シナリオ詳細
adoration/affection
オープニング
⚫︎向日葵の溜息
カーン、カーン、と鐘が鳴る。町中に響き渡って夜がやって来ることを教えてくれる。あの鐘の下に、わたしの大切な人が住んでいる。
毎朝毎晩神様へのお祈りを欠かさないとても信心深いあの人は、教会の孤児院育ちの男の子。今年で16歳になるからわたしより4つだけお兄さんで、牧師様からもらった名前はサムソン。太陽のような人って意味なんですって!
「……今頃、何をしているかな? お夕飯? それとも、またお祈りをしているのかしら」
目を閉じればすぐにでもあたたかい笑顔を思い出せる。今日もたくさんお話できたから、ちょっと掠れて落ち着いた声がまだ耳に残っている。それだけで今日もいい日だったと思えるし、きっと明日もいい日だと信じられる。
『眠れない夜は灯りを消して、窓から星を見てごらん。遥か昔から僕らを導いてきた道標だよ』
『アイリーン。もしも朝一番に来られたら、裏庭の朝顔が咲くところを見せてあげるね』
小さな秘密の約束があれば毎日がこんなにも楽しくて待ち遠しくなる。
首都から遠く離れ、お父様が領主として治めることになった田舎町。豊かな自然に囲まれているのにあまり農作物の出来がよくないって、お母様も一緒に山へ川へ。
「もしかしたらまた3人でお散歩したり、のんびりとした生活ができるのかなって。ほんの少しだけ期待したのだけれど……」
人の役に立てるお仕事があるのはとっても素晴らしいこと。だから夕ご飯がひとりなのも、ベッドに入る前におやすみのキスがないのも、もう慣れっこ。それでも——
「——ねえ。ここに越してきてからは怖い夢を見なくなったのよ?」
今日も沈んでいく夕陽に向かって祈る。この半年ですっかり習慣になった、あの人のためのわたしだけの儀式。
「神様、神様、どうか変わらない平穏がずうっと続きますように」
⚫︎朝顔の涙
鐘が鳴る。午後の六時を告げる鐘の音だ。塔の天辺に吊られたそれを見上げ、すっかり夏雲が似合うようになった青色に頭が痛くなる。数週間前ならとっくに真っ暗だったのに、夕空は外れの方に茜が差す程度。夜が近いなんて嘘のよう。
——そうだ。もうすぐ、夜が来る。
こんなにも恐ろしく感じたのはもっと純粋で幼かった頃以来だろう。世の中の理不尽も、人の汚さも、すっかり身に染みた今は暗がりよりも余程そちらが怖いと知っている。それでも、扉を閉める手が震えた。
『今夜は部屋に鍵をして、カーテンもしっかり閉めて、ベッドから出てはいけないよ。何が聞こえても、何が起こっても、絶対に声を出さず眠った振りをしなさい。朝になれば全て終わっている筈だから』
先生が諦めきった顔でそう言った。毎日毎日やって来る相談者の怒号や悲鳴。穏やかな先生がここまで疲弊しながらも続けた説得は、ついに意味を成さなかったのだと僕は悟った。
『それじゃあサミー、また明日』
何も知らないアイリーンはそう言った。
——そうだ。彼女は何も知らない。何も悪くない。彼女はただ領主の娘として生まれただけじゃないか。それなら悪いのは——
「——悪いのは、誰だっていうんだ?」
『これなら今年の出来は計算以上だろう。ご苦労様』
田畑を見て回った新しい領主様からの労いの言葉に、今年の収穫祭は盛大に行おうと領民達は喜んだ。しかし、それを領主様が遮った。
『昨年より増えた分は全て買い上げ、来年への備えとする』
何を言っているのか、領民達にはわからない。説明を求めれば返ってきたのは戯言としか思えない話だ。
『飢饉とまではいかないが、例年の兆候を見るに来年はあまり期待できそうにないのだ』
来年の収穫なんてわかってたまるか。昨年末に来たばかりくせに。
前の領主様はそんなことを言わなかった。俺達に任せてくれた。
田畑が駄目になった年は私財を投げて助けてくれた。
