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シナリオ詳細

それゆけ!  風雲ヨタD3層~“番人”の誘い~

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●ラサが騒がしいので最終層到達まで2ヶ月かかりました(面倒くさい教師感)
 ラサには、到底正常な感覚で作ったとは思えないようなダンジョンが幾つも存在する。俗に「与太」と冠される不名誉なダンジョンもその一つで、遺跡群『FarbeReise』とは一切関係が無い上にとある商会の女主人が情報を拾ってきた代物であるそこは、第1層のとてつもなく面倒な造りと第2層の――練達での事件すら巻き起こした――『雰囲気清楚機』による暴威の先、第3層こそが最下層と見做されていた。
 だが、大鴉盗賊団の大規模な動きやその他各国のなんやかんやすげぇ面倒臭ェ事情の積み重ねによって暫く放置気味になっていた。最終層に指を掛けたのに、である。
「……遅いなあ」
 なので、最下層で待つ“番人”は凡そ2ヶ月の待ちぼうけを喰らうことになる。
 そもそもが遺跡が遺跡として成り立ってから数百年ほど待ちち続けているのだから今更なのだが、やっぱり自分とこの手前まで来た連中をなんか期待するのは当然の心の運びじゃん? という感じ。
「いやね、我が遺跡から顔をこんにちはしてもいいんだよ? あいつら2層まで超えたんでしょ? ならもうよくない? 我面接官みたいなやつでしょ?」
 そう、『本来は』、“番人”は最終層に来た者達の前に現れてなんやかんや問答して満足したらちょっとした報酬あげよっか的な、そういうアレなのだ。
 だが、遺跡は随分と長い間放置されてしまった。
 経年劣化によるなんやかんやを経て、“番人”の悪ふざけも極まった結果、最終層は色々とめんどくさいことになっていた。主に生活空間的な……もっとざっくりいうと所帯じみた有様になっていた。
「ここに迎え入れたくなくない……? 報酬どこに行ったっけ……?」
 ぽちっ。最終層に仕掛けてあった謎スイッチを、“番人”は押してしまった。
「えええええええええええ待って待ってこれ何?! どんでん返し? 初めてみたんだけど?」
 斯くして、イレギュラーズの到着を前にして第3層はなんか、うん。エラいことになった。

●ボタン押したいって言ったよな? 聞いたんだからな
「ボタンを押しまくれる遺跡が見つからないかな? みたいなことは言ったけどねぇ……こんな遺跡に放り込まれるなんて聞いてないよぉ?」
 シルキィ(p3p008115)は、仲間達と共に何故か駆り出されたダンジョン最下層の惨状に顔を覆う。
 ああ、確かにそんなことは言った。スイッチを押すたび罠が発動するクソ遺跡、姿を隠した盗賊団の妨害の果てに屈辱を刷り込まれた彼女にとって、スイッチを思う様押していいといわれれば喜ばないわけもない。が。
「ようやっと来たか探索者! とっとと我の寝どkじゃない、この階層をもとに戻すのを手伝って欲しい! あとからあとから釦(ボタン)がせり上がってきて鬱陶しいことこの上ないのだ!」
 フロアを覆うボタン。
 明らかにドンデン返しされたであろう床(色合いとかでわかる)。
 そしてナイトキャップ被った姿の、存在感だけは絶対超常のものめいてる男。自称番人。
 ……果たして彼女らは無事にダンジョンを攻略できるのか? 
 そもそも何をして第3層の攻略とみなすのか。
 そして、果たして単にボタン押すだけで済む話なのか……。
「当たり前だが、外れの一部には敵と戦わねばならん類もあるからそのつもりで」
「当たり前だがもなにもお前のせいじゃねえか」

