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シナリオ詳細

<濃々淡々>君は永遠に美しい

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●まやかし
 神社の一件は辿ることも難しく。そうして絢が街に下り、戻ってきたときのことだった。
「おお、絢じゃねえか! なんか面白い店ができてんぞ!」
「やぁ。面白い店? そんなの最近は見なかったような気がするけれど……」
「言うようになってきたな。なんでもあれは、今朝できたらしいんだ。不気味なことに誰も何も知らねえんだよ!」
「誰も……ふうん」
 瞬き。道を進む。
 人の往来も激しい、商人たちの街に置いて、だれにももくげき●まやかし
 神社の一件は辿ることも難しく。そうして絢が街に下り、戻ってきたときのことだった。
「おお、絢じゃねえか! なんか面白い店ができてんぞ!」
「やぁ。面白い店? そんなの最近は見なかったような気がするけれど……」
「言うようになってきたな。なんでもあれは、今朝できたらしいんだ。不気味なことに誰も何も知らねえんだよ!」
「誰も……ふうん」
 瞬き。道を進む。
 人の往来も激しい、商人たちの街に置いて、誰にも目撃されずに店を開く準備をし、整え、そして開くまでこぎつけるというのは容易なことではない。
 それに、店を買うにしろ噂が流れないのもおかしい。それほどまでにその店は不思議に包まれていたのだ。
「嗚呼済まない、ちょっと通してもらえるかな」
 人波を掻き分けてたどり着いたのは。

「絵画の、店……?」

 摩訶不思議な絵画の店だった。

「お客さんかい。面白い匂いがするね……ささ、入って。君にも、面白いことをしてあげよう」

●秒針は動かない
「おれもその店に入ってみたんだけど、なんだか不思議な体験をしたんだよね」
 今になっても不思議なのだと語る絢は、うんうんと自分に言い聞かせるように頷きながら、調査内容をまとめた紙をめくっていく。
「でね、せっかくだからみんなにも行って見てほしいんだ。依頼人はおれから、経費もおれから出しておくから!」
 必死な様子で。
 あまりにも深刻そうだ。彼の口は珍しく止まらない。
「皆にも、絵画になるっていう体験をしてみてほしいんだ」
 絵画に、なる。
 それが何を意味するのかがわからない。
 ただ、絢がにこにこといつものような穏やかな笑みを浮かべる裏で、なにかとんでもない人物がかかわっているのは確かだと思う、あなたなのだった。

NMコメント

 染です。ネタを暖めていたら四月になっていました。
 上手く形にするのが難しかった分、楽しんで頂ければ幸いです。

●依頼内容
 絵画になれると噂の店に行ってみる

 そのままです。行ってみましょう。

●お店
 普通の椅子に座らされ、10秒ほどで眠らされます。
 あなたは絵画の中に迷い込んだような夢を見る……のですが。
 目が覚めた時、あなたが迷い込んだというその絵画が手の中にあるようです。
 あなたも、しっかりと映り込んで。

●指定して欲しい内容
 ・どんな季節のどこに迷い込んだのか。
 ・そこであなたは何を漢字だのか。

 染にお任せしていただいても構いません。もちろん、自分で指定しても問題ないです。
 素敵な絵画がもらえることは間違いないでしょう。

●店の店主
 目元を狐の仮面で隠した中性的な人物。
 何を問おうとはぐらかされます。

●世界観
 和風世界『濃々淡々』。

 色彩やかで、四季折々の自然や街並みの美しい世界。
 また、ヒトと妖の住まう和の世界でもあります。
 軍隊がこの世界の統制を行っており、悪しきものは退治したり、困りごとを解決するのもその軍隊のようです。
 中心にそびえる大きな桜の木がシンボルであり神様的存在です。
(大まかには、明治時代の日本を想定した世界となっています)

●絢(けん)
 華奢な男。飴屋の主人であり、濃々淡々生まれの境界案内人です。
 手押しの屋台を引いて飴を売り、日銭を稼いでいます。
 屋台には飴細工やら瓶詰めの丸い飴やらがあります。
 彼の正体は化け猫。温厚で聞き上手です。

