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シナリオ詳細

再現性東京2010:放課後げーむせんたー

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 ぴろぴろ、じゃらじゃら、じゃー。
 その音を聞きながら耳をぴこぴこと動かしたメイ=ルゥ (p3p007582)。
 此れは彼女の一言から始まる物語である。

「ゲームセンターに行ってみたいのですよ!」

 再現性東京2010街、希望ヶ浜。
 希望ヶ浜は異世界『地球』からこの世界に召喚され、変化を受け入れなかった人々の聖域である。
 なんでもあるけど、なんでもない街――

 希望ヶ浜は東京西部に位置する中核市です。
 よく『希望ヶ浜県』『神奈川県希望ヶ浜市』『埼玉でいい』『山梨の領土』だとか揶揄されます。
 そんな此の地に、旅人の中ではひょっとすればひょっとして『知っている』かも知れない娯楽と遊戯に満ちあふれた場所。
 それがゲームセンターなのである。

 希望ヶ浜学園の小等部に通うメイのその一言に音呂木・ひよのは「お一人でですか?」と渋い顔をした。
 最近は人攫いもあるために小学生だけでの入店が制限される場所も多い。特に天真爛漫なシティガールであれば心配にもなるというものだ。
「折角ですし私と月原さんがご一緒しましょうか」
「え? 俺も?」
「馴染みがあるでしょう? ゲームセンター」
 月原・亮 (p3n000006)は驚いたような顔をしてひよのを見遣った。折角なら慣れた人間がご一緒した方が良い。
 ふと、ひよのは何かを思い出したようににっこりと、それはもう意地悪く微笑んだ。

「ちょうど其れにぴったりなお仕事がありました」

 ――曰く、あるゲームセンターの中をうろうろとする夜妖がいるらしい。
 悪性怪異としては小物で、ちょっとした悪戯をしてくるだけである為に放置されていたそうだが……。
「その怪異の名前は『まもるくん』と言います。
 幼稚園児程度の外見をした男の子です。まあ、都市伝説というか誰かが面白がった噂が転じたのだと思われるのですが」
 向かうゲームセンターは4階建て。それなりに広いフロアを有しているそうだ。
『まもるくん』は決まって三階に現われる。
 彼は出口への行き方が分からず外へと出られないのだろう。しくしくと泣きながらおうちに帰る日を夢に見てる――が、しくしく泣きながら見知らぬ少年が後ろにぺったり引っ付いてくれば誰だって怖い。
「『まもるくん』はどうすれば良いんだよ。手でも引いて出口まで案内してやれば良い?」
「その通りです。ただ、しくしく泣いてるので折角なので一緒に遊んであげて下さい。
 一緒に遊んでいれば笑ってくれるでしょうし、だれも人攫いだと認識はしませんよ」
 ひよのの言葉に亮の脳内に浮かんだのは幼児拐取という言葉だった。
「それはやばいな……?」
「ええ。希望ヶ浜の警察に『違うんです、これは妖怪で!』なんて伝わるわけないですからね」
「確かに……」
 ぞお、とした表情の亮は「じゃあ、『まもるくん』含めてゲーセンで遊ぼうぜ。クレーンゲームで何か取ってやるよ! 俺、得意だし」とにんまりと微笑んだ。

 さあ、さくっとゲーセンで遊んでサクッと夜妖を誘導しよう!

GMコメント

 夏あかねです。

●成功条件
 『まもるくん』をお外に出すこと。

●『まもるくん』
 悪性怪異:夜妖。その存在を認識し名前を呼べば誰も彼もからしっかりと見ることが出来るようになります。
 プリクラ機の中で迷子になって家に帰れなくなったという噂が元になってます。
 三階のフロアでひたひたと訪れた者の背中にひっついて歩き回りしくしく泣いているようです。
 敵意を感じたら戦闘になります.その場合周辺には一般人もいますので巻き込むことになるので注意してください。
 普通に遊べば普通に楽しいねえと微笑んでくれますし、笑顔の儘、出口まで誘うことが出来ます。

