凶いを撒きし風

オープニング

●凶いを撒きし風
　鉄帝国北部に広がるヴィーザル地方。
　海沿いに広がる峡湾部はかなり入り組んだ作りをしており、船に出るのも、船が付けるのも少しばかり苦難な所。
　季節は進むも、そこが厳しい環境の土地であるのは間違いない……しかしそんな所であっても、辛抱強く生活を続ける北方の民。
　……そんな北方の民の生活を、昨今脅かす脅威がある。
『……ケケケ。さてとぉ……それじゃぁ今日はあの街を襲おうかねぇ！』
『そうだなぁ兄貴ぃ！　何もかも奪い取って、俺達のモノにしてやりましょうやぁ！！』
　筋骨隆々な男達が、船頭が竜を象り、左右に砲門を３個ずつ装備した『ドラゴンシップ』の上にて笑い合う。
　彼らはこの地方で猛威を振るう戦闘民族『ノルダイン』。
　屈強な体躯、鉄兜に鎖帷子、剣と丸盾、弓と丸盾という出で立ちの彼らは、最近この地域の町や村を海から襲撃して周り、私欲を肥やしているという。
　……そして今日もまた。
『……うわあああ、き、来たぞぉぉお……に、逃げろぉお！！』
　と、襲撃された村は火の海となり……悲鳴が響き渡るのであった。

●
「イレギュラーズの皆さん！　ちょっとお願いがあるのです！」
　と、『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)が、ギルド・ローレットに集う君達イレギュラーズを手招き。
　そして、集まってくれた君達へニコッと笑い。
「ありがとうなのです！　今日はえーっと……ノーザン・キングスでの依頼なのですよ。ノーザン・キングスに現れた、赦されざる罪を重ねる一族をこてんぱんにしてきてほしいのです！」
「今回の場所なのですが、ノーザンキングスの中でも海にほど近い地域なのです。峡湾地域、と言った方がわかりやすいですかね？　この港湾地域の町や村を、戦闘民族『ノルダイン』の一派である『アトラドフ』一族達が次々と襲撃しているって訳なのです！
「彼らは夜が明ける頃の朝日と共に、海の方から近寄ってくるのです。そして海の方から大砲を６発最初に街にぶっ放して、街を混乱に陥れた後に上陸して攻撃してくる、という事なのです」
「最初の大砲攻撃は、事前察知は出来るかもですが、離れたところから仕掛けてくるから未然に防ぐことは難しいのです。街の人達を事前に避難させた上で、多少の被害は厭わずに敵を誘き寄せて、倒してきてほしいのです！」
「ちなみに敵さん達は、屈強な体の鉄兜に鎖帷子、丸盾に剣か弓、という出で立ちの戦士達の様なのです。体力は高いと思うので、注意してください、なのです！」
　そして、最後にユリーカは。
「イレギュラーズの皆さんの力が必要なのです。どうかよろしくお願いします、なのですよ！」
　と、拳を振り上げた。

