PandoraPartyProject

シナリオ詳細

海賊淑女と素敵なデートを

完了

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 とある日の幻想の街中にて。
「……ああ、その日は開いているな」
 スケジュール帳を確認していたオリヴィアの一言を耳にした浅木 礼久 (p3p002524)は意を決し、彼女へと告げる。
「良ければ、その日僕に付き合ってもらえないかな……?」
 思い切った礼久の要望に、オリヴィアは白い歯を見せて。
「わかった。何をしてくれるのか、楽しみにしているよ」
 その場はオリヴィアも依頼があるからと背を向け、幻想から何処かにむけて発っていった。
(よし……!)
 しばし、歓喜の感情に満たされる礼久。
 互いに忙しい日々を送っていたこともあり、このところ一緒にいる時間を取れずにいたが、ようやく一緒の一時を取ることができそうだ。
(このタイミングを逃したくない)
 今回のデートを成功し、うまくいったなら、自らの想いを……。
 ただ、オリヴィアを楽しませるためには何をしたらいいのかと、礼久は頭を悩ませてしまう。
 何せ、相手は豪快な海種の海賊女性。
 酒の席や賭け事を楽しむ場所にいることも多く、その場その場を勢いで楽しんでいる感もある。
 それでいて、オリヴィアは淑女としての振る舞いも忘れない。
 酔いながらでも、彼女は礼久へと大人の女性としての気遣いも感じさせてくれる。
(……と、いけない)
 そんなオリヴィアの魅力を再確認しながらも、礼久は当時のプランを考えることにした。

 ローレットへと戻ると、歓談スペースに2人のイレギュラーズの姿が。
「女性を楽しませたい……ですか」
 浮世離れした奇術師、夜乃 幻 (p3p000824)は普段男装をしているが、彼女とて妻である身。ううんと唸って礼久にどうアドバイスするかを考える。
「男なら、強引に攻めてみろ。時にはワイルドさも必要だぜ」
 傍には、その幻の夫であるジェイク・夜乃 (p3p001103)の姿もある。
 大人であるこの夫婦は礼久が考えもしなかった助言を与えてくれるかもしれない。また、当日は影ながらデートをサポートしてくれるというから、礼久にとっては非常に頼もしい存在だ。
「話は聞かせてもらったよ」
 また、傍でこの話を耳にしていたイレギュラーズが助力を申し出てくれる。
 心から礼久を応援しているのか、ただその恋の行く末を見たいだけの野次馬かは分からないが……。今はより多くの情報やサポートが欲しいと礼久も考える。それほどまでに、礼久は今回のデートの成功に賭けているのだ。
 オリヴィアは約束の日の前日の夜に幻想に戻ってくるという。
「それでは、皆さん、よろしくお願い致します」
 それまでの間にできることをしたいと、助力してくれる幻やジェイクらへと礼久は深々と頭を下げるのだった。

GMコメント

リクエスト有難うございます。GMのなちゅいです。
オリヴィアと素敵な一時を送ることができるよう、
影ながら応援させていただきます。

●概要、
冬のある日に幻想の街中で、
浅木・礼久さんがオリヴィアにOP地点から数日後(だいたい1週間くらい)、
デートの約束を取り付けております。
(その日は2人とも依頼などがなく、
幻想に滞在している予定となっております)
皆様の助言、予定などによって状況は大きく変わるかと思います。

礼久さん以外のメンバーは、彼に事前のアドバイスや当日のサポートを行うプレイングを手掛けていただきますよう願います。
礼久さん自身は当日の予定、行動をプレイングに記して頂きますよう願います。
待ち合わせの時間(朝、昼、夜など)、そこでどのようなデートをして彼女と過ごし、自らの思いを告げるのか等を記載頂ければ幸いです。
場所については基本お任せします。
今回のシナリオに限りましては、どこか思い出の場所があるなら、そのシナリオ、SSなどあれば参考にさせていただきます。

●NPC
 オリヴィア・ミラン(p3n000011)
 今回、礼久さんのお誘いもあり、同行させていただきます。
 豪快で気前がいい海洋の女性であり、
 お酒と賭け事、勝負事が大好きです。
 なお、依頼の行き先は不明であり、
 礼久さんとの約束の日の前日に幻想に戻りますので、
 事前に彼女と接触するのはかなり難しい状況です。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします……!

