PandoraPartyProject

シナリオ詳細

ましまろにゃんこ捕獲作戦

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●幸福のお茶会
 その世界には甘いにおいが漂っていた。
 ビターチョコレートとホワイトチョコレートでできたお城の外観には、カラフルなスプレーチョコと生クリームで華やかな装飾がされている。
 床には色違いのビスケットが敷き詰められ、角砂糖を削って作られたロココ調のランプがカップケーキのテーブルに置かれている。
「ああ、なんてかわいらしい世界なの! 私が作った完璧なお菓子の国!」
 ここは『すいーつりーじょん』、Queenによって作られたお菓子の国のひとつ。
 Queenの力によってお城はすべてお菓子で作られ、かわいらしいメルヘンな世界が広がっていた。
 ピンクとイエローのマカロンを食べながら、Queenは呟く。
「さあ、今月も幸福のお茶会の参加者は現れるかしら?」
 ————幸福のお茶会、それは選ばれし者だけが参加できる、参加者に幸福をもたらすというお茶会。
 幸せな物語が大好きなQueenは、選ばれし者に幸福を分け与えるためにこのお茶会を定期的に開催していた。
 ……というのは建前で、Queenが幸福のお茶会を開くのには理由があった。
 その話は少しだけ噂になったことがある。
「さあさあ、準備を始めましょう!」
 Queenは幸福を分け与える『ろーずにゃんこてぃー』の用意を始める。

●ましまろにゃんこを捕獲せよ!
「こんにちはー! 今日はすっごく素敵なお話があるんです!」
 ポルックス・ジェミニは、ややいつも以上のハイテンションですいーつりーじょんの紹介をしてくれた。
 すいーつりーじょんは建物がすべてお菓子でできているお菓子の国。
 住んでいる人物は創造者のQueenただ一人で、Queenが作ったお菓子のペット達と平和な日常を送っているそうだ。
「この世界の幸福のお茶会に参加して、Queenが淹れたろーずにゃんこてぃーを飲むと小さな幸福が訪れるというジンクスがあるんです。ただし、ろーずにゃんこてぃーを淹れてもらうには一つ条件があって……」
 ポルックス・ジェミニによれば、幸福のお茶会自体への参加は誰でも可能だが、ろーずにゃんこてぃーを淹れてもらうためには『ましまろにゃんこ』なるモンスターを捕獲する必要があるのだという。
「このましまろにゃんこっていうのが、すいーつりーじょんにとって唯一の厄介者なんです。Queenがせっかく建てたおうちの壁や屋根を食べてしまって、Queenも困ってるんですよ」
 つまり、ましまろにゃんこを捕獲することがQueenの手助けとなり、その礼としてろーずにゃんこてぃーを淹れてもらうことができると言うわけだ。
 要するにモンスター退治と一緒か、とイレギュラーズ達は納得する。
 少女の境界案内人は続けた。
「ましまろにゃんこの習性はおもに猫と一緒で、警戒心が強いのですが手懐けることも可能。軒下で休んでいたり、洗濯機の中に隠れていたり、空箱の中に入りたがったり……もうおわかりですね? そのましまろにゃんこの習性を利用して、ましまろにゃんこを捕獲してQueenに受け渡して欲しいんです」

 ましまろにゃんこを捕獲すれば、Queenのお茶会でろーずにゃんこてぃーを淹れてもらい、小さなラッキーが訪れるという。
 イレギュラーズ達はましまろにゃんこ捕獲作戦のため、すいーつりーじょんへ向かう。

「危険はないと思いますが、お気を付けていってらっしゃい!」

NMコメント

 はじめまして、来栖彰です。
 今回はお菓子の国に生息する、食べてはいけないお菓子を食べてしまうモンスターの捕獲をお願いします。
 ほのぼのした世界での冒険を楽しんでいただけたら幸いです。

●舞台
  舞台は建物がすべてお菓子でできたお菓子の国『すいーつりーじょん』です。
  お城の中も外も自由に出入りできます。
  すいーつりーじょんの空間にはお菓子でできたお城と中庭と裏庭だけが存在しています。
  住んでいる人物はQueenだけですが、ましまろにゃんこ以外にも無害なお菓子の動物がたくさん存在します。
  花壇の花も草木も家具も装飾も全部がお菓子です。

