シナリオ詳細
再現性東京2010:白衣の天使となりまして
オープニング
●ナース服ファッションショーのお知らせ
再現性東京で活躍中のファッションデザイナー『RIORI』――彼女は人生で一番と言わんばかりの危機に陥っていた。
ライバルデザイナーにモデル達を引き抜かれ、ショーに出てくれるモデルが一人も居なくなったのだ。
報酬を倍額以上出すと言ったライバルデザイナーの目的は『RIORI』への嫌がらせである。
彼女は『既存のファッションにひと味加えて、オシャレを楽しむ』デザインで好評を得ていたのだ。
此度のテーマは『ナース服』
各種フェチや需要に対応するためにモデルは老若男女誰でもOK、異形であろうとなんだろうとRIORIは対応してみせると豪語する。
客は全員カメラ持参、撮影も可。ショーと言うよりもコスプレ発表会を思わせる。
「まあ、困っているらしいから……イレギュラーズでショーを盛り上げる一環としてお手伝いに行きませんかって依頼なんだけど」
山田・雪風(p3n000024)は「どうかな」とファッションショーの宣伝映像を流す。
もう期日は迫っており、今からモデルを見つけるのも難しいと言う焦りをRIORIから感じることが出来るスケジュールだ。
「ところで『なーす』とは一体? 茄子の仲間ですか?」
練達での知識の無い豊穣出身者、ルーキス・ファウン (p3p008870)の言葉に雪風は「こんな感じの……」とナース服フェチ特集と書かれた写真集を差し出した。
「……行きましょう。良ければ、エルピスも」
「わたし、ですか……?」
君のナース服姿が見たいとはルーキスは言わなかった。首を傾いだエルピス (p3n000080)は「わかりました」と小さく頷いたのだった。
●
「こんにちは、RIORIと申します! 皆さんにファッションショーで私がデザインした『ナース服』を着て貰おうと思っていたんだけど……インスピレーションが凄く沸き立った! 良ければ、皆が考えた素晴らしいナース服を教えて貰っても!?」
瞳を輝かせたファッションデザイナー『RIORI』。ソバージュを揺らして丸眼鏡をした美麗なるデザイナーはその眸をきらりと輝かせる。
ナース服も多種多様。少しアダルティなデザインもあればシンプルなものもある。看護師としての動きやすさを追求したものだって良い。
それらを着用してショーに出ればライバルデザイナーを倒せるのだとやる気溢れる彼女の傍らで雪風がこそりと言った。
「実は、ショーの中に悪性怪異が絡んでるみたいで……。
ショーの最後に投票があって、どのナース服が一番だったかが決まるらしいからそれで勝利して貰えれば戦闘も無く倒せると思うんだ」
ライバルデザイナーの元にいるモデルの一人が悪性怪異:夜妖にすり替わっているらしい。
彼女は言葉にするにもちょっぴり憚られるようなセクシーなナース服で観客達を翻弄してくるだろう。
「正直! 其れに勝るせくしーさで頑張って欲しいと、思うわけでして!