  • 海賊淑女と素敵なデートを完了
  • GM名なちゅい
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2021年01月02日 22時05分
  • 参加人数6/6人
  • 相談6日
  • 参加費150RC

参加者 : 6 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(6人)

アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
夜乃 幻(p3p000824)
『幻狼』夢幻の奇術師
※参加確定済み※
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
※参加確定済み※
浅木 礼久(p3p002524)
海賊淑女に愛をこめて
※参加確定済み※
メリー・フローラ・アベル(p3p007440)
虚無堕ち魔法少女
エシャメル・コッコ(p3p008572)
魔法少女

サポートNPC一覧(1人)

オリヴィア・ミラン(p3n000011)
海賊淑女

リプレイ


 デートの約束をした後、ローレットへと足を運んだ黒髪短髪の眼鏡の青年『探索者』浅木 礼久(p3p002524)は、一組の夫婦へと相談を持ちかける。
「よし! ここはいっちょ俺達夫婦も一肌脱ごうじゃないか!」
 ワイルドさを感じさせる白スーツの獣種男性、『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)は二つ返事で了承し、妻へと視線を向ける。
「恋する男性も素敵なものです。お助け致しましょう」
 背に青い翅を持つ『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)も彼の恋する気持ちが素敵だと快く請け負う。
「僕も恋のキューピッドになれるでしょうか。なりたいものですね」
 きっとなれると、ジェイクもバックアップに回るが、いまいち礼久に押しが足りないと判断し、早速アドバイスに回る。
「女性に対して時には強引に攻めた方がいい」
 ジェイク、幻夫妻の場合、時に男性が主導権を持ち、女性をリードした方がうまくいったことが多かったと言う。
「なんていうか、オリヴィアが男前すぎる」
 この手のタイプはしっかりと主体性を持ち、引っ張っていく方がうまくいきそうだとジェイクは語り、エスコードのノウハウについて教授する。
 そこで、脇で話を聞いていた3人も協力を名乗り出て。
「ふわー……いいなあラブって……」
 鷹の飛行種、『空歌う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は困った礼久を見過ごせず、声を掛けずにはいられなかったようだ。
「これはもーコッコ的にはりきるっきゃないな! コッコがゼンリョクを出すからにはこのサクセンはせいこーしたもドーゼンな!」
 自称キューピッド検定準2級と、コッコこと『魔法少女』エシャメル・コッコ(p3p008572)は胸を張る。
 さらに、肌身は出さずモグラのぬいぐるみを抱いた金髪少女といった見た目をした『躾のなってないワガママ娘』メリー・フローラ・アベル(p3p007440)が少し考えてから口を開く。
「わたしなら男から高い物を貢いでもらえたら嬉しいわ。だから、乙女のぱんつとかプレゼントしたら?」
 そんなメリーの言葉に皆唖然とするが、彼女はなおも続けて。
「わたしなら、魅力的な男性とは同時に何人とでも良い関係になりたいから、オリヴィアが他の男に目移りしても気にしないであげてね。むしろ、自分から他の男を紹介するぐらいの度量を見せましょう!」
 メリーとしては緊張で硬直した感のある礼久の緊張を解くべく、冗談のつもりであったのだが……。
 礼久としては賭けなんてモノじゃなく、一世一代の大勝負と今までにないほどの気概を見せている。
 それが分かっているからこそ、本人も、サポートを行うメンバー達も真剣そのもの。
「ごめんなさい……もう喋りません」
 心なしか皆の視線が冷ややかなのを感じ、メリーは小さく身を縮こまらせてしまう。
「……せっかくのデートと一世一代の告白、綺麗に終わるようにしたいよね! 全力でサポートするよ!」
「カンペキなプロデュースをおとどけするな!!」
 そこで、この場の空気を換えるべく、アクセルが改めて礼久を全面バックアップすると告げれば、コッコもうんうん頷いて。
「今回のニンムはコッコの人助けせーかつのなかでサイダイキューのミッションな……その名もずばり『れーぐとおりびあのラブラブ大作戦』な!!」
 この場のメンバー達の支援に頼もしさも感じる礼久。
 しかしながら、胸の中の入り混じる期待と不安に、普段はぼんやりとした表情の彼も表情を強張らせてしまっていたのだった。


