PandoraPartyProject

シナリオ詳細

フライデー・ザ・チェーンソー

完了

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オープニング

 時刻は正午過ぎ。林の中の小道を抜けた先――そこにポツンとある研究棟の主は、風変わりな1人の研究者だった。
 こじんまりとした研究棟の壁面には、ド派手な色合いのグラフィックアートが全面にペイントされていた。その有様は、まさに研究棟の主そのものを現わしていた。
 依頼を受けて研究棟に訪れたあなたは、依頼主――研究棟の主とのビデオ通話の内容を思い返す。

「個人的に頼まれて、お化け屋敷のためのロボット作ってたんだけど~、『ガチの殺戮マシーンじゃん』とか言われちゃった。マジぴえん」
 ギャルギャルしい口調、蛍光色系のカラフルで奇抜な服装や髪形――見た目からして個性が強い女性研究者、零染(れいぜん)マキナ。彼女は自身の研究棟から、ローレットの支部――カフェ・ローレットに向けて依頼の発信を行った。
 画面越しに端末のカメラを傾けたマキナは、そのロボットについて紹介しつつ、依頼の内容を語る。
「このロボット改良したいんだけど、人が死なない程度ってどの程度? あたし、武器専門だから基準がバグってて――」
 マキナが紹介したロボットの全貌はというと、マキナに負けず劣らずのカラフルなファッションに身を包んだ、ドクロの仮面をつけた大男風のロボット。どこぞの殺人鬼のようにチェーンソーを構えているものの、蛍光色のオーバーオールとはどうにも相容れない要素である。
 マキナはイレギュラーズのことを指して、「君らはガチバトル専門でしょ?」と熱い視線を投げかけた。
「うちの子とガチよりの激ヤバなバトルをしてほしいんだよねー。そんで、いろいろデータ取らせて☆」
 どこかサイコパス感を匂わせるマキナの発言。殺戮マシーンとして作り出してしまったロボットの実験台になってほしいという旨だったが、マキナはロボットに関する余談をもらした。
「あたしのスポンサーのライバル企業にロボットくれくれされたんだけど、『あんだけ接待してやったのに、この恩知らずが!!』とか言いやがるの。ぴえん超えてぱおんなんだけど~」

 約束の時刻通りに訪れ、研究棟の正面玄関のインターホンを鳴らす。しかし、屋内からの反応はまるで返ってこない。
 マキナとそのロボットと対面するために研究棟を尋ねたイレギュラーズは、施錠されていない扉に手をかけた。
 踏み入った先は、玄関ホール兼応接間。建物の外観が派手な割には、室内のインテリアには無頓着らしい。シンプルで広々とした室内の奥には更にドアがあり、その向こうに研究室があるようだ。
 しばらく誰もいない応接間を見渡していたが、事態は急変する。
 室内全体に警報音が鳴り響き、「警備システムを作動します」と機械的な音声が繰り返し告げる。
 なぜイレギュラーズが侵入者として認識されたのか――その疑問に答える主の姿はどこにもなく、すべてのドアや窓は施錠され、侵入者を排除するためのシステムが牙を向く。
 床、天井、壁面のあらゆる場所から対象を焼き切るレーザー光線が放たれ、イレギュラーズを狙い打つ。
 ――このままでは危険だ。警備システムを止めなければ。
 レーザー光線の銃口を破壊し続けるか。敏捷な身のこなしを活かして乗り切るか。頭脳を武器にシステムを破るか。――各々の能力を駆使して切り抜けなければならない。

GMコメント

 こちらのラリーシナリオは3章構成、各章の採用人数は5〜8名を予定しています。
 1章目は脱出(応接間)→2章目は集団戦(研究室)→3章目はボス戦(実験場)という流れになります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●導入シチュエーション
 マキナの研究棟に向かったあなたは、警備システムが作動した室内に閉じ込められました。切り抜ける手段を考え、更に奥にある研究室に向かいましょう。
(一定時間経過すると、システムは解除されます。)


 個性豊かなイレギュラーズの皆さんの参加をお待ちしています。

  • フライデー・ザ・チェーンソー完了
  • GM名夏雨
  • 種別ラリー
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年04月28日 22時30分
  • 章数3章
  • 総採用数16人
  • 参加費50RC

第3章

第3章 第1節

 マキナは抑えきれない怒りをもらす。
「ああああああああのヤローーーー!!!! 薄らハゲがあああああ!!!!」
 「潰す」、「買収してやる」などとブツブツつぶやきながら、マキナは目の前に伸びている侵入者らの存在も忘れてパソコンにかじりついていた。やがてイレギュラーズの存在を思い出して我に返ったマキナは――。
「あっ!!!! ごめーーーん☆ 今はそれよりもっと楽しい実験があるもんね」
 床の上の男を邪魔くさそうに足蹴にして脇へ退け、マキナは屋外の実験場へと続くシャッターを開けながら、
「君らを閉じ込めちゃったのは、こいつらのせいだから」
 マキナは気絶したままの黒ずくめの男たちを指して言った。
「あたしが協力しないからって駄々こねるなよって感じ~。煮るなり焼くなりしたいなら、好きにしていいよー?」
 マキナは一方的に話を続け、早速本題に入る。
「約束したよね? うちの子とガチよりの激ヤバなバトルをしてほしいって」
 シャッターの向こうの実験場の中央には、ビデオ通話越しに紹介された、例の『殺戮マシーン』の姿があった。
 蛍光色のオーバーオールが際立つ、ドクロの仮面をつけた大男風のロボット。イレギュラーズがその姿を目の当たりにした瞬間、ロボットは起動音と共に手にしたチェーンソーを吹かして動き始めた。


