シナリオ詳細
はかりごとは晩餐の前に
オープニング
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某貴族の邸宅。
天蓋付きのベッドに横たわったまま、貴族の婦人は息苦しそうな様子で相手と対面する。
「それで、呪術師の……居場所は、つかめましたか?」
『強欲情報屋』マギト・カーマイン(p3n000209)からの報告を聞こうと、弱り切っている状態の婦人はか細い声で尋ねてきた。
マギトは恭(うやうや)しい態度を取りつつも、ある人物を揺さぶるために行動に出た。
「おや? ロイスさん――」
マギトは婦人のそばに控えている30代ほどの男――執事のロイスを名指しすると、
「すでにご報告されていると思っていたのですが……」
マギトに向けるロイスの目付きが一瞬変わったのを感じつつ、マギトは続ける。
「ラサの例の呪術師と何やら熱心に交渉されていたようなので、何か成果があったのかと思っていました。私の早合点でしたか?」
婦人も「それは、初耳だわ……」と不思議そうにロイスに尋ねた。
「ラサで何をしていたの?」
「実は――」
真顔になったロイスはわずかに間を置いた後、
「呪術師との交渉に応じるフリをして、奴を確実に仕留める作戦を進めているところなのです」
マギトは終始ロイスの表情を観察し、その裏に隠された意図を読み解こうとした。
「奴は他の仲間とも手を組んでいるかもしれませんし、それを探っていたのです。ここからはぜひ、ローレットの方々にもご協力を賜りたいと存じます」
マギトは「そういうことでしたか〜」とロイスの言葉にこやかに応じたが、すでにロイスの本性に気づいていた。ひとまず、その場ではイレギュラーズの派遣などについて打ち合わせを行い、マギトは婦人の居室を後にした。
マギトは全速力で屋敷から抜け出したい衝動を抑え、正門の方向を目指して、回廊を小走りで移動していた。
「あの男……クソやばい奴だな、おい!!」
マギトは、ロイスの反感を買うような行動を取ったことを半ば後悔していた。部屋を出る際に、ロイスは明らかに殺意を持った眼差しでマギトを睨んでいたからだ。
●
「皆さん、仕事を持ってきましたよ」
マギトはどこか落ち着きのない様子で周囲を見渡しながら、ローレットに招集されたイレギュラーズに向けて、依頼内容について説明する。
「貴族のブレア婦人からの依頼なのですが――」
ブレア婦人は呪術師のベロマという男に呪いをかけられ、病床に伏している。その呪いを解くために――。
「呪術師の男をぶち殺してほしいそうです」
ベロマは呪いを解く対価として大金を要求しているが、婦人は金を払うつもりはないという。
ブレア婦人の評判はすこぶる悪く、『パワハラクソおばさん』として有名だとマギトは評した。
「数え切れない使用人をクビにしてますし、相当恨みを買っているはずです」
マギトは深いため息をつき、苛立ち紛れに頭をかきながら言った。
「動機は不明確というか、大体わかりますが……執事のロイスとベロマはグルで、婦人の死を望んでいるのは間違いないです。そして、そのロイス殿から嬉しいお誘いがありまして――」
呪術師との関係にマギトが感づいていることを知ってか知らずか、ロイスはある提案をしてきた。金を受け渡すフリをするので、呪術師と会う現場に同行してほしい。そうすることで、呪術師を殺す目的を果たしてくれという提案だった。
きっと恐らくロイスの罠に違いないと、マギトは強調する。
「ブレア婦人に従順なフリをするために、今回の依頼で皆さんを利用するのが狙いかと……それに加えて、邪魔者を排除する腹積もりで間違いないでしょうね」
表向きはロイスを護衛することが依頼の主旨だが、呪術師と組んでいるロイスは何か仕掛けてくるだろう。
「ロイスから指定された場所ですが、サンド・バザールの外れに位置する場所でして……後ろ暗い取引、謀殺などに非常に適した場所のようです」
要するに、人が寄り付かないようなへき所である。
