PandoraPartyProject

シナリオ詳細

みんなウシビキニにな~~~れっ!

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●前略お袋様
 高槻 夕子 (p3p007252)は露出バチバチの牛柄ビキニとウシ型ヘッドギアを装着した文字通りのカウガールとなり――暴れウシの前に放り出された。
「なんでこんなことにーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 ハロー! あーし高槻夕子。ふつうのクノイチJK。
 今日もルーティーン的に圏外になったスマホの画面をいじいじしながら作業してたらテキトーな依頼を受けちゃってたみたい。
 やってきたのは豊穣郷カムイグラ。四神を祀って結界を維持する儀式だっていうから厳かなやつソーゾーしたのに出てきたのは暴れウシ! 持ってきたのはウシビキニ!
 あーしたちの仕事はビキニきてウシに追われることみたい!
 牛柄ビキニは着せられるし暴れウシは追ってくるしあーしどーなっちゃうのー!?

●カムイグラウシビキニ祭り
 夕子のモノローグをお聞き戴いた所で、改めて本題を解説しよう。
 舞台となるのはここ豊穣郷カムイグラ。首都である高天京の一角では大切な儀式が行われていた。
 なんでも古来豊穣郷が小さな村落でしかなかった頃、霞帝を助けた大精霊たちのなかにウシ精霊がおり、彼との契約によって毎年美男美女にウシビキニを着せて暴れウシを殴り倒す儀式をすることになったという。絶対嘘だよそれ霞帝も違うって言うよゼッタイとか思っていたが……。
「ほんまやで」
 牛柄の全身タイツにウシのマスクを被った……ような姿をした謎の人型実体が煙草吸いながらベンチに腰掛けていた。
「ワシの名はウシビキニ大権現。またの名を牛頭獄卒大羅刹。この地に住まう精霊のひと柱である」
 煙草の煙をぶはーってしながらベンチに寄りかかると、ウシビキニ大権現さまは空を見上げて目を細めた。
 すごく大事なことをいいそうな雰囲気である。神とか精霊とかはこういうポーズとったとき大体大事なことをいうもんだ。
「ウシビキニは……いい」
 ごめん適当いった。
「巨乳がウシビキニをゆらして荒れ狂うウシと格闘し、あまつさえ殴り倒す様は良い。
 貧乳女子が牛柄のビキニを着せられ走り回るさまも感動する。
 屈強な男子が牛柄のビキニパンツ一丁でテンションを上げるさまにも魂が震えるようだ。
 線の細い少年が牛柄のスパッツをはいて笑ったときなど……フフッ」
 いやまてこれ結構大事なことかもしれないぞ。
「そんな様子を見ると、心のイイネが高まり、今年も頑張ろうかなってきもちが湧いてくる。
 だから……ほら、あるじゃん、四神結界。あれ、維持するのに力貸してあげてもいいんだからね。あくまでウシビキニのためなんだからね勘違いしないでよね」
 最後急にツンデレになったウシビキニ大権現はキリッとした顔をすると、その場に集まったウシ柄全身タイツの男達に命令を飛ばした。
「そんじゃあ、今年の儀式いってみよう」
 そして、冒頭へ至る。

GMコメント

■オーダー
 牛柄の水着姿で暴れウシと格闘しましょう。

・装備
 武器の使用は禁止されていますが、ステータスは武器装備状態のものを参照するものとします。防具も同様です。特にこの依頼のために付け替えをする必要なんてないんだからねっ!効率のためなんだから勘違いしないでよね!(ツンデレ)

・心のイイネ
 ウシビキニ大権現さまはこの土地に古くからすまう精霊です。精霊に見えないかもしれないけどこれが精霊じゃなかったらただの奇人なので精霊であってくれたのむ。
 大権現さまはこの儀式をイイカンジに遂行すると心のイイネが高まって四神結界の維持に力を貸してくれるそうです。
 わかんない人のために説明すると、四神結界というのは今カムイグラの首都である高天京を覆っている結界で悪いやつらの侵入をイイカンジに防いでくれています。
 流石にこれが今すぐ無くなるってたぁないと思いますが本当になくなったら最近あった変時の影響で弱った首都が熱湯流された蟻塚みてーになっちゃうのですげー大事なのです。協力してくれるヤツは多ければ多いほどいいです。
 あとみんな気付いてると思うけどここまでただの前振りね。夕子ちゃんが仕方なくウシビキニで暴れウシとぶるんぶるんするのが見たいだけだけなんだからね勘違いしないでよね!(素直デレ)

・フィールド?
 しめ縄で仕切られた大きな円形のステージで行われます。平面で開けてるんだなという認識でOKです。周りにワンカップ酒もったおっさんとか目を輝かせたおばちゃんとかが山ほどいるのは気にしないでくださヒューウバイブス上がってきたぜ!