参加者 : 8 人

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参加者一覧（8人）

リプレイ

●略奪船
　鉄帝国北部、ヴィーザル地方。
　北の果てに近いこの地域は、春先と言えどもとても肌寒く、厳しい気候が続いている。
　そんな厳しい土地の峡湾部は、隆起した海岸線が続き、接岸するのも一苦労。
　主に稼げる産業は漁業であり……だからこそ、厳しい海とも共存した生活を強いられている。
「みんな、大変そうだな……」
　そんなヴィーザル地方のとある村を訪れたイレギュラーズ達。
　『日向の狩人』ミヅハ・ソレイユ（p3p008648）は、村の周りを見て、ぽつりと零す。
　そんな苦しい生活だとしても、棲まう人々はささやかな幸せを生きている。
　……だが、そんな苦しい生活を蝕もうとする影があるのもまた事実。
「本当、自然が厳しい地域だからこそ、協力して暮らすべきなのに……」
　と、悲しげに『二人でひとつ』桜咲 珠緒（p3p004426）が呟く。
　『ノルダイン』を構成する一族『アトラドフ』が、この海岸沿いの村を襲おうとしており、それを退治してきてほしい……というのが今回の依頼。
　ただこいつらは、普通に村街を襲い掛かる……という訳ではない。
　朝靄の立ちこめる早朝に、海の方から砲撃を仕掛け、混乱の内に襲撃をけしかける……という非道な行いを仕掛けてくるというのだ。
「クッソ！　本当にノルダインはロクなことをしないな！　強いアイテムならトモカク、弱いところから奪い取ろうだなんて輩は、鉄帝では風上はおろか、風下にもおけないよ！　船から下りてきたらボッコボコにしてやるからな！」
　拳を握りしめ、苛立ちを叫ぶは『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン（p3p002377）。
　それに『破滅を滅ぼす者』Ｒ．Ｒ．（p3p000021）と、『二人でひとつ』藤野 蛍（p3p003861）も。
「ノルダインのアトラドフ一族……人々の貯えを奪い散らかす粗野な連中。成程……実にわかりやすく『破滅的』な連中だ。ああいった手合いは速やかに滅ぼすに限る。が……その前にまずは救える命を救っておかねば夢見も悪かろう」
「義を見てせざるは勇無きなり。人々に危険が迫るのが解っているのに何もしないなんて、少なくともボク達にはあり得ないよね。街の灯と立ちを救うのも、賊を殲滅するのも、どっちも成し遂げてあげようじゃない。例え敵が戦闘民族だったとしても上等だよ、こっちは家族の安寧のために、神風特攻だって辞さなかった大和民族の末裔なんだから！」
　三人は、とても辛辣に『アトラドフ』一族を糾弾するが、当然の事。
　彼らは今迄も、様々な街村を襲撃し、私欲を肥やしてきたのだ。彼らを更生させるには、もう……倒す他にはないだろう。
「でも、本当に朝駆けに襲撃とかやめてほしいよね～。いくらボクが食眠不要といっても、ゴハンは食べたいし、睡眠もとりたいのに！　これでお肌が荒れたらどうするのさ……」
　そんな仲間達の間に、ふと、『咎人狩り』ラムダ・アイリス（p3p008609）が憤りの声を上げる。
　そんな彼女へミヅハが。
「……あれ？　アイリスって秘宝種……じゃなかったっけ？」
「そうだけど……もう、気分の問題なの！」
　秘宝種に宿る女心を呟くアイリスに、そうなのか……と考えるミヅハ。
　そんな二人の会話を遮るようにＲ．Ｒ．が。
「余り話している余裕は無い。急ぐぞ、連中が動き出す前に行動する必要があるからな」
　それにアイリスと『雷はただ前へ』マリア・レイシス（p3p006685）が。
「……ったく、戦術的には正しいのだろうけどさぁ……と、そうだね、冗談はこの辺で終了、と。もうすぐ来るみたいだし、急いで村の人達を避難させないと」
「ええ。大砲の砲撃か……流石にこれはどうしようもないね。でもとにかく砲撃の兆しを見逃さないようにして、村人達への被害は最低限にしないとね！」
　そう呼びかけて、『裏表のない素敵な人』小鳥遊 美凪（p3p009589）が。
「そうですね……村人達を傷付けるような奴等は、絶対に倒します」
　低く、強い口調で言い放ち……そしてイレギュラーズ達は、朝靄かすむ村を駆け抜けていった。

