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シナリオ詳細

人類最強サンタ伝説〜善のサンタ編

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●大変だ! このままでは人類が絶滅してしまう!
 20XX年のクリスマスイブ、とある物語世界は悪のサンタによって殺人ウイルスをばら撒かれ滅亡しようとしていたーー!
 この重大事件を前にして、これはいけないとばかりに立ち上がったのが善のサンタである!
 彼あるいは彼女は己の血から生み出したワクチンを人々に接種させることにより、人類を救おうとしていた。
 だが、だがしかし。
 その彼も、この世界においてはたった一人しかいない善サンタ。
 彼さえ早期にいなくなれば、最早世界に打つ手はないーーと、悪サンタは考えたのだ。
 そうして思い立ったが吉日。
 僅か数時間後には悪サンタの手によって善サンタは既に瀕死の身であった。
 具体的には空飛ぶロケットソリに乗って上空を高速移動していたら地上を時速何十kmかというスピードで走っていた悪サンタにロケランをブチ当てられて死に掛けていたのだ。
 なんて実行力だこの野郎。
 そうして悪サンタの手によって人類滅亡ウイルス散布RTAが行われようとしたがーー善サンタはそれを容認してやらなかった。
 彼がせっせと運んでいた人類全体へ行き渡ってなお余る量のワクチンと本来配られる筈だった大量のプレゼントは、善サンタが駆っていたトナカイ型ロボ「ルドルフ」の手によって。
 彼の死ぬ寸前に、何処かの誰かへとサンタの役割を押し付けーーもとい、新たなるサンタを生み出す為に運び去られて行った……。


●このクリスマスイブにふてえ野郎だ
 今日はクリスマスイブである。
 聖夜の当日、或いはその前日ともされる日だ。
 そんなおめでたい日だからこそ、境界案内人であるカストルやポルックスの二人もゆっくりと過ごせる筈だったのだが。
「……依頼が発生したよ。外は綺麗な雪が降っているって言うのに、何を考えてるんだろうねこの内容は」
 そうして『ホライゾンシーカー』カストル・ジェミニはゆっくりと溜息を吐きながら君達イレギュラーズへと依頼についての説明を始める。
 そんな彼から発せられるなんだか居た堪れない空気を感じながら、君達イレギュラーズはその依頼について聞こうとしていた。
「じゃあ、まずは簡単な概要から。ーーまず、これから行く世界は殺人ウイルスによって滅亡しかけている」
 物語世界っていつも滅亡しかけてない? とか、そんなツッコミは野暮だ。シチュエーション的にオイシイのだからだいたいそんなものである。
「そして、その世界を救う為のワクチンを配って回っていた善のサンタがいたんだけど……悪のサンタに殺されちゃってね。ワクチンは無事でもその世界にはもう配れる人がいなくなった」
「だから今回の依頼では、ウイルスに罹っていなくて無事な君達にはワクチンを配るサンタになって貰う必要があるんだ。ここまでOKかな?」
 テーブルを囲んだイレギュラーズの中にはどうしてそうなったかよくわかってない人も極々稀にいるようだがーーつまりはこの依頼、トンチキだ。
 そうして君達から理解を得られたことを確認して、ほっとしたようにカストルが微笑んでひと言付け加えた。
「それと、もし出来れば悪のサンタをボコボコにして来て欲しい。僕の分までお願いするよ」
 そんなちょっとした毒を含んだ言葉を平然と吐いた彼から発せられる無言の圧力に耐えかねた君たちは、依頼に向けての準備としてサンタ服を選びに行ったーー。

