シナリオ詳細
再現性東京20XX:フルメタルカオス・アフターバーナー
オープニング
●
ハイウェイを走る一台のトラックが片面のウィングボディを展開していく。
おりたスロープがアスファルトを擦り火花をちらすも、迅牙(p3p007704)は構うことなくつり革を掴んで身を乗り出した。
「おい旦那、ほんとに連中に追いつけるんだろうな!?」
「肯定する――運転を頼んだ」
迅牙はトラックの勢いのままハイウェイ上へ着地すると、そのまま踵のローラーを回転。
高機動パッケージとして搭載された背部および肩部スラスターからエネルギーを噴射すると、前方を走るパワードスーツの一団へと迫った。
黒一色で統一されたパワードスーツ。全長にして2~3mほどの彼らはちらりとこちらを振り返り、モノアイタイプのカメラを動かすようにして互いに顔を見合わせると、相談でのしたのだろうか迅牙へと最後尾二体ほどが反転。
猛スピードでバック走行しながらマイクロミサイルを発射してきた。
「そうそう当たるかよ――」
迅牙は両目にあたる部分をギラリと光らせるとミサイルの間を華麗なスネークアンドスピンで駆け抜け、腰部にマウントしていた折りたたみ式レールガンを展開。即座に発射。
仕返しとばかりに発射されたレールガンの弾が敵パワードスーツの脚部に命中し、派手に転倒。火花を散らしながら転がっていくのを、スケーターのような華麗なジャンプで飛び越えていく。
その真横を、漆黒の戦闘機を高速で追い抜いていった。
しかし戦闘機と呼ぶには小さいそれは、パワードスーツからの機関銃による対空射撃をバレルロール軌道で回避。
備え付けたライフルを撃ち込み、弾はパワードスーツの腕へと着弾。機関銃を放り出させる。
――と、戦闘機はすぐさまアーマーを変形させつるりとした流線型ボディから少女の肉体……もとい『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)を出現させる。
アーマーにマウントしていたライフルを二つに分離させサブマシンガン二丁スタイルに変化すると、パワードスーツの側面に回り込んで射撃。
鉛の雨をうけみるみるひしゃげていったパワードスーツはたちまちのうちに爆発し、中から人間がころげでる。
服に引火したのかぱたぱたと叩きながら転がる彼を、着陸したルクトとスライド&ブレーキをかけた迅牙がそれぞれ囲み、つかみあげる。
「……『一丁上がり』、というやつか」
さて、一段落したところで話の経緯を説明することにしようか。
●ゴルゴダとタルペイア
「シュピーゲル、仕事よ」
白衣の女性がスティック型の端末を操作すると、空中にひらいた半透明なウィンドウに文字と写真がおどった。
なあに、と小さくつぶやいて見上げるDexM001型 7810番機 SpiegelⅡ(p3p001649)。
近々出番があるかと立ち寄った練達で、『近くに寄ったら顔を出しなさい』と言われていた工場に立ち寄った際のことである。
また新たにカスタマイズされたパーツを丁寧に分解し清掃しメンテナンスを行うかたわら、女性はスティック端末でウィンドウの一部をさす。
見覚えのある写真だ。
「これは……前にシュピが捕まえた、銀行強盗?」
「そ。あのあと話したとおもうけど、ゴルゴダ社とタルペイア社のパーツがミックスされた機体よ。この辺では二大企業だから……どちらかがライバル社の社会的信頼を破壊するために横流しした可能性があるって言ったわよね」
「地元警察が消耗するほどのもの。信用を落としながら、パフォーマンスとしても優れていた」
「そゆこと」
あれから更に調べたんだけど……と、女性はもう一枚のウィンドウをひらいた。
パワードスーツの中で特に性能がよく地元警察を悩ませたパーツは主に、ゴルゴダ社によって作成された高機動ユニットであることがわかった……という資料である。
「つまり?」
「つまり?」