ブレア婦人に執事として仕えているロイスだが、婦人の警護を務めるほどの実力もあるという。ベロマも戦力として加わり、魔術師としての力を発揮してくるだろう。
依頼の詳細を聞かされていたイレギュラーズは、改めてマギトから懇願された。
「頼みましたよ! 次は多分きっと絶対確実に俺が狙われる番ですからね!!」
- はかりごとは晩餐の前に完了
- GM名夏雨
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年06月24日 21時40分
- 参加人数8/8人
- 相談6日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
イレギュラーズ8人は、ロイスから依頼された通りに、現地のサンド・バザールに訪れた。現地でロイスと顔を合わせた『元気なBBA』チヨ・ケンコーランド(p3p009158)は言った。
「おぬしを護衛するのはわしらじゃよ!!! おぬしの安全は、このチヨばあちゃんが保証するぞい!!!!」
大ベテランのチヨの風格に圧倒されつつも、イレギュラーズと顔を合わせたロイスは、改めて護衛の遂行を依頼した。
「今回は、お引き受けいただきありがとうございます。ベロマとの取引場所までの護衛、よろしくお願い致します」
マギトの密告を受け、ロイスの真の目的についてはすでに把握していた。イレギュラーズは護衛を請け負うフリに徹し、ロイスの案内に従うことでベロマの居場所を目指す。
『百合花の騎士』フィリーネ=ヴァレンティーヌ(p3p009867)は騎士としての性分もあり、使命感を抱いてロイスに付き従う。
――評判が良くないご婦人のようですけれど、命に関わるのであれば見過ごせませんわね。
一方で、ブレア婦人の現状に対し、それほど同情していない者も多かった。『天罰』アレックス=E=フォルカス(p3p002810)もその内の1人だった。
――愚かな女よな。因果応報とでも言うべきか……まぁよい。私には関係の無いこと。さくりと終わらせるとしよう。
依頼は依頼と割り切るものの、『正義の味方(自称)』皿倉 咲良(p3p009816)も、婦人の行いに強烈な印象を抱いていた。
――パワハラクソおばさん、なんて言われてるおばちゃんなんだよね……。怖いなぁ。そのおばちゃんが。
イレギュラーズ一行は、表向きはロイスにおとなしく付き従い、裏路地を抜けていく。
『鬼火憑き』ブライアン・ブレイズ(p3p009563)は、ロイスの動きをいつでも妨害できるよう、そばにぴったりと張り付く。何か言いたげに、頻りにブライアンを見返すロイスの視線に気づくと、
「護衛が護衛対象に張り付くのは当然のことだろ?」
ブライアンは肩を竦め、護衛の務めを果たすためだとロイスを納得させようとした。
「どうかご安心下さい。必ず守ってみせますから」
更に『砂漠の蛇』サルヴェナーズ・ザラスシュティ(p3p009720)にも促されると、ロイスはスムーズに歩みを進めた。
他の者と同様に護衛として振る舞う『剣靴のプリマ』ヴィリス(p3p009671)は、腹の底ではロイスの愚かさを嘲っていた。
――企みがバレていると気づかずに私たちを招き入れるなんて、おバカな人ね。罠を用意しているのなら、その罠事踏み抜いてあげましょう。
ロイスの背中を見つめる『plastic』アッシュ・ウィンター・チャイルド(p3p007834)は、ブレア婦人のことを考えながら心中でつぶやいた。
――彼の雇い主は、まるで尊敬に値する部分の無い人物に思えます。……だからとて、斯様な蛮行を見逃すこともしませんが。
一行はどんどんバザールの中心から遠退き、路地を抜けた先へとたどり着く。ほぼ砂地と岩だけの空き地の奥には、見るからに呪術師然としたローブを身に着けた人物の姿があった。
「金は持ってきたか?」
ローブの男――ベロマはロイスに向かって言った。
