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シナリオ詳細

再現性東京2010:地下の叫声

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:地下の叫声
 練達の一区画に存在する『再現性東京』。
 更にその一区画である『希望ヶ浜』地域も一つの街であり、学校や警察署、工場や公園など……棲まう人々が極々普通に生活出来るような施設が建てられている。
 そんな、ごくごく普通の希望ヶ浜の街の地下には、人々の生活を支える施設……そう、下水道が張り巡らされている。
 ……そんな地下下水道で、最近良く聞かれる噂話。
『地下下水道から最近、獣の鳴き声が聞こえる』
 獣の鳴き声……多くの人は、ただ単に犬や猫が川沿いから迷い込んでしまったとか、根も葉もない噂話だ、と言って、全く興味を持たない。
 ……でも、そういう話に食いついてしまうのも当然居る訳で。
『おーい、みんなー。こっちこっちー!!』
『なー、ほんとーかよー? ここに獣が居るってさー……うそじゃねーの?』
『だから、おれたちでしらべにいくんだろー!? いかないのかー? ははーん、こわいんだろー。よわむしー!」
『う、うるせー!! わかった、いってやろーじゃねーか!!』
 と、小学一年生の、やんちゃ坊主達は……その噂話の真相を確かめようと、地下下水道に向かっていってしまうのであった。


「えーっと……あ、いたいた。ほらほらみんなー、なじみさんの話、聞いてってよー! 損はさせないよー!」
 イレギュラーズ達の集まる『カフェ・ローレット』。
 綾敷・なじみは、まるで行商の人がごとく、周りに居たイレギュラーズの皆の注目を集めるように歩き回る。
 ……そんなちょっと疑わしい誘い文句に集まってきた皆に。
「いやー、みーんなありがと! それじゃ早速だけど、今回の依頼を説明するね?」
 と言いながら、彼女が見せたのは……ホームページのスクリーンショット。
「最近ね、街の地下にある下水道から鳴き声が聞こえるって噂話が流れてきてるんだけどさ、どうやらこれが『悪性怪異:夜妖<ヨル>』が引き起こしていた様なんだよねー」
「夜妖達が突然地下下水道になぜ現れてしまったのかはよく分からないんだけど、これを放置しておいたらいつかは下水道から這い出てきて、ごく普通の人たちに害をなしてしまうかもしれない。だから、今のうちに対処してきてほしい、って訳なんだ」
「それにもう一つ、どうもこの噂話を聞きつけた、小学一年生の子供達も『自分達が調べなくては!』と、子供ながらの探険心に火がついちゃったみたいで、下水道に向かってるみたいなんだ。だから、子供達を助けつつ、夜妖を倒してきてほしいんだ!」
 そしてなじみは。
「子供達からすれば、こんな危険なんてへっちゃらだ、とでも思ってるんだろうねー。まぁ、ちょっと怖い目にあってもらった方が、お灸が据えられて良いかもしれないけど、死人が出るのはまずいから、みんなよろしく頼むね!!」
 と、元気よくイレギュラーズ達を送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)です。
 先日に続いての『再現性東京』依頼、小さな冒険者達の救出依頼です。

 ●成功条件
   夜妖を倒すことと、小学生達を守り切る事の二つです。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回潜入する事になる地下下水道ですが、かなりの広さがあります。
   通路は高さは2m程度なので、背の高い方はちょっと窮屈かもしれません。
   横幅については3mなので、2人くらい横並びで戦う事は可能です。
   なお、下水道なので、真ん中には下水が通っていますので……ご注意下さい。
   
   子供達ですが、人数は4人です。
   下水道に入った時は意気揚々としてますが、夜妖とあったらびっくりして、悲鳴を揚げて動けなくなってしまいます。
   当然夜妖達は、食いやすそうな子供達から狙うでしょうから、悲鳴を聞きつけたらすぐに駆けつけ、間に割り込む等してカバーリングをお願いします。

 ●討伐目標
   敵となるのは『悪性怪異:夜妖<ヨル>』ですが、姿形はまさしく『ワニ』です。
   ただその体は少し暗めで、灯りの灯されていない地下下水道内では見づらいでしょう。
   また、彼らは基本的には下水の中に棲み着いており、目の部分だけを水上に出していて、獲物を探している状態です。
   その目に光を当てれば光りますので、それを鍵に捜索してみて下さい。
   
