PandoraPartyProject

シナリオ詳細

例えば、始まりの様なお話

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


「今日からお前達は冒険者になる訳だ。それで早速、依頼内容なんだが……」
 貴方達の目の前に居るその男はソルダートと名乗り、書面の内容を確認するかの様に読み上げている。
 鍛えられし鋼の剣亭と呼ばれたこの冒険者の宿は、これまでに多くの英雄の卵を排出した一部では有名な場所であるらしい。
 あなた達はどうやらその冒険者の宿の新米冒険者として認識されている様だった。
 ……その割には宿には他の冒険者らしき姿は見受けられなかったが。

「お前さん達に行って貰う仕事は薬草の採取……新人なら鉄板の仕事だな。弱い魔物くらいは出て来る可能性はあるが、最低限の自衛が出来るなら問題無いだろう」
 そう言ってソルダートは薬草を採取する場所への地図と、薬草のサンプルであろう物を取り出して冒険者達へと差し出した。
「場所事態はそう遠くはない、さっと行ってさっと帰って来い。それと薬草は取って来るのは良いが根も出来る限り傷つかない様にしろ、その方が買い取り額が高くなる」
 説明自体はこんなもんか、とソルダートは呟く。

「行って来い、未来の英雄の卵共──何処まで行って、何処で止めるかはお前達が決めれば良い。だからって最初から躓いてちゃ困るがな」
 余り物で作ったサンドイッチがあるから持ってけ。ぶっきらぼうにそう言ってソルダートは包みを冒険者達に差し出し、貴方達を送り出した。
 

「この本の世界は所謂剣と魔法の世界みたいです。一般的なファンタジーの様な世界みたいですね、ボクの出身世界も同じ様な感じでした!」
 ボクのお父さん達も似た様な冒険をしたんでしょうか?と境界案内人である小さなドラゴンは宙を浮きながら首を傾げている。

「皆さんには新米冒険者として、薬草を採取しに行って貰います。新米と言っても、特異運命座標の皆さんの強さが下がる訳では無いですけれど」
 所謂、これまで全く無名の実力者達が新人としてお仕事をする訳だ。
 どうやら魔物とも遭遇する可能性がある様子だが、飽く迄も低級な魔物しか出て来る可能性は無いとの事。
「目的地は森に囲まれた綺麗な湖畔みたいです、その辺りに薬草が生えているのだとか。それを幾らか袋に詰めて帰ればお仕事達成です!」
 良かったらお土産話を聞かせて下さいね!とレギアはパタパタと羽を羽ばたかせて、特異運命座標へ笑いかけるのだった。

NMコメント

 どうも、初めましての方は初めまして。
 もふ太郎なる物です。暫くシナリオを出していなかったので、解り易いものを1本出させて貰います。

 相談期間は短めとなっておりますのでご注意下さい。

●世界観
 所謂、剣と魔法のファンタジーの世界です。
 文明レベルは中世くらいを想定してください、一般的なファンタジーくらいの文明レベルです。
 
 この世界には魔物が存在し、冒険者と呼ばれる職業があります。
 皆さんは冒険者となって、任された依頼を完遂しましょう。
 今回は薬草の採取がお仕事です。

●今回の行動指針について
・目的地である森に囲まれた綺麗な湖畔まで移動して、薬草を探す事
・目的地に至った後、ゴブリンなどの低級な魔物と遭遇する可能性がある為戦いの準備を忘れずに
・薬草を集め終わったら少しくらいのんびりしても良いかも知れません。ソルダートがサンドイッチを皆さんに渡しています

 道中でお話をしたりして、交流をするのも良いかも知れません。

●オプション
 プレイングで求められればレギアが連れて行く事が可能です。
 彼はどなたかのバックパックに潜んで道中を共にします。他の人に見つかってしまうとこの世界では騒ぎになってしまうからです。

●プレイング
 書き方などはご自由にして下されば構いません。
 キャラクターの呼び方など、その他特別拘りがある部分に関しても記載があれば助かります。
 設定欄なども確認は致しますが、主に見るのはプレイングになると思います。

 特にアドリブNGと記載が無い場合、戦闘部分などで他のPCやNPCとの絡みなどが発生する場合が御座います。

●その他
 スキルの略称など、そういった物に関してはもふ太郎が分かる様にして下さればOKです。

  • 例えば、始まりの様なお話完了
  • NM名もふ太郎
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月09日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談4日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

サクラ(p3p005004)
聖奠聖騎士
久住・舞花(p3p005056)
氷月玲瓏
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
運命砕き
ルリア・エル・ヴァディス(p3p009953)
氷華

