PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<Bloom*Bloom>良い子の君は寝る時間

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●寝たい
 真夜中のブルーム・ブルームに悩める乙女がひとり。その乙女は国の最高権力者で、実の兄に命を狙われているのだが。
 その心労故か、此処最近うまく眠ることができずに居るのだ。
 眠れない。何回目だろう。眠れないのだ。
 ごろんごろんと大きなベッドを転がってみても、寝心地は変わりはしない。
 ラベンダーの匂袋をお腹のなかに入れてあるぬいぐるみを抱き締めても効果はいまいち。
 ホットミルクはあつくて時間がかかるからかえって目が覚める。
 妖精達を誘ってパジャマパーティをしても、妖精達だけが先に眠ってしまう。
 少し疲れてみるべきかと飛び跳ねたら従者達が飛んできた!
 こんなことを繰り返しているうちに、少女はふと気付く。

(これじゃあおちおち眠れやしないじゃないの!)

 真夜中三時。妖精女王の悲鳴が小さく響き渡る。
 以前のように空を飛ぶわけにはいかないし、やはりこういうときに頼るのはこの世界の魔術師たる花冠師(フルール)だけだ。そうでなければ。私は。

(また徹夜してポテチ食べちゃうわ……!)

 悪い子になってしまう!
 見た目は少女、中身も少女の妖精女王。その名はフローラ。今日も今日とてベッドから降りる前に、夢の国から案内が来るのを待っている。
 朝まで、もう少し。

●ねないこだれだ!
「最近フローラ様が様子が変なんだ。まあいつも変だったけど、さらにね」
 胃薬常備の花冠師、カナタは死んだ魚の目をして笑う。その姿はブラック企業に就職した新卒のようだ。
「まあ、気を取り直して。それでまあ、一国……いや、一世界を統べる女王が眠れないのは、まあそこそこ問題だよね。彼女が倒れたらそれこそ、戦争や困窮などの被害もあるかもしれない」
 彼女は未熟だ。しかし、彼女はあの物語のキーパーソン。妖精の国を治める、小さき女王。それがフローラ。
 彼女が眠れずに身体を崩してしまい、うまいこと死んでしまったなら、それはバッドエンドに等しい。彼女はそのくらい重要な人物なのだ。
「ってことで、おすすめの睡眠方法を教えてあげて欲しいんだ。彼女がよく眠れるように、ものを持ち込んでもいいし、外に出てみるのも良い」
 カナタは写真を見せた。フローラの私室だ。
「この部屋で彼女が熟睡できるようにしてくれるかな、特異運命座標(イレギュラーズ)?」
 このままじゃ眠り姫どころか眠れず姫だ。
 本のなかで微笑む彼女の若草の羽は、どこか元気がないように見えた。

NMコメント

 染です。春はあけぼの。ゆっくり眠れるように力を貸してあげてください。

●依頼内容
 フローラを眠らせる。

 眠れないと嘆いています。どんな手を使っても良いのでゆっくり眠らせてあげてください。

●ロケーション
 基本は夜、フローラの私室にて。フローラ本人が外に出なければ、皆さんの出入りは自由のようです。
 お昼からなにかを取り組んでみるつもりだ!というひとは、それもプレイングに書いてくださいね。

●世界観
 魔法世界『ブルーム・ブルーム』。
 花と魔法で満ちた世界。魔法で文明が築かれています。
 基本的には物理攻撃よりも神秘攻撃がメインの世界です。
 また、ファンタジーな世界ですので、妖精やドラゴンなど、ありえない生物がいます。

●フルールについて
 フルールとは、花冠師のこと。
 魔法や魔術を使う人々のことを指し、この世界に住まう人々の半分は花冠師です。
 現地の人々はもちろん、異世界から来た人がフルールと呼ばれる場合もあります。
 また、フルールにはギルドがあり、各々所属している団体があるようです。

●NPC
・フローラ(ティターニア)
 妖精女王、花の妖精。若草色の髪が特徴で、桜色の髪留めが宝物。
 エルフのような長耳と少女のような凹凸の少ない身体。性格はお茶目でお転婆、然しながら王としての自覚も芽生えつつあります。

 寝不足でくまができています。

・カナタ
 花冠師ギルド『Flowers Flag』のギルドマスター。
 トップクラスの実力を持つ温厚な青年です。
 剣術を得意とし、フローラ達の護衛として腕を買われています。
 呼ばれたら出てきます。
 胃薬を飲み始めました。

●サンプルプレイング(カナタ)
 俺が寝るとき……ですか?
 俺はそうだなあ、身体を動かしますよ。色々。フローラ様と出来そうなのは……ヨガとか?