 要望があればご一緒します。

●サンプルプレイング(絢)
 春の田園に。
 美しい季節だから、きっと桜色の水面が見れるんじゃないかなあ。

 以上となります。ご参加お待ちしております。

  • <濃々淡々>君は永遠に美しい完了
  • NM名
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年04月11日 21時55分
  • 参加人数4/4人
  • 相談3日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

蜻蛉(p3p002599)
曙の花
ネーヴェ(p3p007199)
星に想いを
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)
しろがねのほむら

リプレイ

●タイトル『何処』
 『しろがねのほむら』冬宮・寒櫻院・睦月(p3p007900)は、凍えていた。
 嗚呼、嗚呼、寒い。寒いのだ。
 凍えるような冬の日のことだった。
 睦月の家系。冬宮の神社、其の本殿での契りの一幕。
 君は『僕』に平伏した――

 『これからは一振りの刀となりお傍へ侍ります』と。

 君は六つ。僕は三つ。
 口に溢した言葉の意味も解らない儘交わされた主従契約。屹度君も只大人達に言われるまま口にしたのだろう。
 睦月の最初の記憶。君との出会いが『睦月』を形作った。

「ねえ、君だけだったんだよ」

 首を垂れる黒髪。其れを見つめる幼き自分。
 嘗て祭具として扱われていた僕へ人間として接してくれたのは。

 一緒に毬つきをしたね。
 かるたもすごろくもした。
 退屈だった? 家の事情で『仕方なく』僕の相手をしていたこと、知っているよ。
 今でも時々夢に見てしまう。**ちゃんが遠くに行ってしまう夢。
 僕を置いていく、夢。

(我儘ばかりなのは許してほしい。見捨てられるのが怖くてつい試してしまうの)
 雪の日よりも冷たく。凍えた心では温度すらも解らないから。
(君を生涯の伴侶と定め、性別不明から女になった此の身。君がいないと意味がない。息をする理由もない。
 冬の、一番寒い、吐く息も凍える中での出会いだった)

 あの日が僕の原点。

 目を、覚ました。
「……此れ、は」
「嗚呼、お客さん魘されていらしてね。絵は出来たんだけど、此れは失敗かもしれないねえ」
 不可解そうに首を傾ける店主。

 其の絵は大柄な人間――恐らくは大人だが――の顔が塗りつぶされた絵。
 真白い冬を背景に。目だけがぎらぎらと輝いている。
「……なんだろう、此れ。でも屹度此の絵ができたってことは、そう云うことなのでしょう。有難うございます」

 マッチで、ぼう。
 燃える絵。無関心に。赤い瞳は炎を受けて更に輝く。
「さて、お土産でも買って帰ろうかな」
 笑顔を貼り付けて。腕は後ろで組んで、いつも通りに。

 婚約までしたのにね。
 まだ怖い。まだ不安。
 もっともっとと求めてしまうのは、どうしてなんだろう。いつかまっすぐに君を愛せる日が来るのかな。

(こんな思いを抱えているなんて彼にだけは知られたくない)

 胸を黒く塗りつぶすのは、なんなんだろう。
 解らない。
 解らないほうが、良いのかもしれない。
 いつも通り。
 いつも通りがいい。
 我儘で能天気で、何も考えていない、いつもの。

●タイトル『あこがれ』
「……夢を、描く? ……随分変わった商売なんだな……少々、興味がある」
「其れは結構」
「幸い、今日は仕事もない……一つ、試してみるとするか」
 否、此れが依頼なのである。けれど、眠っていればいいだけなんて仕事にもならない。彼女は傭兵なのだから。
 用意された洋風の椅子に腰かける。ゆるやかに腰を包み、自重で柔らかく落ちていく。
 『蒼空』ルクト・ナード(p3p007354)は其の瞳を閉じた。深く、深く、電源を落とすように。 
 ぷつん。