先を促そうとした女性に、そのまま返すシュピーゲル。
かくんと肩をおとした女性は、苦笑してスティック端末をまわした。
「機械には設計者の意図があるものよ。相手を失墜させたい気持ちの一方、自慢したい気持ちも紛れてる。このパーツはいま流通してるものより一段階上の改造が施されていたのよ。そんなことするのは……」
「持ち主だけ」
「そゆこと」
そこまで話してから、シュピーゲルは彼女が最初にきりだした台詞を思い出した。
「…………それを捕まえるのが、仕事?」
「そゆこと」
ビッ、とスティック端末がシュピーゲルへ向けられた。
かくして集められたチーム。
彼らに課せられたのはゴルゴダ社が次なる横流しのために繰り出した輸送車の襲撃と証拠品の獲得であった。
輸送の日取りとルートは冒頭で捕まえたひとりから獲得できた。
次はいよいよ輸送車の襲撃である。
「気をつけてね。輸送車といえど大企業の息がかかった連中よ。
高級な装備でガチガチに固めてるはず。前に戦ったパワードスーツはもちろんだけど、多脚戦車やドローン戦闘機が護衛についている筈よ」
けど、大丈夫そうね……と女性は最後に付け加えた。
シュピーゲル、ルクト、迅牙、そしてその仲間達。
八人のイレギュラーズのいでたちに、彼女は安堵して送り出した。
- 再現性東京20XX:フルメタルカオス・アフターバーナー完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別通常
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年04月30日 22時00分
- 参加人数8/8人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
リプレイ
●
「オーッホッホッホッ!」
闇夜を切り裂く一台のトラック。
その運転席にはそう早くも――!
「この国〈レンタツ〉の楽園〈ハイウェイ〉を疾走るのは二度目ですわね。
さあ! このわたくし!」
ハンドルを握り、フィンガースナップと同時にカーステレオの再生ボタンをタップする――。
\きらめけ!/
\ぼくらの!/
\\\タント様!///
「──が! 地獄〈ハイウェイ〉に戻って参りましたわよー!」
アクセルを踏み込む『きらめけ!ぼくらの』御天道・タント(p3p006204)。
流れ出すユーロビートに合わせてトラックに飾られたLED電飾が七色に輝きはじめた。コンテナ側面に描かれた『音速のタントさまがすごい疾走(はし)るから見てて』のイラスト。
ゆっくりとコンテナが開き、待機していたメンバーが顔を上げる。
「ルクトと迅牙はまたよろしくお願いします。
エッダとオニキスも来てくれて嬉しい所存。
他にも活躍されてるメンバーが集まって心強い限り」
『シュピーゲル』DexM001型 7810番機 SpiegelⅡ(p3p001649)は今回のためにきっちり整備を終えてきたという新装備に身を包み、両目があるであろう部分をロボットの頭部めいたフルフェイスヘルメットの内側からぼんやりと光らせた。
整備中の『あのひと』が「今回もいいメンバーが揃ったわよ」と機嫌良さそうに語っていたのを思い出し、仲間達の顔ぶれをあらためて見てみる。
「……ふむ。
……そうか。まさか、再び呼ばれるとはな。
いいだろう、これも一つの仕事だ。
……しっかり、役割を果たして見せようか」
独特なフライトユニットを起動し、いつでも飛び立てるようにヘルメットをかぶるルクト。
流線型のユニットは音速戦闘機のそれを思わせ、黒いシルエットは闇夜を駆け抜けるステルス機のそれを彷彿とさせる。
「ゴルゴダ社のパーツ輸送車を襲撃し、敵性体を撃破して証拠品を押収するのが任務か……了解した」
一方の『ヘビーアームズ』迅牙(p3p007704)は陸戦に優れた装備を調え、踵にはローラーが仕込まれている。