 ここでみなさんほぼほぼ一対一で暴れウシと戦わされます。
 が、コンビのほうが面白くなるよって方は両者プレイングで申告する形でコンビで入ってください。別に戦闘に勝利することが目的じゃないので、面白くすること以上にメリットはありません。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

  • みんなウシビキニにな~~~れっ!完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年02月20日 21時55分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ノリア・ソーリア(p3p000062)
半透明の人魚
メルトアイ・ザ・ベルベットムーン(p3p000674)
悦楽種
リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)
木漏れ日のフルール
ロゼット=テイ(p3p004150)
砂漠に燈る智恵
高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ
※参加確定済み※
ルリ・メイフィールド(p3p007928)
特異運命座標
しにゃこ(p3p008456)
可愛いもの好き
Binah(p3p008677)
守護双璧

リプレイ

●ウシビキニまつりだ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「四神結界強化のために、あーし頑張るわ!」
 といって樽型お立ち台の上でポーズをとる『クノイチジェイケイ』高槻 夕子(p3p007252)。
 振り乱されるカウベル。踊り狂う牛柄タイツのスタッフたち。
 後ろでは白黒カラーの爆発によって煙があがり、なんかここだけみると夕子の単独ライブみたいだった。
「ネタで買った水着が結界強化に役立つなんて、黄泉津瑞神も想像できなかったでしょうね。……でも、ほんとーにどうにかできるんでしょうね。この精霊……」
「できるで」
 ベンチに腰掛けて煙草ぷはーってしてるウシビキニ大権現さま。
「ほんまワシマジヤバの精霊だからマジ。嘘とかついたことないしマジ」
「口調から信憑性をミリも感じない……」
 とはいえ精霊さまなのはマジらしく、さっきからちょっと神々しいオーラを出していた。
 そして、集まったイレギュラーズもまたマジだった。
「ウシビキニ!! なんだかよくわかりませんがしにゃのナイスバディを惜しみなく発揮する時! 背はそんな高くないですけど……」
 別の樽型お立ち台の上に飛び乗った『可愛いもの好き』しにゃこ(p3p008456)がガウンを脱ぎ捨て、ウシビキニ姿を見せつけた。
「ぼん!」
 1カメ。
「きゅっ!」
 2カメ。
「ぼんですよ!」
 3カメ。
 じゃじゃーんという効果音と共に紙吹雪がおこる。
 さすがに人数分お立ち台を用意する気にならなかったのか、『悦楽種』メルトアイ・ザ・ベルベットムーン(p3p000674)が頬に手を当ててくねくねしていた。
「ウシビキニで暴れ馬とぶるんぶるんするのをご所望でしたら、私の出番ですわね!
 ええ、ええ。存分に穴の開くほど、紐の切れるほどご覧になるとよろしいかと♪」
 『と♪』といってウシビキニ大権現さまへ振り返るメルトアイ。
 ウシビキニ大権現さまはビッと親指を立てた。
「ええで! けどワシぽろり系はそんなに興味ないんや。ウシビキニが好きなんや。ウシビキニ着てれば丸太やカカシでも興奮してまうほどや」
「あらあらこじれた性癖ですこと」