 目が、覚めた。
 其処は混沌ではないように思われた。解らない。けれども、混沌かもしれない。解らない。
 快晴の蒼空。美しき紅葉。其れも、幾多に。
 手を伸ばしても、届きそうにない。
「……私は……紅、と聞くと血と、炎しか、」
 浮ばない、筈だった。
 己の掌は汚れているから。
 こんな紅はあるのか。そう思ってしまう程に。其れは、初めて見た穏やかな紅色だった。
 地を踏みしめる。其処に広がる紅は、血溜まりでも灰燼でもなく、同じ色は一つとてない紅葉だった。
 地を、蹴る。
 柔らかな青に溶け込むように、ルクトは空へと軽く飛び上がる。

「……、」

 言葉を織り成すには、知識が足りない。
 言葉を結い束ねるにも、声にならない。
 紅。其れから、黄色。
 山々が織り成す、美しき色彩。

 其の、中に。
 見慣れた色彩が、あるような気がする。手を伸ばしている。此方へ。
 ふわり、空を駆けて。同じように、手を伸ばしてみる。

「ルクト。遅いではないか。私の秘書であろう?」

 災厄の瞳? 否、違う。あれは。あれは。あれ、は。
 優しい紫だ。誰が何と云おうと。私はそう思う。彼が己を獣と名乗ろうとも。

「×××××?」

 目が覚めた。息を呑む。あれは、夢なのか?
「良い夢を見たようだね。良い色じゃないか」
 店主に云われ、絵画を抱きしめていたということに気付いた。
「……あぁ、そうだな。次に見る機会があれば、大切な奴と……、」
「へぇ? 其の絵に居る人物かい?」
 絵と、向き合ってみる。
 紅。黄。揺れる木漏れ日。
 其の並木の奥。
 銀糸揺らす、小さな背中。
 あれは、もしかして、彼の、

「…………私は何を口走っているんだ」
 ルクトは思わず口元を押さえた。
 こんな絵画、どこかへ捨ててしまおうか。
 嗚呼、でも、そんなことできる筈がない。
 だって、この絵があれば。またあの夢を、今後は彼と、見られるかもしれないから。

●タイトル『追椿』
「この椅子に座っていれば良い、のですか?」
「嗚呼、そうさ」
「なんだか、緊張してしまいます、ね……絢様からのお誘い、ならば。危険はないと、思いますが」
 『うさぎのながみみ』ネーヴェ(p3p007199)は白い頬を赤く染めて。未知の体験に、胸を高鳴らせた。
(こんな状態で、良いのかしら? でも……ふわぁ。眠く、なって……、)

 痛い。冷たい。ちく、ちく、ちく。
 常冬。枯れた様に、木々が。動物が。命が眠る森に、ネーヴェは居た。
「此処、は」
 寒さすら感じているのだから。夢だと、ネーヴェは気付かなかった。
 だから、追ってしまった。
 点々と。零れるように落ちた、赤い赤い、椿の花弁を。
(いったい、どこまで、続いているのでしょう。この先には何が、あるのでしょう)
 血にも見える。
 足跡にも、見える。

「わたくしは、」

 ずっと、ずっと、それを辿って
(まだ、まだ続いてる)
 花弁の代わりに、足跡を残していくの
(こっち。こっちだわ)
 急かされるみたいに、段々、走るように
(待って、いかないで、もう少しで、)
 息を切らして、鼻の頭を赤くして。肺が苦しくなっても、構わずに
(っ、もう少しだから、頑張るの……!)

