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シナリオ詳細

赤い道化師と大量『救済』

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 怪盗ハロハロが逮捕されて月日が経ち、大富豪リッチ・ネバーエンドはたくさんの宝石や芸術品に囲まれながら平和な日々を過ごしていた。ネバーエンド財団は怪盗ハロハロの逮捕をきっかけに解体され、彼はもう自身のコレクションがいつ狙われるかをおびえずに待たなくてもよくなった、はずだった。
 その日はイレギュラーズが手伝った時以来の豪華客船の旅の準備をしていた。以前は怪盗ハロハロの対策に頭を悩ませていたこの時間だったが、今では気軽に支度ができていた。リッチがあの日助けてくれたイレギュラーズに心の中で感謝していたその時、ある人物がリッチの前に現れた。その人物は鳥のような仮面をしており、体格は男とも女ともいえないものであった。
「貴方がかの怪盗ハロハロを捕まえた大富豪ですか……面白い、ならちょっとゲームをしましょうか?」
 いつかの訪問者のような突然の申し出に再度泡を食うリッチ。しかし、仮面の人物はその場を去らずに自己紹介をした。
「おっと、自己紹介が遅れましたね。ボクの名はウイング。そして、彼女が……」
 ウイングと名乗った人物が振り向いたところには誰もいない。
「……はあ、彼女は手癖が悪いですね。あとで叱っておかなくては」
「誰だ! まだ仲間がいるのか!」
 リッチはウイングに問いかけた。
「そうですね……まあ、この場で言ったほうがいいでしょう。ボクには相方がいましてね。名はレイと言いまして……」
 すると唐突に部屋のドアが勢いよく開いた。
「ふう、今日も一人『救済』してきたよー。あっごめん、遅れちゃった」
 現れた人物は帽子をしたピエロのような少女であった。
「はあ、『救済』は後でいくらでもできますから、今は面倒を起こしたくないので後にしてください」
 二人の言う『救済』に疑問を覚えているリッチだが、そんなことは気に留めずにウイングはゲームの説明を行う。
「それでは気を取り直して……貴方にはちょっとしたゲームをしてもらいましょう。数日後に貴方が乗る豪華客船を舞台に、僕らは『救済』をし続ける、いわば大量殺人が行われます。貴方はその中で僕らを見つけて捕まえてください。船内の人間があなた以外にいなくなったら貴方の負け、全員死ぬ前に僕らを捕まえれたら貴方の勝ち。簡単でしょう?」
 ウイングの仮面の奥の口から出る言葉に開いた口が塞がらないリッチ。その後ウイングとレイはそんなリッチを放って屋敷を去っていくのであった。


 今度はこっちの世界にもか……それにやろうとしていることもかなりえげつない、すぐに止めないとね。
 というわけで、君たちにはリッチと共に豪華客船での大量虐殺を止めてもらうよ。おそらくだけど二人はヒトならざる者で、船内に潜伏しながら行動を起こすはずだ。くれぐれも気を付けてくれ。

NMコメント

 最初はこんな長いシリーズをやるとは思いもよりませんでした。桃山シュヴァリエです。今回は『怪盗ハロハロを捕まえろ』の続編のような形になります。よければ前回作も読んでいただけると嬉しいです。

今回の目的
 ウイングとレイによる大量殺人を止める。

舞台について
 今回も前回同様にとある豪華客船で物語が行われます。船の甲板にはプールがあったり、船内にはカジノや大広間、それ以外にも豪華客船にありそうな施設は大体揃ってます。

エネミーデータ
 ウイング
  今回の標的の一人。常に仮面をつけており、その素顔は誰もしらないらしい。ナイフによる暗殺を得意とする模様。ヒントとして『パーティー会場か厨房のどちらかにはいる』というメモをリッチの前に残している。
 レイ
  今回の標的の一人。帽子をかぶっていてピエロのような恰好をしているヒトならざる者。ヒントとして『どこかの廊下で手品をしているかもしれない』というメモをリッチの前に残している。

登場NPC
 リッチ・ネバーエンド
  世界随一の大富豪。今回はボディーガードを数十人ほど雇ったらしいが、それでも不安はぬぐい切れていないようだ。なお、このボディーガードはプレイングでも使用可能である。

  • 赤い道化師と大量『救済』完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年07月01日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