●目標
 ・ましまろにゃんこを一人一匹捕獲してQueenのところに連れて行く
 ・Queenにろーずにゃんこてぃーを淹れてもらって小さな幸福を得る

●他に出来る事
 プレイングにご希望の『小さな幸福』をご記載ください。

●希望できる『小さな幸福』の例
 ・肩こりが治る
 ・福引が当たる
 ・希望の夢が見れる

●特殊ルール
 ・ましまろにゃんこは警戒心が強くすばしっこいです
 ・『にゃんこにゅーる』というましまろにゃんこの好物が一人ひとつずつQueenから配布されます
 ・『にゃんこにゅーる』に対してのみ、ましまろにゃんこは警戒心をゆるめます

 ましまろにゃんこの警戒心を解きながら手懐けて捕獲するもよし、ましまろにゃんこ以上の素早さで捕獲してもよし。
 猫の特性を利用して捕獲してください。

●サンプルプレイング 
 希望する小さな幸福:幸せな夢が見られる
「この空の段ボールを応接室の真ん中に置いて…………よし、あとは物陰からひたすら見守っていれば……って、ああ! いた! いたいたいた! ドアの前に……しまった見付かった! こうなったら、にゃんこにゅーるを持って……! チッチッチッ……おいで……おいで……こわくないよ~」
 はいつくばってにゃんこにゅーるを差し出す……

  • ましまろにゃんこ捕獲作戦完了
  • NM名来栖彰
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月27日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
優しき水竜を想う
リカナ=ブラッドヴァイン(p3p001804)
覇竜でモフモフ
シャッファ(p3p007653)
 酩酊遊戯
クルル・クラッセン(p3p009235)
森ガール

リプレイ

●お菓子の国
 すいーつりーじょんに到着した4人は、甘い香りのただよう世界をぐるっと見回した。
「本当にお菓子ばかりなのね。なんだかお腹が空いちゃうわ」
翼をパタパタとなびかせながら、『スピリトへの言葉』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)は興味津々の様子で言った。
「ましまろにゃんこを捕獲したら、小さな幸福がもらえるんだよね? お菓子食べ放題とかでもいいのかな? あ、でもお菓子の建物を食べちゃうから困ってるのか……」
「Queenによれば、花壇に生えているお花みたいなお菓子はお茶会で使われているらしいから、ありじゃないかしら? 食べられたら困るのは建物の外壁や屋根なんかのようだし」
「花壇に生えてるやつって、マカロンみたいなお花とか、クッキーみたいなお花とか? ふっふっふ、俄然やる気が出てきたぞ!」
 そんな話をする『森ガール』クルル・クラッセン(p3p009235)と『もふもふハンター』リカナ=ブラッドヴァイン(p3p001804)の間を、シャっと白い影が横切った。

「どうやらあの白い影が、私達のターゲットみたいね。なかなかのすばしっこさじゃない、負けてられないわ」
 ウォームアップのように体を動かしていた『 酩酊遊戯』シャッファ(p3p007653)がつぶやいた。
「あちこちに隠れているみたいだし、4人で手分けして捕獲した方がよさそうね」
 オデットのその言葉を聞いて、4人はそれぞれのルートから城の中へ入って行った。

