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シナリオ詳細

【黄昏幻影奇譚】猿夢編

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●猿夢
 ガタンゴトン、ガタンゴトン。
 寂れた無人駅。古びた電車がやって来る。
「まもなく電車が来ます。その電車に乗ると怖い目に遭いますよ」
 普通ではありえないアナウンス。
 まもなく電車が到着する。しかしそれは通常の電車ではなく、かつて遊園地などで見かけたお猿さん電車のような形であった。
 アナウンスと言いこの電車と言い、気にはなりはするが家にさっさと帰る為に乗車する。
 乗客は数人の男女。皆一様に顔色が悪い。
 自分はといえば、後ろから4番目に座っている。
「次は活け造り~活け造りです」
 活け造り?魚の活け造りだろうか。
 悲鳴。
 振り向けば一番後ろに座っていた男性が、子猿に刃物で体を裂かれていた。身体から取り出された臓物が辺り一面に散らばり、真っ赤な液体が広がる。
「次は抉り出し~抉り出しです」
 今度は2番目の女性。別の子猿に目玉を2つとも抉り取られる。
 ますます血の気がなくなる乗客。
 更に電車は揺れる
「次は挽肉~挽肉です」
 今度は駆動音を鳴らす機会を手に持つ子猿。それを振り回しながら男性をミンチにしていく。そして大量の血と共に挽肉となる。
 次はいよいよ自分の番。逃げ投げれば。だというのに体がいう事をきかない。
「次は粉砕~粉砕です」
 巨大なハンマーを持って現れる子猿。その後乗客がどうなったかはーー。

●書斎
「やあ、イレギュラーズの諸君。よく来てくれたね」
 イレギュラーズを出迎えたのは境界案内人のミヤコ。
 机の上に用意されているのは『黄昏幻影奇譚』。
 怪異が蔓延るライブノベル。
「今回は猿夢と呼ばれる怪異が相手だ」
 猿夢。それは電車に関する怪異の一つだ。電車に乗った人間がアナウンスと共に次々と殺される都市伝説。
 電車は本来であれば離れた土地に行ける便利な乗り物だ。だが、猿夢に捕らわれれば行き着く先はあの世である。
「ただひとつ、問題があってね」
 いわく。猿夢が出没する場所はわかっている。だが、それがいつでてくるかはわからない。
 それは今日かもしれない。明日かもしれない。
 あるいは時間ではなくもっと他の出没条件があるのかもしれない。
「残念ながらそこまでは特定できなかったんだ」
ーーただ……名は体を表すという。ならば少しは条件が絞れるだろう。
 それと。既に被害者がでているが。その遺族。彼らに会う事もできる。もしかしたら何か判明するかもしれない。
「これ以上被害を出さない為にもどうかこの猿夢を退治してほしい」
 そう言ってミヤコはイレギュラーズを送り出すのだった。

NMコメント

猿夢。それは夢か現かーー。

●黄昏幻影奇譚
怪異が跋扈する世界です。

●目標
猿夢の討伐

●猿夢の出現条件
猿夢。それは文字通り夢に見るものとされている。
そして猿夢は怪異。夢を見る時間帯で怪異が時間を増す時間。
それがいつなのか……。

●場所
駅のホームにいれば電車が来ます。
その駅は無人になって久しく、多少荒れています。
その駅には駅員室がありますが……?

●猿夢
今回の討伐対象です。
4匹の子猿が現れますが、今回は特殊ルールがあります。
それは後程説明します。

●技
手に持つ武器で攻撃してきます。

活け造り
手の持つ刃物で相手の体から臓物を取り出し、活け造りにしようとしてきます。

抉り出し
スプーンのようなもので目玉を抉り出そうとしてきます。
もちろん、他の部位に対しても攻撃します。

挽肉
機械を振り回しながら相手をミンチにしようとしてきます。

粉砕
巨大なハンマーを持つ子猿。そのハンマーで相手を粉砕します。

●特殊ルール
今回は1対1の対決となります。
複数人同時に戦闘に参加はできません。
それこそ金縛りにでもあったかのように。
回復したり支援したり、という事は一切できません。
ただし、その戦闘を普通に見る事はできますし
喋る事もできます。
応援していましょう。

●順番
子猿が出てくる順番はオープニングの通りです。
誰がどの子猿と戦うか、予め決めておきましょう。
そもそも本シナリオの参加者が足りない場合は
複数回戦闘をおこなっていただきます。

  • 【黄昏幻影奇譚】猿夢編完了
  • NM名アルク
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月06日 21時50分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
Tricky・Stars(p3p004734)
二人一役
ヴェルグリーズ(p3p008566)
約束の瓊剣
シャルロッテ・ナックル(p3p009744)
ラド・バウB級闘士

リプレイ

●調査1
 猿夢が現れたという駅。そしてあの世へと生者を誘う怪異。の電車。だが、その電車が現れる条件ははっきりとはわかってはいない。『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は一人その駅に来ていた。万が一にでも猿夢を逃さないようにする為だ。
 二十四時間体制で監視はするが、それだけでは心許ない。情報が足りないのだ。自分でもスマホから情報収集はする。が、いつでも仲間へ連絡だけは出来るようにしておかねば。