 以上となります。
 ご参加お待ちしております。

  • <Bloom*Bloom>良い子の君は寝る時間完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年05月05日 22時20分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

ツリー・ロド(p3p000319)
ロストプライド
武器商人(p3p001107)
闇之雲
回言 世界(p3p007315)
狂言回し
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女

リプレイ


(眠れないか…呪術というわけじゃないよな…? 強制睡眠,昏睡の呪いがあるから睡眠阻害によるなぶり殺しの呪いとかあってもおかしくないよな…)
 『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)は不安げにフローラの背を眺める。クロユリの呪いであろうか、否、そうであればむしろ彼女は眠りの中へと落ちている筈だ。
(一応呪術がフローラ様に降りかかってないか周囲を調べるぞ、調べている間、フローラ様には深緑茶でも飲んでてもらおうか…呪術とかあったら解呪とかなりして、除去をするが…呪術とかなかったら…後は精神的な問題か…)
 と、言うことで。
「フローラ様、お茶などいかがでしょうか」
「お茶は好きよ、わたし」
 サイズから茶を受け取って、ご機嫌に飲んでいる間、サイズはせかせかと呪いの気配を辿っていく。が、ひっかかるものはないしむしろキレイまである。
「とりあえず辺りを一緒に飛び回ったりしましょうか」
「飛ぶの? うふふ、疲れさせる作戦ね?」
「うぐ」
「やーだーかわいいサイズ! さ、遊びましょ!」
 にこにこと笑って、フローラはサイズの手を取った。ぴゅーぴゅーと呑気に風を切るその姿は、もうしばらく眠れていない乙女のそれとは違った。
(悩み事とかあるのかな…?一応聞いておくか…なんだろう、俺は色々と情報を取り逃している可能性がある気がする…しっかり情報を得ておかないとな…。
 しかし眠りの魔法とかはないのかな…?いや、それをつかうのは健康的ではないか…)
「あの、フローラ様。何か悩み事は有りますか?」
「……ないわ! 何かあったら相談するようにするわね」
 あとは精神的に一日が充実して満足してないと眠くならない、とかもあるような気がする。
 ならば。
「…正直に答えてください、フローラ様、今がつまらないとか思ってますか?
 全てを投げ捨てて自由になりたいと思ったときはありますか?
 …我慢しすぎてしまってませんか…? 俺の杞憂であるならばいいんですが」
「……ないしょ」
 にこ、と笑って。ただいつもの溌剌とした笑みではない。
 そんな様子にフローラは歯がゆさを覚える。
(安心しろ、フローラ、君との約束(けいやく)は君が王でも何者でもない時に結ばれたものだ…仮にキミが女王ではなくなってしまっても…キミが約束を破棄したりせず、キミがキレイなものを見せ続けてくれるのならば、時が許す限りは差し入れを持ち込み、いつでもこの刃と力を貸そう…)


「また眠れないの、女王サマ。まるで寝ぐずの小鳥のよう」
「あら、小鳥は貴方だけのものでしょう」
「ふふ。そうだねぇ。でもそうさね、我(アタシ)がその無聊を慰めよう。
 なにせほら、我(アタシ)は銀の月らしいからね」
 『闇之雲』武器商人(p3p001107)は銀糸揺らし、フローラに微笑みかける。今宵の空は新月、彼或いは彼女が、空から降り立ってきたのだろうか?
「温かい飲み物が手元になければミルクに蜂蜜を入れてあげよう。それから、これは隣人たちの夜のおやつ。
 やはり妖精たちにはミルクと蜂蜜。定番だよね。暖炉の上に置いておこうか?」
「あら、いいのかしら? なら貰うわ、ありがとう!」
 のんびりとした時間を過ごすことで眠くなるだろうと見込んだ武器商人は、フローラをベッドへと誘う。
「さて、さて、ベッドで足が冷えない様にあったかくしながらのんびりと我(アタシ)の知るモノガタリを語ろうかね。
 泡に恋したトカゲの話、札束「で」家を建てた奇妙な男、ガラスの身体の美しい人々、夢の中を泳ぐイルカたち、砂漠の双子の王女様……知っている噺、識っている話、沢山あるとも」
「まぁ、そんなにたくさん! どれも面白そうね……ぜんぶお願いしても?」
「ああ、勿論さね。さァ、さァ。不安な現実など忘れて、楽しい物語に溺れにおいで。
 なに、ヒトリじゃないよ、大丈夫。ほら、周りには興味を持って聞きにきた妖精(りんじん)たちもいる」
「います!」
「いまぁす!」
「ます!」
「ほんとだ! ふふ、安心ね」
「そうさね。目を瞑って、ゆっくり耳を傾けておくれ。
 そうすれば、何にも怖くないからね」
 ホットミルクにとかした蜂蜜の味がおいしい。心がぽかぽかする。ほう、と息を吐いたフローラは布団へと潜り、武器商人の声に耳を傾ける。
 小さな妖精たちもお菓子を持って来たり、あったかくなるように毛布を身体にまいてくれたり、というかもう寝落ちていたり。膝の上でくうくう眠るかわいい妖精たちを抱きしめて、フローラは寝物語に耳を澄ませる。
 泡に恋したトカゲの末路。札束の家の生み出し方。美しきガラスの身体と、その美の保ち方。夢を泳いだイルカの骸。砂漠の双子の言い伝え……世界を知っている武器商人にとって、その夜は余りにも短い。
 紡がれる物語は美しく、そして儚く、夜の刹那に散っていく。フローラを眠りへと誘うその物語。

