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シナリオ詳細

<minstrel journey>宝を売れば働かなくても良いと思っていた

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「定期的に宝箱が生えてくるダンジョンだって?」
 名も無き世界のとある街。酒場で一曲披露していたカルヴァンは駄賃代わりに客からある噂話を聞く。
 ––曰く、入るごとに構造が変わる迷宮。
 ––曰く、通路でも行き止まりでも関係なく突然宝箱が現れる。
 ––曰く、謎のおじさんがダンジョン内でアイテムを売ってたりするらしい。
「なんだいそりゃ……どんな仕組みなんだ」
 俺もわからねぇよ、と客は苦笑するとそそくさと自分の席へ戻っていく。気になってその後調べてみれば、魔物もそこまで多くは無く、出現してもそこまで強くないらしい。
 このダンジョンのお陰で彼女ができた、ダンジョンの中で見つけたポーションで髪が復活した、
宝箱に入っていた書物の内容が試験にでてきた……等々、潜った者達からさまざまな報告もあがっているとのこと。
 嘘くさい話ではあるのだがこれが本当であれば昨日のギャンブルで負けた金が戻ってくるチャンス。場所も街からそう離れてはいないので直ぐにでも出発できるだろう。
「これが本当ならやらない手はないねぇ。宝物の価値はピンキリらしいけど当てれば暫くは楽して暮らせるってこと!」
 絶対失敗する流れしか見えないが、カルヴァンはやる気に満ち溢れていた。負け分を取り戻さないと今日の食い扶持も怪しいから。詠って稼げ。
「ダンジョンは毎回中が変わるからマッピングは忘れるなヨ……」
 グラスを拭きながらその様子を見ていたマスターの声にも良い返事で返すが、余計に心配になるだけで思わずため息を零してしまうのであった。

「さぁて出発出発! 案外近かったし、こりゃあそんな時間掛からないで踏破できるかもなぁ」
 街を出て数刻、朝に出発してまだ日も明るい内に到着する。遠くないとの話は本当だった様で、入り口を見ても積まれた煉瓦に扉まで付いて明らかに人工的な跡が見られるのだ。
 宝を求めて今、一人の吟遊詩人が扉を開く––


「やぁやぁやぁ、皆に集まってもらったのは他でもない。宝探しは好きかい?」
 包帯だらけの境界案内人、カルヴァンは集まった特異運命座標達を眺めながら口を開く。
 ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)が何故ボロボロなのか聞けば。
「マッピングを忘れた上に最初の階段に滑って転んだんだ……」
 と、返す。ダンジョンを攻略するどころの話ではなかった。
「コホンッ! 今回の依頼は僕が回っている世界で最近噂になっているダンジョンの探索さ。入るごとに構造が変わり、突然宝箱が出現したり、謎のおじさんがアイテムを売ってくれたりと聞くだけでは怪しい迷宮だよね」
 ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)も怪訝な表情で話を聞いている。
「わかる! とんちきな話をしている自覚はあるよ! でもこの噂がもっと広まれば、聞きつけたトレジャーハンター達がこぞって攻略しにくるだろう」
 その前に入ってもらい、仕組みの詳細を報告するというのが今回の依頼なのだ。
「わからないことは怖い……だからこそ人はそこに夢をみるのかもしれないけどね。頼んだよイレギュラーズ。準備はしっかりと、良い宝がでたら教えてね~。まだ、お金返せてないんだ……」
 仕事をしろ。
 こうして特異運命座標は一攫千金の夢に溢れるダンジョンへと転送されていくのであった。

NMコメント

 この度はリクエストありがとうございます。
 トレジャーハント、一攫千金は夢があります。働かないで食う飯は美味いかと問われれば美味いに決まってますよね。

●名も無き世界
 この世界には名はありません、皆さんと冒険していく内に何かがわかるかもしれない。
 ダンジョンも各地にあることがなんとなく判明しました。

●ダンジョン
 最近発見されたダンジョン。名前も無く、謎の多い迷宮です。聞くところによれば階層がさがるほど良い宝が出やすくなるらしい。迷宮内は整備されており、明かりもついています。
 設置されている罠を突破しないと奥に進めない。