いや、一般的なナース服も良いと思います。やっぱり白衣の天使ってだけで最高ですし。あー、いや、アレンジしてるナース服も最高だと思いますよ、うんうん。底は趣味というか、実益? 実益はわかんないけど、色々考えてみれば良いと思いまして」
興奮するオタク男子は「あ、違います」と首を振った。溢れる煩悩を一先ず飲み込んだ彼は「夜妖を倒すためにもご協力お願いします!」と頭を下げたのでした。
- 再現性東京2010:白衣の天使となりまして完了
- GM名日下部あやめ
- 種別リクエスト
- 難易度-
- 冒険終了日時2021年02月28日 22時25分
- 参加人数8/8人
- 相談8日
- 参加費150RC
参加者 : 8 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(8人)
サポートNPC一覧(2人)
リプレイ
●
「ちくしょう!? またかよ!」
声を荒げて、その整ったかんばせを苦々しく歪めたのは『戦神護剣』紫電・弍式・アレンツァー(p3p005453)。医療用コスチュームには別の意味合いで何かと縁がある紫電は縹色の眸で依頼書を見詰めている。
曰く、今回はナース服でのファッションショー。且つ、ライバルとなるのは夜妖……なのだそうだ。
「ナース服……ナース服のファッションショーの夜妖………?」
情報過多すぎるとかんばせを掌で覆ってから『半人半鬼の神隠し』三上 華(p3p006388)は「うーん」と唸った。柔らかな青い髪が彼女の動きに合わせてふわりと揺れる。
「なんというか、本当に色々な夜妖がいるんだな……少し待ってくれ、冷静になるから」
正直なことを言えば夜妖とは都市伝説然としているモノが殆どであると言う認識だった。
「ナース服のファッションショーってどーゆー事って思ったけど、今回のテーマが『ナース服』だったのね。なーるほど!
ビジネスコスチュームにも彩りを、って書かれたら納得しちゃうかも。RIORIさん、一緒に最高にセクシーなナース服をデザインしましょ!」
にんまりと微笑んで適応するのがいの一番に早かったのは『アンラッキーハッピーガール』リズ・リィリー(p3p009216)。ファッションデザイナーのRIORI(本名:桂井・衣織)はリズの言葉に感動したように頷いた。ライバルに頼んだモデルを全て横取りされた彼女は窮地に立たされていたという――其処に天の使いのように手伝いを申し入れたイレギュラーズたち。
「……なんか、来た場所を間違えたような気がするんだよなー」
『よく食べる』トスト・クェント(p3p009132)は首を傾いだ。未だに理解能力がショート寸前の華と、どうしたことなのだと呻いた紫電。彼女たちを確認してからトストはううんと唸る。
「再現性東京の人に、人間型じゃないタイプの純種にも慣れてもらおうとか、そんな風に聞いてきたはず……ん? 新しい扉を開く? 同じようなもんか……?」
再現性東京の中でも希望ヶ浜は特に『そうした対象』に対しては理解が無い。新しい扉は開き辛いがトストの新しい扉がどうか、と言えば。
「まぁ一応おれ、たぶん珍しいタイプなんだけど大丈夫かな?」
オオサンショウウオの特徴を持つトスト。そんな彼にRIORIは「歓迎です!」とウィンクした。何でも受入れるファッションデザイナーである。
「TKRy・Ryryryryryry……!!」
高笑いを上げた『名状し難い軟泥状のもの』古野 萌乃(p3p008297)は仁王立ちをしていた。
「白衣の天使ならぬ白衣の天才の我がきたからにはナースなぞよゆーなのだ! ……む!? ナース!? ど、どっちにしろ賢い我に不可能はない!
ということでとりあえず『白衣』を装備し、『制服一式』で基本のナース服も揃えてきたのだ!
うむ、つまりテーマは『天才』! 科学者らしい白衣ベースのナース服なのだ!」
「成る程、そうして掛け合わせることで新しい可能性があるというのも中々……!」
どうしてか興奮するファッションデザイナーの傍らで、『散華閃刀』ルーキス・ファウン(p3p008870)はそっと目を伏せた。
「まず始めに。この依頼を斡旋してくれた雪風さんに最大の感謝を贈ります。
まさに神! 天才! 情報屋の鑑! ナース服万歳! 白衣の天使最高! ……おっとつい心の声が。夜妖? 秒で倒して来ますんで!」
ルーキスは噛み締めた。ナース服を自身が着ることになる事などこの際、気にはならなかった。同行することとなったエルピス (p3n000080)が「ナース服、ですか」と瞬く様子を噛み締める。
そんな風に喜ぶ彼がいるように、「ナース……何がそんなに良いのかしら? けれど、依頼だものしっかりやらないとね」と困惑するトリフェニア・ジュエラー(p3p009335)も居る。
「ん~~人気投票なんだよね? それなら、わたし達が一番になるほかに相手を妨害しないと駄目かも」
戦略的に、どうするべきなのかを思案する『赤い頭巾の悪食狼』Я・E・D(p3p009532)の傍らで、華は「落ち着いた」と胸を撫で下ろした。
「よし、落ち着いたぞ。ええとそれで?
