PandoraPartyProject

シナリオ詳細

願い星、叶え星

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 星月夜、麗しき宵の空。煌めく星屑を指先でなぞれば、形を得て空に舞う星座となる。
 合図はそれだけ――美しき星空の船旅へ、ご案内。
 境界図書館、其の一角で有名な噂。星を知る者だけが行ける、不思議な物語の噺。

 濃紺のベルベット。金銀のスパンコールを散らせば、綺麗な夜空になる。
『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)が目を覚ました時、其処は三日月のゴンドラの上。傍らでは『白秘夜叉』鬼桜 雪之丞(p3p002312)がすぅすぅと穏やかな寝息を立てていた。
「雪ちゃん、雪ちゃん。起きて……此処、混沌やないわ……!」
 煌めく星々、白い川。今は危害こそないだろうけれど、其の後迄危害が無いとは言い切れない。けれど、武器も何も持ってきていないのだ。周囲を確認しても、気紛れに夜空が広がっているだけ。蜻蛉は紅を引いた目に僅かに安堵を滲ませた。
「蜻蛉さん……此処って」
 『罪のアントニウム』クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)もまた同様に、隣で目覚めぬ『ふわふわな嫉妬心』エンヴィ=グレノール (p3p000051)の肩を叩き、起こして。
「うん、屹度……境界図書館の、ライブノベルの中やろうね」
「でも、どうして拙達が此処へ誘われたのでしょうか」
「……解らないわ。屹度、ライブノベルなら変えることは出来るでしょうけれど、」
 はぁ、とため息を吐いたエンヴィ。ふわふわ曖昧な記憶を辿れども答えは見つかりそうにない。
「ほな、暫くは此の世界を満喫するしかなさそうやね」
「そうね。……此の川、そういえば、どうして白いのかしら」
「あっ。此処って、もしかして『七夕』のライブノベルなのでは、ないでしょうか」
「……其れなら合点も行くというものですね。天の川であるならば……ほら、彼処。白鳥座が、見えるでしょうか」
 雪之丞がゴンドラからデネブを指さして、星座を指でなぞった其の時。 
 世界は眩い光で、包まれた。


「嗚呼、皆じゃないか。空の船旅は楽しめたかな?」
 絢はひらりと蜻蛉に手を振った。四人はぱちぱちと瞬いてから、己が今立つ場所――境界図書館を見渡した。やや沈黙あってから、真っ先に口を開いたのは蜻蛉だった。
「絢くんやないの。……あの不思議な世界のこと、何か知ってるん?」
「うん、なんたって境界案内人だからね」
「……拙達が突然光に包まれたのを含めて、ですか?」
「……成程。状況が読みこめてきた。ええと、ね、」
 ――絢曰く。
 其の世界への出入りには少しばかりの『小細工』が必要なのだという。
「星を、指でなぞる?」
「そうだね。行きは本に触れている時じゃないといけないから……誰かが其れをしたんじゃないかな」
「帰りは雪之丞さんが白鳥座をなぞったから、ということでしょうか」
「そうなるわね。何にせよ、危険な世界じゃなくて良かったわ」
「うん。此の時期は特に綺麗な世界だから、是非楽しんでみて」
「そうやね。折角見つけた御縁やもの……今度はちゃんと、楽しみに行かへん?」
「賛成です。何か食べ物を持ち込むのもいいですね」
「……少し、話し合いましょうか。向こうに丁度、椅子があったでしょう」
「はい。では、参りましょうか」

NMコメント

 染です。リクエスト有難う御座いました。其れから、お待たせしてごめんなさい。
 愛をぎゅぎゅっと込めたので、楽しんで頂けますと幸いです。

●目的
 仮称:天の川のライブノベル を楽しもう。

●仮称:天の川のライブノベルについて
 名前はありません。
 ですから、皆さんが話し合って名前をつけてみるのもいいかもしれませんね。

 皆さんはもう其の目で確かめられたかと思いますが、三日月のゴンドラに乗っての川下りとなります。
 ひんやりと涼しいですが、川を下っていくと身体を冷やしてしまうかもしれません。ので、ゴンドラ内には毛布や枕が用意されています。
 白く発行した流水には時折淡く輝いた星が流れてきます。手にとってもいいみたいですよ。
 ゴンドラを止めたいときは、手を二回叩いてくださいね。

 道中には小さな喫茶店や、笹の並木があるようです。
 喫茶店の店主は優しい初老の男性。今の時期のお勧めは双子座のシチューだそうです。
 其処には短冊が沢山ついています。お願い事を一緒にするのもいいかもしれません。
 他にも探してみると、何か見つかると思いますよ。

●その他
 アドリブはマシマシ、しっかりがっつりロマンチックにいくつもりです。
 用意してみた笹の並木や喫茶店も、行かなくて構いません。
 皆さんで話し合ってみてくださいね。

●相談場所
 境界図書館の一角、アンティークの家具が並ぶコーナーです。
 あたたかい紅茶と珈琲を絢が用意してくれました。

 それでは、星空の船旅へ、いってらっしゃい。
 

  • 願い星、叶え星完了
  • NM名
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月25日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談8日
  • 参加費---RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

エンヴィ=グレノール(p3p000051)
ふわふわな嫉妬心
クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)
罪のアントニウム
鬼桜 雪之丞(p3p002312)
白秘夜叉
蜻蛉(p3p002599)
暁月夜

リプレイ

 ――もしもあの一番星が、この手の中に堕ちてくるとしたら?