●調査2
 『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)と『全てを断つ剣』ヴェルグリーズ(p3p008566)。二人は猿夢の被害者遺族のもとへやってきていた。
 犠牲者が出たばかりという事で遺族の心中を察するにも余りある。言葉を選ぶ必要はあるが、聞き出さねばならない。
 黄昏幻影奇譚における認識は一般常識として捉えられている。ただし、未知なる恐怖として。
 犠牲者は怪異のひとつ、猿夢について調査をしていたらしい。
 夜。電車を何回も乗り。場所を狭め。猿夢の犠牲者が出た思われる場所を調べ上げ、その場所を狭めていく。そしてその場所をついに特定。その場所こそがこの調査をしていた者の死に場所となった訳だが……。
 その猿夢の出現条件や時間までは遺族は聞いていないらしい。
「何か、遺留品は残っていないだろうか。特に調査で使っていたような物」
 Stars。その言葉にそういえば、と持ってきてくれたのが調査内容を記したのだろう、乱雑に書かれたメモ帳を手渡された。猿夢、という言葉をいくつか見受けられるので間違いはないだろう。
 そのメモ帳を手に取り、少しの間。
 Starsの手には一冊の本が現れる。Starsのギフト『Hollow Truth』によるもの。これは情報が一部戯曲向けに脚色されているために精査する必要があるが。もしかしたら何か出てくるかもしれない。
 その中身はーー。

●調査3
 怪異『猿夢』。
「モンキードリームですの?」
 そう漏らすは『青白い令嬢』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)。
 名前だけ聞けば楽しそうではある。だがその本質は悪性の怪異である。
 ならば悪さをするお猿さんは懲らしめなければならない。
 であるならば多少は乱暴であっても問題はないだろう。なぜって、そりゃあ
「だって『自業自得』ですもの!!」
 是非もなし。
 それはそうとシャルロッテも調査に乗り出していた。図書館やらネットカフェやらなんやら使えば何かしらの情報は出てくるだろう。
 それらの記事からひとつ、気になるものを見つける。
 いわく、猿夢とは夢の中で遭遇する怪異であるーーと。
 しかもそれが夢の中だと認識ができるようだ。
 その為、「夢よ、覚めろ、覚めろ」と念じ続ければその怪異から逃れる事ができる。
 ならばなぜ夢が現実世界の肉体に影響を及ぼしているのか。
 答えは怪異、という特異性にある。
 怪異とは人間の持つ常識に当てはめる事ができない、未知の存在である。
 しかもそれが神にも等しき超常的な力を持つ存在である。
 よって夢の中だけで事が完結する、という事はありえないのだ。
 これから自分達は猿夢と対峙する。その時に他の乗客がいない事を祈るばかりである。

●活け造りの猿夢
 ゼフィラの待つ駅に各々が手に入れた情報を持って集まったイレギュラーズ。
 一番の収穫は猿夢が出現する条件と時間である。
 草木も眠る丑三つ時。
 幽霊やお化けが活発的に動き出す時間帯とも言われている。
 言い換えれば猿夢の力が増す時間。
 そして駅員室。
 終電を逃した犠牲者は無人となっている駅員室で仮眠を取っていた。
 ここで寝れば猿夢のいる場所へと行けるはずだ。

 そして時が流れ、丑三つ時。
 一同仲良く仮眠中。

ーーガタンゴトン、ガタンコトン。

 気が付くとみんなして座席に座っている。
「次は活け造り~活け造りです」
 間違いない、猿夢だ。
 初戦担当のヴェルグリーズを含め、焦りや不安の色は面々にはない。
 が、ヴェルグリーズは思案する。
 怪異。再現性東京にも夜妖とは別の、似て非なるもの。しかも酷く悪辣な類の代物。
 これ以上犠牲者を出さない為にも早急に討伐しなければならない。
 そしていつの間にか現れたのか無邪気に飛び回る、巨大な刃物を持った子猿。
 これが活け造りの猿だろう。風貌や動きは完全に猿そのものである。
 まずは探り合い。
 この猿はどこを狙ってくるだろうか。胴体。頭。手足。
 が、自分も刃物ーー剣を使える。間合いも似て丁度いい。
 『絶対分割』からの連撃。しかして相手も刃物の扱いはもちろん、猿特有の身軽さと体捌きもあってやりづらい。人間相手でも身軽に動く物もいるが、それとは別次元である。
 一閃、二閃、三閃。互いに皮膚を掠め取り、剣戟をおこなう。
「いけー!ぶっ殺せですわー!そう、そこに右ストレートで顎砕いてさしあげなさい!!」
 皆の応援は有り難いが、気品ある容姿とお淑やかな笑顔とは裏腹に物騒な応援がシャルロッテから飛んでくる。しかも楽しそうだ。
 苦笑しながらも相手の攻撃をいなし、そのまま黒い顎を形成し、相手に食らいつかせる。必殺の威力を持つそれはそのまま猿の命を咀嚼してしまった。