NMコメント

●依頼シチュエーション
 シナリオ目標:人類全体へのワクチンと子供達へのプレゼントを配る
 サブ目標:悪サンタをボコボコにする

 ・ワクチンとプレゼントの配り方は自由です。各イレギュラーズへ委ねられます。ワクチン入りミサイルとかぶっ飛ばしても構いません。
 ・無理矢理ひとりで全世界に運ばなくてもOKです。サンタがいなくなった世界でも、人伝に物を運ぶことはできるのです。
 ・OPからリプレイまでの期間で、ワクチンとプレゼントはトナカイ型ロボ「ルドルフ」からイレギュラーズに渡されています。
 ・サンタソリはイレギュラーズ全員に与えられています。これに乗ってもOKです。
 ・悪サンタは世界のどこかにいます。どういうシチュエーションで鉢合うかは自由です。


●エネミーデータ
 ・悪サンタ
  黒い衣装の、いかにも悪そうな見た目をしたサンタです。悪い奴。
  そこそこ強いです。イレギュラーズ四人で囲めば一方的に殴れます。
  反応とCTとFBが高いです。機動力は5あります。


●その他
 プレイングに記載するスキル略称・プレイングの書き方などは、こちらに分かる形であれば好きなようにして頂いて構いません。
 シナリオに同行しているキャラの呼称に拘りがある場合は、プレイングにその旨を記載して頂けると幸いです。
 プレイングやキャラクターシートにアドリブNGなどの記載のない場合はアドリブやPC間での会話などが発生します。ご了承ください。

 それでは、良い聖夜となりますように。

  • 人類最強サンタ伝説〜善のサンタ編完了
  • NM名コウガネ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月10日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)
宝石の魔女
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
エシャメル・コッコ(p3p008572)
魔法少女

リプレイ

●サンタ・イレギュラーズあらわる!
 しゃんしゃんしゃん、といかにもなSEをどこからか鳴らしながらクリスマスの夜空を駆けるは一匹のトナカイ。
 嘗て善サンタが駆っていたトナカイロボと同じくルドルフという名前を授かった、聖夜の陰の立役者である。
 そしてルドルフに牽かれたソリを器用に乗りこなすのは、善サンタの代わりを務めんとする『魔法少女』エシャメル・コッコ(p3p008572)。
 彼女曰く「だいじょーぶな、コッコに任せればぜんぶご安心な。このクリスマス最速はコッコたちのものな!!」ということであり、ワクチンを配ろうとひよこの【ファミリアー】達の力を借りながら東奔西走していたのだ。
「よーーし! みんなのおかげでワクチンくばるのもうちょっとでおわるな! だーかーらー……こいつをつかってやるな!」
 そう言いながら嬉しそうに愛用のポシェットから取り出したのは、ガラスの蓋がご丁寧に付けられたボタン付きスイッチだった。
 見た目はいかにもやばそうなやつで、ボタンに髑髏の代わりとして描かれたのがひまわりでなければ兵器と見間違えられそうな代物だがーーその内容を知っているコッコには関係なかった。むしろ即押した。
「ポチっとな」
 そんなお約束のように発された台詞と共に少し前までワクチンを積み込んでいたソリの背部が変形し、ひよこマークが描かれたワクチン内蔵ミサイルがいくつも露出する。
 そしてそのコンマ数秒後に盛大にぶっ放された数々のミサイルが、境界世界の各都市の上空でひまわり型の花火となって爆発。
「たーまやーな! さて、ワルいサンタもほっとけないし、ちょっぱやでさがしてくるな!」
 そうしてそれを見届けたコッコは、ソリを駆って一足早く悪サンタを探しに行くのであった。

