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シナリオ詳細

<ヴァーリの裁決>憩う市場と狙う影

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●<ヴァーリの裁決>
 ローレットが本拠地を構える幻想王国、王都メフ・メフィート。
 その一角には、日向 葵(p3p000366)の収める『日向 葵』領が存在する。
 棲まう人々はごくごく平和に、日常生活を営んでおり……その日常生活を支えるのは『泉』のほとりに広大な敷地を広げる市場。
 食べ物、飲み物、娯楽品や装飾品等など……領民にとって無くてはならない場所。
『ああ、いらっしゃい! ほら、今日も一杯美味しいの取りそろえてるよ! 肉、魚なんでもあれ!』
『そうねぇ……昨日は魚だったし、今日はお肉かしらねぇ……?』
『肉! それじゃあこれはどうだい! 極上の肉だよ!!』
 商人の威勢良い声に、領民達は笑ったり、たわいもない会話をしたり……と、人々の生活の息吹が根付いている。
 ……しかしそんな平和な影に、そっと忍び寄るのは……魔物の影。
『キュィイイイイーーーー!!』
 と、空に突如響き渡る、甲高い鳴き声。
 その鳴き声の方向へ目を向けると大きな羽をはためかせて近づいてくる怪鳥の群れ。
『何だあれ……見慣れないヤツが来ているぞ!』
『何だって!?』
 と驚愕している市場の人々。
 ……ただ、怪鳥達だけでなく、市場の傍らの泉からも……紫色をした、毒々しい色の液状生物が浸蝕してくる。
 空と泉の両面から湧き出た魔物達は、市場の人々の退路を奪いながら、にじり寄ってくるのであった。

●憩う市場と狙う影
「あー……ちょっとそこの皆、来て貰って良いか?」
 と『黒猫の』ショウ(p3n000005)は、ぽんぽんっ、とギルド・ローレットに居たイレギュラーズ達の肩を叩き、集める。
 招集されたキミ達の前には、葵の姿。
「最近この幻想王国に、素性の良く解らん魔物達が現れて居る……という話はしっているよな?」
 度々領地を襲う魔物達……これが伝説の神鳥が眠る『神翼庭園ウィツィロ』の封印もまた暴かれてしまったからだ、という話が流れているが。
「まぁ……それは事実の様なんだが。でも、そんな魔物達が皆の領地をも浸蝕しつつあるんだ」
「このメフィートの近くにある、葵の領地にもその影が近づいている様でな……取り急ぎ、皆に声を掛けたって訳なんだ。というわけで力を貸してほしい……って事さ」
 こほん、と一度咳払いしつつつ、ショウは葵を促す。
「オレの領地っスけど、泉の辺に大規模な市場があるんっス。そこはオレの領地に住む人々にとって、無くてはならない施設っス」
「ここには昼夜問わずに多くの人が訪れているっスけど、そこに魔物が襲撃してきたら、領民の皆が混乱に陥るのは間違いないっス。オレ一人の力じゃ出来る事も限りあるっスから、皆の力を貸してほしいっスよ」
 そんな葵の言葉にショウが。
「という訳だ……まぁ、いつ皆のところにもこういう脅威が現れるとも知れないから、皆、よろしく頼むな」
 と、軽く頭を下げた。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 今回魔物達は、美味しい匂いに誘われたのでしょうか……、日向 葵(p3p000366)の『泉』のほとりにある『市場』周辺を狙ってくる様です。

 ●成功条件
   領地へと襲撃に来る魔物を退治する事、そして領民の方々を守り切る事になります。

 ●情報精度
   このシナリオの情報精度はBです。
   依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●ブレイブメダリオン
  このシナリオ成功時参加者全員にブレイブメダリオンが配られます。
  ゴールド、ミスリル、アダマンタイトとメダルごとにランクがあり、
  それぞれゴールド=1p、ミスリル=2p、アダマンタイト=5pとして扱われブレイブメダリオンランキングにて総ポイント数が掲示されます。
  このメダルはPC間で譲渡可能です。