オレたちはナース服を着て、ファッションショーで勝てばいいのか……よく分からないが、まあ依頼ならしょうがないな。
あとは……勝つためにアピールをすればいいのか? ……よく分からないが、やれるだけやってはみる」
――よく分からない勝負へと片足突っ込んでしまったモノだと困ったように肩を竦めて。
●
「どうしてオレにばっかこの手の依頼が舞い込んで来るんだ……?
まあいい、戦闘なしで倒せるのならそれはそれでよし。適度に稼いで夜妖を勝たせないようにしようか」
紫電は頭を抱えながらもそう決意した。乗り気では無いが、獣人を思わせる耳と尾を持つ事を最大限に活かしたコスチュームにしようと考える紫電。頭を抱えていたが、雪風が「絶対ウケ良いと思うんで耳と尾はアピールしましょう!」と力説した事でRIORIのやる気にも火が着いたようである。
そんな二人に囲まれる紫電の様子を見ながら華は闇市で入手した『やけに薄っぺらい本』やaPhoneでSNSを検索して学び続ける。
さて、ナース服の魅力は何か。薄っぺらい本に寄れば怪我をした後にに「痛いの痛いの飛んでいけ〜」とおまじないをしたり、入院している患者の元へ行き、回診の後に「元気になれ」とおまじないをすればいいと言う。尚、この場合のおまじないは――いいや触れないでおこうか。
「やけにおまじないに頼る仕事なんだな? アピールも、おまじないで行ってみるか」
悩ましげにそう呟いた華は首を捻ったから更にSNSを確認し続ける。RIORIは彼女の整った美貌をよりアピールするならば黒のシンプルなナース服を、と準備を整えていた。シックな光沢のある黒を基調にしたナース服、足下は薄いデニールのタイツを合わせ、ヒールで美しさを際立てる。
「特に善し悪しが分かるわけでも無いからこれでいいか……」
呟く。華の傍らでトリフェニアが試着したのはかっちり系ナース服。脚にはハイヒール、スリットの切れ込みや薄めのストッキングにガーターを合わせてセクシーさをアピールする。ワンポイントとして丁寧な刺繍が施された腕章は『婦長』と書いてあった。
髪も纏め上げれば白い項がより際立つ。ふと、夢の世界に旅立っているルーキスの傍らで首を傾げるエルピスをトリフェニアはまじまじと見遣った。
「可愛い系のほうが似合いそうよね……」
髪の編み込みや萌え袖風のカーディガン。淡いピンク色で纏めてみて、可愛らしさをアピールしてみてはどうかと問えば「着てみます」とぎこちなく彼女は頷く。
「あ、ああ、エルピス! 勝手に俺も選んでみたんだけれど……あの、こっちも試着して貰っても? いや、試着して下さい何でもしますのでお願いします」
「今、何でもするって?」
「雪風さんには言ってない」
ついでに、RIORIさんにも。そう捲し立てたルーキスにエルピスは「とても、オススメなのですね」と頷いた。取り敢えずと試着してみたのはトリフェニアのオススメの薄桃色のナース服。萌え袖風のカーディガンが奥ゆかしさを感じさせる。
「―――……」
ルーキスは噛み締めた。
次に彼が考案した水色ベースのロングスカートに白エプロンを合わせた『クラシカルナース』。借りた資料で見た中で一番似合うと思った物を選んだのだと告げた彼はエルピスを見てから涙を流した。
「余りの尊さに涙が勝手に……あぁエルピス、生まれてきてくれてありがとう」
「は、はい……」
「この写真は家宝にさせて頂きます」
少しばかり、エルピスが途惑った顔をしていたが「あとはニコニコしてればきっと大丈夫よ」とトリフェニアが微笑むなら屹度大丈夫なのだろう。
RIORIは閃いたと叫ぶ。背中半ばまで粘膜が存在するトスト。その人外的な要素を活かして、張り付かないためにセクシーに開かれる。