頭でっかちな領主様は数字ばかり見て俺達を見ちゃいない。
あんな領主、追い出してしまえ。いなくなってしまえ。
あの日、渦巻く不満が一気に天井を越え、まさに今夜解き放たれようとしている。暴動。蜂起。夜陰に乗じて領主様の館に押し入ろうというのだ。
荒天や旱魃で餓死者が出るのは外聞が悪いと、金に物を言わせて買い与えながら自由の名の下に碌な管理もしなかった前領主様。それに慣らされた領民達には、首都から新しく派遣されてきた領主様のやり方が気に食わなかった。
知識、知恵、観測、計算、予測。学の足りない領民達には、翌年の気候の変化と収穫を見通す新しい領主様は『有能』ではなく『有害』だった。何やら小難しく煙に巻いて節制を押し付け、実りを独占しようとしているとしか思えなかったのだ。
日付が変わる頃には領民達が手に手に掲げた松明が館への道を明るく照らすだろう。裏では領地を奪われた前領主様が糸を引いているとも聞くけれど——
——教会の世話になっている孤児の僕が知れることなんてその程度だ。
じわり、じわり。窓から忍び込む赤が、全てを舐め尽くす炎にも、これから流れる血の色にも見えて恐ろしい。
アイリーンはどうなるだろう。そんなこと、当然、無事では済まないに決まっている。僕が助けに行こうか。いや、大人達を止めればいいのか。
「……どっちも出来やしないくせに」
声のひとつでも上げてみろ。教会に、先生に迷惑がかかってしまう。決して裕福な暮らしとは言えなかったが、親に捨てられた僕を育ててくれたこの場所には恩がある。
きっと最後まで説得に回ったせいで先生の味方はもうほとんどいない。これ以上の口出しは、領主様の館だけでなく教会や孤児院にまで火の手が回ってしまう危険がある。そう理解したからこそ、あの優しい先生も口を噤むことを選んだんだろう。
「でも僕は、アイリーンのことが……」
伝えられなくても構わないと飲み込んだ感情が、情けなく内側で暴れ出す。神様の前では嘘は吐けない。冷たい石の床に膝をついて指を組み、深く深く息を吸った。
先生やアイリーンには敬虔な信者だとすっかり信じ込まれるほど、日夜自分の平穏だけを祈ってきた僕が、生まれて初めて誰かのために祈る。
「……神様、神様、僕はどうなっても構いません。どうか、僕の大好きな向日葵が平穏に暮らせますように」
⚫︎何方にしようかな、神様の言う通り
「さぁて、祈りを聞いたキミ達はどうする? どうしたい?」
小さな案内人は問う。神様になって救ってみろと言わんばかりの不遜な笑みで本を見下ろす。
「キミ達が介入出来るのは、この夕方の鐘が鳴った瞬間から。領民として紛れるのでも、まったくの赤の他人としてでも、そこはまぁご随意に」
例えば、前領主を討てば少なくとも今夜の蜂起は止まるだろう。館の警備として押しかける領民達を力で黙らせることも出来る。
訓練された兵隊でもないのだから多少脅かしてやれば戦意は喪失する。ただし、募ったものが霧消する訳ではないので数日後にどうなるかはわからない。
例えば、領民達に一から丁寧に領主の施策を説いてやるなら理解して止める者もいくらか出るかもしれない。
孤独に耐えてきた少女にとってはとっくのとうに叶っているはずの願いだが、残念ながら両親のやり方は正しく認められていない。武力に直接訴えない方法も試してみる価値はある。
例えば、アイリーンを密かに他所へ逃すのでも良い。
両親達と離れるのは酷く嫌がるだろうし、暴徒と化した領民達の手により領主は命を落とすことだろう。しかし、アイリーンの無事はサムソンの祈りを叶えることになる。
「エトセトラ、エトセトラ……夜は長いからねぇ。思いつくことは何でもやってみるとイイよ」
どんな結末を迎えても当初の最悪よりはマシな明日になるのだから。案内人はにんまり笑って頁を捲る。
——貴方はどんな神様になりますか?