 ●周りの状況
   今回の舞台は葵さんの『泉』の『市場』周域です。時間は市場が一番活性化しているであろう、昼下がり(午後3時くらい)です。
   空からは10匹のグリフォン、泉からは4匹のスライム達が同時に襲撃をけしかけてきます。
   彼らの狙いはよく分かりませんが……少なくとも領地を襲う事、が目的なのは間違いありません。
   当然ながら領民達は、そのような魔物達に遭ったことが無いのが大半なので、目の当たりにすれば恐怖に動けなくなる可能性がありますので、領民救出においては、その点を忘れない様にしてください。

 ●討伐目標
   敵となるグリフォンについては、遙か上空(地上に対しR4扱い)から強風をはためかせる事で吹き飛ばしの攻撃をまずは仕掛けます。
   この攻撃は近くに居る人をノックバックで1R離れさせ、体勢不利の効果を及ぼしますが、これにダメージはありません。
   (無論イレギュラーズの皆さんは抵抗できますが、領民の方々はなすすべなく吹き飛ばされるだけになります)
   また地上に近接(R1程度)した所まで降りてくると、その鋭い爪で切り刻むべく暴れ回ります。
   こちらは当然ダメージもあり、領民が喰らえば即死なのは間違いありません。

   一方スライム達については、泉の方からしみ出してきます。紫色の体なので、泉から出てくるのははっきりと解ります。
   動きは遅いですが、腕や足に触れると、超粘土の粘りで手足を拘束し地面に伏せさせ、その後口や鼻を塞いで殺す……という行為を集団で取ります。
   流石に動きが遅いので、拘束>転倒させる>口や鼻を塞ぐ、で3ターンほど必要になりますが、それでも領民を密かに一人一人殺す事は可能なので、こちらにも注意する様にしてください。

   それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • <ヴァーリの裁決>憩う市場と狙う影完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年03月28日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)
華蓮の大好きな人
日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)
光の槍
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
シラス(p3p004421)
超える者
ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)
あいの為に
アムル・ウル・アラム(p3p009613)
夜を歩む

リプレイ

●憩いを汚す魔獣
 ギルド・ローレットの存する幻想王国中心部、王都メフ・メフィート。
 様々な人々が集まり、行き交うその地郊外にあるのは、『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)の収めし領地。
 極々平和な生活を営み、少し幸せな生活を過ごす領民達……だが、そこへの襲撃が予測されたのは、つい先ほどの話。
「クソったれ! よりによって人の多い市場を狙ってくるっスか!!」
 焦燥と共に、領地に急ぎながら叫ぶ葵と、追いかけるイレギュラーズ達。
「そうだな。人の多い時間を狙い済まして襲撃を仕掛けてくるとはな……ここ最近のイレギュラーズの領地へのモンスターの度重なる襲撃事件……その原因究明の為にも、実地調査は欠かせないところだが……下手すれば領民に被害が出てしまう、という事か」
「そうだね。今迄に巨人が出てきたという話は聞いていたが、グリフォンやスライムなんかも出て来たんだねぇ……この後に何が始まるのか……ヒヒ、興味が尽きんよ」
 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)に『闇之雲』武器商人(p3p001107)が静かに笑う。
 そして今回の当事者である葵も、つい先日に顔見知りの仲間の領地救出に向かったのだが……日を開けずして、己が領地もその災厄に巻き込まれた訳で。
「本当、今回は数が多いだけの敵なのが不幸中の幸いってトコだけど、領民にとっちゃ危険に変わりねぇっス。曲がりなりにも領主っスから、トップとして皆の命は絶対ぇ守るっス。皆にも迷惑掛けるっスけど……手を貸してほしいっスよ!」
 それは行きがけに、葵が皆に告げた一言。
 領主として領地を預かるからには、領民を守るのは領主としての責務。
 そんな彼の言葉に胸を叩きながら頷いた『光の槍』ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)と『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)、『鳶指』シラス(p3p004421)。
「弱きを助けるのが義賊の誇りですっ! 領民に被害が出ないうちにパパッと片付けちゃいましょうっ!」
「ええ……やりますよ、人の命を守る為の戦いを!」
「そうだな。任せな、領民には触れさせないぜ!」
 と呼応する三人の言葉の一方で……『あいの為に』ライ・リューゲ・マンソンジュ(p3p008702)はというと。
(「本当は、守るために叩くなんてのはガラではないのですが……まあ、良いでしょう……」)
 内心、そんな打算をしつつも、葵に対しては。
「ええ……私は敬虔で優しいシスターです。皆さんを守る為に、一生懸命させて頂きましょう」
 と微笑み、頷く。
 そんな三者三様の思いはありつつも、葵の領地を守るべき……というのは誰しもの願い。
 そして今回の相手は、大量のグリフォンと、スライム。
「……グリフォンと、スライム……か……」
 と『夜を歩む』アムル・ウル・アラム(p3p009613)が小首を傾げると、それにココロが。
「ええ。空と陸の二面作戦、という事でしょうか。どちらも一気に対応する……という事は難しそうですし、どちらもどっちを狙ってくるか分からないという事になります。だとすれば、泉と空の二手に分かれた方がいいでしょうか?」
 と提案すると、アムルはこくりと頷いて。
「うん……行動範囲が違う、から。手分けして当たるの、賛成」
 それにルルリアは。
「幸いルルの銃は長距離攻撃が可能です。座して待てば敵からやってくるので守りやすいってやつなのです!」
 とライフル銃を空に掲げる。
 それに対しアムルは。
「僕は……射程、あまり長く……ないし。人手の少なそうな、スライムの方、かな……? もしも……物理攻撃が効かないとか、の時は……グリフォンに当たるのがいい、だろうけれど……」
「ええ。ショウの旦那が言う限りは、そういった性質は持ち合わせてないようだけどね……勿論、油断は出来ませんが。そこのシスター服の娘は、やっぱりソレ、ですか?」
「ええ……平和への祈りこそが、わたくしの力ですから」
 武器商人の言葉に、銃を手にして頷くライ。
 そうして……イレギュラーズ達は、葵領の『市場』へとたどり着くのであった。