背が僅かにちらりと見えるのがポイントだ。実用的な中に存在するセクシーさは其れだけでは止まらない。
前面から見ればきっちりとナース服を着込んだオオサンショウウオだが、後方は腰にかけてのラインが露わになっている。前は腰の辺りで布が固定されるが後ろはと言えば、肩甲骨の位置から開かれている故にひらりと揺らぎオオサンショウウオの体に少し掛っている。
布地は粘膜に濡れることで光沢を増すようにと工夫されていた。首から聴診器を提げた彼の姿にRIORIはやけに満足げだ。
「へえ、いいじゃない」
RIORIがデザインしたナース服を着用してきたのはリズ。デコルテを見せるために大きく襟を開いたナース服。開襟することで際だった胸はかがめば谷間がのぞき込めるほどに際へ。体にぴったりとしたラインはその豊満な肉付きをアピールするようであった。
後ろ姿は背を僅かに覗かせる。少しずつ素肌を晒してもっと見たいという欲を煽るそれは上級者だ。丈は短くスリットから覗いた白い太ももが眩しい。
「正直、露出が増えると恥ずかしいのは恥ずかしいんだけど……これもアピールの為よね!
――それに、そんな恥ずかしい格好を大勢に見られるのは……興奮する。うへへ♪」
頬を緩めたリズ。Я・E・Dはと言えば、「コンセプトは『ナース服の歴史』にする」と提案した。
実際の性別は不明ではあるが、Я・E・Dは『誰かが望んだ物語』のよう好きな衣装を身に纏う能力を世界から授かっていた。
「ナイチンゲールの時代から少しずつ歩いて行くうちに、徐々に現代のナース服のデザインに近づいていって……。
最後には未来のナース服をイメージしてRIORIにデザインしてもらったナース服を着る。
あくまでも『歴史』なのでコスプレ系の謎改造ナース服は着ない。キリっと真面目な白衣の天使をアピールする。どう?」
「良いと思う。じゃあ、かっちり目でデザインしてみるね」
微笑むRIORIにЯ・E・Dはよろしくと頷いた。――尚、本当に可愛らしいが性別は不明なのである。
●
「んん、他のモデルさんたちに囲まれるといたたまれないなぁ。
なんかこう、セクシーな感じの服多いじゃん……おれのは別にフツーって思ってたんだけど、なんか恥ずかしくなってきた」
もじもじとするトストの傍らでは決移管料と言わんばかりの紫電が立っていた。
「ケモミミストに刺さるだろうし、そうでなくても他のイレギュラーズの引き立て役にはなるはずだ」とそう言って、胸元のボタンを少しだけ外して谷間のアピールを行う事を心掛けた。獣耳の近くにはリボンなどが飾られて、どちらかと言えば格好いい印象を受ける紫電は宛ら『萌えナースさん』の様相である。
スカートは短めに、尾のラインをアピールするためにタイトなものを選んだ。ガーターベルトとニーハイソックスで絶対領域も忘れずに。可愛らしさとセクシーの同居するその恰好の紫電は「勘弁してくれ、2回目なんだぞオレは」と肩を竦めた。
「RIORIさん、ご機嫌よう」
「……こんにちは」
不機嫌そうな声音を発したデザイナー――彼女の傍に立っていたのはライバルのデザイナーなのだろう。背後でにんまりと微笑んだ美しい女性。思わず目を奪われるが、彼女が『夜妖』であるのは直ぐに分かった。
「アレが対戦相手の夜妖……なんか妙に人間くさいのは気のせいか?」
「どちらかと言えば、みんなの愛するモデルをデザインしたという夜妖にも見える。これは……彼女に勝利するのは中々骨が折れそうだ」
悩まし気にそう呟いた華。だが、此処で怖気づいては居られない。一番手である紫電が後に続くイレギュラーズ達のためにと可愛いとセクシーのアピールをしてRIORIブランドをアピールし続ける。
続いてランウェイを歩き出したのは他のモデルたちだ。その様子を眺めながら緊張に息を飲むトスト。