GMコメント

 最下層です。多分何もなければ今回で終わります。

●達成条件
 ヨタD3層の攻略
 →具体的には「第3層:番人の部屋」の修復

●番人の部屋
 第3層の本来の姿。
 遺跡に用意された番人(人工精霊のすごい版)との問答を行ったり場合によって戦闘を繰り広げるフロアだった筈だが、目覚めてから放置されまくった番人が世帯臭い中身にしてしまってい「た」。
 現在は「フロア全体の床や壁がランダムで回転しボタンが出現するのでそこから正解を見つけ出し押していく」というクソゲーじみた内容をクリアしないとならない地獄めいたフロアとなっている。
 のだが、さらに厄介なことにハズレを引くたびマッチ箱程度の敵がわんさか現れる。
 小型敵(仮称)は防無・攻撃力小の攻撃を延々繰り返してくる。10体に1体くらい赤いの(硬くて必殺撃ってくる)のと蒼の(BSドチャクソ盛ってくる)のと紫色(赤と蒼のハイブリッド)が現れる。
 数の暴力だし密集地帯なので面倒くせェことこの上ない。
 なおたまに出てくる金のボタンは小型敵を一掃する。

●“番人”
 クソ所帯臭い人工精霊(つよい)。
 攻略中にあんまりにも心証を害するとあとでこいつとも戦うことになるから蝶のように花のように丁重に扱わないといけない。こいつのせいじゃん。

●ぶっちゃけ広さは?
 70m立方(ぐらい)。四角錐っぽい感じの空間だぞ。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • それゆけ!  風雲ヨタD3層~“番人”の誘い~完了
  • GM名ふみの
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年12月31日 22時00分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

日向 葵(p3p000366)
紅眼のエースストライカー
サンディ・カルタ(p3p000438)
金庫破り
ルウ・ジャガーノート(p3p000937)
暴風
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
シルキィ(p3p008115)
繋ぐ者
三國・誠司(p3p008563)
一般人
グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)
孤独の雨