●優しい光で夢心地作戦
「あ! いた! 待て~!」
 城の廊下でましまろにゃんこを発見したオデットは必死に追いかけるが、獲物は想像以上の素早さで逃げていく。
「素早いじゃない! ……ふふふ、だったら今日のために用意したとっておきの作戦で捕まえてあげるわ!」
 意気込むオデットの手には、猫じゃらしが握られていた。オデットはしゃがんで猫じゃらしを床にこすりつける。
「ほ~ら、楽しくなってくるでしょ~」
 にゃんこはオデットを見て動きを止めた。そして彼女が手に持つ猫じゃらしをじっと見つめて、体勢を低くしていく。
「それだけじゃないわよ? さあ、この翼の光で廊下を温めて……猫ちゃん、ここで日向ぼっこしていったらどう?」
 廊下で立ち止まっていたにゃんこは、警戒心が解けてきたのか猫じゃらしへの興味からか、低い体勢のままオデットのもとに近付いてきた。
(このまま捕まえられそうだけど、念には念を……!)
 オデットは懐からあるアイテムを取り出した。Queenからもらったにゃんこにゅーるである。
 にゅーるの封を切り、猫じゃらしの横から差し出す。
「ふにゃ……スンスンスン」
「お! 気に入ったかしら?」
「ふにゃ~~」
 ましまろにゃんこはオデットの手にすりすりと顔をこすりつけ、ゴロンと腹を上に出しながらにゃんこにゅーるを食べ始めた。器用にも片手で猫じゃらしにじゃれながら……。
「ふふふ、普通の猫よりずんぐりむっくりだけど、かわいいわね」
 すっかり警戒心が無くなったにゃんこをオデットは優しく抱きかかえ、にゃんこにゅーるを食べさせながらQueenのもとへ連れて行った。
 オデットの翼の光を浴びたましまろにゃんこは、うっとり夢心地となり腕の中で眠ってしまった。

●猫は入りたがる作戦
 城の客間で、リカナはあるアイテムを準備してましまろにゃんこを待ち構えていた。
「猫ちゃんのお気に入りが空の段ボールであることはもふもふ好きの間ではもはや常識よ。段ボールをここに置いて……」
 リカナは空の段ボールを窓の前に置き、横にそっと寝そべった。
「この部屋を出入りしているところは見ていたわ。ゆっくり待っていれば……と、来たみたいね……?」
 1匹のボサボサ頭なにゃんこが、ドアの隙間から入って来た。
 段ボールの横に寝そべる美女に警戒心を見せているが、じっと見つめて待っていると、ゆっくりと段ボールに近付き始める。
「にゃ~?」
(興味を示してるわね? いいのよ、ゆっくりおいで)
「スンスンスン……にゅん」
 するん、と、リカナが用意した段ボールの中ににゃんこが入っていき、とろんとした目をしながら昼寝の態勢に入る。
「あら、もう寝ちゃうの? まだこれがあるのよ?」
 リカナはポケットからにゃんこにゅーるを取り出して封を開き、指ににゅーるをつけてにゃんこの口元へ運んだ。
「スンスン……にゅう……ペロペロ……」
「ふふ、かわいい。家を食べてしまうなんていけない子だけど、もふもふだから許してもらえるわ。」
 そう言ってリカナはにゃんこをそっと抱きかかえる。すると、ボサボサだったにゃんこの毛並みが美しい絹のように変わっていった。
「5分もすればあなたも他の子と同じきらきらなもふもふに生まれ変わるわ。ああ、堪能する時間が5分じゃ足りない! Queenには少し待っててもらおうかしら」
 リカナはにゃんこの毛並みが整った後も、30分ほどもふもふを堪能した。

●素早さだったら負けない作戦
「私、動物の型は苦手だったのよねえ」
 そう言いながら、城の中の舞踏会場でカンフーの虎の型をひととおり舞ってみるシャッファ。
「うん、これは特に参考にならないわ。別の策でなんとかしてみるか」
 シャッファは酒を飲みながら舞踏会場の廊下を渡って庭に出る。
 そして釣竿を取り出し、その糸の先端に白い羽飾りをつける。ごくんとひと瓶飲み干してから、あたりを見回す。
(……近くにいるわね、一匹)
 シャッファは庭にあるアイシングクッキーでできたベンチに座り、釣竿をゆらゆらと揺らす。
 遠くから見ていたましまろにゃんこが、釣竿の羽根飾りが揺れる姿を見て低姿勢に構え始め、そのままゆっくりと近付いてきた。
 シャッファはにゃんこが興味を持ち始めたのを見て、自身も酔っ払いのようによろよろと動き出す。
「ほ~らほら、私の動きは遅いよ~危なくないよ~」
 釣竿を揺らすシャッファを見て、ましまろにゃんこは警戒心よりも好奇心が勝っていき、少しずつ距離をつめていく。
(!! 来るわね)
 にゃんこはシャッ!と素早く羽飾りに飛び掛かるも、あっけなくシャッファの腕に抱きかかえられてしまった。
「にゃ~~! にゃ~~!!」
「いたた……こらこら。にゅーるあげるから、爪たてるのはやめてね?」
 そう言ってシャッファは素早くにゃんこにゅーるの封を切り、にゃんこの口元に差し出した。
「うにゃ~……ペロペロペロ」
「よしよし、いい子ね。さて、Queenのところに連れて行くとしますか」
シャッファは新しい酒瓶を片手で取り出して、グイっとひっかけながらQueenの部屋へ向かった。

