シナリオ詳細
聖戦遊戯、テンシボーグ!
オープニング
●テンシボーグを戦いに利用するなんて……許せない、テンシバトルだ!
「チャージ三回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!」
「チャージ三回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!」
大勢の観客が見守るコロッセオ型スタジアムの中心。少年は手にした黄金の天使像に魔力を三度ほどスライド注入(チャージ)すると、それを高く掲げた。
眼前には黄金の堕天使像を掲げる大人の姿。
「親父……まさか親父が堕天使教会の黒幕だったなんて……! けど俺は負けない。親父の野望を打ち砕いてやる! このファイヤフレイアで!」
「フ、大した覚悟だ……だがこの私のファイナルリュシフェルにかなうテンシボーグなどいない。私はテンシリーグの覇者となり、テンシボーグによる世界征服を実現させるのだ」
「テンシボーグの戦闘利用なんて許せない。天使バトルだ!」
掲げた天使像をそれぞれ天高く放り投げ、魔力のこもったテンシガンで狙いをつけた。
「「テンシ・イン!!」」
説明しよう! テンシボーグとはジャスティス聖教国にて行われるホビー・スポーツだ!
数多のカスタムの中から君だけの天使像テンシボーグを作り出し、専用のテンシガンで式神の魂をテンシ・イン! 心をひとつにしたとテンシボーグでお友達とテンシバトルだ!
ひょんなことから失踪中の父の遺したテンシボーグ『ファイヤフレイア』を手にした少年ダンダダ ハヤテは幾多の出会いとテンシバトルの中でテンシボーガーとして成長し、悪の組織堕天使教会の野望に立ちはだかったしついに黒幕である堕天使大教皇Fの存在にたどり着いたがなんとそれは失踪中の父ダンダダ ダンテであった少年の最後の戦いが始ま――らない!
「グワーーーーーーーーーーーー!?」
空に投げた堕天使像ファイナルリュシフェル(言いにくい)が突如黒いなんか電気みたいなバチバチを発した途端、持ち主に衝撃を与え気絶させてしまったのだ!
それだけではない。堕天使像ファイナルリュシフェル(略したい)は突如増殖し、黒いバチバチや必殺のファイナルダークサンダーやファイナルダークファイヤーを放ち少年や観客たちをも襲い始めたのである!
どうなるテンシボーグ! どうしてだテンシボーグ! これじゃあ筋書きもあったもんじゃあないぞ!
●というバグだったとさ
ちゃんと背景から説明しよう。
練達悲願の計画『ProjectIDEA』は不明なバグによって変容し、携わっていた研究員たちの魂を仮想世界の中へと飲み込んでしまった。
仮想世界ネクストから研究員たちの魂を救出すべく練達国から依頼を受けたローレット・イレギュラーズは自らもアバターを作りこの世界へとログインしたのだった。
今回の部隊は正義国(混沌でいう天義にちかい国)。
この国で起きたバグによって研究員はネクスト内のNPCダンダダ ハヤテに取り込まれる形で囚われていた。これを救うにはバグによって起こったイベントである『ファイナルリュシフェルの暴走』を解決しなければならない。
解決方法は至極単純! ステージへと乱入し、増殖したファイナルリュシフェルたちを倒すのだ!
今回は特別ルールもあるぞ! たのしもうね!
それでは皆さんご一緒に!
テンシ・イン!