●目的
 ダンジョンを進み、構造や宝箱の謎を調べるといった建前です。ずんどこ進んで宝箱を探しましょう。魔物も出ますが雑魚です、なにも怖くない。
 皆様にはダンジョンをどう攻略する! こう進みたい! とプレイングに記載していただければダンジョンもそういう構造になりますので、難しいことは考えずかっこいいおもしろい攻略方法をプレイングに書きましょう。不可思議ですね。
 宝箱はまれに鍵が掛かっており、洞窟内のどこかにいるおじさんからちいさな鍵を購入して開けないといけません。

●敵
 防衛ロボット『みまもるくん』……レンズがついたロボット。一応侵入者に体当たりで攻撃してくるが弱い。そして脆い。
 宝箱ロボット『ぎたいくん』……開けると稼働するロボット。攻撃性強いが弱い。罠の意味を成していない。

●罠
 各所で罠が仕掛けられており、作動すると遠回りになったりでタイムロスが発生します。
 激流水……天井からちょろちょろとべたついた液体が流れてくる。激流じゃないが装備がヌルヌルして嫌な気持ちになる。火を近づかせると溶ける。
 電撃床……ビリっとする。そのまま進むのは余りに危険。
 火炎放射像……口から炎を吐いている悪魔の像。石製、熱い。
 豪風……一人では風圧に負けて進めそうにない道。通れれば近道になりそうなのだが。
 毒の沼……歩いているとおなかがムカムカしてくる。つらい。

●NPC
 ダンジョン道具屋店主……おじさん。道具を売ってくれる(金額や金銭のやり取りはフレーバー)
 ・メニュー
 薬草
 どくけしの粉
 たいまつ
 ちいさな鍵
 焼き鳥丼
 カットサラダ
 その他プレイングによって変動

●その他
 おじさんはダンジョンで会いたいと思えばいつの間にかそこにいます。遠慮なく叫びましょう。
 罠の攻略、ダンジョンをどうやって探索していくか、お好きにプレイングしてくださって大丈夫です。皆さんの楽しいプレイングをお待ちしております。

●サンプルプレイング
 毒の沼はつらいから●●して避けるぜ!
 この奥地に店主とやらがいるかも……居たら鍵と消しゴム買っておこうかな。
 天井から液体が! 店主を傘替わりにして進むぞ!

 ご縁ありましたらよろしくお願い致します。

  • <minstrel journey>宝を売れば働かなくても良いと思っていた完了
  • NM名胡狼蛙
  • 種別リクエスト(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月11日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)
私の航海誌
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
※参加確定済み※
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
※参加確定済み※
ルビー・アールオース(p3p009378)
正義の味方

リプレイ

●僕らの不可思議な洞窟いりぐち!
 積み上げられたレンガ壁に木製扉、人工的な雰囲気を漂わせたダンジョンの入り口は自然が多い平野では目立って見えるだろう。『正義の味方』ルビー・アールオース(p3p009378)と『名無しの』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)は顔を見合わせながら高揚する気持ちを言葉として吐き出す。
「これ知ってる! ローグライクゲームってやつよね、遊んだことあるもん。いきなり変なところ飛ばされたりで大変なんだよね!」
「へぇ、罠って奴か。ますます張りきるってもんだ! 特にそう……一攫千金の夢がある!勝てば名誉と財宝が。負ければ何も得られない。さいっっこうのギャンブルだな!!」
 逸る二人の様子を見ながら『猪突!邁進!』ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)は眉をひそめて独り言ちる。
「いくら久し振りとはいえマッピングを忘れるとは……随分と訛っているな」
 魔法と蒸気が入り乱れる世界からの来訪者である彼女は混沌に降り立つ前からダンジョンの探索において経験を重ねてきた身。久方ぶりの事とはいえ自らの準備不足に顔をしかめてしまう。
「まぁまぁ、話を聞く限りそこまで深くはないそうですし慎重に進んでいきましょう。あちらの二人ほどではないにしろ曲がりなりにも私は冒険者、ダンジョンてのはワクワクしますね!」
 ブレンダの隣、『私の航海誌』ウィズィ ニャ ラァム(p3p007371)が話しかければ。
「あぁ、どこまで進めるかはわからんが久しぶりのダンジョンだからな、できるだけ楽しみたいところだ」
「それはそれとしてお宝も戴くがな」と零した所でルビーとニコラスがうずうずした表情で此方を見ている事に気づき、ウィズィニャラァムと苦笑しながら扉の先へと進んでいくのであった。