●隠れたにゃんこ捕獲作戦
「行くよ、ふわふわましゅまろ猫ちゃん捕獲作戦だ!」
 そう意気込んで、クルルは城の食卓を通り過ぎてキッチンへと向かって走って行った。
「猫ちゃんと同じ特性ってことは、狭い場所が好きってことだよね? だったら、隠れられる場所がたくさんあるキッチンや物置きにきっといるはず!」
 キッチン横に積まれているチョコレートでできた箱をきっくり返したり、ウエハースでできた床下収納のふたをあけたりして、隠れているましまろにゃんこを探していく。
 すると……
「あ!」
 クルルの予想通り、にゃんこはキッチンの床下収納の中に隠れて床を食べていた。
しかし、にゃんこはクルルを見て彼女の横を猛スピードで走って逃げ出す。
「ま、待って~!」
 クルルはにゃんこを必死に追いかけていたが、途中であることを思い出す。
「そうだ! とっておきのアイテムがあるんだった!」
 にゃんこが倉庫の方角へ逃げて行ったのを確認し、廊下のショートカットを使って先回りして待ち構える作戦に出た。
 倉庫の中に入り、にゃんこにゅーるの封を開けて扉の隙間から差し出す。
「にゃ~お、みゃ~お、わたしは仲間だよ~、これ美味しいよ~、にゃんにゃんにゃ~ん」
 器用にましまろにゃんこの鳴き声をまねて、隙間から見えるように猫のポーズをとって、仲間だとアピールする。
 そうしていると、先ほどのにゃんこがクルルのにゅーるに近付いてきた。
「にゃ~? ……ペロペロペロ」
「よしよし、いい子だね。お腹がすいてたのかな?」
 にゅーるを食べるにゃんこの頭をそっと撫でて、クルルは言った。
「ふふ、かわいいね」
 にゅーるを食べさせてから、すっかり懐いたにゃんこの脇を両手で抱きかかえて、にょーんと胴体が伸びるにゃんこをQueenのもとへ連れて行った。

●幸福のお茶会
「皆様、ましまろにゃんこ捕獲にご協力いただきありがとうございました! さあ、約束のろーずにゃんこてぃーをどうぞ」
 Queenの自室に案内された4人は、猫型のティーカップに薔薇の花びらを浮かべた紅茶でもてなされた。

「はわ~美味しい! 幸せ~!」
 クルルはQueenが花壇からとってきた花の形をしたマカロンやクッキーを幸せそうにほおばる。

「本当にシャッファ様は小さな幸福をお受け取りにならないのですか?」
「私はいいわ。その分、誰かの幸福をちょっと豪華にしてあげて」
「それでは、クルル様に秘伝の生クリームを使ったケーキを差し上げましょう」
「え! いいの!? シャッファちゃんありがとう!」
「どういたしまして。美味しそうに食べるわね」

「では、幸せな夢を見たいという方達はこちらのベッドルームへ。ひと時の幸福な夢をご堪能ください」

オデットはマシュマロのベッドに案内され、砂糖の香りに包まれながら陽だまりがたくさん降り注ぐ故郷の森の夢を見た。暖かく優しい光が、夢の世界のオデットを包み込んでいた。

マカロンのベッドに案内されたリカナは、小さなもふもふの群れに埋もれる夢を堪能した。そのもふもふの中には、ましまろにゃんこもいたとかいないとか。

幸福のお茶会を終えた4人は、甘い香りをまとったままそれぞれの拠点へ帰って行った。

成否

成功

状態異常

なし

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