PandoraPartyProject

シナリオ詳細

【Tissier Town】レイニードロップを集めよう

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●この街にも、アメの季節がやってくる

 コン、コン、コン。
板チョコレートの石畳に、あめが落ちてくる。
しかし、それはただのあめではない。ここは何もかもがお菓子で作られた街、ティシエール街。

街のとある乙女と魔女の約束から生まれた、不思議な街。
故に、このアメの正体は。

「見て! これはピンク、こっちはオレンジ、白いのもあるわ!」
「んーいい匂い! って、白いのは薄荷か? そっちはあげる……」
「もー、リュカは本当に子供なんだからー!」

 生地がピンと張られた丈夫な傘を手に、街の人々は街を駆け抜けていく。
子供たちは飴の雨粒を掻き集め、その子等の親はたくさん集めたねと頭を撫でて。
若者達も己の成果を見せ合い笑い、老人達は
この街は、今日も平和だ。

「あだっ!」
「ちょっと大丈夫!?」
「……いてて……」

……ただし、今年の飴はいささか多い。
あのように、飴に足を滑らせ転んでしまう者も多い。
幸い、お菓子で出来た地面は普通のコンクリート等よりは柔らかく、怪我をしにくくはあるのだが。

「いやあ……毎年毎年、こんなに飴が降るんすね、この街は……」
「俺達は別に良いけど、マリア婆ちゃんとかが踏んづけちまったら大変だからなあ」
「いてっ」

ティシエールの自警団もせっせと飴を回収するが、飴を拾う間にも新しい飴が落ちてくる。
これらを全て集めるのには、骨が折れそうだ……。

●美味しく楽しい、あめの一時

「という訳でね、皆には、ティシエール街のお手伝いに行って欲しいの」

 協会案内人はストロベリーミルク色の髪を揺らして、イレギュラーズにそう語りかけた。
今、ティシエール街は梅雨の季節。混沌や、旅人の一部がやって来た世界がそうであったように、ここにも雨の季節がやってくるのだ。
しかし、お菓子のおかしな街に降る雨は、当然普通の雨ではなく、色味豊かなあめ、アメ、飴なのだ。

これを踏んで怪我をする者が居ないよう、降り落ちたものを回収してほしいというのだ。

「そういえば皆は、どんな味の飴が好き? あたしはフルーツ系の飴が好きかなあ」

でも、ミルクの優しい味わいも、ミントのスーッとした後味も良いよね、と彼女は笑った。


ーー貴方の手元にも、甘美な雫が届きますように。

NMコメント

 どうも、なななななです。
皆様、アメは好きでしょうか。私は飴は好きですが、雨はその時時によります。
以下、詳細になります。

●ティシエール街

 家も公園の遊具も外灯も、お菓子で作られた不思議な街です。
 
 街中のお菓子全てに不思議な魔法が掛かっていて、思いっきり踏んだり叩いたりすれば割れるものの、何をしても汚れる事はなく、食べてお腹を壊すこともありません。
また、食べてもまたすぐに、新しいものがどこかからやってきます。 
『チョコ噴水』『パフェ公園』『シュガーハーバー』『ハニー池』『ベークド通り』等、人気のスポットから寂れた裏通りまで、お菓子に覆い尽くされています。

 『ティーパーティー』を経てから、徐々に隣町や遠方の人々を積極的に招待するようになり、今やすっかり、観光客にも人気の街となったようです。
この街の発祥もまた、『お菓子の魔女の物語』として、街の所々で、密かに語られるようになりました。
『お菓子の魔女』の従者だというアイスキャンディーのゴーレムも、ティシエール街にある『ソーダキャンディの洞窟』に密かに暮らしています。

●目的

『飴の雨を集めること』。

ティシエール街にも梅雨が訪れ、アメが沢山降り注いでいます。
街の人々も好んでアメを集めてはいるようですが、如何せん今年は雨量(?)が多く、苦労しています。

そこを助けてあげてください。
尚、集めた飴については持ち帰るのも、その場で味わうのも自由となっております。

飴を集める場面、飴を味わう場面、雨の中で街の人々と交流する場面……好きな場面をプレイングで指定してください。

●その他
一章構成、締切は未定です。
合わせプレイング、もとい同行者がいらっしゃる場合は、同行者の方のお名前、キャラクターIDの記載をお願いします。

例:マチネ(p3pxxxxxx)と一緒に飴を集めるよ!