このいかにもメカメカしい仲間達を前に、『咎人狩り』ラムダ・アイリス(p3p008609)もまた上機嫌だった。
「ハイウエイに走る敵群……なかなかにナイスなシチュエーションだね♪
ふふふ~ボクのライディングテクニック……魅せてア・ゲ・ル!」
にっと笑い、コートを脱ぎ捨てライダースーツ姿となるラムダ。バチバチにカスタマイズしたバイク『ファブニール・イカロスカスタム』へと寄りかかる。
バイクと呼ぶにはあまりにどっしりとしたボディには各所にスラスターが取り付けられ、本来ラムダに装着するはずの魔導鋼翼がバイク本体に装着。更にフロントには魔道砲まで備わっていた。バイクというよりもはや二輪の機動兵器である。
「……ミッション内容確認。ゴルゴダ社の輸送車の確保、並びに敵機の殲滅」
『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート(p3p008639)はおはぎをもふもふ頬張ってから飲み込むと、親指をなめてからマジカルコンソールに手を伸ばした。
親指と人差し指をくっつける動作をすると、半透明なウィンドウに値を直接入力していく。
――マジカル☆アハトアハト、セーフティー解除。
――変身シークエンスを開始、装備を転送、装着。
ドレス姿のすぐ後ろに停車していた黒いミニ戦車型ドローンが音を立てて分離、変形。
高機動陸戦装備として装着されると、ウィンドウを閉じたステッキがライフルと合体。
8.8cm大口径魔力砲マジカルアハトアハトとなると背部サブアームに接続された。
「『八十八式重火砲型機動魔法少女』オニキス・ハート、起動―――完了」
「ひゃっはー!とばすぜとばすぜー! 今日のオイラはアザラシ流星だぜ!」
その隣では『マスコットのワモ口』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)が全身をスラスターだらけの超次元海豹戦闘機にしてばしばしとヒレで地面をうっていた。
今にもカタパルトから発射されそうな雄々しいフォルムである。
「今日のオイラは空も飛ぶし超高速で走るぜ! ロケットアザラシだぜー!」
「皆様すごいでありますなあ。
異世界のツヨツヨメカと違って自分は鉄帝のローテクローポリゴンメカでありますが」
などと控えめなことを言いながら、『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)は偽装軍用ヘルメット(兜)とガントレット(手甲)を装着。
瞳の奥でキュウンとデジタルな光を流した。
「ローカルの良さも一つ味わって行って頂くと致しましょう」
そう言って、ワモンが使うはずだったカタパルトへと飛び乗る。
ほぼ同時に運転席のタントがスピーカーを介して呼びかけてくる。
「ゴルゴダ社の輸送車を発見しましたわ! こちらを見つけてもう護衛戦力を展開している模様! エンカウントですわ! 出撃、出撃ですわー!」
「夜の日常〈ハイウェイ〉を照らす一筋の曙光! それがわたくしですわ!」
加速し逃げ切ろうとする輸送車をロックオンしたタントは、アクセルを踏みこんで特殊なヘッドセット(ゲーミング猫耳仕様)を装着。するとキュルルルルと光が流れ、タントの放つ光がそのままトラックのヘッドライトから爆裂に放射された。
ゲーミングカラーの電飾もその勢いを増し、トラック周辺に治癒の光が七色に舞い踊る。
「証拠を押さえれば悪事が一つ潰える……」
迅牙は早速コンテナから飛び降り、踵のローラーで高速走行開始。レールガンを撃ちまくる。
SpiegelⅡはといえば。
――装甲、展開(スクリプト、オーバーライド)
――戦闘機動構築開始(システムセットアップ)
――動作正常(ステータスグリーン)
「いくよSpiegel」
『Jawohl(了解)』