●船の波間
　朝靄霞む村の中……村から海の方を見つめるミヅハ。
「海があっちで、街がこっち、と……周辺の街で聞いた噂話から推測すると、船はあっちの方から来るらしいな……となると、だいたいこの範囲に被害が出そうだな？　ま、射手のカンだから正確性はねーけど」
　そんなミヅハの言葉に美凪は。
「射撃点の目安がつくだけでも、その辺りを重点的に避難させれば被害は最小限に済むでしょうから、助かります。それでは早速ですが、避難誘導を開始しましょうか……避難先は、海から一番離れているあの辺りで良さそうですかね？」
「そうだな。その辺りは任せたぜ？」
　ニッ、と笑みを浮かべるミヅハに、美凪が。
「任せた、って……ミヅハさんは？」
「俺？　俺は……ちょっとした「仕返し」に行ってくるぜ」
　そう言い、ミヅハはその場を仲間達に任せ、海の方へと向かう。
　それに小首を傾げつつ、美凪は。
「時間も無い事ですし、取りあえず避難誘導を開始しましょう！」
　と仲間達を促し、メガホンとホイッスルを用意。
「おはようございます！　皆さん、緊急事態です！　この村に、ノルダインの一族が攻めてきます！　急いで避難してください！」
　と叫びながら、避難勧告開始。
　更にＲ．Ｒ．と蛍も、起き抜けの村人達へ。
「速やかに逃げろ、砲撃が来る……大丈夫だ、報いは確実に受けさせる」
「賊はボク達が必ず撃退します！　だから安心して避難してください！」
　と声を掛けつつ、手を振りこちらに逃げるように誘導。
　……そして避難する人達を先導する美凪は、避難場所に少しの間しのげるであろう食糧と水、薬なども用意して。
「ちょっと狭いですけれど、しばらくの間我慢してくださいね。大きな音がなるかもしれませんいけど、ここに居れば大丈夫ですから」
　優しく声を掛けながら、突然の襲撃という不安を出来る限り緩和するように語りかける。
　そうしている間にイグナートは、海からの砲撃を交わす為の塹壕を陣地構築スキルを活用して構築。
　更に珠緒が鳥のファミリアーを召喚、更にマリアもリニアドライブで飛行し、二人は上空から敵の船の来週を監視する。
　そう、イレギュラーズ達が着々と砲撃の準備を整えている中で……『アトラドフ』の者達もまた、朝霧に紛れて接近。
　船に備え付けられた砲門の照準が村をロックオンし、狙いを定めながら距離を詰めていく。
「来たね……！」
　とマリアが上空で放電しながら、大きく八の字に飛行し、仲間達に敵発見の合図を送る。
　そして砲門の射程が村を収めた所で……ドン、ドン……と砲撃を連射。
　鉛玉が空を舞い、村の建物の壁を破壊し、土煙が上がる。
『ヒャッハー！！　今日も大当たりーだぜぇ！！　んじゃぁ間髪入れずに仕掛けるとするかぁ！』
　砲撃が上手く言った、と笑いながら、船は村に接岸してくる。
　すぐさま木の板を駆け、そこから次々と侵入してくるアトラドフの一味。
　とても騒がしい彼らの襲撃に、避難した村人達が悲鳴を上げるが。
「本当、大砲の轟音、爽やかな朝が台無しですねー……というわけで、あのうっとうしい目覚ましを、息の根ごと止めに行ってきますね」
　そう村人達に語りかけながら、美凪は避難場所を発つ。
　そして仲間達と合流し、イグナートの作った塹壕の辺りで、互いに相対。
『おうおう、塹壕なんか作っちゃって……抵抗のつもりかぁ？』
　とアトラドフの一人が嘲笑うが、その挑発に乗ることは無く。
「与える事をしない方は、結局幸せを得る事は無いのだと、そう教えて差し上げましょう」
「そうだね。始めようか、咎人狩りの時間だ！」
「ああ……戦闘開始だ！」
　珠緒、アイリス、マリアが宣言、そして。
「戦う力のない人を襲うしか能の無いケダモノ風情が！　ちょっとでも戦士の誇りがあるなら
　とイグナートが名乗り口上で敵を挑発。
『おもしれぇ、刃向かうってんならさっさと殺してやらなきゃなぁ！』
　そう言いながら、屈強なアトラドフの戦士達が、塹壕を飛び越えて攻撃開始。
　無論その攻撃は、名乗り口上を上げた屈強なイグナートが立ち塞がって、防御集中で対応。
　ただ流石に１５人居る敵前衛陣は、イグナート一人で対処しきれる事は難しい。
　そんなイグナートの横へは、珠緒にエールを送りながら蛍が進み出て、双璧となり、出来うる限り被害を最小限に立ち回る。
　そして敵の攻撃を一通り乗り切った二人へ、直ぐに美凪と珠緒がＳＰＤと大天使の祝福にて回復。
　そして、敵前衛の攻撃を一通り乗り切ったところで、更にアイリスが。
「咎人にかける慈悲無し、見えず動けずの恐怖に堕としてから冥府に送ってあげるよ」
　と『対群精神感応攻撃術式「狂月」』を放ち、暗闇、恍惚、狂気、呪縛……と、バッドステータスのオンパレードを付与。
　更にＲ．Ｒ．も。
「主義心情の欠片もない、ただ奪い尽くすだけの下らん連中が。お前達のような破滅は、ひとまとめになぎ払われて朽ち果てるのがお似合いだ。破滅よ、滅びを知れ」
　と辛辣にこき下ろし、乱戦地帯に霹靂千撃を放ち、敵前衛を纏めて感電させていく。
　そんなイレギュラーズ達の連続攻撃に、敵後衛の弓使いが。
『ちっ……こいつら、中々歯ごたえがある奴等の様だな！』
　と舌打ちし、周りの者達もこくり、と頷く。
　そんな敵陣に、もう一度マリアが。
「悪いことは言わない！　投降したまえ！　可能な限り加減するが、投降しないなら命の保証は出来ない！」
　と最後通牒を宣言。
　だが……。
『うるせえ！　降参だなんて格好悪い真似出来るかよ！』
　と、完全にはねのける。
「そうか……なら、仕方ない……！」
　軽く唇を噛みしめて『蒼雷式・天槌裁華』を敵後衛を軸に巻き込み放っていく。
　と……仲間達がアトラドフ達と戦っている一方で。
　一人離れていたミヅハは……密かに敵船が接岸していた所へ。
「さて、と……襲撃中に抵抗してくるヤツの予測はしているだろうが、この時点で船に反撃するヤツなんて……居ると思わねえよな？」
　不敵な笑みを浮かべたミヅハ……確かに彼の予想通り、全員が村への襲撃に裂かれており、船には誰一人としていない。
　まぁ……今迄自分達が負けたことが無い、という自意識過剰な部分があるのかもしれない。
　……そんな船の船体に近づいて「えーっと、ほら……こういうの何て言うんだっけな……そう、あれだ、意趣返しってやつだ！　というわけでいくぜ、『右に星辰、左に森羅。これは神を穿ちし大樹の一屋！』　避けられるもんなら避けてみな、当たればただじゃ済まねーぜ！　喰らえ、『ミスティルティン』！」
　と、強烈な一撃を船体に叩きつける。
　当然ながら殆ど装甲などが施されていない船体は、強烈な一撃を受けて大きな穴が開く。
　勿論船という事は、船体は海の上にある訳で……その穴からみるみる内に、水が浸食……そして、みるみる内に船は海中へと沈んでいく。
「良し。これで奴等が例え勝利したとしても帰れない訳だ……それじゃあ、行くか」
　とミヅハは、沈没する船を見届けた上で……仲間達の下へと急ぐのであった。

