PandoraPartyProject

シナリオ詳細

エンドレスクリーク

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●邪神と死神と、人と
 『クリーク』と、その場所は呼ばれていた。
 飛行生物の背に乗り、黒く切りのかかった谷を進む。
 メガネをかけた騎士が声を上げた。
「会敵報告多数! 距離100!」
「邪神と死神の混成部隊です! 敵個体数測定不能!」
「構わん、全軍降下。悪魔どもを討ち滅ぼせ!」
 白いひげを蓄えた騎士が叫ぶと、拡大された音声が『降下! 降下!』と呼びかけた。
 飛行生物の背より次々と騎士たちが降下し、黒い霧を突き抜けていく。
 晴れた視界に見えるのは、形容しがたい怪物の群れ。
 腕の七本ある虫と巨人の混成怪物が降下中の騎士をつかみ取り、悲鳴をあげて剣を抜くその腕を引きちぎると胴体までもを食いちぎっていく。
 更にはそらとぶ蛇が騎士たちをまとめて三人食いちぎり最後の一人を丸呑みにすると、毒霧をあたり一面に吹き出した。
 すでに多数の死者を出しながらも降下に成功した騎士が地面をロールし、抜いた剣で魔物の足を切り落とす。その上をマジックライフルを連射する騎士が通り抜け、飛行蛇を撃ち落とす――が、その直後に巨大な飛行ムカデに食いつかれ鎧もろとも真っ二つに切断された。
「止まるな! 進め! 我らの敗北は村落の滅亡と同義! 退くことは、残した家族の死であると思え!」
 誇りを胸に走る騎士たち。
 目の前に、後ろに、あまた転がる同胞の死を踏み越えてまで、彼らは突き進む。
 恐るべき邪神と死神を倒すべく。
 その先頭をはしる騎士のドッグタグには、こう書かれていた。
 ――『IDEA』

●終わりなき戦争
 ここは練達、セフィロトのログインルーム前。
 集められたイレギュラーズはROOへのログイン準備を進めていた。
 彼らを出迎えたのは白髪の研究員である。どうやらROOの中で異常存在のデータ内に魂を取り込まれていたところを、イレギュラーズたちの活躍によって助けられた人物であるという。彼は救出された中でも目覚めるのが早く、そして職務に復帰するのも早かったようだ。
「あのときは助かったよ。まあ、記憶があったわけじゃあないがね。君たちが来てくれなければ最悪一生植物人間さ」
 冗談めかして言うが、今まさにその状態にある人々にとっては冗談ではない。無論、その身を持って体験した彼はそれをよく承知していた。
 そう、これは練達の一大プロジェクト。仮想の混沌世界を作り法則を解明するというその研究過程で起きた不明なバグによってログイン中の研究員たちが魂(ないしは意識)ごと囚われてしまうという事件がおきた。
 イレギュラーズは同じ用に仮想世界へログインし、囚われた意識を『クエストの達成』という方法によって解放していく依頼をうけたのだった。
「君たちが以前の『クエスト』を達成してくれたおかげで次のクエストが判明した。
 ネクスト世界内の『死出の谷』と呼ばれる正義北部の魔境だ。
 この場所では『鎖の邪神』と『傲慢なる死神』という2つの存在が支配し、大量に生み出した魔物を正義国へと送り続けている。
 これらの根本的討伐のため派遣された騎士大隊はこの魔物軍団と激突。大量の死者をだしながらも激戦を続けている」
 『続けている』というニュアンスで、数日程度のものと考えたマカライト・ヴェンデッタ・カロメロス(p3p002007)とリュグナー(p3p000614)。それに対して、研究員はゆっくりと首を振った。
「およそ一年に渡って、繰り返されているんだ。『人類側が全滅する』という結末を、およそ300回以上繰り返しループさせている」

