PandoraPartyProject

シナリオ詳細

全然わからない。俺たちは雰囲気でゲームをやっている

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●温かい目で見守っていてください
「コール、愚者の黄金。貯蔵指定は4。徴税請負人の駒を頂こうか」
「ほう、そう来たか……」

 部屋には退廃的な、しかし何処か鋭い緊張感で満たされていた。部屋の中にいる人間は4人。どいつもこいつも人相の悪い顔をしている男たちだ。彼らは今、円卓を囲んでいる。と言っても、楽しくパーティーをやっているわけではない。いや、あるいはそう言っても間違いではないか。円卓に載せられているのは、様々な図の描かれたカードの束、色とりどりに塗り分けられた盤、そして成功に彫刻されたたくさんの駒。そう、彼らはそれらを使って、ゲームをプレイしている真っ最中なのだ。

「くく、先がわからなくなってきましたねぇ」
「ふん、お前は余裕そうだな?いつまでその態度で居られるか、見ものじゃないか」
「怖い怖い……そちらこそ、その鼻っ柱が折れないと良いですねぇ」

 仲良く、遊んでいるというわけではない。彼らは本来はいがみ合い、何なら顔を合わせれば殺し合いになってもおかしくはない関係だ。それがなぜ、今こうしてゲーム版を囲んでいるのか。

「このゲームに勝てば、巨万の富を手に入れる、か」
「信じられんか?それなら今からでも降りるか?」
「ふん、馬鹿を言え」

 つまりはそう言うことだ。普通なら、胡散臭い詐欺だと笑い飛ばすことだろう。だが、魔術や呪いというものが色濃く残るこの世界において、このゲーム版の放つ魔力は強力なものだった。掛け値なしにその話を信じられるほどに。

 このゲームの勝者が、この男たちの中でも実質的な支配者になる。これはゲームだが、遊びではなく、間違いなく命をかけた戦いであった。

「それは良いから。早よ徴税請負人よこせ」
「がっつくなよ。がっつく男はみっともないぜ?」

 命をかけた戦いなのだが。

(徴税請負人ってどれだ……?)
(なんか金集められそうだからよこせって言ってみたが……そもそも金を集めるゲームなのか、これ?)
(貯蔵していって何?俺の持ってるカードにはそんなもん書いてないんだけど)
(とりあえず盤に駒並べてみたけどこれで合ってるんですかね……?)

 こいつら、命をかけてるくせに誰もルールを知らずにプレイしているのだった……!

●境界図書館にて
「みんなはゲームって好きかな?」

 境界案内人、カストルは集まったイレギュラーズに問いかける。反応は様々だろう、一も二もなく頷くもの、嗜む程度だというもの、そもそもゲームを遊んだことがないというもの。返答を返しながら、こんなことを聞くということはと、依頼の内容に当たりをつける。
 カストルはそれに頷きを返す。

「うん、今回はゲームを遊んできてほしいんだ。駒とカードを使った、いわゆるアナログゲームってやつ」

 練達に行けば、デジタルゲームやVRなどといったゲームを体験できるが、世界的にはそういった非電源ゲームの方が主流だろう。

「とある世界の魔術儀式をもしたゲームらしくてね、ゲームの勝者に望んだ力を与えるらしいんだけど……ちょっと強力すぎて、その世界の人達がゲームを使いすぎると、その世界のバランスが崩れちゃうんだ」

 でも、とカストルは続ける。

「その世界の人たちをターゲットにした魔術だから、世界の外からやってきた君たちがゲームをプレイすると魔術構成の不具合が生じてゲームの力を削ぐことができる、ってことらしいよ」

 わかるようなわからないような理屈だ。それでもそう言うものなのだろうとイレギュラーズは了承する。

「まぁ、君たちは特に気にせず普通に遊んできたら大丈夫だよ。ただ……」

 ただ?

「古いゲームだからね、詳しいルールが失伝してるらしくて。もちろん説明書なんかもついてない。というわけで、なんとなく雰囲気でゲームをやり遂げてきてほしいな?」

 魔術儀式とか言ってたけど大丈夫なのかそれ。

NMコメント

 こんばんは、小柄井枷木です。
 アナログゲームって良いものですよね。そう言うシナリオを出したいなって思いましたが、ルールとか考えるの面倒なのでじゃあルールを考えずにやったら良いんじゃねって思いで書きました。ちょっと反省しています。

 シナリオの目的はゲームをなんとなく雰囲気で遊ぶことです。ルールを捏造して、合ってるかどうかわからない駆け引きを楽しんでください。

 ・ゲームについて
 名称すら不明の古いゲームです。セット内容は、ゲーム盤、いくつかの駒、いくつかのカードです。駒もカードもどんな物があるか不明です。形や絵柄から適当に捏造してください。
 そもそもルールが不明なため、上記の物以外の小道具を使ってもOKです。盤におもむろにチェスの駒を置いたり王手飛車取りしたり角を全部黒にしたりはんぺんを美味しく煮たりするのもあなたの自由です。

