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シナリオ詳細

北海の厳格者

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●北海の厳格者
 鉄帝国北部ヴィーザル地方の海岸近くの地域。
 荒れ狂う波が岩を削った結果、まるでのこぎりの様な海岸線が広がり、海岸線に棲まう人々は常に厳しい生活環境に晒されている。
 しかし、そんな厳しい生活環境であるからこそ、負けるものか、の精神で棲まう人々も居たり……。
『さぁ、皆。準備は良いか!』
『『おーー!』』
『今日の獲物は『グーベルク』村! 村にある物を根こそぎ奪い、我らの力を見せつけてやるのだ!』
『『おーー!!』』
 と、略奪に生きがいを見つけ、船の上で生活を続ける部族も居る。
 先の声を上げたのは、この厳しい海の上で生活を続ける部族『ザノフ』一族。
 船長かつ族長の号令一下、まるで軍隊の如く、統率の取れた動きで村を襲い、瞬く間に村の物を惨殺……全ての物資を奪い去ってしまうという、強悪非道たる振る舞いを続ける彼ら。
 ……そんな彼らの暴虐非道振りは、沿岸に棲まう人々の人づてに伝わっていく。
 しかし、周囲の厳しい環境故に簡単に街を出て避難する、という訳にも行かず……それを良い事に、『ザノフ』達は私欲を満たしていくのであった。


「イレギュラーズの皆さーん! お仕事なのですー! こっちに来てくださいなのですー!」
 元気よく手を振る『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
 彼女の求めに応じ、集まった君達へにっこにこで。
「ありがとうなのです! 早速ですけど、今回のお仕事はですね、鉄帝北部のヴィーザル地方に向かってほしいのです!」
 ヴィーザル地方、という事はノーザンキングス絡み……と言う事。
 そんな君達にうんうん、と頷いて。
「そうなのです! ただ、今回のノーザンキングスに属するのは、どうやら海の上だけで生活しているという、中々肝の据わった一族の様なのです!」
「その一族の名前ですけど……『ザノフ』一族、と言う様なのです。まぁ名前は何でもいいのですが、特徴としては筋骨隆々の戦士達が一杯、という部族の様なのです。男も女も、身長の大きさ位ある巨大な大剣をいとも容易く振り回して、全力全開で攻撃してくる奴等なのです!」
「そういった具合ですから、攻撃力がとても高い一族と言えるのです! 更には族長の号令一下に一斉行動が出来るという、まるで軍隊じみた行動を取る戦闘一族なのです!」
「彼らによって滅ぼされた村は多数……峡湾に棲まう人々は、今も怯えた生活を送っているのです。彼らの頼りは、イレギュラーズの皆さんなのです! どうか、よろしく頼みます、なのです!!」
 と、最後はちょっと神妙な顔をして、頭を下げるのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 春先であっても、ノーザン・キングスの悪事は千里を走っている様です。

 ●成功条件
   『ノルダイン』の海上種族『ザノフ』一族(一味)を倒す事です。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はAです。
   想定外の事態は絶対に起こりません。

 ●周りの状況
   ザノフ達は、ヴィーザル地方の海峡部にて住んでおり、略奪を起こさない限りは陸上へと近づかないという生活を行っています。
   逆に言えば、陸上に上がるときは略奪する時……という事になる訳です。
   なので今回も彼らは略奪の為に、海岸線が整備されている村に強引に乗り付けて来る、という事になります。
   戦場となるのはそんな海岸線~敵船の間、という事になります。
   ちなみに時刻の頃は朝靄が漂う早朝になりますので、村人達を避難させる、というのはちょっと難しそうです。
   なので海岸線より先に行かせない様、全力で対向してください。

 ●討伐目標
   敵となるは『ザノフ』一族の狂戦士達が15人です。
   男、女居ますが、全員が大剣を易々と振り回しており、単体に対する攻撃力は極めて高いです。
   又、族長である男は『統率』のスキルを持っており、仲間達を効率良く、更に連続で行動する事で一気呵成に攻め込んでいく事が可能です。
   それら攻撃を一人に集中砲火する事で、瞬く間に一人倒す……というのが主な戦術の様なので、ご注意ください。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 北海の厳格者完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年05月01日 22時30分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