以上になります。
どうか、雨の季節を楽しんでください。

  • 【Tissier Town】レイニードロップを集めよう完了
  • NM名ななななな
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年06月23日 21時10分
  • 章数1章
  • 総採用数4人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

トスト・クェント(p3p009132)
星灯る水面へ

 ザアザアとティシエール街のチョコ石畳に鳴るのは、雨の水音ではない。
この音の正体は飴を箒で掃いてかき集める、トストの仕業だ。

「雨が飴になってるなんてねぇ、フフ、面白いや。もしかして雲は綿菓子でできてるのかな?」

 そう言って見上げた空は、色とりどりの雫を落としながら、ふわふわ雲が浮いていた。
その空から落ちてきたうちの、若葉を思わせる黄緑の飴をぽいと口に放り込めば、爽やかなマスカット味。雲にも似た白い飴は、まろやかなミルク味。

 しかし、このカラフルな飴の雨。何か活用法は無いのだろうか?

「そうだ!」

一見ほんわかしているトストだが、閃いたあとの行動は早かった。



 彼がたどり着いたのは、ティシエール街のとある空き地。
町長などに確認を取り、ここを使用することが許された。

 お菓子でべた付いた手を洗ったりするために、街の各所には水道もきちんと通っているらしい。
バケツに集めたキャンディと、たっぷりの水を入れたなら。

「そーれっ!」

 空き地に広がるのは、スケートリンクの氷の如く美しく固まった、色とりどりのカラフル模様。
しかしこれは氷ではなく飴。夏がくるまでは、すぐに溶ける心配は無い。

一仕事の終えたトストは水分補給をしようとサイダーに手を伸ばすと、フードからじゃらり、飴がこぼれ出た。

「あはは、こんなに溜まってたのかぁ」

だが丁度いい。それらの飴を、砕きサイダーに入れたなら。
自分だけの、カラフルな一杯の完成だ。

成否

成功


第1章 第2節

イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色

 ティシエール街で最も人の集まる場所、チョコレートの噴水前で雨を集めているのはイズマだ。

「アメの季節、か。飴が降るなんて言ったら夢のようだけど、よく考えたら意外と危ないよな」

 そう、何しろここに降るのは雨ではなく飴。小さい雨でもと当たればちょっと痛いし、踏んづけて転んでしまえば老いも若きも大変なのだ。
大きい箒とちりとりを借りて掃き集めれば、面白いように色、形、大きさ様々なキャンディが集まってくる。

 イズマはそのうちのひと粒……優しい黄色の飴をつまみ、そっと口に含んだ。喉に優しい、蜂蜜レモン味のようだ。
見た目にも楽しい飴粒を、こうして食べながら掃除できるのというのだから、掃除に飽きる事は無い。実際、イズマのように集めた飴を瓶に詰めたり、味見しつつ休憩しては、また掃除に戻るものも多く……ティシエール街の住人にとっても、この飴は毎年の恵みでもあるようだ。

イズマもまた、持参した瓶に好みの味を詰めていく。
スーッと鼻と喉を抜けていくミント味、見るだけで唾液の出そうな梅味、喉に優しいゆずと、さっぱり、爽やかな味が多く集まった。
瓶に詰められたそれらはキラキラと美しく、しかも美味であるのだからたまらない。

普通の梅雨は大地に潤いを与えてくれるが、ティシエールの飴は喉を潤してもくれるらしい。
箒の掃く音を伴奏代わりに、小さく歌を口遊む。

そんな彼の歌に、拍手のようにアメが降りてくるのだった。


成否

成功


第1章 第3節

天閖 紫紡(p3p009821)
要黙美舞姫(黙ってれば美人)