リプレイ


「色んな遺跡があるっスからね、変なのが多少はあってもおかしくねぇよな。フロアが世帯じみても、そういうもんだと思うしかないっス」
 『紅眼のエースストライカー』日向 葵(p3p000366)は悟りの境地に達していた。ここ最近ラサの遺跡に出入りしているイレギュラーズにとって、何があってもそろそろ驚かないレベルになりつつある。まして与太話扱いされていたダンジョンの最深部だ。
「それはいいんスけど何なんだよこのシステム。マトモなヒントもなく、外れの一部に敵が出てくるとかスゲェ……クソ、ゲー……感」
「大丈夫か、日向さん。あの清楚の出どころだと聞いて来てみたが……御伽噺みたいな問いかけや戦いを
想像していたのだがそれは無理か。クソゲー……か……!」
「どうしたんだよ2人とも! トラウマで立てないとかやめ……あーもう! もっとサンディ様の活躍に相応しいようなさー!! こうさー!! ワクワクするようなさー!!!」
 『クソゲー』と自分で言ってダメージを受けた葵を気遣う『誰かの為の墓守』グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)は、この遺跡と無縁ではない。かつて仲間がこの遺跡から持ち帰った機械がひと悶着を起こし、当人と彼とが巻き込まれたのは記憶に新しい。そしてクソゲーに思うところも、ある。そんな2人の混乱に巻き込み事故をくらった『兄貴分』サンディ・カルタ(p3p000438)の困惑も尤もだ。興奮と緊張を味わえるダンジョンアタックが、こんな内容だなんて納得がいかない。もう少し息をつかせぬアクションとか、そういうのを期待していた。
「いやぁ……あるもんだねぇ、ボタン押せる遺跡。吐いた唾は飲み込めぬのが世の常……ならば、押すしかないよねぇ?」
「前にもスイッチに関するお仕事はあったけれど、人ってどうしてスイッチを押したがるのかしらね……?」
「そこにスイッチがあるからだよぉ」
 よもや、としか言えない状況に巻き込まれた『la mano di Dio』シルキィ(p3p008115)は嬉しさを隠しきれぬ表情で指をほぐし始めた。目の前に人参をぶら下げられて走らぬ馬がいるだろうか? 答えは否だ。彼女もまた、目の前に興奮できる要素をぶら下げられて助走に入った1頭の馬に過ぎない。『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)にとっては幾ら考えても理解できない領域の楽しみ方なので、 シルキィの返答には更に首を傾げるしかない。
「どうも、始めてきましたヨタDもいきなり最下層です。そんな僕は新人のイレギュラーズ、三國。今日も今日とて元の世界への帰り道を探してうろちょろしてたんだけど、なんだってこんなことに」
「誠司さんはすっかりベテランだよね? でも、そうだね。主役は遅れてやってくるんだよ! 最下層に颯爽とやってくるかっこいいポジションやってみたかったんだー、えへへ」
 『一般人』三國・誠司(p3p008563)は誰に説明しているのか(多分自分に言い聞かせてるんだと思う)、ひとしきり言葉を述べてから頭を抱えた。なお『緑の治癒士』フラン・ヴィラネル(p3p006816)は降って湧いたかのような英雄ムーブが赦された現状に喜びを隠しきれず、ふんすふんすと鼻を鳴らしている。イレギュラーズは、何時でも誰でも主役になる機会がある。それを今、証明できるのだ。
「うおっ……! 遺跡の罠が誤作動? してなんかエライ事になってて意味がわからんな! こうなると俺の鈍いアタマじゃお手上げ状態だぞガハハハ!」
「番人、お前あれだな? 重要なシステムファイル消したけれど、何もしてないけど壊れた。って言ってくるタイプだな??」
「……? なんのことだかわからんが、そうだな。我は只普通に過ごしていただけなのにスイッチを押してしまった」
「それは『やってる』っていうんだよぉ?」
 『暴風』ルウ・ジャガーノート(p3p000937)はお手上げだとばかりに両手を翻し首を振る。彼女は体を動かしたほうが事態の解決が速いタイプだ。間違いなく。
 誠司は改めて話を聞いても、現況全部この番人にしか無いな、と理解したので問い詰めたが、元の世界の常識は通用しないことを思い出した。あと古代の存在だから常識がバグっている。シルキィもツッコミに回るしかないのだから『相当』なのが伝わるだろうか?
「まあいいっス、せめてボタンのデザインとか覚えてないんで?」
「……我、尻でボタン踏んだから……」
「でも現在進行系でボタンがでたり入ったりしているわ。コレよね……?」
 葵が聞き取ろうとしたが番人はてんで役に立たなかった。何なのこの人工精霊? でも、エルスは今まさにそこかしこのタイルをひっくり返して現れているボタンを指差していた。そして押していた。
 ガシャッ。ボタンがあったタイルが反転して部屋の調度品が据えられる。
 ピンポーン。正解だったといわんばかりの音が響き、その位置のタイルは動かなくなった。
「番人さんが大事なものは、今のうちに手で抱えておいたほうがいいと思うぞ……?」
「ところで番人さん、部屋を元に戻したら、ここを突破した扱いにしてくれないかなぁ……?」
 グリムからの忠告、そしてシルキィからの提案。決して二つ返事で回答できる類のものではないはずだが、番人は秒で頷いていた。お前に番人の誇りはないのか?
「我このフロアが戻らなかったら追い出されてしまう。番人ではなくなる。それはちょっと勘弁願いたい」
「追い出されはしないだろ居心地悪くなるだけで」
「じゃあなにか? 我、これから毎日ヨレヨレになった下着を日付変更時に取り替えるかの如き居心地の悪さをここで感じながら生きねばならぬのか?」
 あんまりな言い分に反論したサンディであったが、番人のアレ具合は彼の冷静さと正気をゴリゴリ削ってきた。なのでついぞ、彼は説得というものを諦めた。
「ふー。ま、まじめにやりますか……」
「でもデザインが金以外当たりもハズレも一緒ならマジモンのクソゲーコースだぞ、やべぇもうキレそう」
 ひとまず落ち着こうとしたサンディだったが、葵は状況を理解するにつけ苛立ちが隠しきれない。キレていいと思うよ。