アリア・テリア(p3p007129)
いにしえと今の紡ぎ手
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
雑賀 才蔵(p3p009175)
アサルトサラリーマン
Я・E・D(p3p009532)
赤い頭巾の魔砲狼

リプレイ


 境界図書館から豪華客船に転移したイレギュラーズたち。彼らは船内でそれぞれのかたちで準備を行っていた。
「悪いけど、ボディーガードを3~4人とボディーガード用の無線機、あと入り口が一か所しかない部屋を貸してくれないかしら?」
 まず初めに『汚い魔法少女』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)がリッチの部屋に訪れた。リッチのほうは最初は警戒していたが、よく見ると怪盗ハロハロを捕まえる時にも協力した人物だとわかり、快く彼女の要望を受け入れた。
「ふむ、今回は宝石などではなく人の命がかかっているからな。私にできることならなんでもしよう」
 そう言うとリッチはボディーガードと無線機をメリーに渡し、また彼女が要望する部屋の位置なども教えてくれた。メリーはボディーガードを部屋に向かわせてから無線機を持って移動するのであった。

「……というわけで、少しの間だけ私たちに協力してほしいんですけど、ダメですか?」
 船長室にて、『希望の紡ぎ手』アリア・テリア(p3p007129)は豪華客船の船長にとあるお願いをしていた。船長は少し考えた後ですぐに答えた。
「わかった。実は君の言っていることはリッチさんから既に聞いていてね、君とその仲間が解決を手伝うというのなら我々も尽力しよう」
 船長の承諾を得た後でメリーが無線機を持ってアリアのほうへ向かう。
「はい、持ってきたわよ」
「ありがとう、メリーちゃん。じゃあ、他の人たちにもこの無線機を渡してくれる?」
「わかったわよ。すぐに向かうわ」
 そう言うとメリーは踵を返して他の仲間のもとへと向かった。そしてアリアのほうは船長と船員に改めて自分たちに協力してもらうようお願いした。

「うーん。今回は悪い人を探すのがお仕事なんだね。良いよ、上手く行くかは判らないけど、最後の一人になる前には見つけてみせるから」
 『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)はどうやら今回の依頼に足してやる気はかなりあり、準備も念入りにしてきたようである。
「まあ、まずは凶器を持っているんだから、それを最初に探そうか」
 Я・E・Dはポケットから大量の携帯型金属探知機を取り出して、リッチのボディーガードと豪華客船の船員たちに渡した。
「あなたたちにはパーティー会場と厨房を出入りする人物の身体検査をお願いするね。とりあえず金属が反応する人がいたら、ナイフを持っていないか確認してね。本格的に怪しい人がいたら私が調べるから」
 彼らにそう言うと、Я・E・Dはパーティー会場に入ってウイングを探していった。

「ゲーム感覚での『救済』を謳う大量殺人か、随分と身勝手な救いだな」
 パーティー会場にてボーイとなった『アサルトサラリーマン』雑賀 才蔵(p3p009175)は客におもてなしをしながらウイングを探していた。
「さて、相手は仮面をつけていたというが……仮面を外して船員や乗客に紛れこまれると捜索には骨が折れそうだな」
 そう呟きながらも彼のサラリーマンとして培った人心掌握術は次々と船員や客の心をつかんでいた。その一方で彼自身は強化された五感をフルに使い、また自身のギフトの効果も活かして隠れようとしているウイングを探すのであった。