亘理 義弘(p3p000398)
侠骨の拳
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
願いの星
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
サクラ(p3p005004)
聖奠聖騎士
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
エル・エ・ルーエ(p3p008216)
小さな願い
雑賀 才蔵(p3p009175)
アサルトサラリーマン

リプレイ

●海原を纏う
 鉄帝国北部、ヴィーザル地方に広がる海岸域。
 荒れ狂うような海岸線が入り乱れており、接岸する場所は限られている。
 その為に、その地に棲まう人々は厳しい生活環境の中で生活しなければならない……だから、生きるのに必死。
 でも、そんな生きるのに必死な人々を嘲笑うかのように、ヴィーザル地方で暴れ廻る『ノーザン・キングス』に属する者達。
「全く、ノーザン・キングスの連中がまたやってる様ですね……」
 と溜息を吐くのは『鋼鉄の冒険者』オリーブ・ローレル(p3p004352)。
 彼の言う通り、今回のノーザン・キングス達はこの厳しい海の上で私欲を満たす為に、村の資材を根こそぎ奪って廻っている……という。
「しかしここ最近、ヴィーザル地方の色んな相手と戦ってるけど、今度はノルダインか……国家を存続させるためには仕方ないところもあるんだろうけど、襲われる方にはそんな事関係無い。助けを求めるならその手を取るけど、奪おうとする手は打ち払うのみ!」
「だな。今回の仕事は、略奪者から村を守る事だ。自分等が食えねえからと言って、他人を襲うとはけしからん。キッチリ殴り倒してやらねぇと解らないだろうし、気張って行くとするか」
 『聖奠聖騎士』サクラ(p3p005004)と『仁義桜紋』亘理 義弘(p3p000398)の言葉に『アサルトサラリーマン』雑賀 才蔵(p3p009175)が。
「そうだな……話を聞けば聞く程、こいつらが録でもない連中ではあるな。殺戮し、略奪し全てを奪い何も残さない。欲望の限りを尽くして生きる者達か……だが、そんな連中相手なら、『仕事』のやり甲斐もあると言うもの。貴様らが奪って来たもの全てのツケを何倍にもして、奴らの命で償って貰うしかないな」
 と、それにうんうんと頷くのは『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)。
「そうダネ。港がセイビされている村を狙って略奪を重ねると、この周辺の漁獲量が減っちゃう。この地方で食料の供給が滞るとシカツ問題だ! これは見過ごせないヤツらだよ! フネがあって、航海のノウハウがあるのなら自分たちで漁をしろ! 働け!!」」
 拳を振り上げて憤るイグナート、更に『雷はただ前へ』マリア・レイシス(p3p006685)と『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)の二人にも。
「うん。彼らも生活が苦しいのは解る。けれどそれは皆同じなんだ……彼らには力がある。それを何故、助け合う為に使うことが出来ない……」
「そうですわね。彼らが略奪しなければ生き延びられない、というのもあるのでしょう。その事情は、少しだけ理解致しますわ。ですが……彼らの行為は度を超しています。ここで、全てを終わらせてやりましょう、マリィ」
「うん。ヴァリューシャ……こんなこと、絶対にやめさせよう!」
 と、そんな仲間達の言葉にこく、こく、と『ふゆのこころ』エル・エ・ルーエ(p3p008216)が頷き。
「ん。頑張って、皆さんが貯めたものを、奪って行くのは、めっ、です。なので得るは、頑張ります。えいえいおー、です」
 そしてオリーブと才蔵、そしてサクラが。
「ええ……では、一人も逃さず始末をする事で応えましょう。そうすれば、ノーザン・キングス崩壊にまた一歩近づきます。これは小さな一歩ですが、確かな一歩です。着実に進めて行きましょう」
「そうだな……さぁ、仕事の時間だ。取りあえず奴らをどう倒すか……だが」
「ええ……敵は強力な連携攻撃を持って居る。私達は敵の連携を抑えて、まずは族長を撃つ作戦で行くよ!」
「了解」
 敵陣を倒す順番を改めて確認し、イレギュラーズ達はユリーカより聞いていた襲撃予定地点へと急いだ。