 あっという間に時は過ぎて。
「ついに、この日が……来たんだね」
 幻想内、出店の多い噴水広場をで、礼久は今か今かと今回の相手の到着を待つ。
 彼は以前、待ち合わせ相手がシャイネンナハトにくれた、オルカ……シャチのブレスレットを装着していた。
 待ち合わせ時間には十分余裕をもって到着している。今か今かと、彼の鼓動は高まっていく。
「待たせたね、礼久」
 雑踏の中でも、礼久は彼女の声を聞き逃さない。
 やってきたのは、「海賊淑女」オリヴィア・ミラン(p3n000011)その人。幻想では目立つ為か、人間形態となって歩み寄ってくる。
「ううん、今来たばかりだよ」
 オリビアはほぼ時間通りに到着したのだが、礼久は仮に彼女が遅刻したとしても許すくらいの器量を見せたことだろう。
 その2人の姿を傍で追っていたアクセルは目を細めて。
(はあー……ラブ……まぶしいけど、いいものだよね……)
 世の中、カップル爆破すべしと考える者ばかりではない。こうした微笑ましい関係にある男女を、アクセルのようにほっこりして見守る者だっているのだ。
 ともあれ、アクセルはサポートするにもいい感じの店を知らないとアリ、気付かれぬようにお手伝い。
(この日のためにこれを取得したんだ……!)
 アノニマスによって、道行く一般人に成りすましたアクセルは街路樹の如く存在感を消し、2人を見守りながら要所の場を整えに回る。
 そして、メリーもまたアノニマスで人込みに紛れつつ、歩き出す2人についていく。
(最初は危険も無いし、楽な仕事だと思って受けただけだったのよね)
 ただ、礼久の他のメンバー達も皆、本当に真剣で。いい加減な気持ちで参加した自分を、メリーは恥じたという。
 だから、せめて今回は彼女も裏方に徹することにしていた。
(まあ、まんまでも気づかれないでしょうけど)
 さほど、オリヴィアとの接点も多くなかったこともあり、そのままでも自分と気づかれないだろうとメリーは考える。
 ファミリアーの鳥を上空へと飛ばし、メリーは目的に迷わず向かっているかを確認する事にしていた。

 さて、礼久はオリヴィアを連れて噴水広場の周囲の屋台を見て回る。
 彼が足を止めたのは、射的の屋台。
「射的で勝負してみないかい?」
「へえ、いいじゃないか。受けてたつよ」
 オリヴィアも乗り気になって、屋台の射的銃を手に取る。
 それに続く礼久は、この数日ジェイクに射撃の基本を教わっていた。
(えっと、両手でしっかりグリップ、軽く前傾姿勢で重心を前に……)
 一つ一つの所作を確認するように構えを取り、肩幅ほどに両足を開いた礼久は目の前の並ぶ景品を見つめる。
 奥の棚にお菓子や何処かで見たような人を真似た人形やぬいぐるみが並ぶが、それらの一つを正面に見て
 ――これで、オリヴィアのハートも射抜けるかもな。
 そんなジェイクの言葉を思い出しながら、礼久は引き金を引く。
 幾度か、コルク弾が壁を叩くが、礼久は残る最後の弾丸で見事に犬のぬいぐるみを射止めてみせる。
 オリヴィアはというと、お菓子を3つも撃ち落としていて。
「数はアタシの勝ちだね」
 お菓子を差し出す彼女へ、礼久も犬のぬいぐるみを差し出す。この場の射的勝負は引き分けのようだった。