 順調に航海が進んでいく船の中、突然アナウンスが流れる。
「船内で危険物が見つかりました。お客様の安全を図るため、一旦自室に戻り、待機をお願いします」
 船長の声で流れたそのアナウンスは船内全体で流され、大体の乗客や船員たちはすぐに自室へ戻っていった。しかし、パーティー会場のほうではそうはいかなかった。というのも、危険物があると聞くと普通ならかなり慌ててしまうのは当然であり、それに加えて、その前で銃を隠し持ったテロ集団がパーティー会場にいたからである。幸いにもЯ・E・Dの指揮のもと身体検査を行っていたおかげで特に被害もなく収まったが、それでもパーティー会場内では不安が広がっており、そこで危険物が見つかったと聞いてはパニックになってしまうのは容易であった。
「ちっ、こうなるとウイングのほうも動きやすくなるな……だが、それならこっちも好都合だ」
 才蔵はパニックになっている会場内でギフトの効果に集中する。どさくさに紛れて火事場泥棒を働こうとする輩にも気づきながら、人ごみの中で殺人を実行しようとする人物を才蔵は直感的に把握できた。すぐにメリーからもらった無線機で他のメンバーに伝える。
「パーティー会場でウイングらしき人物を発見できた。応援を頼む」
 連絡をしてすぐにウイングのもとへ向かおうとする才蔵だが、突然どこからか拳銃が投げられてきた。
「才蔵さん、これはテロ集団から押収した拳銃です。よければ使ってください」
 無線機から聞こえた声はЯ・E・Dからだった。どうやら拳銃はЯ・E・Dが投げたもののようだ。才蔵は愛用の銃の代わりに、この拳銃を手に持ってウイングのもとに近づく。ウイングのほうは、丁度乗客の一人に密かにナイフを突き立てようとしたところであった。
「さあ、くらえ!」
 ナイフを振り下ろすとしたところで才蔵が撃った銃弾はウイングの肩に当たり、ウイングの手が止まった。銃声のおかげか、才蔵とウイングの周りは人が避けていく。
「はは、バレちゃいましたか」
 腕を撃たれても笑っているウイングを前に、Я・E・Dも合流して戦闘の準備をする。
「貴方達は殴り合いがしたいわけじゃないよね? どうするの? わたし達と殺し合う?」
「チェックメイトだ、こんな馬鹿げたゲームは終わりにしようか」
 二人はそれぞれ構えをとってウイングの前に立つ。ウイングもまたナイフを構えて臨戦態勢に入った。最初に動いたのはウイング、才蔵のほうに向かってナイフを振りかざしてきた。
「速い、だが読めてる!」
 それに対して才蔵はウイングのナイフをすぐに避けて至近距離からオ'レンジ・キスで背中を撃った。
「ではわたしもいかせていただこうかな」
 その後Я・E・Dのヴァイス&ヴァーチュでウイングは焼かれていった。戦闘後のウイングだが、このとき事情などを聴くために慈悲を加えていたため死なずに気絶されているのであった。


「あー、これは迂闊だったね……とりあえず廊下の映像を見ようか」
 ギフトによって船長の声に自分の声を変えてアナウンスを行ったアリアだが、パーティー会場でのパニックになっている現場を見て自分の行動を少々後悔する。だが、アナウンスによってパーティー会場以外の人々は部屋にこもり、廊下の映像には帽子をかぶったピエロのような少女の姿が映っていた。
「おそらくこの少女がレイね……一応他のみんなにも伝えておこう」
 アリアは無線機で例と思われる人物がいる場所を伝えた。しかし、他のメンバーはレイのほうに動けないことからアリアが自分で行くことになった。
「ところでこの敵、生死は問わないのかな……とりあえず生け捕りにしようかな」
 そう考えながら進んでいくと、アリアはレイを見つけた。レイの周りには風船が漂っており、また手にはリボルバー銃を持っている。
「はあ、邪魔者が来ちゃったね……爆散しろ!」
 レイは周囲に漂っている風船を操ってアリアに近づける。風船はアリアの蛇骨の調に当たると、音を立てて激しく爆発した。どうやら風船は当たると爆発することを理解したアリアは、風船やレイと距離を取りながら戦っていく。レイのほうは拳銃で応戦する一方で、爆発する風船を少しずつ部屋のほうに移動させていた。そしてアリアが気付いた時には時すでに遅し。レイが拳銃を使って風船を爆発させようとしたが……
「うるさいわね。もうちょっと静かにしてくれないかしら?」
 突如レイが黒いキューブに包まれていった。その背後にはメリーが立っていた。
「さ、今のうちにやりなさい。手加減はなしよ」
「わかりました。ではこれ以上いては船も危険ですのですぐに片付けましょう」
 メリーがスケフィントンの娘を解除すると同時にアリアはフルルーンブラスターをレイにぶつけた。彼女が倒れると、周囲を漂う風船は静かに消えていくのであった。


 そうしてレイとウイングによるゲームは終わりをつげ、乗客たちは船旅を楽しみ、イレギュラーズたちはカラオケで盛り上がっていたのであった。だが、その一方で……
「どうやらピエロは倒されたようですね。まあ、これでイレギュラーズとやらの強さがわかってので良しとしましょう」
 乗客の一人、シスター服を着た女性が甲板に一人で呟いた。彼女がどういった存在で、今後イレギュラーズとどうかかわっていくか。物語はまだ終わらない。

成否

成功

状態異常

なし

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