「大丈夫ですか」と問うルーキスに「ああ、大丈――」と言いかけて彼をまじまじと見た。やけにエルピスに対して心を砕いていた彼だが、当日の恰好までは誰にも言ってなかった筈だ。
白タイトのミニスカートにガーター網タイツのセクシーナース服。刀を手にして制服コスと武器の食い合わせが最高だと雪風氏(サークル:ゆきりんご)が言っていたと堂々たる振る舞いだ。
「露出に抵抗は無いですが、筋肉には自信が無いので少し恥ずかしいですね。え? 恥じらうポイントがずれてるって?」
「ああ、なんだか勇気が出た。と、とにかくやるだけやらなきゃね!?」
トストは言ってきますとランウェイへと出る。その姿はある種で再現性東京にとっては異質だが、それもデザインの一種として受け入れられるのだろう。
演技をし、尻尾の先までを気に配る。粘膜の気配をさせてゆっくりと歩むトストの次に歩くのはリズ。
「なにィ? 背が低くて童顔~? その印象を吹き飛ばす位の『性的魅力』! たっぷりのセクシーさを見せれば良いんでしょ!」
意気込んだリズは――トストの粘膜につるりと滑って「きゃあっ」と鏡の前で転んだ。セクシーすぎて魅力が溢れるショットがカメラを通してオーディエンスへと広がっていく。胸元がアップになった事に気付き「わ、わわあ!?」と起き上がったリズ。
自信満々に歩いていた彼女は気を取り直してセクシーさを溢れさせたウィンクを一つ。胸を強調するポーズをもう一度とって、太腿のアピールを行った。聴診器をそっと向けて、カメラへと吐息交じりに囁いた。
「――アナタのドキドキ、聴かせてほしいな?」
実に戦略的だとЯ・E・Dは感じていた。次の出番にトリフェニアが控えている。
「わたしに衣装萌えとか判らないけどRIORIさんが衣装に一生懸命なのは判るよ。だから、わたし達の手で彼女に一番をあげたいな」
だから安心して欲しいとドーナツを大量にもぐもぐと食べながら、リズの後に出てきた夜妖を眺める。
「直接的な妨害はセクシー系の人には逆効果になる可能性があるんだよね。
それに完全なルール違反はショーを楽しみにしてる人達にも失礼だし――だから、きちんと勝つよ」
頷き、ランウェイへと出たトリフェニアは余裕の笑みを浮かべて見せた。
「――さぁしっかり見ていってね。うちの子たちは皆とびっきりのナースばかりよ」
カツカツとヒールを鳴らす。オオトリのЯ・E・Dの後に全員で揃う算段だ。萌乃は羽をぴんと立てて賢そうに振舞った。
どや顔で放った攻撃は上空へ向け、アピールポイントの一つとする。ナース服の賢さは名状しがたきものとなるだろう。
「さ、入院したい子はだれかしら?――他によそ見したら……許さないからね」
セクシーなトリフェニアに続き胸を張ったのは「TKRy・Ry……! 我が賢きナース服姿を見よ! どーだ! 賢いだろう! 天才だろう!」
「お前らの、痛みがどこかへ飛んでいきますように。痛いの痛いのどこかへ飛んでいけ」
トリフェニア、萌乃、華と続くことで緩急をつけて見せれば顧客たちは喜んでくれることだろう。
胸を張ってふふんと鼻を鳴らした萌乃は翼を揺らし、かしこさをアピールし続ける、高笑いの響くホールの中でセクシーなトリフェニアにおまじないアピールの華。
堂々と舞台に現れて未知の演出を見せたЯ・E・Dに皆は心を奪われる。様々な戦略を駆使して、『一番』になる為に――
「TKRy・Ryryry、さあ結果発表を楽しみにしよう!」
萌乃は自身の賢さがアピールに伝わった筈だと微笑み、華はアピールが成功しただろうかと緊張し続ける。
「―――RIORIデザインのモデルへと多数の票が集められました!」
どよどよとステージが騒めいた。その時、リズは舞台袖に夜妖が姿を消してゆくことに気付く。
(……どこへ?)