●頭を張る者
 そして、目的地である、ヴィーザル地方北方の海に面する港村へと辿り着いたイレギュラーズ。
 時刻の程は早朝であり、朝靄が立ちこめているが、視界は僅かに妨げられる程度。
「……もうそろそろ、でしょうか……? 小鳥さん……宜しく、です……」
 エルは事前に召喚しておいたファミリアーの桃色と水色の小鳥さんを上空に放ち、海の方を共有する視界で確認。
 朝靄よりも上方に飛ばす事で、海上から攻撃が届かないくらいの高度を取る事により、遠くの海上まで広く見渡す事が出来る。
 鳥の視界からは、幾つかの船が映るものの……どれがその船かは、すぐに判断は出来ない。
 ただ、それら船の動きをエルに報告してもらいながら、近くの接岸できる港を確認。
「この辺りでしょうかね?」
「ん……そうだな。エル、どうだ、怪しい動きをしている船は?」
「ええ……こちらに、近づいててきてる船……2隻」
「解った。継続して見ておいてくれ」
 イグナートと義弘の言葉に、逐次報告するエル。
 少なくとも隆起する海岸線に船が接岸するのは難しい……下手すれば座礁する可能性すらある。
 更に今回のノーザンキングス、『ザノフ』一族は、村の資材を根こそぎ奪うというから、何もない所に接岸してくる可能性は少ないだろう。
「取りあえず船が確定するまでは、姿を隠しておきましょうか?」
「そうだね。下手に姿を見せておくと、警戒して別の村へ……ってなりかねない。。もう少し、静かにしておこう」
 ヴァレーリヤにマリアが頷き、そして村の船の影などに、そっと姿を潜ませるイレギュラーズ。
 ……それから更に数刻が経過し、エルの小鳥が船の動きを常に監視し続け……。
「……あ、一隻、こっちにきてる……です」
 エルが指指した方角には、朝靄の中に朧気ではあるが、村に向けて進路を取る一隻の船の姿。
 全速力でこちらへと航行し、みるみる内に距離が詰まっていく。
 そして強引に港へ接岸した所で、船から次々と下船してくる、筋骨隆々な『ザノフ』の船員達。
『良し、てめぇら! 今日のターゲットはこの村だ!』
『『おうっ!!』』
『この村にある物を根こそぎ奪い、我らの力を見せつけてやるのだ!』
『『おーーーっ!!』』
 仲間達を鼓舞するように声を上げる男と、それに従う者達。
「あれが族長……?」
「うん、そうだろうね……」
 とヴァレーリヤに頷くマリア、そして。
「それじゃ事前に詰めておいた作戦の通り行こうか。数名が部下を惹きつけている間に、残りの人間で族長を叩くんだ。統率された行動を得意とする彼らならば、まずは分断し頭を叩くのが定石だ」
「そうですね。統率を機能させず、集団の力も活かせないようにしましょう」
「ウン。部下は俺とサクラが手分けして惹きつけるヨ。ちょっとタイミングをズラして、皆も仕掛けてネ」
「解った。んじゃ……宜しく頼むな」
 才蔵、オリーブ、イグナートに義弘で作戦を再確認。
 そして部下の陽動役であるイグナートとサクラが、威勢良く進み始めた敵集団の真っ正面へと立ち塞がる。
『っ……何だお前達は!』
 立ち止った『ザノフ』一族に、サクラは聖刀を掲げ、突き立てながら。
「さぁ、ザノフの戦士達! 掛かってきなさい!」
 威風堂々とサクラが『光あれ』による口上を述べる。
 その言葉にザノフの頭は。
『俺達がザノフの一族と知ってる、だと? ふむ……何処で聞いてきたかは解らんが、死にたいようならば殺してやろうか お前達、容赦無く行くぜ!』
『『オゥっ!!』』
 名乗り口上に乗せられたのか、それとも元々の威勢かは判断が難しいが……ザノフの指示を受けた部下達は勢い付いて、サクラに向けて攻撃開始。
 攻撃の間合いに入る直前に、更にイグナートも。
「船を操る力があるのに、人の物を奪うだなんて、許せないんだ! キミ達に天誅を喰らわせてあげるヨ!」
 と更なる名乗り口上を上げて、サクラに向かうターゲットの一部に怒りを上書きし、方向を逸らせる。
 更に族長との間合いを広げるよう、数歩後方に退く事で引き寄せる。
 その間に他のイレギュラーズ達は族長の近くまで息を潜めて進軍し……明かな間合いが着いた所でいざ、才蔵が後方から狙い討つ形での、D・ペネトレイションを放つ。
『ぬ……っ!?』
 流石に背後を取られた形での不意打ちを躱す事は出来ず、失血効果に苦悶の表情。
 そして族長と部下達の間に割り込むようにして、残りのイレギュラーズ達が割り込み。
「族長、君の相手は私がするよ!」
 マリアが早速蒼雷式・天槌裁華を発動し、Mアタックにて敵のAPを削りつつ、呪縛効果で動きを鈍らると、続き義弘、オリーブ、エルの三人が各々攻撃。
 そう仲間達が攻撃していく一方で、ヴァレーリヤは族長に攻撃しながら。