 赤い花を落としたのは、だぁれ。
 虚空に問う。
 幼い日のネーヴェの姿になっていた。お父様も、お母様も。口うるさい使用人たちもいない。

『そうだなあ。洞窟の奥で見つけたお宝の話、なんてどうだい?』
『あ、こら、ネーヴェ、真似をするのはよすんだ! ……うん、いいこ』
『ネーヴェ、あんまり走らずに……ああもう、仕方ないな』
『1人でお出かけ、ねえ。……どこへ行くつもりなんだ?』
『いやそれは…ダメだろ。ネーヴェ、俺とお前じゃ違うんだぞ』
『ッ、ネーヴェ……』

 あの人がいるのではないかと、どうしてか、思ってしまったから。
 誰かの影が振り返る。

『ネーヴェ』
「ルド、さま?」

 手が伸びる。
 伸びる。
 わたくしは、其の、手を、

「ネーヴェ!!」
「……夢?」
「……よかった、顔色が悪かったから」
 おれが呼ばれたのだと告げて。絢は絵を見た。
「夢通りの絵画……まるで、夢を忘れないために、あるようです、ね」
「嗚呼。まるで呪いみたいだ」
 真っ白な冬景色は、わたくしの耳のよう。
 真っ赤な椿の花弁は、わたくしの瞳のよう。
 只、見慣れぬ青い布が、空に飛んでいるだけの、絵。
「おれの夢とも、違うんだね」
「絢様の、夢は?」
「……内緒」



●タイトル『水と油』
「どんな絵になるんやろか…店主さん、お顔は見えへんの? 勿体ないわ」
「おや、お喋りは別料金だよ?」
「……ふふっ、大人しゅう座りますよって、今日はよろしゅうおねがいします」
 『暁月夜』蜻蛉(p3p002599)は軽く頭を下げ、其の柔らかい椅子に座り、紅を引いた眼を閉じた。

「姐さん?」
「……ぼうっとしてたわ。堪忍ね」
 から、ころ。
 から、ころ。
 規則正しい高下駄の音。地を擦り、僅かに削れ初めたのだと、下駄裏を見ては何とも言えぬ心地になった頃のことだった。
「姐さん、大丈夫?」
 禿の娘の切り揃えた髪が、蜻蛉を振り返り揺れた行灯と同じに揺れた。
「お前さんがついてくれとるで、平気やよ」
 まだおぼこい其の顔には、不安だとか、其れでも大丈夫だと云われたのだから、とか。色々な感情が渦巻いているのだと解って、少し頬を緩めて。

 灯篭の灯りはぼんやりと。霧に包まれた蛍のように、ふわふわと揺れて。
 そうっと見上げれば。雲一つない宵の口の色が、空に滲む。
 白く淡く、浮かんだ月だけが、静かに蜻蛉の背中を押すのだ。

 豪勢な着物。金に、緋色に、くれなゐに。蝶が舞う袖、花咲く裾。
 其の白い肌は月より澄んで、其の黒髪は夜闇に影を混ぜたよう。
 まるで、『人』ではないかのようだ、と。
 噂する声が、耳を撫ぜる。

 しゃん。しゃん。しゃなり。
 金の花飾り。簪が、音鳴らし、揺れる。
 嗚呼、もうすぐ着く頃だろう。

「おや、起きたのかい。早いお目覚めだね」
「随分と昔、忘れてしもてたけれど、やっぱり記憶の片隅にはちゃんと刻まれとるもんや。
 何の因果が分からんけれど、人のカタチを得たこの身「お人」を知るにはちょうどええ場所でした…お人に紛れて生活するんは、そら楽しい日々やったし気に入っとりました、ふふ」
 立ち住まいは、艶やかに。ぴんと背が伸びた蜻蛉に、店主は首を傾げる。
「昔、こんな格好した時がありました。でも…今は今で好きなんよ」
 其処に有ったのは、月を背に振り返る若い花魁の絵だった。
「所詮妖は妖、お人にはなれへんもの。やからこその、憧れかもしれません」
「……ふぅん」
 酔狂なものを見たとでも言いたげに、店主は仮面の奥で瞬いた。
「それでも…絵にして貰って、こないして眺めるのもそれはそれで乙なもんです。おかげさんで、昔に戻ったみたいやった」

 素敵なもんを、おおきに。
 其の声は、笑顔は。昔とは変わらず、綺麗で。

成否

成功

状態異常

なし

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