 今回の依頼内容はこうだ。
 ROOへアバターを用いてログインし、この『終わりなき戦争』を人類軍の勝利という形で終了させること。
「バグの影響か、人類側も魔物側も戦闘能力がやや落ちているようだ。相対的に見れば、君たちのアバターのほうがスペックでかなり優位に立てるだろう。
 ……だが敵の数は膨大。優位にたったとは言っても半数程度の死者は覚悟してくれ。
 なに、アバターが死んだところでディスカウントがひとつ増えるだけのこと。魂ごと囚われたりはしないさ」
 自分が体験したからこそのブラックジョークを言って、研究員は肩をすくめた。

GMコメント

●クエスト
・成功条件:『終わりなき戦争』を人類側の勝利で終了させる
・オプションA:騎士団長イデアを死亡させる
・オプションB:騎士団長イデアを生存させる

●フィールド情報
 総員は飛行生物によって谷上空へと侵入し、支給された使い切り型簡易飛行アイテムによって降下。魔物が大量に密集しているエリアへと襲撃をかける。

・降下パート
 部隊の降下中は敵の攻撃にさらされることになる。
 防御を固めたり危険そうな敵を攻撃によって排除するなどの対策が必要になるだろう。
 自力での飛行能力があれば、やや有利に立ち回れるかもしれない。

・地上戦闘パート
 魔物の群れを相手に、人類軍に混じって戦闘を行う。
 バグによって全体のレベルがダウンしているなか、イレギュラーズたちは頭一つ抜けた精鋭戦力として活躍できるだろう。
 ただし敵もまた大量にあるため、この時点での死者が発生する可能性あり。

・ボスパート
 このエリアを支配している2つの強大な魔物『鎖の邪神』と『傲慢なる死神』。
 戦闘能力は全くの未知数で、人類軍も百回くらいはいいところまで行くもこの2つの存在によって皆殺しにされているという。
 このパートは決死の覚悟で挑む必要があり、時には命を犠牲にして活路を見出す必要があるかもしれない。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はCです。
 情報精度は低めで、不測の事態が起きる可能性があります。

●ROOとは
 練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
 練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
 R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
 練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
 自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline

※重要な備考
 R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
 現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。




遘√r隕九▽縺代※

  • エンドレスクリーク完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別通常
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2021年06月09日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

ニアサー(p3x000323)
Dirty Angel
プロメッサ(p3x000614)
UNKNOWN
神様(p3x000808)
R.O.Oの
ゼロ(p3x001117)
よう(´・ω・`)こそ
雀青(p3x002007)
ガジェッティア
セフィーロ(p3x007625)
Fascinator
ベネディクト・ファブニル(p3x008160)
蒼竜
現場・ネイコ(p3x008689)
ご安全に!プリンセス

リプレイ

●終わらない戦争と、邪神
 大空を舞う巨大鳥とそれにくくりつけられた鞍。『Dirty Angel』ニアサー(p3x000323)ははるか眼下に広がる悪魔の群れを見下ろして、あえて薄く笑った。
 この鞍から幾度も騎士達が飛び降り、そして誰一人として帰らず死んだ。それがもう何回も繰り返されている。
 誰一人、繰り返される死を自覚せぬまま、誇り高く戦いそして死に続ける。
 ここはそういうバグに飲まれた空間だ。
「敗北のループを終わらせれば、何かがわかるのかな? なんでもいい。とにかく――」
 安全ベルトを外し、ニアサーは宙へと飛んだ。
「ニアサーは、止められないよ!」
 力の一つを解放して魔法の翼を広げると、ニアサーは飛びかかる巨大な飛行トカゲの魔物を回避。すれ違いざまに抜刀し、相手の翼を切り裂いていく。
「全滅する結末を繰り返すことになる終わりなき戦争……か。彼等にとっては自覚がないモノであってもちょっとゾッとしちゃうな」
 同じく飛び降りた『ご安全に!プリンセス』現場・ネイコ(p3x008689)はきりもみ回転しながらマジカルステッキを掲げプリンセスチャージ。魔法少女プリティ★プリンセスへと変身した。魔法の光を放ちながら空を飛び、地上から放たれる骨の矢を次々と回避。翼を生やした巨大な眼球型モンスターをステッキで殴りつける。
「だからこそ、終わらせよう。私達はその為にやって来たんだからっ!」
 同じように降下し、神威をもって飛行する『R.O.Oの』神様(p3x000808)。
 光を放ち、神の雷を振らせながらモンスター達の中を突っ切っていく。
(神徒たる人類を神自らが勝利へ導く
 本来であれば手を出すべきではないが、
 敵対者が死神 邪神と相成れば話は別だ。
 巡る苦痛が数多の歳を越え、
 果ては永劫続くかも知れない。
 苦楚輪廻から騎士達を救済する為、
 我々がその因果因縁 須らくを撃滅す)
「靉靆たる邪悪よ 神光に失せよ」