   敵の数は20匹。
   戦闘能力として持っているのは鋭い牙による噛みつき攻撃(牙に毒)。
   噛みついた後に、そのまま体をぐるぐると回すデスロール(体勢不利)があります。
   また体力が危険になれば、下水の中に隠れる事で攻撃回避および自己体力の回復を行う事が出来る様です。
 
 それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:地下の叫声完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2021年02月21日 21時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)
ココロの大好きな人
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ルリ・メイフィールド(p3p007928)
特異運命座標
楊枝 茄子子(p3p008356)
虚飾
アシェン・ディチェット(p3p008621)
玩具の輪舞
白夜 希(p3p009099)
死生の魔女
久遠・N・鶫(p3p009382)
夜に這う
影縫・纏(p3p009426)
全国大会優勝

リプレイ

●地下の主
 再現性東京、希望ヶ浜地域。
 学校に警察署、消防署など、生活に必要な施設があり、棲まう人々は脅威など無く、ごくごく平和に生きている。
 ……そんな平和な街の地下には、これもまた人々の生活を支えるために必要不可欠な施設……地下下水道が張り巡らされていた。
 だが、そんな地下下水道に居る、と最近まことしやかに流れる噂話。
『地下下水道から最近、獣の鳴き声が聞こえるんだってー。なぁ面白そうじゃねー?』
『だよなー! おもしろそーじゃん。さぁ、行こうぜ行こうぜー!』
 と……そんな噂話を聞いた、この近くの小学校の子供達が、恐怖を厭わずに来てしまう……という話を聞いたイレギュラーズ。
「おいおい、どうなってんだ……怖い物見たさで危険を顧みずに危険な場所に行くのが今の子供達のトレンドか?」
 と、再び学生連中の肝試し感覚での夜妖退治の依頼を受けた『全国大会優勝』影縫・纏(p3p009426)は、難しい表情で深い溜息を吐く。
 そんな纏の言葉に同じく、連続になってしまった『神は許さなくても私が許そう』白夜 希(p3p009099)も。
「そうだね。まあ……子供にとって下水道なんて、アニメや漫画ではお約束と言われるくらいの冒険の舞台なわけだし……洞窟みたいなファンタジーの中にしかないような場所ではなく、現実的にある場所だから、余計に、ね? 好奇心がくすぐられるのはわからなくはない……」
 しかしそんな二人の言葉に、『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)は目をキラキラさせて。
「そうなのです。探険したい気持ちは、メイも良く分かるのですよ! あんな気になる噂話を聞いてしまっては、行かざるを得ないのですよ!」
 うんうんと頷き、拳を振り上げ気合いを入れる。
 ……下手すれば、彼女が救出対象になっていたかもしれない位の事件。
 でもメイは11歳……そう、年度明けには進学の年齢なので。
「そうなのです、メイはもう4月には中学生! つまりお姉さん! お姉さんとして小学校の子達をしっかり助けなければ! お姉さんなので!!」
 大事なことだから三度『お姉さん』を強調するメイ。
 それに『嫉妬の後遺症』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)はまるでオカンのごとく。
「本当、再現性東京の子供達は好奇心旺盛な子が多いのだわね……」
 と、あらあら、やれやれといった表情の華蓮。
 更に希も。
「まぁ……下水道に簡単に入れるようになっちゃってるほうが悪いけど。はぁ……行くしかないけど……だって……絶対汚いし……汚いし……!」
 下水道という事に、かなりの抵抗感を覚えている模様である。
 忌避する仲間に対し、『羽衣教会会長』楊枝 茄子子(p3p008356)は。
「まぁ、下水道かー……本当危ないところに入ったねー。ワニが居なくても、流されちゃったら大変だよ! まぁ、子供は好奇心旺盛だからね! 仕方ないね! ここは会長達が何とかしてあげよう!」
 そう、ひときわ強く気合いを入れる茄子子。
 『玩具の輪舞』アシェン・ディチェット(p3p008621)と『特異運命座標』ルリ・メイフィールド(p3p007928)もそれに。
「子供達が遠くに行ってしまっていたら、怖い目にはもうあっているかもしれないのだわ。手遅れになる前に急がなくてはいけないのだわ! ワニさんのお腹の中で反省して貰っても、とてもめでたしって言えないもの」
「そうなのです。好奇心猫を殺すにならねーように、子供達をさっさと救出したいとこですね……」
 そんな仲間達の言葉に『夜に這う』久遠・N・鶫(p3p009382)が。
「まぁ今回はちびっこたちの捜索と保護と、夜妖の討伐だね。子供達を助け出したらお説教タイムかな?」
 くすりと笑う鶫、それに纏も。
「ああ。まぁ助けるさ。ガキの内にちょっと怖い思いをすれば、次からは気を付けるだろうしな。私は子供に優しいんだ」
 不敵に笑うと、華蓮は苦笑しつつ。
「ええ、こういう時にしっかり助けて……心まで守って……子供達の冒険心を損なわない。それが、大人の務めだって思うのだわ」
 と頷く。
 そんな仲間達に、ぽろりと。
「しっかし今回は救出対象がガキどもだから構わねえけど、連打津の住人には『自己愛』ってもんが足りてねえよ。もう少し自重しろってんだよなぁ……」
 と零す纏。
「まぁ……そこは一朝一夕には直らないかな? 取りあえず今回は子供達を助ける事、それだけに集中しましょ!」
 と、茄子子が苦笑しつつ、下水道へと急ぐのであった。