- 聖戦遊戯、テンシボーグ!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年06月04日 22時05分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●fight
荒れる黒雷の中で片膝をつく少年ハヤテ。
破壊されていくステージや悲鳴をあげて逃げ出す観客たち。そこにハヤテたちの夢見たテンシバトルの風景はなかった。
「くそっ! テンシボーグは本当に兵器でしかないっていうのかよ……!」
雷をうけて動かなくなってしまったテンシボーグ、フレイムフレイアが彼の前に横たわっている。地面を殴りつけ、叫ぶハヤテ。
彼から悔しさの涙が落ちようとした、その時。
「ハヤテくん、貴方はひとりじゃないわ!」
バトルステージの扉を全開にして、『サクラのアバター』桜(p3x005004)が現れた。
「えっ誰!?」
「貴方は一方的な正義を押し付けて人々をテンシバトルで統制しようとしていた私の目を覚まさせてくれた……本当のテンシボーグを教えてくれたのは、貴方よ!」
「えっいつ!?」
「にーちゃん!! 大丈夫か!! そんな……こんな事があって良いのかよ。テンシボーグは破壊のための道具なんかじゃねえ!!」
同じくドガッと扉を蹴破って現れる『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)。
「えっまた誰!?」
「なにいってんだ、おれはにーちゃんの『妹』だろ!」
「ハッ――」
――瞬間、ハヤテの脳内にあふれ出した、存在しない記憶
そういうバグだろうか。多分そうだと思う。そうだと思うから特殊能力とか設定とかそういうの今から考えないで脳味噌テンシボーグにしてご覧頂きたい。
「ルージュ、桜!」
そう、テンシボーグ第六話にてテンシボーグ部を作ろうとしたハヤテの部をテンシバトルによって潰そうとした桜。幾多の戦いの中、テンシボーガーとの出会いの中で変化していったのはハヤテだけではない。
「今こそその恩義に報いる時! 正義に仕える真なる騎士、ジャスティスナイトとして!」
取り出した天使像はカスタムの進んだ新たなる姿。
「光臨せよ! 『メタルメタトロン』!」
変化していったのはルージュもまた同じである。ハヤテの妹として、共に戦ってきたテンシボーガーとして大会に挑むそのさなか、腱鞘炎と魔力の溜めすぎによってドクターストップがかかりあわやチームでの大会出場が危ぶまれたエピソードは記憶に新しいところだろう。
「けれどこの試合、黙っちゃいられない! おれと――この『ライジング・ニーケー』が!」
荒れ狂うファイナルリュシフェルの軍勢を前にテンシ・インしようとする二人。そんな彼らを、がらんとした観客席のなかから見下ろす者があった。
腕を組み、肩に中華風テンシボーグをのせた『放浪人』ユアン(p3x009175)である。
「ダンダダ ダンテめ……テンシボーグを使っての世界征服とは愚かな」
フッ! と叫んで観客席から跳び、無駄に三回転をかけてステージへと降り立つとカンフーの構えで手のひらにテンシボーグをのせた。
「テンシバトルとは魂とのぶつかり合い! 己の心を意識をテンシボーグに込めて戦い魂で語り合うもの! それを世界征服などと言うつまらぬものを掲げおって未熟未熟!! 未熟千万!!!」
「お前は……中国代表ユアン!」
ネクストに中国ないだろってツッコミは野暮だ! そして彼をユアンと呼ぶことも野暮だ!
「ユアン? 否、このワシ『マスタースチーラー』と中国四千年の封印を解いた『凜風(リンファ)』が、貴様らの野望を蹴散らしてくれるわ!」
みるみる円熟した初老の男性の姿へと変化したユアンもといマスタースチーラー。
それは第十二話でハヤテの初代テンシボーグ『アイアンアテナ』が敗北し破壊されてしまった際ギアナ高地(ネクストにギアナが以下略)の修行を課した謎の仙人であった。
「あなたは……」
「おっと、私を忘れて貰っては困りますよハヤテ!」
そこへ現れる巫女服の女、『妖刀付喪』壱狐(p3x008364)。
無駄に抜いた刀の上にテンシボーグを載せ、どこから吹いてるのかわかんない風に髪をなびかせた。
「壱狐!」
ハヤテの組み立てたテンシボーグにさらなるカスタムを加えようと幾度もアイデアをくれた同級生にしてライバル。テンシリーグ世界大会(ネクストに世界が略)にチームエントリーする際加わってくれた心強い仲間でもある壱狐である。
「まだまだ私のカスタマイズ欲は治まってません。こんなところで全部ご破算になんてさせませんよ! そうでしょう『ゴギョウシンショウ』!」
「おっと、そう言うことなら俺たちも混ぜて貰おうかな?」
ハッと振り返ると、二人の影がステージ上へと現れた。
「ふふふ……無様ねこの国のテンシボーガーは! 私の『ジェイドフレイム』の力を見せてあげるわ!」
グリーンのマントを投げ捨てて姿をさらしたのは……。
「ファルカウ代表テンシボーガー、イルシア! それにイタリア代表のコーダ!」
フフフ、と笑ってテンシボーグをかざすイルシア。