「おお、派手だなあ」
 某都市上空。
 コッコが爆発させたミサイルを目にして、サンタソリに乗りながらそう呟くのは『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)。
 彼もまた、サンタ・イレギュラーズとしてこの聖夜の裏で活動を続けていたのだ。
 普段は職人としても活動している為か、張り切りようも中々のものである。
 彼が作ったプレゼントの中にはワクチンは勿論、手製の首飾りに護符を付け加えたアミュレットのようなものを同封していたり、護符のご利益が無病息災なのもこの世界の現状を考えてのものだったり等といった細やかな気遣いも職人ならではだろう。
 そしてそれらのプレゼントは、錬が地道に家々を巡って届けている訳だがーーさすがに人手が足りないな、となってしまった。
 その為得意の練達上位式を呼び出してからは分担を図りつつ、手際よくプレゼントを配り始めたのが数時間前のこと。
 それから自分は無機物に疎通できる能力を活用しながら誰にも気付かれないようこっそりと家々を回っていく傍らで、上位式には空から煙突に入って配って貰ったりと。
 そうした連携プレーで着実にプレゼントの数を減らしていったのが、今に至る。
「……そろそろ終わりそうだな」
 残り少ないプレゼントを目にしながらぽつりと溢す錬。
 今までその家のセキュリティなどに四苦八苦しながら置いてきたプレゼント達に思いを馳せて、少しの休息を挟む。
 一日だけとはいえサンタの仕事も重労働なのだ。
「よし、あともうちょっとだ。配ったら、悪サンタを探しに行かなきゃな」
 そうしたら気合いを入れて、またソリを駆る。良いクリスマスになりますようにと祝福しながら。

 そして境界世界を飛び回る最中である別のサンタソリに注目してみれば、そこに乗っていたのは『宝石の魔女』クラウジア=ジュエリア=ペトロヴァー(p3p006508)。
 つい先程まで悪サンタと善サンタってなんだよ、とばかりに頭を抱えていた彼女もまた、サンタとしての役目を全うする為にプレゼントとワクチンを配り続けていた。
 配り始めこそ、欲しいプレゼントが手に入るといいのう、とニコニコ顔でプレゼントを配っていた訳だがーーワクチンの方は一晩で配るには数が多すぎる。
 ならば、どうする? ーーこうするのだ!!
 ジュエリアがその虹色の脳細胞を稼働させながら閃いた秘策とは、なんとまさかのワクチン混入。
 彼女は世界各地の水源や浄水場を巡り、人に見られないように注意しながらどぼんどぼんと盛大にワクチンを混ぜていったのだ。
 どのくらい溶かせば適量なのかとかわし知らんもんね、とばかりの所業である。
 このワクチンが人体に害がなかったりなんか未知の変化を起こさないスーパーなブツでなければ危なかったかもしれない。
 だがしかし、この行動が功を奏したのは間違いなかった。
 即効性の飲んでも接種してもよしなワクチンがすぐさま効果を表したのである。
 なんならウイルスで死に掛けていた子供がすぐに快復するくらいには。
 そのことを陰で見届けながら、残ったプレゼントを地道に配り続けて時が経ち。
「よしよし、良かった良かった。あとは悪サンタを『ごーとぅーへる』すればよかろ!」
 ようやくプレゼントを配り終えた彼女はにぱーと笑って、そう言いながら何処かへ飛び去って行った。

 そして場面はまた切り替わり。
「ーーさて、私から良い子の皆に配るプレゼントは……喫茶店主らしくこれだ、ってな」
 どこへともなくウインクをしながら、混沌世界にある自分の店ーーStella Biancaにて下準備を整えるのは『Stella Cadente』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)。
 星型に型抜きしたクッキー生地に無味無臭のワクチンをちょっぴり混ぜて焼き上げた、今夜だけの特製クッキー。
 それを工場かと見紛うほどの速度と正確さで大量に焼き上げながら、メッセージカードと共に袋に詰めて可愛くラッピングしていく。
 そうしてイレギュラーズとして培った能力を依頼の為に全力で発揮しながら自身もまた楽しんでクッキーを作り上げ、数時間が経過した。
「……よし、こんなものかな」
 少し苦労しつつもサンタソリに積み込んだクッキー袋の山を見てみれば、その数は果たして何枚分だろうかとばかりに積み上げられている。
 だがこれで満足してはいられない。
 サンタのコスチュームを着こんだ後、華麗にサンタソリへと乗り込み発進。
 寒さにも負けずソリを駆り、某都市上空で一旦減速するとーー徐にクッキー袋をばら撒き始めた。
 ちょっとやそっとじゃ割れてしまわないように、と括り付けたパラシュートでふわふわと浮きながら人々の手元に届くクッキーには、こんなメッセージも添えられていた。
「Buon Natale!」
 またの呼び名を、メリークリスマス。と。
「今日は聖夜だ。良い子と良いオトナ、皆に幸あれ!」
 そう夜空の中で、アンドロイドの女は囁いた。