- adoration/affection完了
- NM名氷雀
- 種別ライブノベル
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年07月29日 22時05分
- 参加人数4/4人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 4 人
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参加者一覧(4人)
リプレイ
⚫︎とある町の調査記録群
町に18時の鐘が響く頃、川辺に人影がふたつ佇んでいた。
「……お祈りの声。聞こえた。まっさらで、複雑な色」
鐘の音と共に届いたそれに耳を澄ますように『埋れ翼』チック・シュテル(p3p000932)。
「おれは……『かみさま』なんかにはなれない、けど。その祈りを聞いて、『手伝い』をすることは……出来る」
「ハッピーエンドにする事に、特に理由などいりませんよね?」
悲しい結末へと暮れゆく『天色に想い馳せ』隠岐奈 朝顔(p3p008750)は顔を上げる。
「目指すのは誰も死ななくて、今後も安心して皆暮らせる事! 朝顔も向日葵も、私にとって大切な花であり、名ですからね」
「犠牲、少なくする……それなら、二人の祈り……どちらも。叶えられる、もんね」
澄んだ水底を覗き込んで夕陽色の瞳は探す。誰もが傷付かない世界の糸口を。
——あなた達を助ける為に来た。そう告げた『神使』を名乗る少年少女の話に領主夫妻は虚を衝かれた。まさかそこまでの事態になるとは露ほども考えてはいなかったのだ。『いざとなれば逃げろ』とまで言われたのなら信憑性を疑うよりも先に館に残してきた愛娘の安全を確保しようとするのは、親として正しい判断だろう。ひとまずの礼を述べて立ち去ろうとするふたりにチックは水質調査の結果を尋ね、重ねて助言する。
「領民と一回、ちゃんと話し合った方が良い。前の領主……教える、しない人……みたいだった。でも、二人は……色んな事知ってて、教える力も……ある筈、だから……まだ歩み寄ること、きっと……出来る」
辿々しくも真摯な言葉は清水のように沁み渡る。そこへ朝顔の冷たく静かな声が続いた。
「ところで……前領主は不作の年は自分のお金を使って餓死者が出ないようにしたと聞いています。それなのに、何故周りは不信感を持ち、領主の座を降ろされたのか……知っていますか?」
コンコン、コンコン。寝静まった寝室に響く音に牧師は慌てて子供らの数を検めた。無垢な寝顔が揃っていると確かめた次は表門を施錠したか否かを反芻し、ようやく訪れる者などひとりしかいないと安堵した彼は扉を開く。
「サムソン、今夜は部屋にいなさいと——」
「夜分に失礼するな、牧師殿」
想像していたより低い位置からの少女の声。この張り詰めた夜に、音も無く的確に寝室へ現れた小さな存在を敵と見做すべきか。
「いやなに、此処の子では無いが故、心配は無用だ。私は悲劇を止めに異世界から来た者である」
予期せぬ客人・『闇払い』マヌカ(p3p001541)が姿も正体も誤魔化すことなく伝えれば真剣な表情が彼女を見下ろした。
「領主一家を逃がす段取りも組んである。もし子供の戯れだと思うのであれば……」
言いながらマヌカの声が低く、太く、大人びる。伴って外見までもが相応の成人男性のそれとなり、目の前で起きた奇跡に牧師は瞠目した。
「貴殿の知る範囲で構わない。内密に、前領主の評判など聞かせてもらってもよろしいか?」
これも神のお導きなのだろうか。手を当てた胸の内で問い、牧師は扉を押して彼へと入室を促した。
「異端審問会のものです、前領主の不正会計に関して調査に参りました」
領主館の警備担当は真白い女性を上から下まで睨め付ける。
「領主様は不在だが。お前が領民達の噂する『神使』とやらか?」
町で聞き込みをしたという朝顔の活躍ぶりはしっかり波紋を広げているらしい。彼女から齎された情報も織り込み済みの『死生の魔女』白夜 希(p3p009099)は、にこりと人当たりの良い笑みと声音で嘯く。
「いえ、彼女らとは少し違う部署でして、ええ。この館に証拠を隠したとの密告があったものですから。拒めば加担したと判断いたしますが?」
和やかながら有無を言わさぬ物言いに、前領主からそのまま引き継いだ古い資料庫ならばと案内してくれた。
お嬢様が眠っているので静かに行うこと。館全体の調査は旦那様へ正式に申し入れること。そう言い置いて扉の外で待機するという彼が視界から消えた途端、希は取り繕うことを放棄した。
「独身3男貴族とか。贅沢するための肩書だよね……うーん。別の街を経由して贅沢三昧してた記録、とか?」
帳簿類などを書見台に机にと広げて読み漁る。実家からの潤沢な仕送りもある程度の浪費も想定内。ふと、朝顔からの報告に紛れ込んでいた一言を思い出し、彼女が手に取ったのは町の地図と領主夫妻による調査資料だ。
旦那様がお帰りだぞ、とノックと共に男が知らせる。
「それじゃ、確認させてもらおうかな」
劇薬を用いる悪い魔女と書いて『悪魔』って言うんだよ。希は呟いた。
⚫︎false riches.