リプレイ


「わぁ、ボクも行って良いんですか?」
 土産話なんてケチくせえ事言わねえで一緒に冒険に行こうじゃねえか、と『竜撃』ルカ・ガンビーノ(p3p007268)はレギアを冒険に誘う。
 どうやら、他の特異運命座標もその事に反対は無いらしい。寧ろ、その様子を微笑ましく見ている様にも見える。
「よろしくなレギア。俺はルカ・ガンビーノだ」
 レギアを抱えてバックパックへと入れてやる。尻尾を嬉しそうにゆらゆらと振るレギアの身体は少しひんやりと冷たい。
「足手纏いにはなりませんので、宜しくお願いしますね!」
 バックパックの中に入るのは本人は特に気にしないのか、入口からひょこりと顔を出して皆にありがとうございます! とお礼を言う。
 その様子から、可愛らしい、という感想が幾人かから出たのは致し方が無い事であろう。

「薬草採取が新人冒険者の鉄板……というのも、こう、あまりにもそれらし過ぎて。実際にその立場になってみるというのもなかなか面白いものね」
 ソルダートからサンドイッチを受け取り、出発をする為の準備をしながら『月花銀閃』久住・舞花(p3p005056)はそう呟く。
 こういった仕事が新人の鉄板だという世界法則でもあるのだろうか、などと少し考えてしまう。
「わたしは初めてのお仕事なので、丁度良かった……のかも知れません」
 舞花の言葉に相槌を打つ様にして、『氷華』ルリア・エル・ヴァディス(p3p009953)も口を開く。初めての依頼だという割には彼女は穏やかで、冷静に見える。
 その胸中は不安というよりも、この世界に対する好奇心に溢れている。彼女はこれからどの様な冒険をしていくのだろう。
「大丈夫、もし何かあっても私達がちゃんとフォローするから!」
 出発の準備を済ませて来たのであろう『聖奠聖騎士』サクラ(p3p005004)がおまたせ、と皆との待ち合わせ場所へと辿り着く。
「少し時間が掛かってたな、何を準備してたんだ?」
「お茶セットとお茶っ葉! 皆で向こうで飲もうと思って」
 待ち時間の間、顔を出すレギアを指で構ってやっていたルカがサクラに尋ねた後、その返答にそいつは楽しみだと笑みを浮かべる。
「悪くない考えかと思います。少しくらいであれば、落ち着く時間も取れるでしょう」
「それは、楽しみです……あの、皆さんの動きを見て勉強をさせていただきますね……」
 誰しもが最初は初心者なのだ、その言葉に他の3名は快く了承をした後に最後の確認を行う。
 特に問題は無さそうだ。

「さぁ、いざ出発!」
 サクラの元気の良い掛け声と共に冒険者達は目的の場所へと出発する。
 目的地は薬草の群生地だ。


 道中、さして危険な事が起きるでもなく、特異運命座標達は目的地である森に囲まれた湖畔まで足を進めていた。
 警戒はしていたものの、街道を通る以上はそこまでは危険の心配の要らなかったのだろう。ちょっとした遠出とさして変わりは無かった。
「レギアよ。お前の親父さんってのはどんなやつだったんだ?」
「ボクのお父さんですか? この世界に居る様な冒険者でしたよ! ドラゴンじゃなくて、ハーフエルフの。ボクの卵が孵ったのを育てたのがお父さん達だったんです」
 ルカが訊ねると、レギアは首を傾げてから質問にそう答える。
 生まれた時からこうやってバックパックに担がれて旅をしていたのだという。
「ボクを連れて歩くと狙われたり、国として問題があったとかで色々苦労したみたいです」
 それでも結局は独り立ちをするまでは最後まで面倒を見たと言うのだから、結構なお人よしだったのではないだろうか。

「確か、ゴブリン等との遭遇の可能性がある、だったかしら」
 そろそろ薬草が採取出来る場所に近い筈、会話もそこそこにそろそろ警戒をしましょう、と舞花が声を掛ける。
 低級の魔物、ゴブリンと言っても個体の性能はピンキリだ。中には人の様に賢い個体も居れば、そうでない個体も居る。
 ゴブリン、という4文字の単語を鵜吞みにして油断する訳にも行かないのだ。

 森の中を進んでいくにつれて、少しずつ辺りの温度が涼やかになっていく。
 何処か故郷を思い出す様な、そんな雰囲気を感じさせてくれるこの場所をルリアは決して嫌いでは無かった。
「警戒はルカさんと舞花さんに任せて、私とルリアさんは薬草を採取しようか」
「薬草を探すのは自然知識があるので多少上手に出来るかなと思います」
「それは良いね! 頼りにしちゃうよ」  
 笑顔で答えるサクラにルリアも頷き、頑張りますね、と返す。

 ソルダートから受け取ったサンプルを見ながら確りと確認しながら、薬草が無いかを確かめる。
 そこまで特徴的な薬草では無い様子だが、よくよく見ると葉の形が他の草とは違って居たり、生えている場所が木陰だったりとある程度解り易い指針がある様子だった。
 初心者向けの依頼とは、つまりこういう事だったのだろう。渡されたサンプルを確認せず、辺りもきっちり見渡さないのなら、見つける事は困難だった筈だ。
 その事に気づいたルリアはサクラにそれを告げた後、自分が見つけた薬草を丁寧に掘り起こして1本ずつ布に包んで痛まない様にしてから袋へと片付けて行く。
「わー、お仕事頑張ってますね! ルリアさん!」
 その様子を見ていたのであろう、レギアは羽をぱたぱたと動かしながらルリアへと近づいて来る。
 辺りに人が居ないのを確認したのか、バックパックから解放された様だ。
「レギア、この辺りなら流石に人目も無いだろうし、ある程度は顔を出しても大丈夫じゃないかしらね」
 という、舞花の言葉にレギアは喜んで出て来たらしい。