●Most importantly, the story doesn't last forever.
「本当に綺麗…まさか、月のゴンドラに乗って、星の川を渡るだなんて…こんなおとぎ話みたいな経験が出来るとは思わなかったわ」
『ふわふわな嫉妬心』エンヴィ=グレノール(p3p000051)は、三日月のゴンドラからミルキーウェイを眺めた。白く煌めき、星屑が流れるその河を。ロマンティックというよりも幻想的なその世界に、未だ目を疑わずにはいられない。
『罪のアントニウム』クラリーチェ・カヴァッツァ(p3p000236)は風になびく髪を押さえながら瞬いた。
「本当に不思議な場所ですね。吸い込まれそうな星空に、ミルクを溶かしこんだような白い河」
「少し眩しいけど、とっても優しい光やねぇ…きらきらしとって、ほら指でも触れるみたいよ?」
 指をひたり、河につけてみる。残光が『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)の指を照らして。
 くちゅん。と、エンヴィが小さなくしゃみをひとつ。夜風は身体を冷やしてしまうから。
「エンヴィさん。こちらをどうぞ。少々冷えるようですから」
 クラリーチェは同様に蜻蛉や『白秘夜叉』鬼桜 雪之丞(p3p002312)に備え付けのブランケットを差し出し配る。
「ありがとうございます、クラリーチェ。綺麗ですけど、陽の光のない星空の世界ゆえか、冷えてしまいますね」
「ひざ掛けまであるやなんて、嬉しいわぁ。おおきに」
 水の上は身体を冷やしてしまう。慣れぬ旅路なのだから、此処で体調を崩してしまうには惜しい。それに、まだ冒険は始まったばかりなのだから。
 緩やかに走るゴンドラの上から、エンヴィは水を覗き込む。己の顔がうつる。青い髪と、それから、瞳と、手と。
「それにしても、白く輝く水…なんだか不思議な感じね」
「すみません。少し止めて頂いてもいいですか?」
「お船止める時は、おててを二回やったね」
 パン、パン。蜻蛉が手を叩けば、船はやがて進行を止めて、白い河にぽっかり、月だけを浮かせる。
「……なかなか上手く掬えないわ」
「これも一つの運試し、ですね」
「……お星さま、小さいのでええから、取らせてもらえると嬉しいわぁ。
 お空のお星さまも、こないして捕まえれたらええのにねぇ、そしたらお願い聞いて貰い放題や、ふふ」
 ほら、と。深い青の星を掬い上げた蜻蛉は、満足げに微笑んで。
「雪ちゃんは、うまいこと捕まえられた?」
「はい。可愛らしいお客様、ですね」
 華奢な手を星屑へ伸ばした雪之丞が、そっと星屑を掬って見せる。淡い桃の星が、雪之丞の手の中で煌めいた。
「雪さんや蜻蛉さん、クラリーさんは、どうやって掬ってるのかしら?」
「ちょっと早めに手を用意しておくと、受け皿になりますよ」
 クラリーチェが目の前で教えて見せる。深緑の星を捕まえて。それから、ああ、ほら、今だ、と声をかけて。
「……とれた、わ」
 ぱちぱち、不思議そうに目を瞬かせたエンヴィ。その手には、愛らしい紫の星。エンヴィの成功を喜ぶように、星は輝いた。