●探る影歩く
 そして、イレギュラーズ達は下水道の入口へ。
「ヘルメット良し、カンテラよーし! aPhoneよーし、安全確保よーし、なのです!」
 と、装備を指さし確認するメイ。
 その周りでルリや希もカンテラをしっかりと装着を確認し、視界は万全。
「取りあえず、立ち回りはしっかりしていこう……あと、下水には絶対落ちたくないから、デスロールを食らっても、できる限り踏ん張るという事で」
 と鶫が言うと、希が思い出したように。
「そういえば、デスロールってどういうのです……? ナイフを突き刺して、捻るような感じの動きなのでしょうか……?」
 小首を傾げると、華蓮が。
「えっと……何かに噛みついて、その身体をぐるっと回して、相手もろともその回転に巻き込んで転倒させるという動きなのだわ」
 と説明。
「そうなのですか……なかなか危険なのです。噛まれないように注意します」
 と希は頷く。
 そしてイレギュラーズ達は、洞窟の中へと潜入……さすがに漂う匂いに顔をしかめる鶫。
「なかなか……ここまで入りたくない場所もなくないかな……。みんな無事に助け出したらお説教タイムだな、これは」
 と、そんな鶫の言葉にディチェットが。
「そうだねぇ……まぁ、禁止されてる場所に立ち入るダメな子達は、ちゃーんとお仕置きしないとです。勿論救出が前提ですけれどね」
 と、頷く。
 そして一塊になって、下水路を先へと進んでいくと……遠くの方から聞こえる声。
『なぁ……本当にこっちなのかよー』
『そんなのわかんねーよ。でも、どっかにいるはずだって!』
 本当に僅かに聞こえてくる声……纏の超聴力はそれを聞き逃さず、仲間達へ申告。
 その申告に合わせてディチェットが、超視力で先を見渡してみるが……取りあえず光の届く部分迄には、影も形も無い。
「うーん……中々いないですねぇ! 子供達を誘う歌でも歌いますかぁ!」
 と茄子子は歌を歌い始める。
 勿論、歌は閉鎖空間である下水道の中では響き渡る訳で。
『……!? な、何この声!?』
『わ、わっっかんねー……で、ででででもびびびびってねーし!!』
 強がっていたけど、内心ではかなりびびっていた模様。
 そんな子供達の悲鳴に、すぐに纏が。
「茄子子、煩いって……静かに」
「え? あ、はい」
 素直に従う茄子子。
 更に纏の超聴力と、鶫のエコーロケーションをフル活用して子供の声の方角に向かいつつ、カンテラの明りを水面に翳し、更にメイがエネミーサーチで居場所を探る。
 ……そして、子供達の方へと急いでいくと。
『……グルゥゥ……』
 どこからか聞こえてくる、低い唸り声。
 その唸り声にいったん足を止めて、再度エネミーサーチ、ルリが飛行状態で下水の上を移動。
 ……明らかな敵意を近くに感じ取る事が出来て、近くに居るのは間違いない。
 そして……前の方から子供達の、悲鳴。
『ぎゃーーーー!!』
『や、くるな、来るなよー!!』
「……こちらなのですわ!」
 と華蓮が仲間達を促し、救いを求める子供達の下へ。
 子供達はなきじゃくり、座り込んでいる。
 そして、子供達に向けて近づいてきている、ガゥゥゥと唸り声を上げて追いかけてくるワニの姿。
 子供達の脚の早さに対し、地べたを這うワニの動きは少し遅い……ただ、転んでしまえばすぐに間合いを詰められるのは間違いない。
 そんな子供達に茄子子が。
「助けに来たぜ! ひよっこ冒険者共!」
 と力強い言葉を掛けながら、子供達をクェーサーアナライズで落ち着かせる。
 更にルリと希が、子供達に。
「さてさて……早速ワニさんが出てきたのですね」
「ん……そうだね。取りあえず、子供達を守れるように、盾を張る……」
「了解なのです。子供達、そこで固まっているのです。静かにそこで待っていれば、絶対無事に帰れるのですよ」
 と、ルリがワニの真っ正面に対峙し、子供達の信仰蒐集のカリスマ性を発揮して子供達の注目を集めつつ、そこに希が決死の盾、でカバーリングの体制を整える。
 ……でもまだ子供達は、えーんえーん、と泣き喚いている。
 そんな子供達に、華蓮はできる限り優しく。
「こんにちは、私は華蓮って言うのだわ。皆……ここまで頑張って、とっても偉かっただわね? もう大丈夫……ちょっと煩いかもしれないけれど、私達が居れば、絶対大丈夫なのだわ」
 と声を掛け、子供達の所に華蓮ちゃんぬいぐるみを置いて、頭をなでてあげる。