●抉り出す猿夢
「次は抉り出し~抉り出しです」
 スプーンのようなものを持った子猿。Starsの相手だ。
「ああ、この俺は天辺から爪の先まで美しい。見よ、黄金の瞳を。天上の星に勝る輝きを放っている」
 演劇でも演じているかの如く大仰に、そしてオーバーに。
ーーま、猿にこの美しさは理解できんか。
 だからこそ。自分という完璧で秀麗な器に収まっている瞳を抉り出そうとしているのだろう。それ自体に意味があるというのに。まったく、抉り出すなどとんでもない事だ。
 動き出す場。接敵されないよう、後退する。しかしここは電車。横には動きづらいし、奥行きがあるとはいえ、無限に下がれる訳では無い。下がれぬ場合は『ショウ・ザ・インパクト』によるノックバック。
 その戦闘を応援しながらゼフィラ観察していた。
 先程の活け造りの子猿もそうだったが、攻撃手段が抉り出す事に帰結している。
 攻撃するだけなら別に武器で殴ろうが突こうが構わないはずだ。
 だが、それらの手段だけで終わらせない。最後には抉り出そうとしてくる。
 怪異は、都市伝説はその在り様をその怪談の中身に縛られる。ならば他の子猿たちとてある程度の行動は絞れるはずだ。
 そして
「ああ、天よ地よ!彼の者を見よ!悪逆非道な彼の者は今!あの世に召されようとしている!」
ーーあの世なるものがあるかは知りませんが!
 ベリアルインパクトによる土葬。四方から迫りくる土壁で覆われ厳重に封印され、最後はその質量による圧殺。
 優雅に、そして大袈裟に一礼するStarsであった。

●挽肉の子猿
「次は挽肉~挽肉です」
 ゼフィラ。
 この子猿は他の子猿とは違い、随分と大仰な武器を持っている。
 他の子猿はシンプルでわかりやすい武器だったというのに。当たれば本当に挽肉にされかねない。
「私は正々堂々としたファイターではないのでね」
ーー悪いが安全策を取らせてもらうよ。
 距離を取りつつベリアルインパクト。相手の機動力を削ぎ、混乱させ、防御面の能力を低下させる。
 鳴り響く駆動音。猿が複雑な機械を扱っているというシーンも中々にレアなものだが、これは死線だ。
 そんな優しいものではない。機動力を削がれていた子猿はすぐにゼフィラに追いつけない。
「後ろへ跳躍を!武器が伸びます!」
 ヴェルグリーズからの警告。なんと子猿の武器の柄が大きく伸びてゼフィラへ迫って来ていた。
「いやいやいやいや……」
 慌てて後退したので難を逃れはしたが。武器の構造的にそれはないだろうと思っていたが、そのまさかだった。もはや何でもありである。というより夢の中だからありえたのだろうか。
 ヴェルグリーズ自身も直感だったようでなんとも言えない顔だ。が、さすがに一回きりだったようでその武器から煙があがっている。子猿も悔しそうだ。
「こういう怪奇現象に遭遇するのは貴重な経験だと思うけれど、流石にそれを味わいたくはないかなぁ……」
 至極当然の意見と共に渾身の威力を乗せたソウルストライク。それが子猿を正確に捉え、貫いたーー。

●粉砕の子猿
 最後はシャルロッテ。
 相手は大きなハンマーを持つ子猿だ。
「ごきげんよう!」
 優雅に、柔和にスカートの裾を摘んでの挨拶。
 どこかの育ちのいいお嬢様である事が窺い知れる。
 だがシャルロッテの戦法は至極単純。
 いわく、殴って殴って殴り潰す脳筋スタイル。わかりやすい。
 互いに歩み寄り、火花を散らす。構える両者。
 殴ったら殴り返す。
 この打ち合いに勝ち、相手に恐怖を与える事を目的としたノーガード戦法。そこから連打される烈火業炎撃。
「あぁん、素敵な一撃ですわ〜〜〜♡うふふ、身体が滾ってきましてよ!!」
 死線。命のやり取り。後には引けぬ状況。自分が死ねば後ろにいる仲間も殺されるやもしれぬ。
その危機的状況が更に自身を滾らせる。
「おいおい……」
 Starsを含め呆気に取られる面々。楽しんでいるその様を見ているとそれも止むなしかもしれない。
両者血塗れになる死合。振り上げられるハンマー。
 だが、そのハンマーは重量物。振り上げられてから振り下ろされるまでに少し間がある。その隙を突いて背後に回り一瞬で胴体をしっかり掴み、気合いと共に反り投げ、子猿を叩きつける。鮮やかなスープレックスである。
 それが決め技となり粉砕の子猿は霧散した。

●その後
 気が付けばイレギュラーズの面々は気が付けば駅員室に戻って来ていた、新しい朝が来た。恐らくこれで猿夢の被害者が出る事はないだろう。
 そしてそれぞれの日常へ戻っていくのだった。

成否

成功

状態異常

なし

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