●ゲームセンター
 1F クレーンゲームやプリントシール機が少し、グッズ等が販売しているコーナーです。
 クレーンゲームでは希望ヶ浜で流行してる謎の生き物や可愛いぬいぐるみ等々。
 所謂人気商品や人気のプリントシール機が置いてあります。

 2F クレーンゲームが中心です。リズムゲームもおいてあるようです。
 フィギュアや様々な商品の取れるクレーンゲームがあります。
 リズムゲームは太鼓っぽいものやキーボードっぽいものやギターやなんでも。

 3F 半分がプリントシール機コーナー。半分がメダルゲームです。
 プリントシール機の各種が取りそろえられています。想い出を撮影して落書きするのもいいかも?
 メダルゲームでは競馬やスロット、キッズメダル(メダルの増減少ない子供向け)があります。

 4F ビデオゲームが中心のコーナー。ダーツもできるそうです。
 ダーツの受付カンターが存在するほか、ビデオゲーム各種を楽しめます。
 格闘ゲームやカードを排出するトレーディングカードゲーム等のアーケードゲームを楽しめます。

 それなりに広いフロアである程度はなんでもあります。
 「これがやってみたい!」にもお答えできると思います。
 飲み物などは自販機が置いています。
 お好きに楽しんで下さいね!
 ちなみに、月原君はクレーンゲームが得意です。ひよのさんはゲーセンはあまりこないそうです。

●同行NPC
 ・月原・亮
 ・音呂木・ひよの
 ご一緒します.お気軽にお声かけ下さい。お声がけない場合は登場しません。
 また、ひよのさん曰く「なじみも連絡したら来ますよ」との事なので綾敷・なじみさんも連絡すれば来てくれそうです。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 其れでは楽しんできて下さいね!

  • 再現性東京2010:放課後げーむせんたー完了
  • GM名夏あかね
  • 種別リクエスト
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年12月23日 22時05分
  • 参加人数8/8人
  • 相談8日
  • 参加費150RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)
うつろう恵み
サイズ(p3p000319)
カースド妖精鎌
※参加確定済み※
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
※参加確定済み※
伊達 千尋(p3p007569)
Go To HeLL!
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
※参加確定済み※
笹木 花丸(p3p008689)
竜交
ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)
良い夢見ろよ!
※参加確定済み※
ユリウス=フォン=モルゲンレーテ(p3p009228)
貴族の儀礼

リプレイ


 aPhone2台持ちはシティガールの嗜みなのですと胸を張る。『シティガール』メイ=ルゥ(p3p007582)はaPhone10(最新機種!)を取り出して「もしもし」と潜入任務を行うかの如く声を潜めて通話口へと言葉を投げかけた。
「……もしもし、なじみさんなのですか? こちら、エージェントメイなのですよ!
 これより、ゲームセンターに潜入するので、遊びにき……じゃなく、応援を要請するのですよ!」