新型兵装でコンテナ脇へと飛び出すと、背部スラスターを噴射しながら足裏よりローラーブレードを展開。猛烈なスピードで輸送車へと距離をつめていく。
対する輸送車からはパワードスーツが展開し、SpiegelⅡめがけて射撃を繰り出してくる。
だが高機動モードとなったSpiegelⅡのランダムなジグザグ走行の前にはかすらせることがやっとだった。
みるみる距離を詰め、エネルギーブレードを展開。速度をそのまま乗せた斬撃がパワードスーツを真っ二つに切り裂いていく。
「フロイライン・ファウスト――エッダ・フロールリジ、行きます」
カタパルトから発射されたエッダが空中で肘からスタスター噴射。
流星のごとき突入によってパワードスーツを一体スクラップに変えると、宙返りをかけてローラーブレードを展開した足で着地した。
更にスラスターによる加速をかけて別のパワードスーツに詰め寄り、慌ててショットガンを向けてきたその腕を掴んでぶん投げた。
否、投げる直後に拳を打ち当て、流し込んだエネルギーによって内側から爆発四散させた。
「遠間であればあるほど敵の選択肢は増えるのならば懐に飛び込む。いつだって人生インファイトであります」
「ふふ~んファブニール&魔導鋼翼にユニゾンコネクト……じゃあ始めようかジャッジメントの時間だよ♪」
「フライトユニット展開。飛行戦闘モード、開始」
コンテナから同時に飛び出してくるラムダとオニキス。
輸送車からはやっとと言った具合に多脚戦車が出現。折りたたんでいた自身のボディを展開し大砲を露出させた。
砲撃――を、ラムダは真正面から突っ込むことで粉砕した。
フロントシールドに描かれた魔方陣がシールドを作り出し、弾を弾いたのだ。
直後、エッダが多脚戦車の砲台に飛び乗って砲身をへし折り始める。
それを振り払おうと頭を回そうとする多脚戦車だが、ラムダたちはその隙を逃さなかった。
ファヴニール・イカロスカスタムが翼を広げ、スラスター噴射による『飛走行』によって猛烈な速度で戦車側面へとつけ、咄嗟に戦車が体当たりをしかけようとしたところで急減速。
からぶって傾いた戦車の車体めがけ、フロントキャノンから魔力光線を放射した。
「捕らえろ、マジカル・キャプチャーネット……!」
一方、キャタピラ走行とスラスターによって加速を加えていたオニキスが鋼の翼を広げて跳躍。低空飛行モードへ移行すると、構えた副兵装から粘着弾頭を打ち込み多脚戦車の動きを封じ、更にMMPHVAPM――マジカル多目的高速徹甲誘導弾『ファントムチェイサー』を発射した。
逃げようとふらふら動く多脚戦車を確実に追尾し接触。直前に飛び退いたエッダたちの背で爆発が起こる。
そんな中で、タントの放つ光に仲間達の機体が素早く修復されていく。
「ドローンがくるぜ!」
ワモンがカタパルトから発射され、空中でバレルロール機動をかけながらガトリング砲を連射した。
「アザラシが飛べないといつから錯覚していた? ここはオイラも空中戦だぜ! 海豹牙斗燐具薙払猛怒!」
撃ちまくった砲撃によってドローンが墜落。爆発。
しかし残ったドローンがオニキスたちに狙いをつけて機関銃を撃ち込んできた。
シールドをはるが激しく損傷をうけるオニキスたち。
「皆様、トラックのコンテナへ!」
トラックの車体を直接割り込ませることで追撃をふせいだタント。
損傷をうけた仲間が素早くそのコンテナへ飛び込むと、閉じたウィングの内側でアーク溶接のような音と火花の光が散った。わずか十秒。ぴかぴかに修復された仲間たちが飛び出してくる。
「私の役割は決まっているな。……ドローンを。私の上を飛ぶ、邪魔者を排除する」
そんななかでルクトは戦闘機フォームへ変形。空中のドローンたちの間をあえて突き抜けるように飛行しきりもみ回転をかけた。
それによってわずかに動きを乱したドローンたち。
誰を狙うべきか迷ったその隙に少女フォームへと変形し反転したルクトは機銃の連射を浴びせドローン二体を撃墜。