●忍び寄る侵略者
 目の前に広がるのは極々平和で、日常が繰り広げられている市場。
 当然ながら襲撃事件が起きるだなんて、その場に居る人達は誰一人としても思っていない。
 ……しかし、もうまもなくここにグリフォンが飛来してくるのか間違いない事。
 空に目をこらしてみると……段々と近づいてくる羽根を持った影に気付く。
 そしてその影は、葵の領地を発見すると共に、するすると降下し……その影が明らかに大きくなってくる。
『ははは! それじゃー今日はコレを安くしちゃおうかな……って、ん、何だあれは!?』
 と近づきつつある影に気付いた市場の叔父さんが、ちょっと声を上げる。
 そんな彼の言葉を聞いて、周りの市場関係者達が。
『な、何だあれ? よ、よく分からねえけどよぉ……!』
『んー……大丈夫じゃねえか? こっちに来る訳なんてねーよって! はははっ!』
 危機感を覚える者もいれば、楽天的な者も居る。
 ……でも大体は、自分達には関係無いという感じの者が多く、逃げよう……と声を上げるのは殆ど居ない。
 でも、そんな領民達の思いとは裏腹に、空から訪れる驚異は躊躇する事無く接近。
 明らかな敵意を持った襲撃者の襲来に、流石に恐怖を覚えた様で。
『な、何かまずくねえか? あれ、こっちに向かってきてるぜ!?』
『だ、だな……や、やべえ……!』
 声を上げるも、ガタガタと脚が震え、動けない。
 そんな領民達に、毅然とした態度で葵が。
「みんな、大丈夫だ!これはイレギュラーズで用意した予告ナシの避難訓練界時の合図ッス! 落ち着いて、できるだけ泉から離れた所へ避難しろ! モタモタしてっと怪我すっぞ! 動ける奴で足が竦んだ奴を支えてやってくれ!」
 魔物の襲撃を避難訓練として指示を行う。
 かなり無理ある言葉なのだが、領主の立場からの言葉であれば。
『そ、そんな訳……って、領主様ぁ!?』
『領主様が言うなら、本当かもしれねぇ……わ、分かった、に、逃げねえと!!』
 と、何とか勇気を持った、いや、肝っ玉が据わった人達は、頑張って逃亡開始。
 ……とはいえ、流石に市場に居る全員が、素早く避難開始出来る……という訳には行かない。
 混乱に惑う者、立ち止まる者、そして……恐怖にその場に座り込んでしまう者。
 そんな者達の手を引いて避難誘導するココロにセフィラ。
「魔物に対し迅速な避難が出来ないのは、領民の方々に敵が襲ってきた経験がないからこそ。つまり、そんなこと考え無くてもいい程平和で安全だったからです。そして、安全な場所を作れたのもイレギュラーズの成果。だから、此処を守り抜くのは、わたしにとっては義務であると考えて居ます!」
「そうだね。とにかくここの領民を守るのが先決。調査は後でじっくり進めるとして……さぁ、行こうか」
 と二人も領民達の守護に駆け回る。
 ……そうしている中、動けず、領主の言葉も上手く聞けずに呆然している人を見つけたライは。
「あら、この状況にありながら、ぼさっと突っ立ってる方が……ああ、ダメですか。助けないといけませんね……」
 と言いつつ、スピーカーボムを投下。
「ほら、ぼさっと突っ立っていてはいけませんよ……そのままでは流れ弾に当たるかどうかは運任せ……神を試すこと無かれ……です。そして、天は自ら助くる者を助けく……とも言いますね。つまり死にたくなければ、自分の脚で、自分の頭で、自らを救いなさい」
 そう周りの領民達に説く。
 更にアムルも。
「……逃げてね、ここは安全じゃない、から。それから、足元には気を付けて……踏んづけたりすると、危ない、から……」
 と声かけを行っていく。
 イレギュラーズ達が避難誘導していく中、更に降下してくる鳥……いや、グリフォン。
 そんなグリフォンの真っ正面にまず対峙したのはココロとルルリア、ゼフィラとシラスの四人。
 ……いや、ルルリアだけはちょっと後ろに下がる。
「ちょっとだけ頼みます!」
「え……あ、はい、わかりました。わたしも皆を、守って見せます!」
 ルルリアは仲間達に任せ、グリフォンと領民達が避難する間の所に陣地構築で、簡易的な風よけ用バリケードと避難用塹壕をてきぱきと作り上げる。