娘であるエルシアを犠牲にした戦い方でハヤテたちを圧倒したが絆の力で勝利した彼に、そのやり方を認めないまでも強さは認めたというその白熱のバトル四十一話あたりからずっと観客席で解説みたいなことを喋っていた人物である。
「よっ、助けが必要だろ? 守りなら任せておきな。 アンタは自分のやることを優先させてりゃ良い」
そしてこちら『狐の尾』コーダ(p3x009240)はゲームセンターでひょんなことから交わしたバトルの白熱が忘れられず、テンシボーガーとしての友情を結んだままイタリア代表としてハヤテの前に立ちはだかった第三十五話、魂をかけたテンシバトルで互いのテンシボーグを破壊しあった仲である。
「心配はいらないぜ。もう修理は終わってる。俺の、そう――『Twin Princess(俺の愛しい双子姫)』のな」
懐から優しく抱くようにテンシボーグを取り出すコーダ。彼の相棒であった『V』のテンシボーグとパーツを分け合うことで完成させた即席カスタムであった。であるにも関わらず、まるで最初からそうだったかのようにぴったりとパーツは『Twin Princess』になじんでいる。
「世界代表選手たちがこんなにも……これなら、勝てるかもしれないぜ!」
ハヤテが拳を握ったその時、スタッフルームから窓ガラスを突き破って鎧の騎士たちが飛び出してきた。
「フッ 待たせたなハヤテ。ここからは私も参戦させてもらうぞ」
「――ストームナイト!」
テンシボーグ部設立時には隣校との練習試合としてぶつかって以来常にライバルとしてテンシボーグの腕を磨き合ってきた騎士。そう『闇祓う一陣の風』白銀の騎士ストームナイト(p3x005012)である。
「私抜きの決勝など許さんぞ。これが終わったら、私と真の決勝戦を行ってもらうからな! そうだ。貴様を倒すのは、この私だ! 来い、『カイザーキングエンペラー』!」
その隣に着地したのは『高潔の騎士』レイティシア・グローリー(p3x008385)。
大会の司会や解説、スピーチを担当していた女性だがその正体はテンシボーグ管理協会にある四大派閥の一つ『ガーディアン』の実行部隊『ガントレット』のテンシボーガーであった。
「堕天使教会の監視任務ももはやここまで。ファイナルリュシュ、リュシュシュ」
一度黙ってからハヤテたちを振り返り、ゴホンと咳払いした。
「この試合は無効! 堕天使教会のテンシボーグの暴走は見逃せません。助太刀させて頂きます! 行きなさい、『イスクードアンジュ』レイティシアカスタム!」
かつて伝説のテンシボーガーが使ったというテンシボーグ『イスクードアンジュ』を『ガーディアン』製のパーツによってカスタムした特性テンシボーグである。
「ですが、これはあくまでテンシボーグによるテンシバトル! 兵器に兵器で対抗するのではありません。ですから――ルールは分かっていますね!」
ハヤテたちは頷き、そしてそれぞれのテンシボーグを掲げた。
「チャージ三回! フリーエントリー! ノーオプションバトル!」
全員のカットインが重なり、一斉に輝きを放った。
「「テンシ・イン!!」」
●第五十二話『打ち砕け、ファイナルリュシフェル!』
「飛びなさい、イスクードアンジュLC!」
北欧の戦乙女を思わせるカスタムパーツで揃えられたレイティシアのテンシボーグ『イスクードアンジュLC』。羽根飾りの鎧と甲冑より聖なる翼を広げると、振りかざすハルバードに神の奇跡を宿し巨大な牙に変えて発射した。
今ではガーディアン派閥で一般化した標準機体イスクードアンジュを寄り重装甲重武装化したいわゆるフルアーマーイスクードアンジュであった。
巻き起こる嵐とファイナルリュシフェルの雷が激突する。
そのなかを、ユアンとコーダのテンシボーグが駆け抜ける。
「『Twin Princess』、彼を守ってあげな」
青い瞳と赤い瞳のテンシボーグが左右融合したような姿をしたテンシボーグ『Twin Princess』。左右異なる色の翼を広げると魔法の盾を展開。後に続くユアンの『凜風』を保護すると、凜風は防御を任せてファイナルリュシフェルへ急接近。
「爆轟一徹――!」
力強く掌底の構えをとったユアンと連動するかのように灼熱の右手を突き出した『凜風』がファイナルリュシフェルの頭部を掴み崩壊させた。
「見よ鋼鉄は紅く燃えている!」
一方こちらは桜のメタルメタトロン。
空をジグザグに飛行しながら、後ろについたファイナルリュシフェルの放つ黒炎の弾を避け続けていく。
「36体のテンシボーグを使用して作られた36対の翼! そしてテンシボーグを鎧と化し、フルアーマーとなった私のメタトロンはあの時とは違うよ!」
空を華麗にターンしたメタルメタトロンは全開に広げた翼から白銀の光線を発射。
メタルメタトロンを迎撃する。
「見て、ハヤテくん!あんなにもバラバラだった私達が今こんな風に一緒に戦ってるのは貴方がいたからだよ。
いつまでも君がそんなところで寝てたら……私達は先にいっちゃうよ?」
「桜……」
「ファイナリュユシフェル……か。なるほど。さすがは腐っても堕天使教会の支配者が使用するテンシボーグ。大した力だ。
だが、テンシボーグは機体の性能だけで勝てるほど甘くはない!