「それじゃあ作戦はさっき伝えた通りでいくよぉ。まず金のボタンを探しつつボタンの構造を確認していこうねぇ」
「了解した。ボタンに目印をつけてから押すのだったな」
「先ず手当り次第押して……復活したり移動しない限りはそのままガンガンいけばいいな。分かった」
 シルキィの指示に、グリムとサンディは復唱がてら状況を整理する。
 先程エルスがボタンを押した位置だが、調度品が戻ってきてそれからタイルが動く様子はないので、正解を押すかスイッチを押すかすれば部屋は徐々に元の姿に戻っていく……ということらしい。
 その上でハズレの戦闘は不可避として、金ボタンは温存しよう。そういうことになった。なおフロア内部は保護結界が張り巡らされたことで全体的にセーフだ。
「まぁ、ぶっちゃけ金が場所移動することなければ他のボタン押した後に金押せばいいって感じするよね?」
「やめようぜ、そんなこと言ってるとこの性悪遺跡のことだからボタンが動き出すと思うし」
 誠司が大丈夫だよな? みたいな確認を民にするが、ヌルゲーになるやろ? みたいな打診をすると絶対悪い方に転がる。葵は止めた。まだでてきてないけど絶対今後ヤバいことになる。
「……ところで番人さん、パジャマだとお腹冷えちゃわないかなぁ。上着はズボンの中にインするんだよ!」
「えっ? ああ、うむ……」
「「ひとりでずっと待っててくれた番人さんすごい! えらい! ちゃんと服着てて偉い! あたし家では着てないこともある!」
「待ってフランさん!?」
 番人はフランにズボンinを提案されると存外素直に受け入れた。そして、その流れでフランは「番人を褒めそやそう」と思い立ったらしく矢継ぎ早に褒め言葉を連発していく。その間にもボタンは押す。
 押すのだが、エルスはフランのぶっちゃけに思わず口を押さえた。フランのまさかの自宅裸族(疑惑)宣言。まあ流石に彼女に欲求をあれこれ感じるほど、この場にいる男連中は女に餓えちゃいねえんだが。
「あっ、なんか私知らないところで馬鹿にされた気がする!」
「それはいい、フランさんが押したボタン全部から敵が出てきたから結構、その大変だ。青いのが2体もいる」
「『それはいい』って何?!」
 フランが何かを感じ取った傍らでボタンをバカスカ押したものだから、次々と敵が出現する。グリムは制止しようとしたが、却って彼女を怒らせてしまった。死霊による精神干渉がフランにも影響してしまったのだろうか? 多分違うと思うが。
「フランちゃん、わたしも戦うからいいかなぁ?」
「しょうがないなあ……ンヌッ!」
 さんざっぱらキレ散らかしたフランながら、こういうy時の考えの切り替えは素早い。シルキィと己に光の種を与えることで魔力の流れを円滑化し、グリムが惹きつけられなかった分を惑いの花弁で引き受ける。シルキィは2人が惹きつけた敵目掛けて砂嵐を叩き込む。個体能力はさして高くないのだろう、当たりどころが悪かった個体は次々と砂嵐に巻き上げられて何処かへ消えていく。閉鎖空間なのにな。
「俺個人としてはこんなギミックだらけの遺跡全部ぶっ壊してしまいたい所だが俺はオトナだから我慢できる!」
 ルウが大人で本当に良かった、と一同が思う間もなく、彼女の暴風のような攻撃が小型の敵を蹂躙する。それでも数は大分のこっており、2人のひきつけ役の体力を削りにかかる。……まあどっちも守りが堅牢すぎてそう危機的でもないんだが。
「クッソなんでこんなに出てるんスか?! 待ってろ金ボタン探すから!」
 葵は自分が知らない内に段取りがメチャクチャになている事実に呆れつつも、それでも優位に進めている仲間に感心するしか無かった。これがまた違う仲間なら、蓄積した傷と状態異常でジリ貧だったかもしれないが……兎角、そこらじゅうを飛び跳ねてボタンを探した彼は、あからさまに光るそれを見つけた。
「あったぞ、金ボタン! ……動かないな? ヨシ!」
「フィーバータイムだよみんなぁ!! Fooooooたのしい!!!!」
「よっしゃコレとかそれも全部押していいんだな!」
「俺も鬱憤が溜まってたんだ、どんどん押してくぜ!」
「……俺が無闇に押さなくてもいいよな、皆押してるし……モルダー、金ボタンの捜索まかせた」