 そう、子供達を落ち着かせる様にする一方で、ディチェットが子供達の脇の下水にいったん光を掲げ、ワニの目が光らない事を確認。
 そして問題ない事を確認すると、すぐにメイが南瓜ランタンを子供達の所において。
「それで、明るくしておいてほしいのですよ。その方が戦いやすいので!」
 と子供達に会えて役目を渡しつつ、メイもワニの真っ正面に対峙。
「メイお姉さん隊長が相手なのですよ!」
 と名乗り口上で、ワニのターゲットを思いっきり惹きつける。
 そしてメイ、ルリ、ディチェットの三人が鰐夜妖の全面に立ち塞がる一方で、その一歩後ろに茄子子、鶫、纏が配置。
 更に子供のところに華蓮と希、そして子供達という陣容で、常に周囲にカンテラの灯を掲げることで、敵が近づいてこない様に対処する。
 ……とは言え、そんなイレギュラーズ達の動きに対し、鰐夜妖が知性的な反応を返すこともない。
 イレギュラーズに向けて近づき、唸り声を上げると共に噛みつき攻撃。
 その咆吼を聞いたのか……その周りの下水からピチョン、と言う音が響く。
「ん……」
 その音の方向に、鶫が光を向けると……不思議な反射。
「そこにもう一匹、居るぜ」
 とすぐさま鶫が告げて、それにルリが確認する様、カンテラの明りをシャッターで制限し、夜妖の目に光を当てる。
 ……明らかな鰐の目が水上に出ており、光に反応する様にもう一匹の鰐が出現。
「もう一匹出現という事なのね。次々と出てくる可能性も高そうだから、余り一匹に時間を掛けずに仕留めましょう」
「了解なのですよ!」
 拳を強く振り上げるメイ。
 そして彼女は早速、ブルーコメット・TSを発動。
 取りあえず対峙している鰐に青き彗星を降り注がせて攻撃すると、更に一歩後ろの鶫が狙撃でその目を射抜く。
『グウゥゥゥ!!』
 ある意味急所を貫かれた鰐夜妖は、下水をバシャバシャとしながら苦しみにもだえる。
 そして茄子子は、自分の位置を移動して、ほぼ全員を範囲に収めるところにてクェーサーアナライズで回復。
 また、纏がマジックミサイルを後ろから飛ばし攻撃。
 最後にルリが、チェインライトニングで縛り上げ……その一撃に鰐夜妖一匹、崩れ墜ちる。
 ……とはいえまだまだ、鰐夜妖は多数この下水道の中に潜んでいるし……子供達も背後に居る。
「取りあえず、この敵を倒したら入口の方に向かいましょ? ここで戦っていると、どこかから突然仕掛けてくる可能性も充分にありそうだし」
「そうなのです。では、続く鰐夜妖を仕留めるのです」
 とディチェットにメイが頷き、全員で協力し、もう一匹を仕留める。
 ……そして、次の鰐夜妖が現れる前に。
「子供達、大丈夫? これから移動するけど、私達についてきてくれれば大丈夫なのだわ」
『……ほ、本当……?』
 華蓮の言葉に、とても不安そうに見上げる子供達。
 そんな子供達を勇気づけるように。
「ええ……私達を信じてくださいなのですわ」
 と微笑み返す。
 そしてイレギュラーズ達は、子供達を護るようにしながら、下水道の入口に向けて移動開始。
 ……先陣をディチェット、ルリ、メイが、後陣に希と華蓮がついて、常に下水に光を掲げることで、常に鰐夜妖の目が光らないか、に気を付けていく。
 勿論、そんなイレギュラーズの動きに対して鰐夜妖達は目だけ下水上に出して観察……発見したらばすぐに、イレギュラーズに向けて襲い掛かってくる。
 そんな敵の動きに、茄子子が。
「あ、そっちからワニ来るよ!」
 的確に声を上げ、襲い掛かる前に子供を背に移動。
 そして子供達へ、華蓮が。
「見て、私達の仲間は強いのだわ。そうだ、皆で応援してあげてもらえないかしら?」
 と、イレギュラーズ達をヒーローのごとく扱い、子供達に応援してもらうようにお願い。
『わ……解ったぁ……が、がんばれー!!』
 と、心細い子供達は、助けてくれたイレギュラーズ達へ声援を送る。
 そして、その声援を受けたメイとディチェットが。
「みんな、ありがとうなのです!! メイ達、絶対に助けますから、もっと応援してほしいのです!」
「皆の声、ちゃんと聞こえていますわ。安心して、大人しく待っていて下さいね!」
 と声を返す。そして……。
「さぁ、子供達の期待に応えるためにも、皆で全ての鰐夜妖を倒すのです!」
 とルリが威風堂々と声を上げる。
 そしてメイがまたもブルーコメット・TS、ディチェットの揺蕩うラメント、ルリのチェインライトニングが次々に決まり……鰐夜妖達は、次々と下水の中へと沈んでいった。