 一方こちらは完全な自由落下をしている『よう(´・ω・`)こそ』ゼロ(p3x001117)。
「ん、そのまま落下死するよりはマシだけど付け焼刃じゃ上手く飛べないね」
 アクセスファンタズムを起動して小型装甲車モードにチェンジすると、大砲を真下に向けた。
「こんな代物だ、撃てなくなる前に撃ってしまえ!行くぞ! ターゲットロック! アトラース!!」
 砲撃が走り、空を飛ぶモンスターたちを突き破っていく。直後、同じく自由落下状態にあった『Fascinator』セフィーロ(p3x007625)とと『白竜』ベネディクト・ファブニル(p3x008160)がこれ幸いとばかりにゼロタンクへと飛び乗り、盾にする形で着陸軌道へと入っていく。
 覗き込むと、着地寸前の無防備な状態を狙ったモンスターたちが牙をむき出しにして笑うような顔をしていた。
「こいつは現実じゃない。……そう分かってはいても、頭が痛くなる絵面ね」
「飛行戦闘はあまり経験は無いが、しのごの言っては居られんか!」
 二人はぴょんとゼロタンクを蹴って飛ぶと、降下よりずっと前に簡易飛行装置を使って減速。ベネディクトはポメラニアン型のボディをボールのように丸めて回転させると、覇気を纏った力の球体へと変わった。
「いいこと教えてあげるわ。こうやって飛び降りる時はお決まりの台詞があるのよ」
 くるんと反転したセフィーロが、球体となったベネディクトをオーバヘッドキックで地上へとたたき込む。
「『ロックロール』!」
 着地狩りを狙ったモンスターたちがその衝撃でもって吹き飛び、燃え上がる炎の波によって転がっていく。
 彼らを通り抜け別の部隊を狙うモンスターたち。空を泳ぐ三つ首の大蛇は毒の霧を吐いて吼えるが、『ガジェッティア』雀青(p3x002007)は知ったことではないとばかりに抜刀。青い音の塊を放射すると、大蛇の精神を切り裂いていった。
「『終わりなき戦争』で『人類側の勝利』か……。ボスの存在といい、どうも混ざっている……。
 ただ今回は終わらせないようにしなくていいのは救いか。全力でクリアすればいい訳だ。
 しかし……完全に出力されてるのか不明だが、二度と聞きたくなかった名前の邪神だ」
(……コレも探して欲しいからのか……?)
 つぶやく雀青。その横を『UNKNOWN』プロメッサ(p3x000614)がきをつけの姿勢で突っ切り、身を丸めてロールすると真空を蹴ってジグザグに飛び始めた。
(もしかしたら別人やもしれぬ。本物だとしても、恐らく覚えてはいないだろう‥‥‥だが)
 狂気に飲まれた大蛇の側面をとると、鋭いキックでその巨体を貫き、そして豪快に着地。
 拳と片膝を地に着けると、仮面越しに赤い光を淡く光らせた。
「約束通り、助けに来たぞ――イデア」