 平和で賑やかで美味しい街、ティシエール街。その案内に惹かれるように足を伸ばしたのは紫紡だ。
実際に街を見てみれば、なるほど確かに、降り注ぐ飴に歓喜する人々の声が聞こえてくる。

しかし。

「もうっフリオ、ちゃんと集めなきゃだめでしょー!」
「アメあめ飴ばっかでおれもう疲れちゃったよぉ〜」
「ぼくも食べ飽きちゃった〜」
「あーもーマリオまでーっ!」

 確かにこれだけ多くの飴を、ただ拾って舐めるだけでは、飽きてしまうものもいるだろう。
そこに紫紡がすっと歩み出る。……よし、転ばなかった。

「んっ、お姉ちゃんだーれー?」
「ここまで良く頑張りましたねぇ、ちょっと休憩にしましょっ!」

 そう言う彼女の周りを、色彩豊かな蝶が舞い始める。その光景に、子供達の目は紫紡へと釘付けになった。その間に、彼女はこっそり、着物の袂へと飴を回収し……。


「お姉ちゃん、すごーい!」
「綺麗だった……」
「頑張る皆にご褒美ですよ〜。はいっ」

彼女が差し出したのは、輝く衣をまとった杏に、いちごに、ブドウが刺さった串だ。

「ふふっ、これなら飴玉と一緒にフルーツも楽しめるから味が変わって新鮮でしょ?」 

少女からは「かわいい〜!!」と喜ばれ、少年はちゃんと味わおうと少しずつそれに齧りついている。これなら、丸呑みしてしまう事も無いだろう。

「これ超うめぇ!」
「ミック達も呼んでこようぜ!」

こうして噂が噂を呼び、紫紡はすっかり、子供達の人気者となるのだった。

成否

成功


第1章 第4節

チャロロ・コレシピ・アシタ(p3p000188)
炎の守護者

まだまだ飴の残る中、バームクーヘンでできた住居前の道。そこを、老人と一人の少年が掃いている。

「ありがとうねぇ、助かるよぉ」
「気にしないでよ、おじいさんの声が聞こえたから来ただけだし」

 住人も人通りも少ないベークド通りは、飴の回収が遅々として進まない。そこで作業を続ける老人の声が、チャロロの耳に届いた。故に、今こうして共に箒を握っているのだ。

「飴が降ってしかも食べ放題か……こりゃいいや」
「そうじゃろうそうじゃろう。これも食べてみるかね」

 薄く緑がかった、白っぽい飴をなめてみればスゥーッと、ミントの香りが広がっていく。チリトリの中で一等目立つ鮮やかなピンク色は、スモモ味。赤黒い色は、チェリー味だ。

「混沌にも持って帰れたらいいのにな……。この世界のお菓子、とっても美味しそうだもん」
「持って帰りたいのかい、坊や。それならこれをあげよう」

名残惜しげなチャロロに老人が差し出したのは、汚れのないキレイな空き瓶だ。

「いいの!?」
「今日わしを手伝ってくれたお礼さ。好きなだけ持って帰りなさい」

改めてチャロロは、自分達の集めた色鮮やかな雫達を見やる。
どれを持って帰ろう……悩みながら、もう一粒味見をしてみれば。

「うわっパチって! シュワってした!」
「はっはっは、これはソーダ味のようじゃのう」

何だか当たりを引いたみたいです、ちょっと嬉しい。
ボトルが少年の喜びで満杯になるまで、そう時間はかからなかった。

成否

成功


第1章 第5節

 今、貴方の手には、何色のあめがあるだろう。
赤、青、黄色、緑色。
あるいは、コーラの茶色。透き通った蜂蜜のような琥珀色かもしれない。

どのあめも、口に含めば、きっと貴方を幸せにしてくれるから。

だからどうぞ、梅雨のティシエール街にも、おいでませ。

PAGETOPPAGEBOTTOM