第3章 成功条件:ロボットを戦闘不能にして勝利すること


第3章 第2節

セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
ニーヴ・ニーヴ(p3p008903)
孤独のニーヴ
チクワ=ザ=アークゴッド(p3p009420)
誰だお前!
暁 無黒(p3p009772)
No.696

――練達でも企業政治みたいのはあるんだね。
 床に倒れたままの男たちを一瞥した『初日吊り候補』セリア=ファンベル(p3p004040)は心中でつぶやいた。
 早速自作のロボットを起動させたマキナは、屋外の実験場の隅で携帯端末を片手に構える。実験のためにもイレギュラーズの戦いぶりを観戦しようとするマキナは、実に上機嫌そうに振る舞っていた。
 チェーンソーの駆動音を響かせるロボットは、目の前の対象を認識した途端に、その凶器を振りかざす。
 ――……これをお化け屋敷ロボットにしようって発想、ボクは狂ってると思うな!
 ロボットの全容を目の当たりにした『孤独のニーヴ』ニーヴ・ニーヴ(p3p008903)は、そう強く感じた。
「存分に相手をさせてもらうっす……よ!」
 ロボットに果敢に挑む『No.696』暁 無黒(p3p009772)は、機敏な動きで相手を翻弄する。無黒はロボットの攻撃を誘うように動き、ロボットの注意を自身に向けさせた。幾度となく振り下ろされるチェーンソーにも動じることなく、無黒は確実な隙を突いてロボットとの決着を図る。
 体術を武器とする無黒はロボットの関節部分を狙うと同時に、ロボットの体を突き飛ばす。ロボットは一瞬傾きかけたが、片腕を人間の基準とは逸脱した方向に曲げ、不意に無黒を捕えようとする。ロボットのその動きに対し、ニーヴは自らのオーラによって形成されたロープを放った。ロープは瞬時に腕に巻きつき、ロボットの動きを阻害する。
 ロボットは、無黒が飛び退く寸前にチェーンソーを振り向けようと構えた。しかし、放たれた複数の魔力の弾丸がロボットを襲う。
 研究場のオブジェの一部――モアイ像に擬態し、微動だにしなかった『誰だお前!』チクワ=ザ=アークゴッド(p3p009420)は動き出す。
 ――無機物であろうと等しくちくわの救いはもたらされる。
「崇めよ。ちくわの世は必ず訪れるのだ」
 『ちくわ大明神』として教えを説こうと、チクワは激しく攻めかかる。
 ロボットが押し込まれるタイミングを見計らい、セリアも攻撃を集中させようとする。
 味方を巻き込まないよう注意を促したセリアは、星の形の鉄塊を出現させ、ロボットに向けて降り注がせる。鋭利な星の棘は、ロボットの体に充分なダメージを蓄積させていく。

成否

成功


第3章 第3節

「私という天才は、君らに本気を出させるほどの代物を産み出してしまったようね――」
 独り言を繰り返すマキナは、「戦闘力は激ヤバ、とにかくヤバいってことね」、「つまり、逆算して考えれば……」などとぶつぶつとつぶやいていた。そんなマキナを尻目に、イレギュラーズはロボットとの闘争を続ける。


第3章 第4節

ティスル ティル(p3p006151)
銀すずめ

 『幻耀双撃』ティスル ティル(p3p006151)は、
「それじゃあ、今日の本番を始めましょっか!」
 チェーンソーを構えるロボットを前にして奮い立つ。
 次々と放たれるティスルの剣さばきは、ロボットの金属の体を力強く穿ち、反撃の隙を与えないほどだった。
 ロボットは追い込まれるだけのように見えたが、ティスルの動きを止めようと特段の力を示した。
 チェーンソーの持ち手の部分でティスルの刃を受け止めたロボットは、ティスルの体を激しく押し返す。そのわずかな間に、ティスルにつかみかかろうとするロボットの片腕が伸ばされた。しかし、ティスルは瞬時に反応する。逆にロボットの腕を巻き取るように懐に潜ったティスルは、その脇の下へ体を滑らせた。脇の間をすり抜けながら、ティスルの刃はロボットの腕の関節に深々と亀裂を刻んだ。
 ロボットと向き直ったティスルは、即座に攻撃を畳みかけた。雷の魔力をまとうことで、ティスルは周囲に紫電をほとばしらせる。その明滅と共にアクロバットな動きを見せつけ、相手を翻弄するティスルは再度斬りかかる。
 ロボットはティスルの動きをわずかな差で見切り、その剣を回転させた刃で弾き飛ばした。しかし、すでにティスルは次の動きを見せていた。
 ティスルは、構えたその手に魔力を収束させる。急激に流れ込む魔力によって反動を受けながらも、ティスルは砲撃そのものと化した一撃を放った。

成否

成功


第3章 第5節

 熾烈を極めた戦闘によって、ロボットの機体は遂に限界を迎えた。煙をあげながら後退し、上半身部分は原型を留めないほどにバラバラに崩れ落ちた。
「有益なデータをありがとう!」
 自作のロボットを徹底的に叩きのめされたマキナだが、イレギュラーズに感謝を伝える表情は至極満足そうだった。
「この試作品に改良を加えれば――」
 良からぬ企み顔を浮かべるマキナは、高笑いを響かせた後、
「これで、クソスパイ企業に引導を渡してやるわ!!」
 当初の目的からかけ離れていることから、イレギュラーズ一同の総ツッコミを受けるマキナ。しかし、当の本人はイレギュラーズの仕事振りに満足しているようなので、結果オーライという形に収まった。

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