●人類のための行軍歌
 スラスターを小刻みに使用しながら落下姿勢を調整したゼロタンク。あえて豪快に着地し衝撃を放つと、ぱかんと車体を解放してゼロ人間形態へと変化。
「さぁクリークといこう!この長い長い闘いに終止符を! ここからはアクセル全開だ!」
 抜いた剣をかざすと無数の幻影剣が発生。それらを操りながら魔物達を次々に切り裂いて突き進む。
 両手を骨の剣にした魔物が立ち塞がるが、つばぜり合いから即座に幻影剣を四本同時に突き刺して抹殺すると脱力した相手の脇をすり抜けて進んだ。
「騎士団長たちの部隊がかなり先に行ってる。追いつこう!」
「確かに、そうした方が良さそうだ」
 雀青は刀を抜いて鞘を放り投げると、両手で握って走り出した。
「――『前奏たる赤の剣(プレリュード・レッドミスト)』」
 剣に赤く澄んだ霧を纏わせ、前傾姿勢からの急加速によって立ちはだかる魔物へ次々に斬撃を浴びせていく。
 彼女を足止めしようと放たれた粘液が次々に付着するが、霧の剣を振り込むことでそれを同時に振り払っていた。
 黒い雷が打ち込まれるも、それを剣で切り裂きながら直進。
「本懐を遂げる為にも 往く。
 我々が居る 勝利し 帰るぞ」
 そこへ神の奇跡『雷』を起こす神様。一瞬の閃光がはしり、一瞬おいて放たれた破裂音が魔物たちを吹き飛ばしていく。
 それによって動きの鈍った魔物達へ手をかざし神の奇跡『炎』を追加発動。
 たちまち炎に飲まれた魔物はそれを振り払おうと暴れるも、痺れた身体によってけいれんしやがては黒く燃え尽き倒れ伏した。
「解るぞ。イデアはこの先だ。ベネディクト、手を貸せ」
「承知した!」
 空中をジグザグに蹴りながら進むプロメッサ。
 巨人型の魔物が彼を殴りつけようと拳を繰り出すも、空中前転からの真空蹴りによって直角にカーブした彼によって空振り。否、彼のボディを軽くかすめる程度の当たりかたはしたものの、それによっておきた回転をそのまま推進力に変えて巨人の腕を駆け上がり、駆け抜けた首筋に尾から伸びたコンバットナイフを滑らせ跳躍。血を吹き出して倒れる巨人を更に踏み台にし、ベネディクトも跳躍。口をぱかっと大きく開くと、黄金の光をビームとして発射した。
 連なっていた魔物達が次々と吹き飛ばされ、咄嗟に魔術障壁をはった魔物もその障壁ごと打ち抜かれていった。
「我々は味方だ、道を拓こう! 信じる、信じないは諸君らに任せる!」
 着地し頭をあげたベネディクトの姿に、まわりで戦っていた騎士達がざわついた。
 彼の外見を裏切るほどのカリスマが溢れていたがためである。
 ベネディクトは周囲を見回し、そして顔をしかめる。
「敗北の歴史がループし続ける空間、か……バグの塊だな。Fevnirもエラー情報の滝にパンクしそうだ」
「だが、これで終わりにする」
 雀青やゼロ、神様たちも加わり最前衛の部隊に合流すべく彼らは突き進んだ。

 白銀の鎧を纏った騎士がマントをなびかせて走り、魔物達を次々と斬り捨てていく。
「止まるな! 進め! 我らの敗北は村落の滅亡と同義! 退くことは、残した家族の死であると思え!」
 突き出した剣は騎士達を鼓舞し、瞳には炎が宿る。
 彼の名はイデア。この戦いを指揮する人類側の騎士団長である。
 彼を潰すことが効率的だと察しているのだろう。魔物達も集中的にイデアを狙い群がるが――。
「風穴開けて推し通ってやろうじゃないの」
 サイバーバイクに跨がり魔物を次々に跳ね飛ばしたセフィーロがスライドブレーキをかけながら停止。巨人のスタンピングからバイクより飛び退くことで回避すると、イデアの隣へと転がって立ち上がった。
「助かった。君も騎士か!」
「何。通りすがりの正義の味方よ」
 そこへ帯電発光する無数の球雷が殺到。セフィーロたちの頭上を越えると、巨人へと次々にぶつかっていった。
 手をかざし、イデアたちに並ぶように立つニアサー。
「皆には色々考えがあるようだが、ニアサーは『どちらでもよい』と考えてるよ。
 仮に死んだとしてもきっとまた会える。ニアサーにはそれがわかるから」
「君たちは一体……」
 不思議そうに見るイデア。その頭上を豪快に飛び越えて飛ぶネイコ。
「プリンセスストライク――ダブル!」
 ぐらついた巨人のボディに拳をたたき込み衝撃を送ると、もう一度発生した衝撃によって巨人を吹き飛ばした。
 両腕を広げるようなポーズで着地。イデアたちへと振り返る。
「私達も皆を守りたいって気持ちは一緒だから貴方達に協力させてもらうよ!」