ボーグとボーガーがひとつになることで、その真の力を発揮するのだ!」
白銀の騎士ストームナイトは抜いた剣を構え天空をさすように突きつけると、テンシボーグ『カイザーキングエンペラー』を走らせた。
「桜、イルシア、壱狐、レイティシア、ユアン、コーダ、ルージュ、鈴木、田中、サムソン……。倒れていった仲間たちよ、私に……エンペラーに力を!」
叫ぶ白銀の騎士ストームナイトの背景に流れていく思い出。笑いかける桜やイルシアやコーダやルージュや、知らないおじさんや眼鏡のオタクや一人だけタッチがリアルな黒人男性がよぎった。
「エンペラー、ジャッジメント!」
剣を抜き突撃する黄金の鎧を纏ったカイザーキングエンペラー。そして白銀の騎士メタルメタトロン。二人の剣が交差し、ファイナルリュシフェルを爆発四散させた。
「職人魂を全開でカスタマイズした私のテンシボーグ『ゴギョウシンショウ』! 青黒赤黄白の五色の甲冑姿の侍型テンシボーグでその兜には五行を表す五芒星が飾られボーガーたる私の魔力を潤沢に使って高い防御・抵抗能力を持ち再生もするハイバランス型ですが燃費が悪いのが玉に瑕ながら武装は刀一本ですが炎と氷を操り範囲攻撃を繰り出すことも出来更に攻撃・防御の二種類の構えによって様々な状況に対応可能なのです残念でしたね五属性に特化させたカスタマイズをした私のゴギョウシンショウに属性攻撃は効きません!」
めっちゃよどみなく叫ぶ壱狐はテンシボーグ『ゴギョウシンショウ』の四肢と胸それぞれに埋め込まれた五色の宝玉を発光させ刀に光を集めると、ファイナルリュシフェルの放つ雷と炎のなかを突っ切っていく。
追い詰められたように後退したファイナルリュシフェルが、また別のファイナルリュシフェルと背中をぶつけハッとする。
そう、反対側ではイルシアによってばちばちの支配下にあるエルシアが操作する妖精型ドローンによる編隊射撃がファイナルリュシフェルの逃げ道を塞ぎ、そして正面よりテンシボーガー『ジェイドフレイム』が斬りかかるという猛攻をうけていたのである。テンシボーガーは一人一体というテンシボーグ競技会のルールを無視した作りはしかし、この時ばかりは通用したのである。
「燃やすの大好きな翡翠幻想種の名に恥じないその威容はまさに、萌える草、燃える木々!」
翡翠幻想種民が一斉に首を横に振りそうなことを叫びながら、イルシアは世にも楽しそうに両腕を広げて笑った。
「うふふっ、見て! 私のジェイドフレイムが燃えてるわ! まるで油をかけられた若芽みたいに! たいまつを投げてまわった山みたいに!」
同時攻撃によって二体のファイナルリュシフェルを破壊する『ジェイドフレイム』たち。
その様子に壱狐は息を呑んだ。
「イルシアさん、そのカスタムは一体……無限の生命力で再生しながら蹂躙しチームメイトのエルシアさんの機体までも養分にしていた『ジェイドフレイム』が、まるで別人のように攻撃的に……」
「ふふふ……いずれわかるわ」
怪しく笑い、耳にかかった髪を払うエルシア。
「いくぜにーちゃん、そして『ライジング・ニーケー』!」
ルージュの繰り出したテンシボーグ。それは鍾乳洞で石灰岩が自然に堆積し生まれた奇跡の造形ボディをもつ天使像である。
「俺の『フレイムフレイア』が……蘇っていく……」
ライジング・ニーケーの祈りによって復活したフレイムフレイアが、激しい正義の炎を燃え上がらせ立ち上がる。
「おれのライジング・ニーケーは『愛の力』で動くテンシボーグ! 傷つけば傷つくほど、愛の力は増すぜ!」
猛烈に打ち込まれる炎をすべてその身に受け、フレイムフレイアと共に飛び出したライジング・ニーケーが二人で握った巨大な剣を振り下ろす。
「愛の力(ラブリー・シスター・アルティメット・バースト)!」
●最終話『僕らの明日へテンシ・イン!』
破壊したファイナルリュシフェル。しかし暴走したファイナルリュシフェルたちは自らの危険を察したためか一つに集まり、巨大な堕天使像……いや悪魔像へと変化した。
歯がみする白銀の騎士ストームナイト。
「……くっ、なんということだ。ヤツめ、この会場の、いや世界の負の想念を喰らって成長しているというのか。このままでは……」
「これがテンシボーグだってのかよ……」
あまりのプレッシャーに思わず後じさりするハヤテ。
しかしルージュはあえて前に出た。
その横顔に、ハヤテはハッと目を見開く。
「やめろルージュ! これ以上魔力を注入したら――」
「チャージミリオン ファイナルエントリー ノーオプション・ソウルフルバトル!!