ブライアンはロイスと共にベロマの方へと歩き出し、他の7人はそれを遠巻きに見守る素振りを見せた。どこまで演技を続けるのか、ブライアンはロイスの間近でその動向を注視する。
ブライアンは、空き地周辺の建物の影に潜む男らの姿を見逃さなかった。クロスボウを持つ男を認めたブライアンは、「ハッハー!」と笑みを浮かべ、
「――準備はいいか? Rock 'n' Roll!」
ブライアンが合図を送った次の瞬間、ロイスは片手に提げていたトランクを、鈍器として振り回す。振り向き様にブライアンを狙ったロイスだったが、即座に反応したブライアンは大きく身を逸らす。
瞬く間に火蓋は落とされ、全員が拘束対象であるロイスへと一挙に距離を詰めた。それとほぼ同時に、物陰に隠れていた傭兵たちが姿を見せる。クロスボウの矢がイレギュラーズを狙うものの、動じるほどのものではないとばかりに傭兵らへ攻めかかった。
アレックスは水晶の輝きを放つ槍を瞬時に生み出し、剣を振り向ける傭兵らとかち合う。体術を駆使する咲良も、軽快な動きで相手の攻撃をかわし、巧みに反撃を繰り返す。
サルヴェナーズの両目を覆う眼帯の下からは、見た目にもわかるほどの強い輝きが放たれる。ほんの一瞬のように思われた魔眼の輝きは、充分に傭兵たちに影響を及ぼしていた。
「嗚呼……ごめんなさい、見逃して下さい――」
サルヴェナーズはあえて弱々しい態度を見せ、傭兵たちの油断を誘う。
「今回が初めての依頼なのです。私達にできることであれば、何でもしますから」
魔眼の催眠の能力によって、傭兵らはまんまとサルヴェナーズらの方へ引きつけられる。
ナイフを構えたロイスはブライアンをけん制しつつ、傭兵たちに指示を出す。
「相手は女、子どもばかりだ。とっとと片付けろ!」
本性をむき出しにしてナイフを振りかざすロイスだったが、体術を扱うブライアンの体さばきには及ばない。
ロイスとは違い、息切れひとつしていないブライアンは悠々と構えながら、
「もう少しで目標達成だったのに、瀬戸際で全部バレちまうなんてな」
――しかも、対処に駆り出されたのがイレギュラーズだと。
「ハッハー! 運の無いヤツらだ! 心底同情するぜ!」
憎たらしいほどに明朗に笑い声を響かせた。
ロイスや傭兵らが狙われる中で、真っ先にベロマを対象とする者も動いていた。
ヴィリスは真っ先にベロマへと接近し、義足の両足を利用した軽快な動きを見せつける。ステップを踏むように華麗に助走をつけたヴィリスの姿は、一瞬でベロマの目の前に迫っていた。剣そのものの刃を備えたヴィリスの義足はベロマの脇腹をかすめ、そのローブを切り裂いた。
ベロマは砲弾がかすめたような衝撃によろめき、チヨはその隙を狙って突撃する。
「おぬしらの悪事は、まるっとお見通しなのじゃーーーーっ!!!!!!」
その老いた見た目に反し、チヨは砂煙をあげるほどの速さでベロマに急接近する。クロスボウを構えていた傭兵はその速さに目を見張るばかりだったが、ベロマは自らの魔力を放って応戦しようとする。宙で身をよじるチヨは、投げナイフのように放たれた魔力の刃から身を逸らした。
ベロマにチヨを止めることはできず、振りかざした拳骨から放たれるクソ重い一撃を受け止めた。
ローブを翻すベロマは、チヨの視界を遮ることで追撃を逃れようと距離を取る。しかし、アッシュはチヨたちとベロマを取り囲むようにして、透かさず攻撃に移る。
「このような悪事に力を貸すべきではありませんでしたね」
――例えその相手が誰だとして、悪事が赦される訳でも、見逃されることもないのです。
雷の力を操るアッシュは、瞬時に雷撃を瞬かせる。宙に瞬く電流は蛇のようにうねり、ベロマに向けて雷の牙をむき出した。
アッシュらに続こうとするフィリーネは気炎をあげる。
「わたくし、悪事は許せませんの! 覚悟していただきますわ!」
身の丈を遥かに超える超大型の盾を扱うフィリーネは勢いのままに迫り、ベロマを圧倒する。