 ――と、言うわけでほいほい釣られてきた綾敷なじみもご一緒に。今日は再現性東京でウワサの『まもる君』をおうちに返すために思いっきりゲームセンターで遊んで満足させてやる仕事なのである。
「再現された東京だものね。当然こういった場所も再現されてるか」
 マスターがカードゲームを行っていたならば、そこにそうした筐体が存在した以上、『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)とて知った地である。角等の異形の証拠は収納済み。普通の少女の格好をして再現性東京のマナーに身を委ねるレジーナの傍らで、不思議そうに周囲を見回したのは『うつろう恵み』フェリシア=ベルトゥーロ(p3p000094)。
「げーむせんたー……! 再現性東京、いえ、東京には素敵な場所があるのです、ね。
 たくさん遊んで……今日は、良い一日にできるように、がんばります」
「ああ……俺はこんなメカメカらしいものあんまりさわったことないからな、この際だ色々と経験してみよう」
 今日は妖精サイズではない『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)。アクセサリー気分で背負った己のコアである鎌はこの場なら屹度素敵なコスプレ衣装として黙認されている。
「夜妖と会うのは初めてだが……あまりその方面は気にしないようにすべきだな。
 私たちは素直にゲームセンターを楽しむとしよう。それが一番の対処法にもなる」
 再現性東京ビギナーたるユリウス=フォン=モルゲンレーテ(p3p009228)。幻想王国と比べれば非常にごちゃごちゃとした近代建築の多い再現性東京だが、其れを楽しむことが重要であることを彼はよく理解している。
「ほほー、ゲームセンター! 古今東西のありとあらゆる遊戯がつまった夢の楽園! ひよの殿ー今日は存分に遊びましょうぞー♪」
「ええ。良いですよ。財布の準備はお願いしますね」
「まさかの吾輩のおごり!?」
 驚いた仕草を見せた『どんまいレガシー』ジョーイ・ガ・ジョイ(p3p008783)に音呂木・ひよのは穏やかに微笑んで居る。冗談ですとどこまでが冗談だったか分からないひよのの微笑みに『人為遂行』笹木 花丸(p3p008689)は可笑しそうに笑った。
「ひよのさん! ゲームセンターだよ!
 こっち来てからゲームセンターとか来てなかったし、今日は思いっきり遊んじゃうぞー! おー!」
 遊ぶためのやる気は十分の花丸である。三階まで進もうかと提案する『Go To HeLL!』伊達 千尋(p3p007569)は階段に足を掛けてからくるりと振り返った。
 噎せ返るような煙草の匂い、飛び交う灰皿に野郎共の猿みてえな叫び声――
「あの『灼熱の時代』を生き抜いた俺がゲーセンの楽しみかたを教えてやるぜ! 遊びたそうにしてるガキを見捨てておけるかよ!」
 ――つまり、千尋さんもゲーセンの達人と言うことです。