 そんな、ばるんばるんした人達とは別に……。
「うーん、かわいいボクを崇めれば心のイイネがカンストしそーですけど折角のスペシャルデイなので、ボクもウシビキニとやらになってあげるのですよ!」
 もういいって言ったばっかりなのに樽型お立ち台に乗ってビッと天空を指さすポーズをとる『特異運命座標』ルリ・メイフィールド(p3p007928)。
 牛柄タイツたちが『イエエエエエエエエエエア!』といって踊り狂っている。
「ちびぺったんなボクに需要とかあったのです?」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
「顔をカリスマ性で乗り切ろうとおもったけど」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
「ボクのビキニが」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
「ボ……」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
「ウケすぎ!」
 その一方、ヒューマンンスキンでお立ち台にのぼる『言霊使い』ロゼット=テイ(p3p004150)。
 褐色の素肌にメリハリをつける牛柄のビキニ。頭についたケモミミをふさっとさせつつ、ロゼットは招き猫ポーズをとった。
「やあ、うしびきになりしものだよ」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
 ロゼットの褐色ウシビキニに狂乱せしもの。
(これがこの地方の神事なんだね。なるほど。
 若干性的な意味合いもあるようなきがしないでもないのだけど、でもまあ、神事とそういう暗喩はつきものでもあるかあ)
 狂乱する民を前に、『これもまた文化』みたいな顔して反転にゃんにゃんポーズで会場を沸かせるロゼット。
「かわった趣味の人達ですねえ……」
 お着替えボックスの扉が開き、『木漏れ日の魔法少女』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)がくまぬい抱えて現れた。
 腰にはフリル、胸にはリボンのついたキュートな牛柄ビキニに、民たちはウェーブを描くように一斉に振り返った。
 シャラララーみたいな心の音楽が流れ、心の風が吹き、心のピンクライトが照らした。
「……なんです?」
「「イエエエエエエエエエエア!」」
「なんです!?」
 そろそろ我慢できなくなったらしいウシビキニ大権現が両手にマラカスもって踊り始めた。
 牛柄スパッツをはかされた『守護双璧』Binah(p3p008677)がぼんやりとその様子を眺めている。
 牛肉の刺さったバーベキュー串をはぐはぐしながら。
(……どうして僕はこの依頼受けたんだろ。
 まあ、いいや、依頼は依頼だし。
 カムイグラが平和になるなら手伝うよ)
 たぶん今回のメンバー唯一男性であり真面目枠の子になるのは間違いなかった。
 そんな中。
「人前で、こんなにも、肌を、あらわにするなんて……」
 珍しく(?)二足歩行モードになった『半透明の人魚』ノリア・ソーリア(p3p000062)が両手で胸元を隠しながらぷるぷるしていた。
(恥ずかしさこそ、感じますけれど、これしきのことで、恥ずかしがっていたら、恋人の、ゴリョウさんに、わたしの、大人っぽくなったところを、お見せできませんの!)
 振り絞れ勇気。
 さらけ出せボディ。
 牛柄ビキニという新装備を纏ったノリアは、牛柄タイツ民の前へと躍り出た。
「「イエエエエエエエエエエア!」」
 湧き上がる牛柄&ウシビキニ大権現さま。
 のりあはホンキのカラダみせつけるために樽型お立ち台の上へと飛び乗った。
「さあ見てくださいゴリョ――いませんの!?」

 ――さあ、アツい祭りが始まるぜ!

●ボクを崇めよ
 トップバッターとしてリングにあがったのはそう、ちびぺったんなミスティック美少女ルリ。
 パフォーマンスとして満タンの酒樽を頭上に掲げてラウンドガールみたいにリングのまわりをぐるーって回って見せた。
 そして声援を送る牛柄の民へと樽をスローイングすると、ファイティングポーズをとって向き直った。
 そう、リングインした暴れ牛一号さんにである。
「さあ来るのです。ボクと戦いイイネの糧となるのです」
 ブモーといって突進してくる牛。
 ルリはズアァって激しくスウェーをかけて回避――したかと思いきや思いっきり腹に喰らっていた。
「ぐふー!?」
「いきなり!?」
 心配のあまり身を乗り出す牛柄の民そしてウシビキニ大権現。
 しかしルリはリングギリギリで踏みとどまり、口の端から流れる赤いもの(デミグラスソース)を拭った。
「中々やりますね! ボクをここまで追い詰めたのは……ごめんなさい。割と数え切れねえです……」
 再びのブモー。今度はいかにして対応するのかとウシビキニ大権現が息を呑んだ、その時。
 ルリは暴れ牛の角をガッと掴んだかと思うと頭上高く掲げてみせた。
「あれは!」
「伝説の!」
「「――ウシビキニパワードロップ!!」」
 えいといってブリッジ姿勢で地面に叩きつける牛。
 その際に生まれる顎からつま先までの美しい曲線はウシビキニ大権現のイイネを爆発させた。いますぐ挿絵になりませんかねこれ。