 対しココロは、近づきつつあるグリフォンを迎撃する様に『Guerre de Guise』を空に撒いて、敵を惹きつけ、更にシラスも取りあえず囮としてドリームシアターで幻の囮を作る事で、グリフォンが狙いやすそうにする。
 そして……とうとう射程圏内にまで近づいてきたグリフォン10匹。
 彼らは甲高い鳴き声を上げてイレギュラーズ達を威嚇、更に翼を強くはためかせて強風を吹き荒れさせる。
 ……が。
「ある程度の対策にはなると思います!」
 早急に塹壕を作ったルルリアのお陰で、その後ろに隠れればグリフォンの巻き起こす風に対抗。
「サンキュ! それじゃあこっちも行くぜ、お前達を焼き尽くしてやらァ!」
 と零域を初っぱなから発動し、更に渾身の術式の一撃、バジリスクの一瞥を放つ。
 地上近くに降りた10匹のグリフォンたちを巻き込みながら、恍惚効果を擦り込むことで、ダメージを極大化。
 だが、そんな攻撃をしたシラスに怒り、次々と反撃の猛襲をするグリフォン。
 シラスへかなりのダメージが及ぶものの、すぐにココロがEmmanuelで傷を回復していく。
 そうグリフォン達を攻撃する一方で、葵、武器商人、ライ、アムルの四人は泉の周りで待機。
 程なくして、透明な水が濁り……紫色の液体が、泉を浸蝕し、泉の外へ。
「早速出てきた様ですね? では、こちらも始めましょう」
 と早速武器商人が破滅の呼び声を泉に向けて発動。
 にじり寄るスライム達に怒り効果を付与し、攻撃をしてくる様に仕向ける。
 とは言えスライム達に何か感情がある様には見えない。
 泉から這いずり出て……近くに居るイレギュラーズ達の足元へと浸蝕してくるがのみ……そんなスライムに真っ向対峙したアムル。
「……とにかく、ここより先には行かせない……」
 と『Andante:歩く速さで』を早々に発動し、早速足止め効果を発動。
 とは言え、元々そんなに動きが速くないスライム達。
 じりじりと地面を這いずってくる彼らに、次なる葵がバウンスを発動。
 一方武器商人は、ルーンシールドとマギ・ペンタグラムを複合付与。
 結果として物、神どちらの攻撃をも無効化する様にした上で、敵陣ど真ん中へ。
「そこに居るという事は……」
「ええ。我(アタシ)はか弱いがそこそこ頑丈だからね。ちょっとやそっとの攻撃じゃ死にやしないさ」
「そうですか……分かりました」
 ライの言葉にニヤリと笑みを浮かべる武器商人。
 そして、ライは武器商人を射程に収めて、十字を切る。
『「父と」「子と」「聖霊の」「御名によって』……Amen」
 そしてライは信仰の鎧を掲げ、平和への祈りを捧げ、一射。
 その一撃は武器商人もろとも撃ち抜くが、ダメージを喰らうはスライムのみ。
 次の刻、スライムは一番近くに来てしまった武器商人に、三体同時に襲撃。
 足元を超粘度でまとわりついて、動けなくさせて転倒させる作戦を取る。
 流石に動けない武器商人……だが、勿論それは想定内。
「さぁ、私を巻き込んでください。大丈夫大丈夫……ほら」
 と武器商人は敢えて自分を囮として襲わせる事で、スライムを分散させない作戦。
「……分かった、よ」
 そうアムルが頷き、スライムに向けてソニックエッジ、更に葵がデッドエンドワン。
 武器商人の足元に取り付くスライムへ集中攻撃を行い、確実に体力を削っていく。
 勿論ライも容赦なく、「神を試すことなかれ」で更にスライムを追撃。
 そして武器商人は手が動く内は、ルーンシールドとマギ・ペンタグラムの効果が切れた方を重ね掛けすることで、両無効状態を一刻でも長く維持し続ける。
「ほらほら、我(アタシ)は逃げも隠れもしませんよ? キミ達が殺せるようなものなら、簡単に殺せる筈なんですがねぇ……?」
 と武器商人は、飽きること無く更に挑発。
 スライム達は、そんな武器商人に徒党を組んで密集、拘束、息の根を飛べるべく、紫色の身体を蠢かせるが……両属性無効の前では、殆ど意味を成さない。
 武器商人の囮作戦に群がるスライム達を確実に一匹ずつ、動かぬ骸へと沈めていくき……数刻の間にスライム四体を掃討。
 地面の紫色の液体が動かない事を一瞥した葵が。
「こっちは良いっスね。さぁ、グリフォンの方に急ぐッスっよ!」
 と、少ない戦力で敵を抑えるグリフォン班の方へと急ぐのであった。