●僕らの不可思議な洞窟いっかい!
「いきなり燃やされたぁーー!」
 燃やされ叫ぶルビー、熱いことには熱いが装備の効果による火炎耐性でマントは焦げ一つ付いていない。
「風か……っ!」
 足腰に力を込めて地面を踏みしめて吹き荒れる豪風に耐えるブレンダ。彼女の直ぐ後ろを三人が離れず付いていく。どうして突入直後でこんなにも罠の中を進んでいるのかと言うと……

「ガンガンいこうぜ!! 1階層1階層全部見て回る。だってそっちの方が……スゥゥ……」
「おもしろいだろ?」

「なんで一回溜めたんですか?」
 ウィズィニャラァムのツッコミにも負けず、ニコラスは語る。
「いやさ、見て回りたいって気持ちは正直そうだけど、今回は調査ってのも依頼に入ってるんだろ? 色々調べたほうがいいのかって思ったんだよな」
 ブレンダが言葉引継ぎ。
「脱出の経路は今の所問題無いが、話に聞く限りどのタイミングで構造が変わったりするのかわからない以上、油断はできないな……」
 ダンジョンとは何があるか分からないもの。四人は一層気を引き締め探索を続ける……といったところで火炎放射像を発見し今に至る。

「あちあち……この先に行かないといけないのにどうしようか」
 パタパタとマントを払いながらルビーは火の当たらない所まで下がり。
「撤退する時も通るかもしれないし、ここで破壊しておくべきだろうな……っと、ウィズィ殿がいくか」
 振り返ってみればウィズィニャラァムが己の得物であるナイフを握りしめ投擲の構えを取る。乱れぬフォームで彼女の手から離れた大きなナイフが火炎放射像の頭を砕き、石塊となって転がって崩れた。当たりたくなければ壊せば良いの理論である。
 行く先を封じていた罠を壊して先に進む一行、道中で見つけた宝箱も開けてはみたのだが麺棒や片方だけのサンダルだったりと、誰がここに置いたんだというラインナップしか無い。
「あ、階段だ」
 先頭を歩いていたルビーが皆に聞こえるように声を出す。他の三人もルビーの視線の先を追ってみれば確かに降りの階段とその横にある扉を発見し。
「明らかに怪しそうな扉なんだけど」
 先を進む前にと恐る恐る開いて中へ進むと。
「いらっしゃい」
 おじさんが居た。
 否、大きな袋を脇に置いたおじさんが椅子に座っていた。
「何者だ……?」
 ブレンダの警戒も最もである。当人以外のこの場に居る者全員が同じ気持ちなのだろうから。そんな気持ちを察したのかたまたまなのかおじさんが口を開き。
「アイテム売るよ。なんにするね」
 袋の前に手書きのおしながき看板が置かれる。薬草、どくけしの粉、ちいさな鍵、焼き鳥丼……その他にも様々な商品があるらしい。
「怪しさが凄いですがこの先なにがあるかもわからないですし、かさばらないものは複数買っておきましょうか」
「おじさん! 焼き鳥丼ください!」
「丼物……!?」
 ひぃふぅみぃと購入するものを選んでいたウィズィニャラァムがルビーの注文に慄く。どこから出てくるんだ、袋からなのか? と疑問に思うのも当然だろう。袋から焼き鳥丼が出てきた。
「便利ていうかこういうダンジョンにはお馴染みていうか……買い物したいときはまたここに戻ってこないといけねぇのか。おじさん召喚券とかあればいいのにな!」
 冗談混じりにニコラスが笑えば、おじさんが袋のに手を入れてまさぐり手作り感あるチケットを取り出してみせる。
「あるのか……まぁいい、ご主人、小剣のような武器も置いてあるだろうか」
 チケットをニコラスに、「あるよ」と呟いて取り出した簡素な造りの小剣をブレンダに渡す。
「ありがたい、これなら消耗品として使うなら十分だろう」
 各々の買い物を終え、一行は下の階層に繋がっているであろう階段を降る。
「あのおじさん、毎日あそこにいるのかな」
 ルビーのふとした疑問に答える者は居なかった。

