そんな中、オリーブもパイナップル料理を手に村の中を歩き……そして、一際歓声の強くなったステージへと目を向ける。

「おや? あれは……」
「わたくしはフィリーネ、飛び入りで参加させていただきましたわ」

 白いワンピースを着ながらも、自分のスタイルをしっかりと見せつけていくフィリーネに村人たちが歓声をあげる。

「いやあ、さっきのマリア様もよかったけど、このフィリーネ様もいいなあ!」
「今年はレベル高いぜ!」
「つーか来年からどうすんだコレ」
「だよなあ……」

 何やら漠然とした不安も抱えてしまったらしい村人達だが……パイナップルをドカ食いしているとらぁ君を見て、顔をほっこりさせる。

「まあ、なんとかなるか」
「だな」

 こうしてパイナップルパーティーは大盛況のうちに終わり、ミスパイナップルはなんとマリアとフィリーネのダブル受賞になった。

「ありがとう!」
「ありがとうございます!」

 並んで微笑むマリアとフィリーネは実に美しく、その笑顔にノックアウトされる男達も多数いたという。
 しかし、そんなことはさておいて。

「しゅわしゅわ、美味しい」

 作ってもらったソーダは、想像した通りに……ちょっと大人の味がする。
 そんな事を思うエルの笑顔に、誰もがちょっと暖かい気持ちになる。
 そういう、平和な結末が村にもたらされた……その事実こそが、何よりの成果であっただろう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

コングラチュレーション!
見事村は守られ、パイナップルパーティーが開かれました!

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