 次に2人が向かうは瓶詰め屋『エアインネルング』工房。
 以前、イレギュラーズ達が招待された場所で、その際に幻も参加していたことから彼女の勧めのようである。
「へえ、しゃれた店じゃないか」
 オリヴィアは上機嫌になって店内に飾られた瓶詰めを見つめる。
 瓶詰というと野菜や果物を詰めたイメージがあるが、透明感のある液体を流し込み、モチーフを詰めることで綺麗なインテリアとなるのだ。
「それじゃ、作ってみるよ」
 海はオリヴィアが見慣れた景色だろうと、礼久は白い液体をベースに岩肌を思わせるモチーフを瓶へと入れる。
 テーマは『山の雪景色』。
 ラメを液中に散りばめて雪を演出したその瓶を、礼久はオリヴィアへと渡す。
「いいじゃないか。まさに一品ものだね」
 オリヴィアも気を良くしてしばらくそれを見つめていた。
 なお、彼女も金の液体に緑に平らな円形のものをいくつも縦に積んだモチーフを沈めていて。
「オリヴィアらしいな」
「だろ?」
 カジノのベット台を思わせる瓶のテーマは『一攫千金』。賭け事が大好きな彼女の内面を思わせる一品だった。

 礼久が次なる目的地に向かうに当たり、用意したのはアイマスク。
「君をワクワクさせたいんだ」
「フフ、どこに連れてってくれるんだろうね」
 笑ってそれを装着するオリヴィア。
 彼女の手を引き、ゆっくりと移動する礼久だが、途中道を間違えかけてしまう。
(もう一本奥の通りよ)
 そこはメリーがハイテレパスで一言囁き、礼久はスムーズにオリヴィアをエスコートする。
 途中、素早くアクセルが道中でつまずきそうな石を迅速に排除する中、礼久が向かうのは……。
 青や白で綺麗にライトアップされたその場所はシャイネンナハトカラーに彩られ、もみの木、白い雲、星に赤、青、緑カラーのテープや綿などで飾りつけられている。
「フフ、いい仲間に恵まれたね」
 どうやら、オリヴィアも今回の礼久の協力者に心当たりがあった様子。
 そこは、サーカス団『旅一座』。
 照明が当たるステージに立つのは、所属する夜乃夫妻だ。
 このサーカスの準備を整えていた2人は、演目でも全力で盛り上げに当たる。
 まずは幻が奇術を披露し、礼久の座る椅子の隙間から花束を出現させ、ジェイクがそれを取り出して礼久へと渡すと、彼はそのままオリヴィアへと手渡した。
「ありがとう。いい花だな」
 オリヴィアが礼を言う間に、幻が固定された円状の壁が回転する。その円を的に見立ててジェイクが素早く射撃を行う。
 射撃はジェイクの愛銃によるもの、つまりは実弾だ。
 だが、それらの弾は全て、張り付いた幻を避けて的を射抜く。
 観客から拍手が巻き起こる中、拘束を解いた幻がシルクハットから青い蝶を取り出す。
 ひらりひらりと舞う蝶は花畑へと変化していき、そこに咲き乱れる一面の青薔薇、次に赤薔薇。続いて、赤、青、緑の3色。それはイングリッシュガーデンを思わせた。
 やがて、そこに白いオルカの群れが泳ぎ始め、やがてそれらはバーンと細かい紙切れやテープに変化していく。
 一通り奇術を披露し終えると、ジェイクと幻は横に並んで深々と一礼。
 惜しみない拍手を見せる礼久とオリヴィア。
「良ければ、体験コンテンツなんてどうだ?」
「へえ、どうする?」
 折角の誘いではあったが、想定していなかったこと、何より先程の射的の腕では……。
「また次の機会にさせてもらうよ」
 もっと射撃の腕が上がったなら、夜乃夫妻のように互いを信頼してあのような出し物ができるのだろうか。
 礼久はそう考えつつ、夜乃夫妻に礼を告げ、オリヴィアと共にサーカスを後にしたのだった。


 楽しい時は過ぎゆき、徐々に日が暮れて。
 この状況の中でも、アクセルは忙しなく行く先々で2人のデートの障害となりそうな物の排除を続ける。
 同じく、メリーもスマートに礼久がオリヴィアをエスコートできるようちょっとしたサポートを。
 そうして、仲間達に支えられながら、礼久がやってきたのは、コッコがリサーチした食事処だ。