「有難う御座います、ちょっと楽しくて。頑張ってしまいました」
「それは良かったです。そろそろ喉が渇きませんか? 水筒、持って来ましたよ」
 首に下げた水筒を小さな手に抱えながら、レギアはルリアに差し出す。
「こっちも幾つか薬草を見つけられたよ。ルリアさんのお陰だね。レギアちゃん、私には?」
 作業が一段落ついたのか、サクラが一人と一匹に合流する。
「勿論ありますよ、そろそろ休憩しても良いかも知れないですね!」
 そうレギアが呟いた時、少し離れた場所で警戒をしていたルカと舞花から声が届いた。
 
 どうやら、すぐに休憩とはいかない様だった。


「えっ、もう倒しちゃったの?!」
「数も少なかったし、強くもねぇ。本当に初心者向けの依頼に出て来る様な相手だったみたいだな」
 とはいえ、冒険者としての基本を押さえておかねばそれこそ駆け出しの新人であるなら厳しい戦いになったであろう。

 ゴブリン達の不運は冒険初心者では無く、その場に居たのが幾つも戦いを重ねて来た歴戦の戦士であった事に尽きる。
 舞花とルカがゴブリンの数を視認し、その獲物を確認。脚運びや、動き方を見て援軍は不要と判断。
 相手と此方の実力差を見極めるのは二人にとって難しい事では無かった。
「ルカさん、構いませんか?」
「あぁ、俺と舞花なら10秒で終わる」
 
 では、とゴブリンが動く前に舞花が刀の柄に手を添えてその場から駆け出す。
 一気に接近して来た舞花にゴブリンは虚を突かれ、突撃しようとしていた姿勢を防御の姿勢へと整えようとした所を持っていた棍棒ごと一刀両断。
 胴体を泣き別れさせた後、別の打ち下ろして来たゴブリンの棍棒に手を添えると勢いを利用してその場へ捻り投げ。
 流れる様な所作で首元を狙ってトドメを刺し、刀を一振りして血を落とす。
 慌てて他のゴブリンが追撃をしようとするが「遅ぇ」とばかりに踏み込んで来たルカの振るう巨大な剣がゴブリンの頭を吹き飛ばし、この個体も倒れ伏す。
「もう少しくらい手応えがあるのかと思ってたんだが」
「この世界の新人冒険者が苦戦する……というと、この程度だったのでしょう」
 哀れ、ゴブリン達は一瞬で血煙へとなってしまったのだった。


 ゴブリン達の対処を終え、薬草も十分に集めた皆は湖畔の近くに寄って休憩をしようとしていた。
「ささ、どうぞどうぞ! 店頭で味見もしたから私達の口にも合うはずだよ!」
 事前に準備していたお茶を皆に振舞うサクラ。レギアにも飲みやすい様に器も確り準備している手際の良さだ。
「金は取られたけどよ、あのオッサン顔のわりに美味い飯作るよな」
 既に道中で此方に向かう前にサンドイッチを食べてしまっていたルカは何時の間にやら、追加の食事を頼んでいたらしい。
「ルカさんはいっぱい食べそうですもんね! ボクもいっぱい食べますよ!」
 お、言うじゃねえか、とわしわしと撫でられたレギアは嬉しそうだ。 

「わたしは、残してしまうので……」
「じゃあボクが貰いますね! ありがとうございます!」
 ルリアから貰ったサンドイッチをはぐはぐと食べるレギア。
 その様子が微笑ましかったのか、サクラもサンドイッチを分けてあげている。
 撫でられて目を細めている様子は何処かのマスコットにも見える愛らしさがあった。

「天気は良いし、森だからかな? 空気も爽やかで涼しい~」
 はしたない、と思いながらもごろりと寝ころんで寛ぐサクラ。
「食事をしてからすぐ寝ころぶと牛になると言いますよ?」
 そんな事言いっこ無しだよ、舞花さん! と返すサクラの言葉に仲間に笑みが零れる。

 パタパタ、と食事を終えたのかレギアは飛びながらゆっくりとルリアの前へと近寄っていく。
「お仕事、お疲れ様でした。きっと、これから大変だったり、苦労もする事もあるかもしれませんけど」
 今日はとても楽しかったです、あなたがこれからいろいろな世界を楽しめるように願っています、と。
 レギアは小さな手を差し出して、握手を求める。
 あなたの好奇心を満たしてくれる事がきっとこの世界にはありますから。
 そう言っているかのように、レギアは笑みを浮かべていたのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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