 周囲をきょろきょろと見回して不思議そうな顔をしたフェリシア。その傍らで「ここは広いな……」と呟くサイズは煩雑としたゲームセンターでは子供も迷子になるのには頷けると呟いた。
「帰る際に迷子になってるやつがいないか気をつけないとな……」
「それはなじみさんの事かい?」
「いや……」
 違う違うと否定するがこの場で迷子になりそう筆頭のなじみと彼女と手を繋いでふんすとしているシティガールを見てからサイズはぱちりと瞬いた。
「しかしまもるくん? だったけ、『悪性怪異:夜妖』と分類されてるが……こっちが戦意とか悪意見せない限り襲ってこないなら悪性じゃなくて中立性怪異じゃないのかなー? と思うのは俺だけかな……?」
「そうですね。性質から云えば善と取れる部分もありますが……まあ、言葉の綾。つまるところ『この場では存在してはならぬ者=悪』なのですよ」
 説明交えたひよのに「成程ね?」とレジーナは呟いた。ふと、きょとりとした顔をする夜妖憑きたるなじみをまじまじと見たレジーナは「ねえ」と穏やかな声音で問い掛ける。
「敵意を感じたら襲ってくるらしいけれども『まもる』くん、汝(あなた)はどう見るかしら?」
「きっといいこだっただろうね? 其れとも、別の意味かなあ」
「……いえ、他意はないのだわ。それと、カードの心得はあって?」
 なじみがきょとんと首を傾げるがレジーナはふ、と笑みを零すだけだ。カードゲームはなじみはあまり『心得』がないのだろうか「教えてね」と微笑みながらエスカレーターへとぴょんっと飛び乗っていく。
 三階へと到着し、周囲を見回したイレギュラーズ達のお目当ては今回の『対応ターゲット』である。
「3Fだぜ」
 千尋が「お」と指したのは小さく身を屈めていた一人の少年だった。メイよりも幼く見える彼はぐすぐすと涙を溢れさせている。
「どうしたのですか? 迷子ですか? ……迷子ならメイ『おねえちゃん』が一緒に居てあげるのですよ!」
 お姉ちゃんの部分が強調された――が、その辺りはスルーで安定なのだ。うんうんと頷いた花丸はそっと『まもるくん』に視線を合わせる。
「ねっ、君。こんなとこで泣いてどうしたの? 家族とかお友達と逸れちゃったのかな?
 もし君さえ良ければお姉ちゃん達と一緒に遊びながら家族の人達を探そうよっ!」
「うっ……ぐす、おねえちゃんたちが、いっしょにいてくれるの……?」
 伺うようなその視線へとメイと花丸は微笑んだ。千尋は「任せろよ」と胸を張りヘルメットに楽しげな顔文字を表示したジョーイは「ほうほう、貴殿がまもる殿……」と視線を合わせるようにしゃがみ込む。
「吾輩ジョーイ・ガ・ジョイと申します、よろしくですぞー! ささ、吾輩たちと楽しく遊びましょうぞー♪」
「あそぶの……?」
 遊ぶと云えば、とまもるくんの手を引いて。花丸はお別れするその時までまもるくんと沢山遊んで、彼に笑顔を与えていたいのだと楽しげにスキップを繰り返す。
「まもるくん、プリントシールってやったことある? 写真を撮って落書きするんだよ!」
 わっせわっせとぐいぐいと。すし詰め状態になればサイズは「入れるのか?」と不安げに花丸を見遣る。
「いけるよ!」
「いけますよー! 全員じゃないと意味が無いです! 一番広いのを選びましたけど、ぐぐぐぐ、きっつきつですね!?」
 あばばばばーと慌てるメイにレジーナは「我はこの中なら浮いていようかしら?」と問い掛ける。
「ありよりのありだとおもう!」
 地上に立てばちょっぴり『場所』が足りないというなじみにレジーナは頷いた。まもるくんを出来る限り前にした方が良いかと問うフェリシアに千尋は「任せろよ」ときらりと歯を輝かせた。
「プリントシール、つまりは写真、ね。良いのではないかしら。思い出が残れば……いえ、なんでもないわ」
「ふむ、これに入るのか……まて、全員でか?」
 難しいだろうと衝撃を覚えるユリウスが仲間達を見回せば、それに千尋が「任せろよ~」と肩をぽんっと叩く。
 レジーナがふわ、と浮かびまもるくんはどうするべきかと見下ろせば千尋がその小さな体をぐ、と持ち上げる。
「高さが足りなければ俺が抱き上げてやるよ、はい笑顔! ティティーッス!!」
 満面の笑みで撮影タイム。少しぎこちないフェリシアとレジーナの笑顔に花丸スマイルの花丸は「笑顔が凍ってる」とくすくす笑う。
「え、笑顔がぎこちない? し、仕方ないじゃない……慣れてないのよ」
「これからもっと慣れていこうね!」
「……あ、色々な背景とか、お絵かきペンと……今日の日付のスタンプに、お化粧もできるのですって……もります?」
 首を傾げるフェリシアに「盛ってけ! 盛ってけ!」と千尋が囃し立てる。突然睫がバサッっとなったサイズが「俺の本体(かま)に睫が生えた」と驚いたように呟く声が面白くてジョーイはけらけらと笑い出す。
「さあ、これで俺達は今から友達(ダチ)だ! メイちゃん、まもるくんのリードをヨロシクな」