 言い忘れてましたがもちろんギャグシナリオです。
 それでは、皆さんのご参加お待ちしております。

  • 全然わからない。俺たちは雰囲気でゲームをやっている完了
  • NM名小柄井枷木
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年03月27日 22時05分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
蒼剣の秘書
回言 世界(p3p007315)
陰性
エステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)
高邁のツバサ
楊枝 茄子子(p3p008356)
純白の矜持

リプレイ

●これは誰も知らない戦い
「このゲーム……懐かしいね。子供の頃よくやってたよ……」
 会長こと楊枝 茄子子(p3p008356)は駒のひとつを弄びながら、何処か懐かしむような口調でそう言った。もちろん嘘だ。茄子子の脳裏に広がるのは存在しない記憶。とりあえず適当抜かしてイニシアチブを握っていく作戦である。そういうゲームじゃねぇから。

 だが根拠がなくとも自信満々に言ってやればそれらしく見えるものだ。
「へえ、それじゃあそうさせてもらおうかな」
 『胸を貸してあげるよ!』と言う茄子子に対し、回言 世界(p3p007315)は言葉を返す。世界は今回のプレイに関して、他の連中の動きを見てルールを推察する作戦を立てていた。そこにあまりに自信満々な茄子子が来れば、乗ってしまうのも仕方ないだろう。可哀想に。

「なんでもいいデスガ、そろそろ始めまセンカ?」
 と、ここでエステット=ロン=リリエンナ(p3p008270)がゲームの開始を促す。彼女のプレイスタイルは自分の勝利条件をいち早く満たすこと。ゲームが始まる前から状況にグダられるとちょっと困るのだ。いや、実際困るかどうかはわからないんだけど。ルールがそもそもわからないし。でもなんかそう言う気分になるよね。って話なのだ。

「ふふふ、焦りは禁物だよ」
 そんなエステットの提言に対しても茄子子は余裕の表情。それどころか何処からか持ち出したコンロに火を入れフライパンを温めている。何してんだお前。
「あら、お食事の用意かしら?それなら私も用意しているのだわ」
 華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)は持ち込んだバスケットからサンドイッチなどの軽食を取り出す。そもそもゲームというものに馴染みの薄い彼女が知るゲームとは、トランプやすごろくなどに、練達製のVRゲームなどだ。ゲームの振り幅がひどすぎませんかこの世界。それはともかく、彼女の知るゲームは大体が長丁場になるものだ。なので、みんなの健康を気遣って食事を用意して持ってきたのだ。やさしみ。

「食事、デスカ?」
 そんな様子に首を傾げるのはエステット。あんまりゲーム中に食事をするタイプではなかったのだろう。速攻が好きみたいだし。
「そうなのだわ。えーと、このゲームお野菜をしっかり食べるとリソースが得られるルールがあるのだわよ!」
 んなばかな。とは思うものの、実際のルールなんてわからないのでそれも指摘できない。まぁ実際華蓮は適当言ってるのだが、みんなに野菜を食べて栄養とってほしいという思いからの嘘だ。やさしみ。

「そう!華蓮くんもわかってるみたいだね!」
 茄子子──もう会長でいいや──会長は温まってフライパンをコンロコごとテーブルにでんと置いて油を引いて華蓮が持ち込んだ野菜なんかを打ち込んで炒め始める。
「よし、舞台は整ったよ!バトルスタートだぜ!!」
 フライパンを目の前にバトルするんかお前。なんて言ったら負けな気がしたので、誰も何も言わずにゲームは始まるのであった。

●「わかんない」って言ったら負け(た気がする)

「じゃあ会長のターンだね!リブートを宣言!」
 会長はそう言ってテーブルに乗ってたフライパンをどける。今までのやり取りなんだったんだよ。みんな突っ込みたいだろうけど誰もちゃんとルールを知らないので突っ込めない。地の文だけでも頑張っていこうと思います。

 さておき会長は続く行動でスペードの8を引いたので場が流れてターンエンド。大富豪かよ。
 次の人のターンだよ、と会長が右を向くのでそっちに居た世界が「あ、俺?」って感じで山札からカードを引く。山札があるゲームはターンの始まりにそれから一枚引けば大体合ってるのだ。60%くらい。
 そして引いたは良いものの、正直なんのカードかわからない。とりあえず手札を温存することにして、一番シンプルな形の多分一番弱いんだろうなって駒をひとつ進めてターンエンド。横で会長が「へぇ、素直な滑り出しだね」なんて言ってるが気にしない。
世界も右に座る人を見て、そこにいるエステットが次のターンプレイヤーだ。カードをドロー、そこに書かれた絵柄を見て、エステットはニヤリと笑う。普通ならそれは悪手だ。あからさまに自分は有効な手札を手に入れたと知らせるようなもので、相手に無駄に警戒させるだけなのだから。しかし、エステットはそれをした。なぜならば。