馬車が走る。破滅へ向けて憤怒と不吉を運ぶ馬車が走る。その足音は止めたのはマヌカだった。
「グレン殿! 前領主のグレン殿!」
「そう騒ぐな! 嗅ぎ付けられるにはまだ早い」
松明を持ったマヌカを領民だと見たのか馬車の窓から顔を出した男、彼が前領主のようだ。
「牧師殿から話は聞いた。彼らの手を血で染めさせる事が、本当に貴殿の望んだ事なのか?」
——私の所へも相談に来ていたよ。何かが良くないことは、わかっていたのだろうね。
「残念ながら、貴殿は改善策を用意できなかった。それは事実だが……私腹を肥やすのではなく、民を飢えさせないための行動だったのだろう?」
広場へ集まった領民達を振り返りながらマヌカは問う。あの松明ひとつひとつが命なのだ。
——学者様の派遣が決まった時は安心したとも。まさか前領主様が追放されてしまうだなんて思いもしなかった……それくらい良くない状況なのかもしれないけれど。
「領主に戻れたとして、手を血で染めた民の上に立てるのか? 幸いにして、まだ誰も犠牲になってはいない。今は冷静では無いだろうが……」
——不甲斐ない私には、誰を責めることも出来ないよ。
「貴様も私を馬鹿にするのか! 学者風情に劣る領主だと! 親兄弟に笑われながら老いていくのが似合いだと!」
やり直そう。再出発しよう。牧師の懺悔を飲み込み、そう提言するべく開いたマヌカの口は怒号で閉ざされた。自暴自棄になって頭に血の上った男は聞く耳を持たず、轟く罵声に騒めき始めた夜空を裂くのは少女の声。
「私の名は隠岐奈 朝顔! 真名を星影 向日葵!」
前領主が立つはずだった壇上からの朗々とした名乗りに水を打ったように全てが静まり、全てが集まる。『神使』だ、と誰かが溢した。
此処に居ないサムソンに想いを馳せ、朝顔は再び息を吸い込む。貴方はきっと自分の無力さに嘆いているでしょうが——
「ある向日葵を想う祈りにより誘われた! 神に従い、その祈りに応え、未来を書き換えます!」
——君の祈りは確かに私達に届き、切欠になったんですよ。そう伝えるために。
怒りや困惑を孕んだ数多の瞳が、炎が揺れる。続いて、ふたり。
「都からきた異端審問会のものです。前領主グレンさんの、脱税、及び使途不明金の調査の結果をここに公表いたします」
その前に、と希がチックへ繋ぐ。
「……水質調査、しました。それから……周辺の、環境についても、領主夫妻に……確認、済んでる」
——金に物を言わせた繁栄。増え続ける人口に合わせた金任せの無配慮な開拓。川の水量も変われば、豊かな森や山からの栄養も届かず、収穫量という形で町へも影響が出る。
「だから……必要なのは、改善。ではなく……無闇な開拓を、止めること」
「つまり、町の不利益を生み出したのは前領主自身であり、不作への対応もその補填に過ぎない。明確な悪循環、破綻は見えていた……そうですね?」
資料を掲げた希の詰問。誰もが固唾を呑んで待つ答えは、前領主からは返らない。
「これを領民に対して隠蔽していたのは不誠実であり、町の将来を考えない、延いては国への不義理でもある」
騒然とする領民達が殺到する直前、夜闇より深き黒閃が前領主を頭上から撃ち抜いた。視線は過たず希が開いたトランクへ向かう。
「無知は免罪符にならない。それを担ぐなら町ぐるみの、国に対する反逆罪です」
小銃に短剣、冷たい金属の群れに睨まれた領民達はたった今井戸から放り出された蛙だ。互いの顔を見合い、ひとり、またひとり、と振り上げた腕が力なく落ちる。それを見届け、暴動に備えていた朝顔もチックもマヌカも構えを解いた。
「宜しい。鉄槌は下った。これにて裁きは終了……後の説明はお願いしますね」
トランクを抱えて演説台を去る希の代わりに登ったのは領主夫妻だった。一度引き受けた以上は放り出すつもりは無いと、身を隠すことには最後まで首を縦に振らなかったのだ。
「……施策について。貴方がたを蔑ろにする意図は無かった。しかし、一方的であったことは謝罪させてもらいたい」
土を耕し実りを育む者への礼に欠いていた、申し訳ない。深々と下げられた頭をすっかり気勢の殺がれた領民達が眺める。噛み砕いた資料を用意し、時間をかけて一から理解を得られるよう努力すると話す夫妻。それから、と続けてマヌカが抱えた気絶した前領主を見る。