　再び、塹壕付近。
　敵陣の動きは大きく変わる事は無く、敵前衛は押せ押せの勢いで、イレギュラーズ達へ近接し、攻撃。
　更に弓持ちの者達は、数歩後方で炎矢を乱射、そのターゲットは回復をしている美凪と珠緒。
　その攻撃を、Ｒ．Ｒ．とマリアが抑えるように動く。
　そして、敵の攻撃を一通り熟した上で蛍が「桜花の決意」を固めてからの『散華』。
　それに連携して珠緒が再度大天使の祝福で蛍を回復し、出来る限り体力を高めに維持する。
　続いてアイリスが、再び「狂月」で大量のバッドステータスを積み重ね、Ｒ．Ｒ．が識別付きの霹靂千撃で、総じて敵の体力を削る。
　イグナートは、美凪の回復を受けつつ。
「この手合いにはヨウシャは無用だからね！　全力で殴って、生きてたら軍にでも引き渡すさ！」
　と、リーガルブレイドの一閃をたたき込み、最後にマリアが蒼雷式・天槌裁華を迸らせる。
　かなり屈強なアトラドフの戦士達……少しずつ、その体力が削られていく。
　とは言え敵前逃亡の選択肢は無く……彼らは武器を振るい続ける。
　更に数刻経過した、その時。
「待たせたな！」
　離脱していたミヅハが合流……敵の背後からツインバード・スナイプを、弓矢持ちに対して射抜く。
　不意を突いた方角からの一撃に、流石に驚くアトラドフ達。
『な、何だと！？　え……？』
　振り返ると……自分達が乗ってきたはずの船の姿が無いのに気付く。
「お前達の船は沈めてやったぜ！　もう帰ろうにも帰れないぜ！」
　ニヤリと笑みを浮かべるミヅハに蛍が。
「何をしたの！？」
「簡単な事さ。船に穴を開けてやっただけだぜ！」
「成程……！」
　頷く蛍。
　退路を断たれたアトラドフ達は、最早前門の虎、後門の狼。
　例えイレギュラーズを倒したとしても、故郷へ帰る手段は最早無い。
　そんな絶望の表情を一瞬浮かべ……。
『仕方ねえ……こうなら、全部、何もかも殺すだけだ！！』
　と、破れかぶれの攻撃開始。
　防御を捨てた攻撃集中で、起死回生を狙う……が。
「かかってこいよ海賊もどきども！　森の狩人なめんな！」
「そうね……絶対に逃さないわよ！」
　完全に勢いづいたイレギュラーズ達の前では、起死回生の一撃も些細な抵抗。
　……そして、そんなイレギュラーズ達の猛追の前に、２０人居た『アトラドフ』一族は殲滅されていった。