更に戦闘機モードになると壁をぶち抜いてハイウェイの外へと飛んでいってしまった。
それを好機ととらえたのか、急加速してトラックを引き離そうと試みる輸送車。
だがタントたちは焦ることなどしない。なぜなら。
「空は自由だからな。逃れられると思うなよ?」
大きくカーブするハイウェイを空をかけることでショートカットしていたルクトが先回りし、ライフルを構えていた。
発砲。直撃。そして、爆発。
輸送車は横転し、ハイウェイの中央にて炎上を始めた。
●
トラックを止め、運転席から様子をうかがうタント。
「これで……任務は完了ですの?」
「おっと、油断したら駄目だ! 兵器の輸送車だ、中になにがあるかわかったもんじゃないぜ!」
ワモンはスラスターを地面へむけ、自動浮遊モードでホバリングをしながらゆっくりと輸送車へ近づいた。同じくルクトもホバリング状態を保ちながら接近。合図を出したオニキスがアームを伸ばして輸送車のハッチを開こうとした……その時。
内側から爆発の如き衝撃でドアが吹き飛び、一台の戦車が出現した。
見たところただの折りたたみ式多脚戦車だが……。
「残党がいたか! アシカクラッシャーアタックの出番だぜ! 名付けて! スペシャルアザラシコンボ!」
ここぞとばかりにジェット噴射で突っ込んだワモンは激突と同時にきりもみ回転。
一方で迅牙が砲撃をたたき込み、多脚戦車は何も出来ないまま爆発四散。
……したかに見えたが。
「うおっ!?」
戦車の中から飛び出したホースのような物体が戦車の残骸をかき集め、輸送車や周辺に墜落したドローンたちをもかき集めみるみる巨大な獣のごときシルエットへと変化していった。
「――戦闘続行。全員構えろ」
素早く飛び退き、ミサイルポットを展開。ルクトはそのすべてを謎の機械へとたたき込んだ。
大爆発……を飛び越えて、巨大な虎めいた姿となった機械がルクトへと飛びかかる。
人間を、どころか自動車すらも一撃でかみ砕くような牙が迫るが、ルクトは素早く戦闘機フォームへ変形。超高速で離脱し事なきをえた。
「まるで機械の獣……機械巨獣(メタルビースト)といったところか」
着地し次なる獲物を探そう――とした機械巨獣へ思い切り衝突するトラック。
タントは衝突の寸前に運転席から離脱し、転がりながら架空のライフルを構えた。
「……行きますわよ、ジェック様!」
架空の銃は愛をもって実在と成り、想いをもって実弾と化す。
「愛しの恋人直伝──黒の猛禽〈ブラック・ラプター〉!」
狙い澄ましたタントの銃撃がトラックの燃料タンクに命中。衝突のインパクトに加え大爆発を引き起こした。
一方のメタルビーストは身体から生やした機銃やミサイルをまき散らしながらハイウェイを疾走。
ラムダとオニキスは同時に走り出した。
――フライトユニット格納。砲撃戦闘モードに移行。
「ワモンたちは空から周辺を警戒! 私達は奴を追う!」
「でもってできればスクラップする!」
高速で走るメタルビースト。その左右を兵装するラムダとオニキス。
ラムダはさらなる加速によって前方をとると急速にIターン。メタルビーストへと魔力の殻を纏って突っ込んだ。
「おっふ、このタイミングで真打登場とか……あれだね本当の戦いはこれからだ! ってやつ? ――駆け抜けろファブニール!」
「誰が中にいるか知らないけど、脱出するなら今のうちだよ。超高圧縮魔力弾装填。ターゲットロック。マジカル☆アハトアハト―――発射!」
ラムダの衝突と同時に繰り出した、オニキス必殺にしてシンボルともいえる兵器マジカル☆アハトアハト。
衝撃と爆発によって、メタルビーストの足がへし折れ、横転しながらハイウェイを滑っていく。
が、新たに出現した大砲が魔法の砲撃を乱射。
『NANO-SYSTEM起動』
『ナノユニット過剰供給開始』
『物質存在強度、補強』
『疑似防御障壁形成』
そこへ突入したのが、SpiegelⅡである。