 一方、グリフォンへと対峙していたココロ、ルルリア、ゼフィラ、シラス。
 空から次々と襲い掛かる敵の急降下攻撃……それをシラスが猫欺しで怒り付与。
 更にルルリアが。
「領民(弱者)を虐げる敵はゆるしません!」
 作ったバリケードを背にし、ディアノイマンで明晰になりながら風纏で飛行し、グリフォンに直接相対。
「ルルの命中力なら百発百中、グリフォンなんて翼を失ってしまえばただの大型動物にかわりありませんっ!」
 と清浄の槍で、魔弾を空から執拗に敵の翼を狙い済まして撃ち抜く。
 そしてシラスとルルリアの後に、怒りが付与されていない敵へゼフィラが。
「領民を守るためにも、減らせるところから数を減らしていかないとね」
 と、ソウルストライク。
 そしてココロは、仲間達の被害状況を常に監視。
 特にダメージを喰らっているシラスを即座にEmmanuelで回復し、仲間達を待つ。
 そしてこちらも数刻経過し、スライムを相手にしていた仲間達と合流。
「……お待たせ……後は……グリフォン達だけ……」
「時間掛かってすまないっス! 後はこの空を飛ぶグリフォンだけッスから……早々に仕留めて行くッスよ!」
 一際気合いの入った葵の言葉。
「分かりました。では、一気に行きますよ!」
 とルルリアは翼を持つ敵よりも更に上方へと飛翔。
「空から見下ろして……こっちに降ろしてあげますッ!」
 そこから暴風を吹き荒れさせ、大きな翼を持ったグリフォンたちを地面へと抑えつける。
『ギャゥゥウ……!!』
 やめろ、と言わんばかりに鳴くグリフォンだが、その悲鳴に耳を貸すわけも無い。
 そしてゼフィラが。
「うん。煩い悲鳴だね? ま、ターゲットを分散させないよう、一匹ずつ確実に仕留めて行くよ!」
 ゼフィラが叫び、魔砲で貫く一撃を穿つ。
 それに幾つもの翼が穴が開き、満足に飛べない身体になるグリフォン。
 そしてゼフィラからココロに。
「あの辺りを頼める?」
「ええ、分かったわ」
 と更にGuerre de Guiseを仕掛け、纏めて攻撃。
 そんなイレギュラーズ達の連携攻撃の前に……10匹居たグリフォン達も、全て葬り去られていった。