 続いてエントリーしたのはしにゃこ。
 既にリングインしている暴れ牛が向かう先に迷っていると、ズドンという砲音の後に空多角からしにゃこが飛来。
 スーパーしにゃこ着地をキメた。
「あー、この着地! 膝に! 来ますね!!」
 けっこう出ちゃいけない音がしていたが、しにゃこは気合いで立ち上がった。ノーダメージである。ほんとだよ。
「はーいみなさんお待ちかねのしにゃですよ~! はぴはぴ~!」
 南に向かってポージング! 西に投げキッス! 東にウィンク! 北にキラッ!!
 そしてすべての方角からその様子を収める牛柄の民たち。
 最後はウシビキニ大権現さまにセクシーポーズをと女豹のポーズをとろうとしたしにゃこの脇腹にハイ暴れ牛。
「ブモォ!!」
「フグゥ!?」
 激しく回転しながらとんでいくが、ここで諦めるしにゃこじゃねえ。
 観客席から投げ込まれたマイクを空中キャッチしてポールの上へと着地。
 牛をビシッと指さした。
「時に牛さん、リングの外にあるあれが見えますか! そうです、お肉の入ってないすき焼き鍋です!
 あのお肉として投入されるのはぁー?」
 ためにためて上をむき、『おまえだヨ!』ってキメようとした瞬間にハイセカンド暴れ牛。
「ブモォ!!」
「フグァ!?」
 またも吹っ飛ぶしにゃこ。
「インターセプトするのやめて頂けます!? しかも姿勢を低くして的確にしにゃのお腹狙うのもやめて頂けます!?
 まったく解ってない家畜ですね! ここはビキニの紐を噛んで引っ張ったり角に紐引っ掛けて『イヤーンまろびでちゃ~う』みたいなシーンじゃないですか!?
 それなのにこんなガチのタックル仕掛けやがって聞いてるんですか何蹄で地面ひっかグベッフ!?」
 サード暴れ牛。
 かと思いきや、三度目の正直とばかりにしにゃこは真正面から暴れ牛の角を掴み膝蹴りをたたき込んでいた。
 白目を剥いて崩れ落ちる牛。
 その上にまたがり、ここぞとばかりに投げキスアピールをするしにゃこであったおねがい夜空のお星様この様子を挿絵にして。

 大歓声のなか迎える第三試合。
 ウシビキニ大権現がダブルサムズアップでワクワクダンスを踊り始めたところへリングインしたのはそう、ウシビキニノリアであった。
「さあ、天地神明よ……わたしの覚悟を、ご覧くださいですの……!」
 ノリアの必殺スーパー無抵抗フォームで暴れ牛の前に立ちはだかると、あまりの無抵抗さにかえっていぶかしんだ暴れ牛とのにらみ合いとなった。
 劇画調で身を乗り出す牛柄の民&ウシビキニ大権現。
「両者動かぬまま……?」
「否! 互いに相手の隙を見つけ命を刈り取る構え。この戦い、先に動いた方が負ける」
 とか言ってる間にスッとバスタオルをかぶり、地面にうずくまるノリア。
 かぶった牛角カチューシャだけを出して。
「――うみうし!」
 と、叫んだ。
「「……!?」」
 背景が宇宙になる暴れ牛。
 背景が宇宙になる牛柄の民たち。
 背景が宇宙になるウシビキニ大権現。


 が、ハッと我に返ったウシビキニ大権現はたちまち笑顔になり、ギュッとサムズアップを繰り出した。
「フルスマイルイイネだ!」
「フルスマイルイイネが出たぞ!」
「うみうし可愛い!」
「ピンナップとボイスでください!」
 大歓声を浴びせるギャラリー。
 そして暴れ牛に吹っ飛ばされて放物線を描くうみうしノリア。

 そんなちょっとベトついてるリングに満を持してやってきたのがメルトアイ。
 『触手は身体の一部ですの』って数十年前の眼鏡CMみたいなこと言いながら暴れ牛ににじり寄ると、目を見開いて舌なめずりした。
「暴れウシ様といい感じになんかすればよろしいのですね?
 お任せあれ、ナニかするのは大得意でございますれば♪」
 圧で負けてなるものかと突撃をしかける暴れ牛。
 対するメルトアイは触手と腕でがしりと掴むと、暴れ牛の上へとまたがった。
 そう。
 イッツ!
 ロデオ!
 触手を投げ縄みたいにぐるんぐるん振り回し、いろんなところをばるんばるんさせながらメルトアイは今にも挿絵になりそうなさまを披露した。
「ウシ様、その逞しいお姿と私の女体が絡み合う様を周りへ存分に魅せつけましょう」
 とかいってると、暴れ牛が地面のベトついた何かにすべって盛大に転倒。気付けば気を失っていた。
「……あら?」