●北国の光
　そして……無事に『アトラドフ』一族を倒したイレギュラーズ。
「……ふぅ。終わった終わった、と」
　深く一息を吐きつつ、周りを見渡すイグナート。
　最初に仕掛けられた彼らの砲撃の痕跡は色濃いものの……それ以上の被害は、ある程度イレギュラーズ達のお陰で抑えられた模様。
「……取りあえず、壊れたところの簡易的な修復かな？」
「ええ……後はお片付けですね。しっかりとお片付けして、村の人達が少しでも前を向いて進んでいけるようにしたい所ですね」
　イグナートに美凪が微笑み、腕まくり。
　周りの転がる大量のがれきを村の外れに集積し、穴が空いたところを動物の皮や藁などを敷き詰めることでの応急処置を開始。
　その一方でマリアは……倒れた『アトラドフ』の者達を人目につかない所へと運ぶ。
　華を手向け、手を合わせたマリアが。
「……君達なら真っ当に生きることも出来たろうに……次があれば、手を取り合う選択を願う……」
　と、死した骸に弔いの祈りを捧げる。
　……そんな弔いを無駄だ、という人がいるかもしれない。
　でも、マリアとしては……いつか手を取り合う様な時が来れば良いと信じている。
　だから、鉄帝にたてつくノーザンキングスであっても……その祈りが変わる事は無い。
　……そんなマリアの弔いが終わる頃には、村の修復もある程度終わりつつある。
「そろそろ良いか？」
「ん、いいんじゃないかな？」
　Ｒ．Ｒ．に頷くミヅハ。
　そしてＲ．Ｒ．は、避難させていた村の人々の所へ。
『……？　だ、大丈夫でしたか……？』
　と不安げに問いかけてくる村人達に。
「破滅はここに滅んだ。もう破滅に怯える事は無い」
　ぶっきらぼうな言い方ではあるが……取り繕うよりはいい。
　村の修復にはある程度の時間がかかるであろうし、その間は更に厳しい生活を過ごさなければならないだろうが……その先には、きっと明るい未来が待っているはず。
　そして村人達をＲ．Ｒ．が避難先から連れ帰り……村人達と共にこの厳しい地で過ごせるべく、必要最低限の修復を、イレギュラーズと村人達が力を合わせて施すのであった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

船を沈める、というのは正直予想外でしたが、これもまたＰＢＷも面白さですね……！
ノーザンキングス構成員の討伐依頼、参加いただきありがとうございました！