「こんなにボタンがあるなんて…どれがどれだからわからなくなってしまうわ! でも今は総当たりでいいのよね!」
「わかった! ここは1つわたしも攻撃に回るね!!」
「……分かってない者が1人おるぞ!?」
 葵がボタンを見つけたことで、他の面々はフィーバータイムに胸躍らせた。サンディは抜け目なくモルダーに捜査を続けさせ、そしてフランは何故か自分も攻撃に回ろうみたいなノリになっている。番人困惑してんじゃねえか。
 そして実際、皆を巻き添えにしているのだが一瞬の内に回復しているので割と誰も気付かない。
(名付けて「どうせ一瞬で回復するからばれへんやろ」作戦!)
 まんまじゃねえか。
「この連中もうフロアいっぱいなのだが我の部屋の調度品大丈夫なんだろうな?! 本当に大丈夫だろうな??」
「大丈夫っスよグリムが手を回してあるから。な?」
「ああ、任せてくれ。それに……えっと、そんな絵柄を選ぶとはセンスがいいと思うぞ?」
「取って付けたような評価の仕方するの我にさりげなくダメージくるからやめてくれない?」
 大分ボタン押しまくったので敵も増えまくっており、グリムとフランでカバーしきれなくなってきていた。この間30秒ほどである。葵の確認にグリムは首肯、ついでとばかりに番人を褒めておいた。番人もほら、脈絡のない褒め方に困惑してるじゃん。結局、葵が金ボタンを押して全滅させた。
「今ので一旦終わりなのね、じゃあ次……っ……ハズレ……! 結構数いるわね・…でもこのぐらい・…なんて事ないわ! どんどん行きましょ、どんどん倒していくわ!」
「エルスちゃんはラサだと活き活きしてるねぇ。こんなアレな遺跡なのに……」
「ね、すごいよね!」
「『アレな』っていうなよ。我泣いちゃうぞ」
 エルスはラサでこそ輝くとは誰が言ったのだったか。野心あらたな彼女の身のこなしは、生み出された大顎すらも優雅なものに見えるほど。シルキィもフランも感心したようにささやきあうが、何気ない言葉が番人を傷つけた!
「まだまだ俺は動けるぜ! 次はどうする?」
「いや、大分部屋も元通りになってきたんじゃないか……? あとはそこまで暴れなくても大丈夫だよな?」
 ルウはまだまだ元気そうで、モウひと暴れしたそうな空気だ。牛(バッファロー)だけに。だが、サンディはモルダーと連携してボタンを探し回った結果として、残るはわずかだと踏んでいた。少年が見つけられないということは、思わぬ場所に潜んでいる。彼は深呼吸してから、空を蹴った。
「なんかすげぇ押しにくい場所っていうかアレ天井の角にある! 誰か狙えねえか!」
「攻撃はギリギリ届くな……僕に任せてよ、こういうときはいい顔したいじゃん?」
 サンディが空を駆けられても、手が届かぬ狭隘部ならどうしようもない。ならどうするか? 仲間がブチかませばいいだけだ。誠司は御國式大筒を構え、サンディが指差した位置へと一撃を叩き込む……届くか?!


「それじゃあ番人さん、一人で暇だったでしょー? ゲームとかして、そしたらあたし達の事も認めてよー!」
「まあそれが約束だし我もやぶさかではないが……」
「Foooooo!!」
 フランは番人の手をとり、輝かんばかりの笑顔で提案する。番人も最初に約束したので無碍には出来ず、というか成功したらすぐ帰るとばかり思っていた探索者が自分にかまってくれるのはすごく嬉しくは在る。 
 勝利宣言に、シルキィは喜ぶ。
「確かに…ボタンが出てくる部屋は災難だったわよね……でもどんな仕組みになってたのかしらねぇ……?」
「我も製作者に後付で管理を任されたからちょっとそこはさっぱり……」
「しかし遺跡にはドクロマークのボタンが付き物と聞いたが見当たらなかったな? 押したら楽しいことが起きると聞いていたのだが……ないなら仕方ないか」
「グリム、そんなもんがあったらクソゲーの再来だけどいいっスか?」
「遠慮しておこう……」

成否

成功

MVP

グリム・クロウ・ルインズ(p3p008578)
孤独の雨

状態異常

なし

あとがき

 皆楽しそうだったよね!
 良いお年を!

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