 その店の調査には、事前にコッコも全力を尽くしてくれている。
(いまこそヒミツのひよこシンジケートのソーリョクをけっしゅーするときな!)
 この数日、コッコはこれまでに培ったコネクションを通じ、地元のダチコー達に渡りをつけ、最高のご飯を提供する店をリサーチしていた。
(れーぐが好き好きしてるおりびあは、ディープシーのねーちゃんな)
 海種なら、きっと普段からお魚を食べ慣れているだろうとコッコは考え、海ではあまり食べられない肉や野菜を振舞う店を中心に探す。
「コッコはサイセンタンの【トレンド】にもあかるいな」
 その中でも、ナウでヤングな今どきのお店で提供されているランチとディナーを両方リサーチ。
 高すぎず安すぎず、それでいてすごく美味しいご飯が出る穴場。通好みな人が知る店であれど、ひよこシンジケートならバッチリ発見伝とコッコは胸を張る。
「……見つけたな! サイコーのランチとディナーを出す店を見つけたな!」
 大国で伝統ある幻想にありながら、知る人ぞ知るこの店へと訪れるのはほぼ常連客。
 昼は盛り上がるような賑やかな音楽が。夜は大人のムードを感じさせる曲が蓄音機から流れる。
「コッコの役目はここまでな……れーぐ、あとはキメるな!」
 店の紹介をしたコッコもまた、どこかからか成功を祈っているはずだ。

 店内は常に入れ代わり立ち代わり客が訪れる。
 すでに日が暮れかけており、店はディナータイム。見れば、さほど料理は高いこともないのにちらほらと貴族が訪れているところから、この店の根強い人気を感じさせた。
(酒が美味しい店だと尚よいがな)
 礼久も下見の余裕はなく、店のメニューまで把握していなかったが、オリヴィアが進んで頼んだ果実酒はなかなかの味だったようで。
「うん、香りも味も、いいものを出しているじゃないか」
 オリヴィアが喜んでくれるならば嬉しい。
 運ばれてきた料理はなかなかに美味ではあったが、如何に美味しい料理であれども、礼久にとっては彼女の笑顔にはかなわないのだろう。


 一通り腹を満たした礼久とオリヴィアはそのまま幻想の裏路地を歩く。
 礼久も多少は酒を口にしており、オリヴィアと共に火照った体を醒ますように冬の夜道を歩く。
 店ではそれぞれの近況や世界情勢、たわいない話などとあちらこちらに話題が飛びつつも明るく言葉を交わし合っていた2人。
「どうした、礼久。飲みすぎたか?」
 しかしながら、礼久が何やら神妙な顔をし始めたこともあり、オリヴィアも最初こそからかいの言葉を口にしたが、すぐに何かを察して黙り込む。
 一方で、周囲に視線を走らせる礼久。
 敢えて、表通りに戻ってきた彼は多数の人通りを目にする。
 今から行うことを考えれば、たくさんの人目について恥をかいてしまうかもしれない。
 それでも……、オリヴィアの出会い、そして恋をした場所であるこの街角を礼久は選んだ。
「オリヴィア。今日は付き合ってくれてありがとう」
「ああ、楽しい一日だったよ」
 白い歯を見せる彼女の顔に、礼久は改めて自分の想いを高まらせて。
「……周りくどいのは辞めよう。君が好きだ。俺と恋人になってくれないか」
 そんなわかりやすく、シンプルで、ド直球な告白に、周囲からは口笛の音も聞こえてくる。
 酔いに任せた一言にも思えたその言葉。
「ああ、嬉しいよ」
 だが、オリヴィアは真摯にそれを受け止めてくれて。
「アタシをずっと夢中にさせるような、いい男になりなよ」
 彼女はぐいっと礼久の顎を右手で掴んで顔を寄せる。
 リードしたつもりがすっかり最後で主導権を取られてしまったようなそんな感覚へと礼久は陥ってしまうが、そんな強引な彼女がやはり愛おしい。
「ほら、まだ夜は長いよ。今度はアタシの行きたいところに付き合ってもらうんだからさ」
 オリヴィアの行きたい場所なら、やはりカジノだろうか。
「ああ、分かったよ」
 これから、オリヴィアと共に数えきれないほど向かうのだろう。
 小さく笑いながらも、礼久は彼女の娯楽に付き合うことにしたのだった。

成否

成功

MVP

浅木 礼久(p3p002524)
海賊淑女に愛をこめて

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは、最後に男を見せた貴方へ。
 今回はリクエスト、並びにご参加、ありがとございました!

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