●正しいかどうかじゃない。どうしたいかなんだ。
 魔物を次々と倒し『死出の谷』を進む人類軍。決して少なくない犠牲を払いながらもついに最深部へとたどり着いたところで――。
「ついに来たね」
 剣を水平に構え、素早く呼吸を整えるニアサー。
 神様も両手を合わせ、薄めを開いた。
「この好機 物にするぞ」
 眼前の大地を突き破って空へと登る無数の鎖。
 鎖が大量に組み合わさり編み上がり、巨大な柱を形成した。
 柱の鎖が粉々に砕け散り、その中より人型の悪魔が現れる。
 名を『鎖の邪神』。
 雀青の記憶の中にあるものに、近いようで違う。
「黒鎖の、と呼ばれてないだけ感謝しておく。忌々しい『アレ』よりはマシだからな……!」
 雀青は剣に赤い霧を纏わせて突撃。
 神様も手をかざして神の奇跡『炎』を発動させた。
 燃え上がる炎が鎖の邪神を包み込み、そして閉ざしていく。
 対して鎖の巨人は全身から生やした鎖を振り回し暴風を起こすことで炎を払い、そしてはれた炎を破る形で突撃したニアサーと雀青の剣を鎖で受け止めた。
「攻守共に整ったこの動き……忌々しくなるくらい、『知った』動きだ!」
 雀青は鎖に剣を引っかけて固定すると、それを踏み台にして跳躍。
「――『輪舞する青の大鎌(ロンド・ブルーエコース)』!」
 音波を放射。青き波が鎖を貫通して鎖の巨人へ降り注ぎ、そこへニアサーの起こしたつむじ風が吹き抜ける。否。ニアサー自身がつむじ風となって駆け抜け、そして鎖を次々に断ち切っていったのだ。
「…………」
 断ち切られ落ちていく鎖の破片を見ながら、なにか言いたげに目を細める鎖の巨人。
「この世界は仮想空間なのだろうけど、ボクにとっては守るべき仲間なんだ! この戦いで倒れていった彼らの無念をこの剣に乗せて!」
 無防備となった鎖の邪神めがけ、ゼロが突っ込んでいく。
 エネルギーを一点集中させた剣が青白い光となって鎖の邪神を貫いた。
「ボクは復讐者! 報復の剣をその身に受けろ! ヴァーミリオン・ロアーッ!!」