 まもるくんのエスコート役はメイが。一度一階へと降りてクレーンゲームを見て回るメイは「亮さん!」と手招いた。
「クレーンゲーム得意なのですか?」
「おー、わりと訓練? したよ。メイとまもるくんもどれか欲しい?」
 もじもじとするまもるくんをちら、とみたメイは「ゲームセンター探検隊のメイお姉ちゃん隊長が亮隊員にお願いするですよ!」と胸を張る。
「あの黒オーラを放ってムキャーって泣きそうなぬいぐるみを取って欲しいのですよ! 他意はないのですよ?」
「オ、オッケー。あー、その隣の茶髪も取ってみっか。ついでに、可愛いぬいぐるみも探してさ」
「はいです! 因みにムキャーはどうするのですか?」
「友達にあげようかな」
 それがいいですね、とメイがからからと笑う。得意と云うだけあって亮はスムーズに景品をいくつか取った後、上に行ってみようかと二人と手を繋いでエスカレーターへと乗った。
「一人用のアーケードも良いけれども、やはりカードは対戦こそが華だものね」
 楽しかったと微笑んだレジーナに、その様子を背後で見ていたなじみは「面白かったぁ」とけらけらと笑っている。何処か切なそうな顔をした亮が悔しげにぶつぶつと呟いている様子にメイとまもるくんは首を傾げる。
「カード、してきたですか?」
「ええ。カードゲームはなじみと云うより亮の方が得意そうでしょう?
 ふふ。ええ、そうね。さっき対戦したところなのだわ。……一つ言えることは、亮って引きの運はあんまり良くないわね」
 悔しいと唇を尖らせた亮に「ごめんなさいね」とレジーナが冗談めかす。「レジーナさん、次は強くなるから待ってろよ!」「ええ、待っているわ。勝てる目はゼロでしょうけど」と揶揄いあう二人を見ていたなじみへとジョーイが「おーい!」と手を振った。
「音楽ゲームを花丸殿と順番待ちをしておりますぞー。なじみ殿とひよの殿もこちらに来ては?」
「わー、まもるくん。握手握手!」
 手を握って「探検ご苦労様!」と微笑んだ花丸はジョーイと共に太鼓の音楽ゲームへとチャレンジ中である。ドコドコドンと音を鳴らして、懸命に太鼓を叩く花丸に「うまいものですね」とひよのが呟いた。
「ひよのさんもやる!?」
「肘が壊れそう」
「ひよの殿の肘はそんな簡単に壊れな――アアアッ、つんつんしないでくださいですぞー!?」
 勝負曲を選曲するひよのは難しい者ばかりを選び続ける。好きな曲はと問い掛けるジョーイとひよのへと「何でも好きですよ」と微笑んだ彼女に二人は「ええー」と声を漏らすばかりだ。
「まもる殿も太鼓やりましょうぞ! どんどんって叩くのです!」
 まもるくんと一緒に音楽ゲームを楽しむジョーイはある程度の手加減をしながら接戦を繰り広げる。コーチ花丸が「そこで連打だ! どどどどーん!」と叫ぶ声に合わせてメイ&まもるくんチームが賢明に太鼓を叩き続けた。
 サイズとフェリシアはアーケードゲームへと。二人で遊べるシューティングゲームはまもるくんが怖がらないようなポップなキャラクターが動き回る物にした。
「おねえちゃん、これ、おばけをたおすの?」
「はい……これを、撃ってハイスコアは……わたし達とまもるくんの名前で、埋め尽くしましょう」
 ひらめいたと云わんばかりに攻略方法をこだわるフェリシアにサイズは「重火器を疑似体験と思ったが、案外日常アイテムが武器になるんだな」と呟いた。
 どんなゲームでも反射神経や反応力が長ければ良いと聞いてきた。ただ、実践的なイレギュラーズの能力とシューティングゲームは少し違うか――最初は慣れていなかったが幾度かプレイすれば此方のものだと云うように二人はクリアに向かって猛進し続ける。
 まもるくんとメイは次は4階だと意気揚々と向かえば大人っぽくダーツをしようと千尋に誘われたユリウスがまじまじとダーツゲームのやり方を確認している。
「要するに、的の真ん中に当てれば良い競技だと聞いた。
 身体を使う分、ぴこぴこよりはわかりやすい。これなら私でも幾分マシな戦果があげられるだろうか」
「ぴこぴこ」
 けらけらと笑った千尋にユリウスは大きく頷いた。最初は練習しようとユリウスが色々と試してみる。まもるくんとメイ、そして花丸やジョーイの一行が四階に辿り着けば「お、来た来た!」と千尋がユリウスの肩を叩いた。
「ルールよくわかんねえけどアレだ、とりあえず5回投げて合計得点高い奴が勝ちって感じでいんじゃね?
 負けたほうがアイスおごりな! ゲーセンだからアイスの自販機ぐらいあるだろ。俺チョコミントね。見てなまもるくん、超カッコイイ俺の超カッコイイ所をよ!」