●悪のサンタって許せねえよな
 そうしてプレゼントを配り終えたら一旦合流しようと、前もって決めていたイレギュラーズ達。
 しかし悪サンタは依然として見つからない。
 一体どこに隠れているんだとコッコが躍起になる中で、モカと錬が冷静に話し合う。
「街の中にはいなかったんだよな。じゃあ、別の所に留まっているんじゃないか?」
「いや、そうでもないかもしれない。こういう時は、危険を冒してでも転々と位置を変えるものだからな」
 元スパイとしての様々な経験からか鋭い推理を組み立てる彼女に、世界各地を派手に動き回っていたジュエリアが補足する。
「んむ、そう言えば水源地へ行く途中でなんだか怪しいのを何度か見かけた気がするぞ」
「ならスイゲンチにいくなー! ワルいサンタはきっとそこにいるな!!」
 そう聞けばものすっごい勢いでコッコが力強く意見を押し通そうとする。
 こりゃ参った、とほか三人が微笑ましい眼で彼女を見て同意しようとした、その時。
「HO-HO-HOーー」
 どこからともなく声がする。
 発生源はどこだ、と錬が探ればーー今イレギュラーズ達がいる高度よりも、少し上。
 そこを全速力で突っ切った何者かの存在をキャッチした。
「これは……!」
「ゼッタイワルいサンタな!!」
「よし、追跡するぞッ」
「ああ。飛ばせ飛ばせ!」
 そうすると一斉にイレギュラーズが動き出しーー最早悪サンタの生き残る道はないだろう、とばかりの勢いで追跡を始めた。

「まずはー……ひよこミサイルな!」
 ごっ、とコッコがソリから勢いよく飛ばすのは先程使ったワクチンを載せたミサイルではなく、魔法がミサイル型となったもの。
 プリンを愛する魔法少女が全力で放ったその攻撃は、悪サンタの乗ったソリを正確に追跡し撃ち落とす!
「いいちょーしな、ついげきはまかせるな!」
「うむ、任せておけい!」
 ジュエリアもまた元気よくバトンを受け取りながら、ソリで駆ける彼女の掌に収まるのはコランダム八面体ーー名をルベウス=エテルナーム=ベネデート。
 それをもって作り上げた仮想宝石に意識と魔力を集中させ、自壊せんばかりの勢いで全力で放射。
 直線状の攻撃であるが故に、落下中の自分には当て辛いだろうと悪サンタ当人は踏んでいたがーー運悪く直撃をかましてしまった。
 そうして墜落した悪サンタを追って、錬とモカもまた地上へ降りてゆく。
「全く、素直にプレゼントで競いでもしていれば良かったものをな。覚悟してもらおうか!」
 容赦のない台詞を吐きながら、錬が術符より生成するは金属の槍。
 これでは貫かれればひとたまりもない。
 故に飛来するそれらを必死に避けた悪サンタだったがーーそれはあくまで、逃がさない為のお膳立てに過ぎなかった。
「サンタってのはな、子供に夢を与える存在じゃないといけないんだ。だからお前にはここで倒れて貰う!」
 そう正面から堂々と言い切るモカは、残像が出来る程の速さで悪サンタへと接近する。
 彼女から撃ち放たれる毒蜂の群れの如き高速の蹴りの数々は悪サンタの急所を的確に貫きーー見事、聖夜の悪を打ち倒した。

成否

成功

状態異常

なし

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