「おい! お前達!! 船が襲われているぞ! すぐに戻って船を守れ! 帰れなくなるぞ!」
 族長の声色を真似て叫び、部下達への指示を与える。
 だが、勿論その指示は偽物であり、族長は。
『何!? 違う! 俺が襲われているんだ! てめえら、一端俺の所に戻れ!』
 と戻らないように指示を再度与える。
 ……ただ、二人の声は接近戦をしているので、同じ場所から響いてくる。
 さらにはまだまだ朝靄が漂う戦場故に、族長の姿は部下達からははっきりと見えないので。
『ど、どっちが頭の声だ!?』
『わ、解らねえ……どうするよ!?』
『でもよ、資材を奪取するのも俺達の仕事だろう!? 俺は前へ行くぜ!!』
 と、部下達が叫び合い、大混乱。
 怒り効果もあり、冷静な判断は元々出来なくはなっている様で、基本的には好戦的な方向に傾いており……つまりは攻め込む傾向に傾く。
 つまり、族長を守る行動を取ろうとしたのは、居ないという事。
『くそっ……ふざけやがって!!』
 唇を噛みしめ憤る族長。
 そして、決して取り逃さない様に族長の周囲を6人のイレギュラーズ達が完全に包囲。
 対し部下達にはサクラとイグナートの二人だけで対応。
「数は多いケド……でも、惹きつける位なら大丈夫!」
「ええ……!」
 二人は大ダメージを受けない様、部下達の動きを見据え、できるだけ防御集中。
 更にイグナートはティタノマキアで、サクラはハンズオブグローリーで自己強化や回復を行い、戦線を維持する様に動く。
 完全に部下を二人に任せ、そして義弘が。
「んじゃ……とっとと倒れて貰うぜ」
 と吐き捨てながら、ギガクラッシュの一撃を族長の懐へと叩き込む。
 更にオリーブは。
「ヤツが満足に動いては面倒ですからね。大火力で対応を強制する事で、統率を発揮出来なくさせてやりましょう」
 とリーガルブレイドの一閃を叩き込み、更に才蔵がプラチナムインベルタで、耐性を崩させる。
 更にエルが、ピューピルシールで封印効果を付与し、更に能力の発動を制限していく。
 そんな仲間達の攻撃の最後に、マリアとヴァレーリヤが。
「ヴァリューシャ! 敵の攻撃には気をつけてね!」
 と注意喚起をすると、ヴァレーリヤは。
「ええ、マリィ。私に合わるのですわ!」
 とダミーヴォイスで部下達を欺くのを忘れずにしつつ、『どっせえーーい!!!』でメイスを突き放つ一撃。
 恍惚効果が付与された所に、マリアが。
「少々痺れると思うけど自業自得だよ! 受けろ! 天槌裁華!」
 と『蒼雷式・天槌裁華』を族長一体に放つ。
 一対六の集中砲火の前に、流石に大ダメージは免れない。
 だが、元々鍛え上げてたのか、体力だけは結構ある様で。
『くそったれが……! 絶対にぶっ殺す!!』
 戦意は決して挫けていない。
 次の刻となるも、動きは変わらずサクラ、イグナートが部下を惹きつけ、残るイレギュラーズ達で族長を倒すのみ。
 部下は14人いるので、二人に掛かる負荷はかなり高い。
「大丈夫、私はまだまだ元気だよ! 君たちはもう限界かな!」
 でもサクラは、決して弱音を吐く事無い。
 勿論イグナートも彼女と同様、戦陣を抜かれない様に動きつつ、怒りを何度も重ね掛け。
 その結果部下達が族長に向く事は無い。
 更に数刻経過……。
「さぁ、貴様らが散々奪ってきたその報いだ……今度は俺達が貴様らの全てを奪ってやろう」
 と才蔵がデッドエンドワンの一撃を放つ。
『グゥアアア!!』
 それと共に、絶叫を上げて倒れる族長。
『お、お頭ぁっ!?』
 流石にその絶叫に振り返る部下達……だが。
「さて、長を失った状態で、どこまで抵抗出来るのでしょうか? どうあっても結果は変わりませんが」
「……それほどの力がありながら! なぜだ! 護衛や警備! いくらでも道はあるだろうに!」
 オリーブの冷徹な言葉、一方マリアの説得の言葉。
 族長は死に、残された彼らだけでも……と思ったのだが。
『う……うるせえ! 指図すんなっ!!』
 と苛立ち全力で反抗。
 ……そんな『ザノフ』一族の部下達に、義弘が。
「ま、奪う事に馴れちまったからには、真っ当に働ける訳なんかねえよな? ……んじゃ、とっとと倒れろ」
 無慈悲な義弘の言葉。
 それと共に戦鬼暴風陣を敵陣に立ち入り放つ事で、纏めて攻撃。
 続いてオリーブのH・ブランディッシュや、才蔵のプラチナムインベルタが次々と叩きつけられ、部下達を一網打尽。
 更に防御に集中していたサクラとイグナートも攻撃側に回り、集中して一人ずつ攻撃。
 ……そんなイレギュラーズ達の範囲攻撃と集中攻撃の協奏に、特段なスキルを持たない部下達は対しての抵抗も出来ず、崩れ墜ちて行くのであった。