 さあ、出発しよう。
 煌めく星空が。白い運河が。三日月のゴンドラに乗ったあなたを、待っている。

●Eating delicious food. To share. Also, being able to stay with friends.
 身体も冷えたことだから、暖かい食べ物を食べよう、ということになって。再び手を二回叩いて、噂の喫茶店に四人は足を運ぶことに。
「今日は、お世話になります」
 蜻蛉がぺこりと頭を下げるのにつられて、三人は同じように礼をする。
 お勧めだという双子座のシチューを頼み、届くのを待っている間に、四人はメニュー表を眺めた。
「わあ、さそり座のガーリックソテー……!」
「すごくおいしそう……おうし座のビーフシチューも美味しそうよ、クラリーさん」
「ひつじ座のステーキ……」
「雪ちゃん雪ちゃん、このかに座のパスタ食べ比べなんて半分こには良さそうやない?」
 きゃあきゃあとはしゃぎながらメニューを眺めていれば、シチューの香りが鼻を擽る。
「そろそろ来るのでしょうか? 机を開けておかないと!」
「そう、ですね。皿も、わけておきましょうか」
「お手拭きもあるみたい。はい、これ」
「おおきに、エンヴィーちゃん……あ、来た」
 店主が大きな鍋をごとん、とテーブルの真ん中に置く。星型にカットされたニンジンや、ほくほくほかほかのじゃがいも、ブロッコリーにきのこに、具材がたっぷりのあったかいシチュー。
 ベシャメルソースから店主の手作りな分じっくりたっぷり愛を込めて作られたのだとか。それは疑うまでもなく、あったかくて優しい味から、じんと伝わってくる。
「不思議と落ち着くお店やねぇ…それに何より、誰かと一緒に食べるご飯は美味しいわ」
「冷えた体に、暖かいシチューがとても有難いわ…」
 もくもくと食べ進めていく内に、お皿の中はからっぽ。
「甘いものは別腹、って言いますよね? うふふ」
 楽し気に微笑んだクラリーチェが、メニューを取り出した。甘いものは別腹、また来られるかもわからないなら尚更。後悔は残さずに帰った方が、きっといい。
「私、このおとめ座のショートケーキが気になっていたんです!」
「拙は、このしし座の紅茶が。皆で分け合いませんか」
「ええねぇ。それならこの、いて座のお茶会ってものを頼んでみまひょか。沢山ケーキのってるし、皆でこれもわけっ子、やね」
「私はこのてんびん座のツインシューが気になるから、これも頼みたいわ」
 すみません、と店員を呼ぶ声は楽し気に。小さな女子会は、まだまだ終わりそうにない。
(昔より表情が豊かになった雪ちゃんに、相変わらず穏やかな笑みを浮かべる蜻蛉さん。
 妬ましいわ、と頬を染めながらぽつぽつ、と話すエンヴィさん。
 みな、大切な私のお友達)
 ああ。こんな日が来るだなんて、思ってもみなかった!

●The wish is not certain. That is why we exist to make it happen. We are the symbol of possibility.
 店を出ればお腹はいっぱい。幸せな心地だが、体重と言うものは女の子にはどうしても付きまとってしまう問題だ。
「食べ過ぎたかも、しれません」
「私もです……」
「おいしいものは食べ過ぎてしまうから、仕方ないわ」
「そうそう。美味しいんやから、しゃあないよ」
 再びゴンドラに乗りこんだなら、次は笹の並木までゆっくりとゴンドラを進める。
 満腹でうとうと、すっかり昼寝をしてしまったって仕方ない。ゆっくりと星の運河は流れ、四人を笹並木へと誘う。
「短冊にお願い事をしませんか?」
 クラリーチェの提案に三人は頷いて、ゴンドラを再び止めて、じっと笹を眺める。
 さらさらと流れる笹の音に耳を澄ませながら、願いを書き認めるのだ。
 誰が何を書いたかは重要ではない。今この時を一緒に過ごせる事実こそが一番、大切で特別なのだ。

『来年の七夕も、こうして集まれますように』
『うちのお願い事は、みんなのお願い事が叶うこと』
『大事なお友達に、これから沢山の幸せが訪れますように』
『これからも、皆と一緒に色々な世界が見られますように』

「皆、幸せでおってね」
「それは、勿論。お互いに、ですよ」
 くすくす、ふふふ。幸せの声は、和を広げて。煌めく星々は、その笑い声を反響させて、夜空へと広げていく。
 さらさらと流れる笹の葉のその隙間から、濃紺の星空が見え隠れして。
「そういえば。この世界の名前は、誰かが零したミルキーウェイという言葉が可愛らしくて。だから、ミルキーウェイ。そう呼びませんか」
 雪之丞が、声を出す。
 昔は起伏も薄く、冷淡に見えたあの雪之丞が。薄ら頬染め、照れ混じりに。
 その声に、一番に頷いたのは、蜻蛉だった。
「ハイカラなお名前で、ええんやない? 賛成」
「はい。そちらでいきましょう」

 きらきら、きらきら。
 幾千億の名もない星々が、光を放つ。
(『ミルキーウェイ』と皆で名付けたこの世界のように、光輝く素敵な世界を、仲の良い友人達と一緒に見て回りたいわ)
「さあ、それでは、帰りましょうか」
 ひとさしゆびを、一番星へ。
 いち、に、さん。

「またお会いできる日を、楽しみにしています」

 後に残ったのは。
 ほんのりあたたかい三日月のゴンドラと、美しい星々が織り成す、ミルキーウェイだけ。

 ――See you next time!

成否

成功

状態異常

なし

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