おれの魂をくれてやるぜ!! テンシ・イン!!」
空へ放り投げたライジング・ニーケーが激しい光を放つ。
反対にルージュはその場に崩れ落ち、ハヤテが咄嗟に彼女を抱きかかえた。
「にーちゃん……おれ……」
「ルージュ……」
「危ない!」
膨大な悪の光が巨大ファイナルリュシフェルから放たれ、コーダの『Twin Princess』とイルシアの『ジェイドフレイム』が間に入って二人を庇った。
直撃を受け、がくんと脱力し墜落する二人のテンシボーグ。
魔力を遡行して魂を直接傷つけたのか、これによってコーダとイルシア(あとエルシア)がその場に倒れた。
「コーダさん! イルシアさん! まさかジェイドフレイムの再生能力をすべて火力に……」
壱狐の驚きに、イルシアは自嘲気味に笑った。
「無様なのは私の方だったわね。まさか、人を庇って倒れるなんて」
「フッ、そうでもないさ……若者に道を作るのは、オッサンたちの仕事だろ?」
懐から取り出した煙草をくわえるコーダ。
みろよ、と指し示した先に桜やユアン、壱狐たちが並び立つ。
桜は、うっすらと意識を取り戻し絶望していたハヤテの父ダンテへと振り返った。
「気付かないのダンテ! ファイナルリュシフェルも今の貴方の行為に涙している事に!
私達は貴方を倒さない! ……その邪悪なる思念のみを断つ!」
みんな! そう叫ぶと同時にユアンの凜風と壱狐のゴギョウシンショウが跳躍。
持てるすべての力を放射する。
それらはルージュのテンシボーグへと集まり、巨大な翼となってハヤテのフレイムフレイアを包み込んだ。
「今です、彼に力を!」
レイティシアは自らのイスクードアンジュの力を解放。
「……フッ、そうか。そうだったな!」
白銀の騎士ストームナイトも頷き『カイザーキングエンペラー』の力を解放させた。
そして完成した巨大天使像『ファイナルフレイア』が、炎の剣で巨大な悪魔を切り裂いていく。
そう、それが――。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
――テンシボーグ、完!
あれ、これ何の話だっけ!?
GMコメント
●クエスト
・成功条件:『ファイナルリュシフェルの暴走』を解決する
・オプション:自分もテンシボーグを操ってテンシバトルだ!
●シチュエーション
あなたはテンシリーグ決勝戦会場へと乱入し、暴走し増殖しているファイナルリュシフェルたちと戦います。
ファイナルリュシフェルは人間ほどのサイズに変化した天使像です。石像だけど魔力でもはいってんのか人間みたいに機敏に動いて白熱のテンシバトルをします。
黒幕の持ってるやつだけあってファイナルダークファイヤーやファイナルダークサンダーなど単純な名前のわりに強い技を使います。
あと飛行していますがそれでアドをとったりはしないようです。フェア!
●君もテンシバトルだ!
もし気が向いたらあなただけのテンシボーグをそのへんで買ってきて参加してもいいでしょう。
あなたと一心同体となったテンシボーグはすげー戦ってくれます。その間あなたは無防備ですが大丈夫です。別に根拠はないけど大丈夫。そういうものだから。
そしてせっかくだから自分専用のテンシボーグのカスタマイズや名前を決めましょう。韻を踏んでると格好いいぞ!
テンシボーグの性能やスキルはアバターの性能やスキルに準拠します。しますぞ!
仮想世界に入って空想のホビーバトルってなんだか変な感じですが、心を少年にして君もさあ、テンシ・イン!
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
●ROOとは
練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline
※重要な備考
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
現時点においてアバターではないキャラクターに影響はありません。
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