巨大な盾を軽々と扱うフィリーネは、周囲の砂を吹き飛ばしながら、ベロマに向けて盾を突き出す。それほどの衝撃を受けてもなお、ベロマはその場に踏み止まっていた。魔力によって展開された半透明の障壁を駆使し、ベロマは衝撃を受け止めていた。
更にベロマに対する追撃を試みたが、クロスボウの矢に晒さられるフィリーネたちは退避を余儀なくされる。
ベロマは自らの魔力を引き出し、様々な形状に変化させることでイレギュラーズに応戦する。魔力によって形成されたムチを振り回し、接近しようとする者らをけん制していく。
サルヴェナーズの能力により、剣を構えた傭兵たちは目の前の標的に意識を引き寄せられる。
「どうなさいましたか。私達を簡単に始末するのでは?」
身構えつつ挑発するサルヴェナーズに同調し、
「そうそう、このままじゃ雇い主の人に怒られちゃうよ?」
咲良も傭兵たちが冷静さを失うことを狙って、無邪気に神経を逆撫でする。
「小娘が、調子に乗るな!!」
傭兵の1人――傭兵Aは怒りに任せて突貫してきたが、即座に反応した咲良のスピードには敵わなかった。剣を叩き落とす手刀から、流れるような鮮やかな動き――傭兵Aの顔面に咲良の回し蹴りが直撃し、傭兵Aはいくらも保たずに弾き飛ばされた。
「ガキとか小娘とか言うなー! アタシには! 皿倉咲良って名前があるんだよー!」
すでに意識を失っている傭兵Aに向かって反論する咲良。その咲良を見る
傭兵たちの目付きは変わっていた。アレックスやサルヴェナーズは、相手に怖じ気づいている暇を与えずに攻めかかる。
槍を振り向けるアレックスを迎え撃とうとする傭兵Bだったが、アレックスの槍さばきは相手を圧倒する。傭兵Bの動きを見切り、すべてを貫く勢いで相手を突き飛ばす。
肌を覆う面積からして、鎧らしくない鎧を身に着けているサルヴェナーズは、粘土状にうごめく鎧の一部を変形させる。
サルヴェナーズは鎧の一部から棘状の鋭利な刃を生み出し、剣を振りかざす傭兵Cを抜き様に裂傷を刻んだ。
ナイフを構えたロイスは、ブライアンに向けて明確な殺意を示し応戦する。
「もう少しで計画がうまくいくんだ、邪魔をするなら消えてもらう!」
ブライアンはロイスを拘束する方針を念頭に置きながらも、「殺さない程度に相手すんのも骨が折れるぜ」と言いたげな渋い表情を浮かべていた。無論ロイスはそのことに構うことなくナイフを振り回す。
蹴り技の構えを見せたブライアンは、勢い余ってロイスの脇腹に鋭い一撃を放った。突き飛ばされたロイスは、明らかに鈍い音を立てると共に激しく地面を転がる。
「ああ、そっちの骨が折れちまったか?」
そうつぶやいたブライアンを睨みながら、ロイスは執念深く立ち上がった。
一方で、ベロマはクロスボウを扱う傭兵の援護を受けながらも、アッシュたちに追い詰められていく。
アッシュは迅速な動作で自身の力を集中させると、
「あなたたちの蛮行は、見逃せません!」
激しく瞬く聖光をその手に宿す。
アッシュの攻撃は、光の奔流となってベロマへと放たれた。魔力の障壁を展開するベロマは、アッシュの聖光を相殺することに傾注する。しかし、強烈な光に視界を覆われたことによって、ベロマは更なる追撃を許す。
「ほあーーーーーーーーーっ!!!!」
透かさずベロマへと飛びかかったチヨは、ベロマのミゾオチを強打することで意識を失わせた。
各々が目の前の相手を追い詰めることに集中していたが、ブライアンはクロスボウを構えた傭兵Fに狙いを定められる。死角へと回り込む傭兵Fが視界の端から消え、ブライアンは直感的に攻撃を察知した。傭兵Fの放った矢は、わずかな差でブライアンの右脚をかすめていく。
わずかに生じた隙を狙い、ロイスは手負いながらもブライアンに迫ろうとした。しかし、ヴィリスはロイスの動きに応じて透かさず攻めかかる。
ヴィリスの飛び蹴りに狙われたロイスは、身をそらす素振りを見せた。咄嗟に急所をかばうロイスだったが、容赦なく突き飛ばすヴィリスの一撃が襲う。衝撃を受け流す間もなく宙で一回転し、うつ伏せに倒れ込むロイス。ヴィリスはロイスのふくらはぎを踏みつけようとする。容赦なく刃のヒールを突き立てようとしたが、ロイスは地面の上で体を回転させてヒールをかわす。