 戦いが決着に向かおうとしているその一方、プロメッサは十八連続の斬撃を浴びせられ吹き飛び、そして地面をバウンドしながら転がっていった。
「く、う……」
 小さく呻き、そして身体を起こす。
「傲慢なる死神――その姿、やはり貴様は」
 ゆっくりと迫る『傲慢なる死神』。手にした鎌の鋭さを、その恐怖を、プロメッサは脳裏に思い描く。
「立って、プロメッサ!」
 側面から急速なカーブをかけて突っ込んできたネイコ。魔法の力を纏ったソバットキックをたたき込むと、傲慢なる死神は鎌の柄でもってそれを防御した。
 ――直後、まっすぐ突っ込んでいったセフィーロが傲慢なる死神へと飛びつき、両足をつける。その勢いのままドロップキックの勢いで突き飛ばした。
 二人は宙返りをかけ、プロメッサの左右に着地。
 セフィーロは前髪を払って唇の片端だけで笑った。
「パパに怒られた思い出でもよぎったかしら?」
「フン……言い得て妙だな」
 プロメッサは鼻で笑うように、もしくは笑い飛ばすようにして立ち上がる。
 そこへ、剣を握ったイデアが並んだ。
「下がるんだ、皆。君たちが命を賭ける必要なんてないんだ!」
「必要かどうか、ではない」
 ベネディクトがゆっくりと歩き、彼の前に出て構える。
「鎖の邪神に高慢なる死神か、この魔物の為にどれだけの犠牲が出たのか……。
 だが、何か変化があるとすれば今日この日に相違はないだろう。
 ──この戦いに死力を尽くしている人類軍の皆の為にも必ず勝つ!」
「そういうことだ」
 プロメッサは同じように前へ出ると、両手でぎゅっと握りこぶしを作って身構えた。
「必要だから貴様を助けるわけではない。そうしたいと、私達が考えたからだ」
「……」
 何かを言い返そうとして、イデアは口を閉ざした。
「すまない」
「いいんだ」
 そして改めて、全員が走り出す。
「――私は今、産まれて初めて貴様に反抗する。
 さぁ、盛大な親子喧嘩と行こうではないか!
 この命に代えても、貴様を止める!」
 跳躍し、黒き閃光を纏って跳び蹴りを放つプロメッサ。
 ベネディクトは大きく口を開き『ドラゴンブレス』を放射。
 黄金の光線を傲慢なる死神は鎌によって切り裂き、プロメッサと衝突――と見せかけて、投げ放った鎌が回転しながらイデアを狙った。
「どいてっ!」
 タックルによってイデアを突き飛ばすセフィーロ。彼女を真っ二つにしていった鎌がそのままターンし傲慢なる死神へと戻る。
「とんでもない威力ね。後は頼んだわよ」
 光の粒子になって消えるセフィーロ。ネイコはマジカルステッキをクルクルと回して構えると、イデアの背を庇うように立った。
「勇者を庇い、数ある命を投げ出すか。それが、キサマの希望だと?」
 手をかざし、心臓部を指さす傲慢なる死神。
「さあな、この先どうなるかなど私にもわからん。ただ一つわかるのは、もう『彼』を犠牲になどしないということだけだ!」
「ならば、望み通りに死ぬが良い。肉の盾となり血と泥にまみれよ」
 かざした鎌。と同時に空中に生まれる大量の鎌の幻影が降り注ぐ。
 その殆どがイデアを狙ったが。跳躍したベネディクトが、ネイコが、その身で鎌を受け止めて砕け散っていく。
「すまない、皆……!」
 歯を食いしばってその中を駆け抜けるイデア。
 彼の剣が繰り出されるその一瞬。打ち払おうと振り込んだ死神の鎌の刃が、プロメッサの身体がずぶりとはいりこんだ。自らの身体で押さえ、柄を握りこんで止めるプロメッサ。
「――!?」
 それによって一瞬遅れた反応。その隙に、イデアの剣が傲慢なる死神の首を跳ね飛ばす。

 倒れたプロメッサへ、鎖の邪神との決着をつけたゼロやニアサー、神様や雀青たちが駆け寄っていく。
 イデアはプロメッサを抱え上げ、そしてうつむいた。
「勝ったよ。みんな、犠牲にしてしまったけれど……」
「ああ」
「ありがとう。……そうだ、まだ自己紹介もしてなかった。俺は――」
 泣きそうな顔を歪めて笑おうとするイデア。
 その時空に、ばきりとおおきなひびが入った。
 砕け散る空とかすむ景色。
 そして気付いたときには……。





 何もかも、無くなっていた。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

プロメッサ(p3x000614)[死亡]
UNKNOWN
セフィーロ(p3x007625)[死亡]
Fascinator
ベネディクト・ファブニル(p3x008160)[死亡]
蒼竜
現場・ネイコ(p3x008689)[死亡]
ご安全に!プリンセス

あとがき

 ――クエスト完了
 ――研究者は救出されました

 ――ネクスト世界から『死出の谷』が消滅しました




縺ゅj縺後→縺

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