 ああ、そうだ。昔もこうやって。にいさ、まが。


 『汚い魔法少女』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)はフローラと遊ぶ気満々だ。
「こういうのって頭に衝撃を与えるのがいいんじゃないかしら」
「っていうと?」
「死なない程度に頭を殴るわよ」
 ということで。
「「叩いて被ってじゃんけんぽん!!」」
「あーーーっまた負けた! メリーじゃんけん強いのね!?」
「あは、そうでしょう。これもあなたを寝かせる為なの、がまんしてちょうだい!」
 ぴこぴこハンマーが唸る。間抜けな音を鳴らして。
「でもこれじゃあ興奮してきちゃうだけで眠れそうにないわ」
「ならこれはどうかしら! ホラー映画! これでどきどきしたら屹度もっと疲れるから眠れると思うの」
「え、映画……でも怖いのは嫌! 見ないわよ!」
 我儘だと首を傾げたメリーは、次の手段にでる。
「ならもう一回お風呂に入ってリラックスしましょ」
「ああ、それは名案だわ!」
 ぽかぽかとしたお風呂に入れば身体の緊張もほぐれるはずだ。
「おすすめは電気風呂ね、お年寄りにも人気があって刺激があるもの」
「へぇー……ここにもあるかしら」
「あるわ。さっき見てきたのよ!」
 メリーはやや強引にフローラの手を引いて、そのままお風呂へと入れる。
 電気風呂は初めてのようでフローラはびりびりするのに驚いていた。
「でも、これでも眠れそうにないわ……」
「なら最終手段ね。これをのむと良いわ!」
 メリーが取り出したのはホットミルク。実は睡眠薬を溶かしてある。困ったときは薬頼りなのだ。
「あ、なんだか眠くなってきた……ふわぁ。おやすみなさい、メリー……」


「あー……何かあると急に眠れなくなったりする事ってあるよなぁ」
「そうなのよ、世界。乙女って難しいのよ?」
 『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)は大げさに頷いて見せる。うんうん、乙女って難しいよね。
「いいか、そう言う時は羊を数えるんだ。羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹…………畜生!数えた羊が逃げ出しやがった。お前はいつもそうだ。
 この結果はお前の人生そのものだ。お前はいつも失敗ばかりだ。お前はいつも寝る努力をしてみるが、一つたりとも成功した試しが無い」
「世界」
「誰もお前を愛さない。……っと脱線したな。羊を数える方法はよく聞く割には全然オススメされないから効果はきっとそこまでないのだろう。別の方法を探らないとな」
「そ、そうなのね。逃げた羊、捕まえなくていいの?」
「ああ。どうせそのまま帰ってくるからさ。しかし寝る態勢になりながら頭の中で何かを思い描くというのは個人的には割と有効に思えるんだ。俺は大体そうしてる。というかそれ以外特にすることも無いし……」
「ふむふむ。例えば世界はどんなのを思い浮かべているの?
「ん? ああ、思い描く内容は適当でいいんだ。カナタが不幸な目に遭ってる所とか、明日になったらやりたい事とかそんな感じで。
ただし、頭で考えてしまうような内容はダメだ。あくまでフワッと思い浮かんだ事だけにしておけ。逆に目が冴えちまうからな」
 世界はフローラの隣に腰掛けて教えて見せる。フローラにはそのままベッドへ横たわるように告げて。
「よし、それじゃあ。その後はひたすら眠りにつくのを待つだけだ。それでも寝れない事もあるだろうが、だからと言って起きてしまうよりひたすら目を瞑って横になる方が幾分かマシだというものだ」
「でも世界、例えば明日式典だから寝ておかなきゃ! ってときとかは? どうすればいいの?」
「ん? どうしても寝る必要がある時はどうすればいいか? …………睡眠剤、或いは眠りの魔法とかそんなん使えば良いんじゃない? どれ程の効果があるかとか知らないから滅多なことは言えないけどな」
「なるほど、最終はおくすりもありね……魔法は周りの妖精と相談してみるわね。ありがとう世界!」
 寝るための手段はいくらでもあるから、そんなに悩む必要はない。
 安心しておやすみ。世界は差し込む月あかりをカーテンで遮って、フローラの穏やかな寝顔を確認すると、部屋を後にした。

成否

成功

状態異常

なし

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