態勢を立て直そうとするロイスだったが、アッシュはロイスの動きを封じようと、即座に光の攻撃を放つ。
アッシュと応戦するロイスの動きに合わせるように、クロスボウを構えた傭兵らは狙いを定めた。しかし、巨大な盾を手にしたフィリーネは、その傭兵らをけん制する。盾を突き立てた衝撃で大量の砂を吹き飛ばし、傭兵らの視界を遮る。
「わたくしがまとめて相手をして差し上げますわ!」
盾を掲げたフィリーネが攻撃を引きつける間にも、チヨはロイスの身柄を押さえるために拳を振り向ける。
「おぬしに必要なのはじゅじゅちゅ(呪術)じゃのぉて――」
チヨが『呪術』を言えていないことなど、気にしている余裕はロイスにはなかった。連続で突き出される拳の応酬に、ロイスはわずかな間耐え抜いていたが、
「ホアイトな職場環境なのじゃーーーーーっ!!!!!」
更にスピードを増したチヨの一撃がロイスのミゾオチ付近を捉え、意識を失ったロイスはその場にくずおれた。
傭兵らの雇い主であったロイスが倒れたのを認めると、
「まだやるかしら? アンコールは受け付けるわよ?」
ヴィリスは複数の傭兵らを威圧し、解散を促した。
咲良も傭兵らに向けて逃げ道を示す。
「アタシたちは、そこにいるロイスとベロマって人に用があるだけだよ。邪魔しないでくれるよね?」
その言葉に促されるように、傭兵らは次々と戦場から離脱していく。
後ろ手に縄で縛られた状態のベロマは、気絶していた状態から覚醒する。その直後、ベロマは自身を見下ろすチヨと視線を交えた。
ベロマに呪いを解かせようと凄むチヨだったが、うなだれるベロマのローブの間からは、壊れてぼろぼろに砕けた人形――粘土を焼成して作った器具のようなものが落ちてきた。
「ありがとよ、計画を台無しにしてくれやがって!!」
恨み言を吐くベロマの態度からして、何か呪術のために重要な道具が壊れたことに違いないようだ。
「此の様な企てをしたこと。其れ自体が間違いなのです」
アッシュはベロマに対し、毅然とした態度で言い放つ。
アッシュも貴族であるブレア婦人の振る舞いに思うところがない訳ではなかった。
倒れたままブライアンに引きずられるロイスを一瞥すると、アッシュは言った。
「どんな理由があろうと、誰かから奪うことを肯定する理由には、ならないのです」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
ご参加ありがとうございました。
ベロマとロイスは、然るべき方の裁きを受けることになるでしょう。
GMコメント
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●情報屋からの挨拶
「はじめましての方は、はじめまして。マギト・カーマインと申しま――なんて挨拶してる気分でもないのですが……金のために首を突っ込み過ぎたことは反省していなくもないですが、お貴族様の金に罪はありません。悪いのはすべて、色ボケババアに媚びを売る性悪執事なんでね。くれぐれもよろしくぶちのめしてくださいね」
●成功条件
ベロマ、ロイスの暗殺。あるいは身柄の拘束。
●戦闘場所
正午過ぎ。ラサのサンド・バザールの外れ。人通りの少ない場所。
現地に集合し、表向きは警護をする名目で、ロイスの案内で向かう流れになります。
●敵について
ベロマ、ロイスの両名に加え、ロイスが雇ったラサの傭兵10人。計12人。
ロイスらはナイフ、剣などの近接武器を扱う。基本的な攻撃は物至単。傭兵の内、5人はクロスボウ【通常レンジ3】を扱う。
ベロマは、【失血】【呪い】を付与する攻撃(神中単)を行う。
個性豊かなイレギュラーズの皆さんの参加をお待ちしています。
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