●僕らの不可思議な洞窟ちかいっかい!
 降りてきた一行が辺りを見渡すと、やけに入り組んだ道が多いように見えるだろう。
「この階は……迷路か。面倒だな」
「また時間がかかりそうですねこれは」
 行き止まりや分岐道が多く、構造全てを把握するのは難しい迷路タイプの階層に辿り着いたようだ。
「ふむ……いけるな」
「前の階でも壁叩いてたけどなんかわかったのか?」
 壁をコンコンと叩くブレンダにニコラスが聞く。「離れていてくれ」と言いながら携えていた二刀を構え、一息に壁へと叩きつける。
 壁が瓦礫へと変わりガラガラと崩れていく。砂埃の先には隔たれていた筈の道が続いており、そのまま探索するより大幅な時間短縮になるだろう。
「一気に道がひらけたね……!」
「壊せるモノは壊した方が探索もスムーズだ。というわけでこの階は壁をぶち抜いて進むとしよう。コツはできるだけ壁の中心をぶち抜くことだな。そこが一番脆い」
「時間は有限、それなら私も手伝いましょう」
 ブレンダとウィズィニャラァムを先頭に壁を破砕しながら最短ルートで下層への階段を見つけたのであった。

●僕らの不可思議な洞窟ちかにかい!
 大部屋の中を動き回る機工人形達に無造作に設置されている宝箱。降りて直ぐに気づかれてしまった一行はすぐさま戦闘態勢を整える。ゆっくりと此方へ群がろうとする機工人形だが、動きが遅すぎること、動いている間になにか攻撃をしてくるわけでもない。防衛ロボットではあるのだが、武装がゼロ故に体当たりしかできないのだ。
「数だけで敵ではねぇけどここにきてトラップか……!」
 大剣・ディスペアー・ブラッドをで薙ぎ払いながら部屋の床面に視線を送る。そう、この部屋の厄介な点は防衛ロボットの存在ではなくいたるところに点在する毒の沼や電撃床、天井の穴から流れ落ちてくるぬるぬる水なのだ。
「戦いにくいったらありゃしません……! それにしても脆いですねこのロボット!」
 ウィズィニャラァムが軽く小突いただけでも簡単に砕ける防衛ロボットに果たして意味があるのかは置いて。下手に動けば毒の沼に足を取られるか電撃床に痺れさせられてしまう。
「そこらに転がっている宝箱に気をつけろ! これも罠……ロボットだ!」
 小剣の飛刀であえなく退場となった宝箱型ロボットのぎたいくん。どこから湧いているのか数が減らない敵にニコラスがふと思い出す。あのアイテムの存在を。
「来てくれーーおじさん!」
 罠を踏まなければ良い、もしくは無力化すれば良いのだ。そうだろおじさん! チケットが燃えるように消え、ニコラスの前に道具屋のおじさんが現れた。
「おじさん! この罠ってどうにかして解除できないか?」
 今この場においてこのダンジョンに一番詳しいのは彼だろう。ニコラスの読み通り、おじさんは部屋の天井隅を指さし電撃床の解除シンボルがあるという情報を売ってきたのだ。
「まかせて!」
 聞いていたルビーが即座に反応し、大きく跳躍して壁を蹴りながらシンボルに近づくと大鎌モードのカルミルーナで一閃し破壊に成功する。床面の多数を占めていた電撃が収まり歩行可能スペースが増えた。増えていくロボットも無限ではないらしく、攻勢に出たイレギュラーズ達によって制圧完了となった。
「ぬるぬるの水で役得見れるかと思ったのにどうなってるの運営……」
 激流水で濡れたのはおじさんだけであったというニコラス悲哀の呟きは下層に繋がる階段に喜ぶルビーの声に消されたという。

●僕らの不可思議な洞窟せーぶぽいんと!
 降りた先は中部屋ほどのスペースに下層に繋がる階段と幾つかの宝箱。店で買ったちいさな鍵で開封すると中には小型の機械が数個。液晶がついているが電源も繋がらないようで何に使えるかはわからない。財宝と呼べる品物はここまで見つからなかったが、ダンジョンはまだまだ先がありそうだ。イレギュラーズの活躍によってここまで踏破されたことにより、次回からはここから冒険を始められるだろう。
 僕達のトレジャーハントはまだまだ始まったばかり。
 今日の冒険譚はここまでにしておこう。

 また次回もよろしく頼むよ。特異運命座標達。

成否

成功

状態異常

なし

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