●安らぎと共に
 そして……。
「ふぅ……どうにか全滅出来た……っスかね?」
 周囲を見渡す葵。
 取りあえずグリフォンの死体は、此処に10体確認出来ているが……スライムの死体は、どこまでが一体なのか、は中々判別が難しい所。
 一応確認の為に、アムルが泉に手を入れて、掬って……を何度か繰り返してみる。
「あれ、見逃したら……危ない、だろうから……」
 幾度か掬うが、アムルの手の中に、動く紫色の不定型な液体が入り込むこともないので……恐らくは大丈夫であろう。
「えっと……多分大丈夫だと思います。それと……あの、葵さん、ごめんなさい!」
 突然頭を下げて謝ってくるルルリアに、葵はえっ、と振り返る。
「その、勝手に塹壕とかバリケードを市場に作ってしまって、申し訳ないのです! ちゃんと、ちゃんと片付けますから許してほしいのです!!」
「そんな、みんなを守る為に作ってくれたっスから、むしろありがとうっスよ!」
 ルルリアに笑いかけ、こちらも頭を下げる。
 そして。
「それじゃあ、後片付けを始めるのです! 出来る義賊は、アフターケアもしっかりやるのですよ!」
 と、元気いっぱいにルルリアが市場を走り、グリフォンの翼の風によって壊れてしまった建物の修復を開始。
「あ……俺も……手伝う……あまり、いろいろはできないけれど……」
 アムルが手伝いを進言すると、ココロやシラスも進んで手伝いを始める。
 そう仲間達が市場の修復をしている間に葵は避難した領民の下へと向かい。
「皆、ご苦労様っス。避難訓練、終了っスよ、上出来っス!」
 サムズアップし、領民達をねぎらう葵。
 そして……市場に領民達は戻っていく。
 しかし、避難する際に怪我をしてしまった人達にはゼフィラがサンクチュアリでしっかりと治療。
 イレギュラーズ達の対応に、領民達はありがとう、ありがとう……と、頭を下げ、感謝してもしきれない位。
 そんな領民達を横目に、葵は市場を仲間達に任せて、泉に掛かる水道橋へ。
「スライムが泉の中から出てきたっスから、一応ここも調べておく必要がありそうっスね」
 自領だからこそ、一つの懸念も残さない様に巡回。
 調査と、修理と、ケアを欠かさずに行い、領民達もひとまずは安心して、市場の復興に精を出すのであった。

成否

成功

MVP

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー

状態異常

なし

あとがき

領地侵略防衛シナリオに参加頂きました皆様、ありがとうございました!
今回スライム達は泉からしみ出してくるという事で、少々治水関係に不安が……と言う事もあるかもしれません。
でも調査の結果、これ以上変な物がにじみ出てくることは……多分無いでしょう。
という訳で、これから先の市場活性化、期待しております……!

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