「ああ。私の命中は低いが、それでも当たる時は当たるものだ。
 遊戯と言えど、勝負事であるならばそう簡単に負けるわけにはいかない。全力で行かせて貰う……!」
 アイスを奢る約束をして、二人はダーツ勝負。ユリウスの武器は貫通力であるそうだ。一方で、千尋はといえば野球のピッチャーのようなフォームで全力投擲を繰り返す。
「あれって、刺さるんですか?」
「さあ……」
 顔を見合わせるひよのと亮に「これが刺さるんだよ! ふたりともやってみるかい?」と輝かんばかりの笑顔を浮かべる。
 千尋とユリウスの勝負は貫通力でユリウスの勝ちだった。
「私が勝ったら……そうだな、真ん中で二つに割れるものにしよう。さあ、いいだろう?」
「く~~~、その優しさが沁みる!」
 半分のアイスバーを手にした千尋は笑いながら財布を開く。
「……こういう勝負ってよ、勝っても負けても楽しいって思い出は残ると思うんだよな。
 あ、まもるくんどれ食べる? おごってやるよ。何、気にすんな。年上の好意は受け取っとくもんだぜ」
 いいの、とメイをちらとみたまもるくん。千尋は「どれがいい?」と問い掛けたそばでユリウスは「ふむ」と呟いた。
「伊達千尋はまもるくんに…では、私は月原亮やメイ=ルゥたちにアイスを奢ろう。遠慮はしなくていい」
「わーい! メイも奢って貰うですよー!」
 ぴょんと跳ねたメイは「まもるくんと一緒のにします!」と微笑む。亮はと言えば、「じゃあ俺はひよのに奢る」と慌てたように振り返った。
「月原くん、それでは半分に割れるものを二つください。私と花丸、なじみとジョーイさんで食べます。
 そのあと、サイズさんとフェリシアさんにも奢るアイスを用意しておくのですよ?」
 ひよのの冗談にユリウスは「月原亮だけ出費が多めになってしまったか」と呟いた。
「じゃあ俺は一人で食べる奴にする!」
「亮さんはよくばりなのです」
 メイとまもるくんが顔を見合わせてくすくすと笑う。そうやって二人が笑っているだけでジョーイは心がほんわかと温まる気がしてきた。ジョーイは両手一杯に皆のジュースを抱えている。まもるくんの分も勿論購入済みだ。
「楽しいね」と花丸は柔らかに笑いかける。まもるくんはきょとんとした後に大きく大きく頷いた。メイと亮が一緒に取ったぬいぐるみをぎゅうと抱き締めた小さな少年は「楽しいね」と頷く。
(……しかし、小さな子供をゲームセンターに連れていく事に多少心配するところもあったけれども、何事もなく終わりそうね。
 まぁ、メイもイレギュラーズの一人だし、心配するだけ野暮なのだけれども)
 レジーナはくすりと笑った。遊びすら戦いの道具にした自身の世界と違って『楽しい』を沢山沢山教えてくれる場所だから。サイズとフェリシアはハイスコアの画面にまもるくんという名前を飾れた事を喜び「見て欲しい」と微笑んだ。そろそろお別れの時間だろうか。
 ぎゅう、とメイと手を繋いでいたまもるくんの頭を撫でて千尋は「ほら、あそこが出口だよ」と告げる。
「……おうちにかえれる?」
「ああ。帰れる」
 頷くユリウスに、不安げなまもるくんに「……大丈夫、ですよ」とフェリシアが肩を叩く。
「迷路みたいだったろうが、安心してくれ。外に出るまで側に居る」
「ええ。楽しかったならば、楽しかったなあと笑ってでるのよ」
 サイズとレジーナに頷いて。まもるくんは緊張したように千尋の手をぎゅうと握った。
「ぬいぐるみと、アイスと、ジュースと、たのしかった」
「うんうん。太鼓も楽しかったし、まもるくんは上手だったね」
「太鼓、もっとやりたいな」
「またやりましょうですぞ!」
 花丸とジョーイは「またね」とひらりと手を振った。一歩ずつ、進んでいくまもるくん。
 もうすぐ外だ。おかあさんと、おとうさんが外では待っているのだろう。きっと――彼にはそう見えた。

「おねえちゃん、おにいちゃん」

 くるりと振り返ってまもるくんはぎゅうとぬいぐるみを抱き締めた。ぱ、と手を離して外へ向けて走り出す。

「またね」

 ――ぽとり、とぬいぐるみが落ちた。その様子にメイは「またね」と微笑んで。
 そっと落ちたぬいぐるみを抱き締めてから「ゲームセンターはたのしいのですね」と微笑んだ。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 えんじょいげーむ!

(ありがとうございました!)

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