表彰式の前に、と一度袖へと履けたイレギュラーズはその姿を探した。愛らしく、誰にでも愛されるであろう夜妖。この場で一位を取る為だけに現れた、謎の美少女。そんな花はイレギュラーズの戦略と実力に屈したという事だ。
「その……夜妖、なのですが」
エルピスが袖から見ていたと困った様に言った。彼女は敗北したと悟った瞬間に消えたのだという。その姿を薄れさせて淡く、霞んでいったと――
戦わずにしての勝利は実感もわかないが結果発表でRIORIデザインナースがランウェイを歩く姿をもう一度、と請われれば行かぬ訳にも行かないか。
「さあ、行きましょう。RIORIさんの勝利ね」
「……まあ、勝ったのならよかった。これで負けていたら、もう、……」
なあ、とナース服でそう笑った紫電に「終わり良ければ総て良し、だな」と華は笑った。
「RIORIさん。おめでとう。その情熱、素晴らしかったから、一位になってくれてよかった」
Я・E・DへとRIORIは――デザイナーは「皆さんのおかげです」と心の底から嬉しそうに微笑んだのだった。
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
この度は部分リクエスト、ご参加有難う御座いました。
素敵なナース服ライフになりましたら幸いで御座います。
GMコメント
日下部あやめです。部分リクエストありがとうございます。ナース服、着ましょうね。
●ナース服のファッションショー
デザイナーRIORIのファッションモデルとしてナース服ファッションショーへと参加して下さい。
ナース服のデザインはRIORIにお任せでもOKですし「こう言うデザインが良い!」と言う指定もOKです。
ナース服であればどのようなアレンジでもOK。セクシーを攻めても、オーソドックスなものでも、はたまたラブリー全開でも。
色も何でもOKです。また、多種多様なフェチに対応するために老若男女、種族さえ問わないそうです。
ファッションショーの参加者はカメラ持参OK。写真撮影もOKです。
参加者に回り撮影係に鳴っていただいても良いですし、ナース服を着用しながら写真を沢山撮ってバラ撒い……いえ、記念に残すも良いと思われます。
――つまり、細かいことは良いから『ナース服を着て』下さい! ナース服を着れば解決します!
●ナース服
お好みなものをご指定下さい。お前もナース服になるんだよ!と山田くんが言っていました。
●悪性怪異:夜妖
ライバルとして参加している夜妖です。とっても扇情的でセクシーなナース服を身に纏っています。たわわなお胸に黒髪のウェーブ、泣き黒子が特徴の美人です。
その格好で一定数のファンがいるそうです。
彼女を倒すにはナース服ファッションショーの人気投票で勝利する必要があります。
モデルウォークを練習しても良いですし、ナース服のデザインで攻めるのも良いかも知れません。
ファッションショーで客席へとアピール(非戦スキル他、歌ったり踊ったり様々なアピール)をしてみるのも勝利の鍵です。
ナース服を皆さんが着てるだけで解決する気もします! 恥ずかしがっても良いアピールになると思います。ありがとうございます。
●同行NPC
エルピスがナース服姿で途惑いながら同行しています。山田・雪風と退紅・万葉につきましてはご用事があればご一緒致します。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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