「エッダ、後ろへ。攻撃を任せます」
「了解であります。リミットカット、チャンバー内圧力上昇。ぶん回すでありますよ――」
特殊装甲を展開したSpiegelⅡがすさまじい魔力砲撃の中を強引に、かつまっすぐに突進。
至近距離まで迫ると、その頭上をエッダが飛び越え――。
「雷神拳、崩撃(インパクト)!」
メタルビーストの頭部とおぼしき場所にたたき込まれるすさまじい打撃が、無理矢理結合していた機械を粉砕していく。
と同時に、SpiegelⅡが至近距離から腕を突っ込んだ。
「シュピ。最後、任せたであります」
「了解、これがシュピの新たなる力です」
――NANO-SYSTEM
――MODE:DESTROY
カッと敵内部にて開いた手が、すべてのエネルギーの放射という形で爆発した。
その後の調査にて、ゴルゴダ社の輸送車より回収された機械には『乗組員』がいなかったことが判明。ドローン戦闘機と多脚戦車が無人機であることは分かっていたが、パワードスーツや輸送車ですらも無人のまま稼働していたのだ。
パーツのひとつを拾いあげ、目を細めるオニキス。
「『知恵の果実』……か」
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
――ミッションコンプリート
GMコメント
世界百億人のメカファンの皆様ごきげんよう!
今回はそう、メカ回だ!
メカが暴れてメカをぶっ壊してメカが火花を散らし最終的に大爆発するメカアクションシナリオ、再びだ!
ここまでのOPもここからの補足も、もはやそれを楽しむための前置きに過ぎない。
楽しもうぜ! エンジョイアンドエキサイティング!
■オーダーとシチュエーション
ゴルゴダ社のパーツ輸送車を襲撃し証拠品を押収します。
舞台はハイウェイ。トラックやバイクなどを使って追いつき、護衛についているパワードスーツや戦闘機や多脚戦車たちと戦います。
一応前置きとして地元警察がいろんなルートを封鎖し絶好のタイミングで輸送車に追いつけるように手配してくれます。皆さんは襲撃チームとしてこの中に組み込まれている扱いとなります。
横幅の広いハイウェイを爆走するトラックにこちらもトラックで追いつき戦力を一斉展開。むこうもむこうで迎撃戦力をばしばし展開してくるのでこれと戦います。
エネミーデータはこのような具合です。
個体数や全体数はいまのところ不明です。
・ドローン戦闘機
飛行戦闘に優れた無人戦闘機。
機関銃や爆弾による攻撃を行うが、自分より上をとられると弱い。
・多脚戦車
大砲を備えた多脚戦車。こちらも無人機。
固い装甲と高い攻撃力とついでにタフネスが強み。
・パワードスーツ
純正ゴルゴダ社製のパワードスーツ。高機動なカスタマイズがされている。
武装はさまざま。
■チェイスバトル
主にハイウェイを爆走しながら戦うことになります。
今回は『機動力が6以上ある』または『バイクなどに乗っている』場合単独で走りながら戦えるものとします。
そうでない場合でもウィング展開したトラックの上からバシバシ撃ちまくったりトラックを直接寄せて殴りつけるなどすることでしっかり戦うことができます。
またちょっとした特例として『反応が100以上ある』場合には一時的にバッと路上に駆け出して殴りつけて戻ってくるみたいなことができるものとします。
■不明なラスボス
すべての敵を倒して追い詰めると、ゴルゴダ社が切り札を投入してくるかもしれません。いまんとこ何がどうなるかわかっていませんが、派手なラスボス戦があるんだなとおもって必殺技もとい必殺兵器の準備をしておいてください。決め技はかっこよく決めたいですよね!
●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
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