「調査結果は事実だが、私達の預かり知らぬところで彼が不幸を被っていたのも確かだ」
「民の心に寄り添える者と実利を取れる者。手を取り合えばこの領はより良き物になると言うのは楽観的であろうか」
マヌカの進言に夫妻は頷き、落ち着いて話す場を設けて互いの望む形を探ることを約束した。詰めていた息を吐き出し、朝顔とチックは微笑み合うのだった。
——こうして、日付が変わるのを待たずに騒動は決着を見せる。
アイリーンは向日葵と朝顔の庭を駆け回る夢のなか、昨日と変わらぬ今日を待つ。
サムソンは部屋を訪れた牧師に驚き、ふたりきりで夜を明かす。程なく、彼らの元へ前領主を連れた領主夫妻が訪れることだろう。
成否
成功
状態異常
なし
NMコメント
タイトルは朝顔と向日葵の花言葉から。
当社比1.5倍くらいの重めのシナリオにしてみました。氷雀です。
いっそバッドエンドでも物語としてはアリだと思いますが、どうせなら希望が欲しいかな、と。
だいじょうぶ、らいぶのべる、しっぱいしない。
⚫︎目標
祈りを聞き届け、手を差し伸べる
どんな形で叶えるかは皆様にお任せいたします
行動の善悪は問いません
※最低限、矛盾の出ないよう擦り合わせておくと安全です
⚫︎世界観
中世ヨーロッパ風の世界。魔法は無い。
神様はいるかもしれませんが、奇跡を起こしてはくれません。
⚫︎おおまかな行動予定
※PCの行動によって変化あり
18:00
サムソン、礼拝堂でお祈り
アイリーン、自室でお祈り
領主夫妻、川で水質調査
18:30
アイリーン、夕食後、自室で就寝
牧師・孤児院の子供達、夕食後、寝室で就寝
21:00
サムソン、自室へ籠る
領主夫妻、館へ帰宅
22:00
領主夫妻、夕食後、寝室で就寝
前領主、馬車で町へ入る
23:00
前領主・領民、広場で決起集会
23:30
領主館家人、全員就寝
前領主、馬車で町から逃亡
領民、領主館へ移動開始
24:00
領民、領主館を襲撃
以下は登場人物の詳細な紹介になります。
OP内の情報だけでも問題はありませんが、より深く事情を知って行動したい方はお読みください。
・サムソン(愛称:サミー)
孤児院で最年長の少年。
他の子達とは年が離れているため兄弟感覚で、アイリーンだけが唯一友人と呼べる関係。
彼女と孤児院の子供達、拾って育ててくれた先生以外には愛想笑いしかしない。
親に捨てられた経験などからやや擦れている。
自覚したアイリーンへの恋心を封じ、友情と親愛でもって接すると自身に誓った。
・アイリーン
都会から来た少女。
数年前までは病気のために外で遊ぶことができず、友人はサムソンが初めて。
今ではすっかり元気になったが、不安になるほど人を疑わない『良い子』に育った。
毎日サムソンのところへ足を運ぶも、両親が領民から嫌われていることに気づいていない。
真面目に見えるサムソンも、多忙な両親も、純粋に尊敬し信頼している。
・領主夫妻
首都ではそれなりに有名な、自然科学などの分野で活躍する夫婦。
フィールドワークの度に愛娘のアイリーンに土産を持って帰るのがこれまでの習慣。
共に仕事人間、学者肌、人の機微には鈍い。
今回の領主就任は各地で結果を出してきた功績に加え、前領主の下で低迷していた町への梃入れの意味もあった。
・領主館家人
留守がちな夫妻に代わって館を管理し、アイリーンを世話する使用人達。
首都から連れてきた付き合いが長い者の他、領主就任を機に追加された警備数名。
・牧師(愛称:先生)
温厚な老人。
都会で暮らす子供達との手紙を通じて領主夫妻がきちんとした実績のある学者様だと知っている。
領民達を説得しようと最後まで働きかけていたが、孤児院の安全を考え、教会として暴力に訴える行為には加担できないと宣言し口を閉じた。
・前領主
その日を暮らせれば良いという向上心の無い領民を育てた初老の男。
不作の度に高値で買い占めていくため、お得意様ではあるが不信感が強く、周辺領からの評判はあまり良くなかった。
領地を剥奪後は首都の実家に戻され、肩身の狭い独身三男。
学者風情に領地を奪われた、という屈辱感から領民を煽り、夫妻を追い出せれば元の生活を取り戻せると考えている。
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