 こんな具合で大盛況となったウシビキニ祭り。
 だがまだ折り返しにすぎない。
 テンションの上がりすぎたウシビキニ大権現は指を三本立てて点へとかざした。
「スリーオンスリー!」
 説明しよう!
 スリーオンスリーとはウシビキニ大権現さまのテンションが最高潮に達した際にたまわるありがたーい啓示である。
 具体的にいうと。
「私と?」
「僕と?」
「この者が?」
 リディア、Binah、ロゼットの三人がウシビキニ大権現さまの権能(?)によって発生した特設巨大ステージの中へと転送された。
 対して、暴れ牛三体が突如融合しブルーアイズタイラントアバレウシとなった。
 終始『どういうことなの』って顔をしてるBinahの一方で、リディアは仲間二人へと小声で指事を出した。
「これはチャンスです。三人で役割を分担して見せ場をつくりましょう! 私最初にやられるヒロイン役やります!」
「えっ」
「じゃあこの者はBinahが隙を作ったところにねこぱんちをあびせしものになるよ」
「えっ」
 左右からほぼ自動的に立場をふられたBinahだが、まあそういうことならと頷いた。
「「ブモォ!」」
 首が三つになった暴れ牛がここぞとばかりに突進。
 リディアはあえて対抗するように前へ出ると、『きゃー』といって吹っ飛ばされた。
「やぁん!」
 ぺたぁと柔軟性のある倒れ方をして観客に膝とかを見せつけるリディア。
「あーん、負けちゃいますぅ」
 甘い声を出すリディアに応える(?)ように割り込んだBinah。
 風雷脚を使って暴れ牛の回りをぴょんぴょんと飛び回ると、暴れ牛の注意を引き始めた。
 Binahの華麗なジャンプと牛柄スパッツにしばらく見とれていた暴れ牛だが、ならばとリディアとロゼットめがけて突進。二人同時に吹き飛ばそうという魂胆だった……が、そこへ大ジャンプと宙返りをかけたBinahが割り込み二人同時にカバー。暴れ牛の突進を一人でうけ、その代償としてリング外へ吹き飛ばされていった。
「私は仇をうちしもの」
 こういうときにしか出さない『~もの』口調でキャットポーズをとると、ロゼットはさらなる突進をかけようとする暴れ牛の回りをアクロバティックに駆け回りながら連続猫パンチをあびせていった。
「おりゃー」
 ぽぺぺぺぺとほっぺにねこぱんちを喰らった暴れ牛だが、何かが浸透したのかブモッと叫んで横向きにぶっ倒れた。融合がとけ、目を回した三頭の牛へともどる牛ーズ。
 ロゼットはY字のポーズで観客席に向き直ると。
「勝利とイイネを掴みしものだよ」

 さあ、こうして待ちに待った夕子のターン。
 これまで繰り出されたウシビキニたちのファインプレーを上回ることはできるのか!?
「まー、あーしのきゃわわな牛柄ビキニに目を付けたのはポイント高いわね。格好だけでイイネ貰ったわ!」
 今日一番のドヤ顔でリングインし、ビッを自分の顔を指さす夕子。
 ポーズの反動でカウベルががらんと鳴った。
 対する暴れ牛は準備万端といった様子で地面をひっかいている。
 どう対処するのかと見守る観客達に、夕子は勝者の顔で語った。
「追いかけられて逃げ回る? あーしはそんなキャラじゃないわ!
 力しか能がない突撃するだけのざぁこなウシなんでしょ? 得意の突撃を止められて無様に泣き叫びなさい。キモダサな動物風情があーしに勝とうと思うなんて、思い上がるにもほどがあるわ」
 そして、ピッと暴れ牛へ指をさす。
「あーしが、『わからせて』あげるわ」
 ……。
 ――1分後。
 ……。
「ひゃああああああん! 暴れ牛の力、強すぎ……!」
 ぺたーんとへたりこむ夕子の姿がそこにはあった。
「こんな力強い暴れ牛様に勝てるなんて、ゆーこ、調子に乗ってましたぁ。力しか能がないって馬鹿にしてごめんなさぁい。や、そんなに力強くしないでぇ。だめっ、やぁ、ゆるしてぇ!」
 角にひっかけてぶおんぶおん振り回され続ける夕子。
 そのさまを眺めていたウシビキニ大権現さまは。

「…………2コマ漫画、ベリーイイネ!!」

 今日一番の笑みと共にベリーイイネを出したのだった。

成否

成功

MVP

高槻 夕子(p3p007252)
クノイチジェイケイ

状態異常

高槻 夕子(p3p007252)[重傷]
クノイチジェイケイ

あとがき

 こうしてカムイグラウシビキニ祭りは大満足のうちに終わった。
 参加した暴れ牛たちは丁寧にさばかれ焼き肉となり、参加者みんなに奢られたという。
 めでたしめでたし!

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