●海を穿つ叫び
 そして……村へ攻め込んだ『ザノフ』一族を全て倒したイレギュラーズ。
「これで、私達の勝ち……だね……!」
 とサクラが深く一呼吸し、武器を降ろすと、エルも。
「ええ……お疲れ様、でした……」
 と小さく微笑むが、その一方で。
「……あ、あ”ーあ”ー……」
 喉を軽く押さえながら、声を発するヴァレーリヤにマリアが。
「ヴァリューシャ、大丈夫?」
 と心配する様に声を掛けると、ヴァレーリヤは。
「……変声魔術なんて久しぶりに使いましたわ。疲れますのよね、コレ」
「そうだね……お疲れ様」
 と微笑み掛ける。
 そして、戦いの痕跡を片付けつつ……マリアは敵の亡骸を、丁重に弔う。
 手を合わせ、冥福を祈るマリアが、ぽつり。
「ヴァリューシャ……哀しいね……いつか皆が手を取り合って暮らせる時代はくるのかな……」
 と小さく零すと、ヴァレーリヤは。
「……そうですわね、マリィ。皆が手を取り合って笑って暮らせる、そんな時代が来ると良いですわね……」
 と頷く。
 ……とは言え未だに繰り返されるノーザンキングスに属する者達の襲撃事件。
 かなりの数を倒してきている筈だが……収まる気配は未だ見えない。
「ま……厄介だが、これは一つずつ潰して行くしかねえな……」
「そうだな……」
 義弘と才蔵が零す一言。
 それを聞きながら、エルは朝靄が晴れつつある海辺へと座る。
『ザザァ……ザザァ/……』
 と押しては引く波の音に耳を傾けつつ。
(「……厳しくも、きりっとしていて……これ、好き……」)
 エルは誰へ、という訳でも無く……其の波を見つめながら、ボォッとした時間を暫し過ごすのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

ノーザン・キングス討伐依頼に参加頂き、ありがとうございました!
今回は船の上で暮らすという、力こそ全て、な種族でした。
族長の統率能力を上手く封じられてしまったので……対して抵抗出来なかった様ですね……。

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