●子供の光
 そして……どうにか無事に入口まで帰り着いたイレギュラーズと、子供達。
「いやぁ、ワニ怖かったね! 会長も怖かったよ!」
 と茄子子が子供達に元気よく声を掛けて肩を叩く。
 ただ、子供達からすればまだ目の前で起きた現象が、まだ信じられない模様。
『え、えっと……あ、ありがとうございました……』
 さすがに、ちょっと申し訳なさそうに頭を下げる子供達。
 そんな子供達にうんうんと満面の笑みで頷いて。
「うんうん。これに懲りたらあんまり危ないことをしちゃダメだよ! ね! 会長との約束!!」
 と、すっと手を差し出す。
 ……子供達は、その手にえっ……と戸惑ってしまう。
 そんな子供達の頭を、優しくなでる華蓮。
「うん。ここは危ない所だったわよね? でも、あなたたちがもつ冒険心は立派だと思うのだわ。でも、無防備に来るのはダメ。ちゃんと調べたりして……お母さんにもちゃんと許可を取って……ね?」
 と、諭すように言う。
 それにこくり、と頷き、茄子子の手を握り返す子供達。
「うんうん。まぁでも、死ななきゃ助けてあげるから安心してね!」
 と笑い飛ばす。
 そして、子供達が帰る後ろ姿に、ディチェットがぽつり。
「本当は、ちゃんとしからないといけないけれど……あの怖いものみたさって言うのかしら、その気持ちって少し解るのよね? ……私もちゃんと気を付けないといけないわね」
 と零すと、それに希と鶫、そしてディチェットが。
「ん……私達には、戦う力があるからいいけど……あの子達は、戦う力が無い……自分で自分の身が守れるか……という事……」
「そうだね。さてと……一応もう一度見回って、撃ち漏らしの鰐夜妖がいないか確認だけはしておくか」
「ええ」
 そうしてイレギュラーズ達は、もう一度下水道を見回る。
 鰐夜妖の撃ち漏らしが無い事を確認すると共に、やっとの帰路へとつくのであった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

再現性東京の夜妖退治、皆様お疲れ様でした!
今回は小さい子供達、という事もあり、聞き分けもまぁ良い方の子供達だった様です。
勿論イレギュラーズの皆様の説得の甲斐でしょう……子供達が今後、成長した時には是非とも見守っていただければ、と思います!

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