「カードをプレイ!『疾風怒濤』!!駒のパワーを2倍にするデス!」

 引いた側から使ってしまえば警戒など無意味だからだ。えうは宣言すると多分戦車だろうなって形の駒を盤に置き、世界が置いた駒を弾き飛ばす。
「なッ……!」
 世界は驚愕する。それルール的にOKなの?でも何も言えない。なんも知らないから。へぇ、そうきたか、って呟く会長も知らない。
「これがわらわの戦い方デス!」
 一歩リードした、っぽいエステットは不敵に笑う。しかし、そこに待ったを掛けるものもいる。

「なら、私は手札から『お母さん』を召還、駒を出すのだわ」
 それは次のターンプレイヤー、華蓮だ。

「お、お母さん……?」
 自慢の戦車の前に駒を並べられたエステットと、成り行きを見守っていた世界呆気にとられる。会長は訳知り顔で頷いでる。まぁびっくりするよね、お母さんが急に来たら。

「ふふふ、驚いているのだわ?この駒の持つ魔力に」
「え?いや……ハイ?」
 わからないとは言えない。ルール的にそうかもっていう疑念が拭えないから。
「お母さんの効果であなたの戦車は明日もお野菜を食べないと力を発揮できないのだわ!」
「な、なんデスト!?」
 戦車って野菜食べんのかな。まぁ石の塊が恐怖で死んだりするんだしそう言うこともあるよね。さておき、苦い顔をするエステットではあるが。
「くっ、けどまだ駒のひとつが弱体化しただけデス!」
「ふふ…これ程の魔力を持ったゲームの効果が、ゲームの中だけで収まるとお思いなのだわ?」
「!?」
「そう…このカードの効果は受けた駒のプレイヤーも同じ効果を受けるのだわ!」
 嘘でしょ。とは言えない。エステットの目の前に山盛りのサラダが給仕される。どっから出したの。これがお母さんの魔力か。

「これは……面白くなってきたんだよ!」
「そっすね」
 世界は、会長がなんか自動販売機みたいな形の小道具を取り出しながらそう言うのを見て、どことはなく投げやりにそう言った。

●ゲームセットは突然に
「今捨てようとした2枚のカードは、モッツァレラとトマト……!これが何を意味してるのかがわかるかな……?」

 炭酸の効果でカードを2枚捨てようとした会長がそこになんか色々効果を連動(スタック)して結局捨てたカードを公開しながら沿うんなことを言う。

「ッ!カプレーゼ……!」
 華蓮さんはなんか驚愕したように目を見開くがだいぶ雰囲気に飲まれてる気がしますね。

「なぁ、ダメージ計算ってこれであってるのか?」
「いや、それよりも今はこっちの駒の攻撃力がデスネ」

 世界とエステットはあーでもないこーでもないと言い合ってる。世界が発動したコンボで駒全てに20点のダメージが入ったのだが、攻撃力はともかく駒に防御力が設定されてるのかとか、そもそも駒の能力値の基準がどうだとかで駒が何体倒されたかわからないのだ。それ以前に何もわからないのだが。兎に角、アグロ戦術で一杯ユニットを展開したいエステットは被害を少なくしたいし、コンボを狙う世界はちょっとでも被害を拡大したい。かくしてこの争いは終わりそうにない。誰かジャッジ呼んで。

「ふふふ、よくぞ見破ったね!」
 それも置いといて会長は伏せ札をオープン。そこに描かれているのはワイン。それもただのワインではなく。
「これは『過去10年で最高と言われた昨年を上回る出来栄え』のワイン!カプレーゼと合わさることでマリアージュ効果で革命が起きる……!」
「ナッ!?」
「勝負を決めに来たか!?」
 会長の宣言に驚愕する世界にエステット。この人達もだいぶ飲まれてますね。雰囲気に。
「でも……」
「うん、どうしたの?」
 自信満々だったのに急にしおれる会長。どうしたんでしょうね。
「会長、お酒飲めない……!」
「えっ?」
「……サレンダー!」
「えぇー」

 あまりに衝撃の展開。そもそもサレンダーがルールで定義されているのか、議論のテーマはそこに移り、彼らの夜は更けていくのだった。

──完──

成否

成功

状態異常

なし

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