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シナリオ詳細

悪食は人さえ食らう

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●巨大鯉に食われた漁師
 豊穣、鹿野川(かのかわ)。熟練の職人による大鰻狩りの風景が夏の風物詩となっているこの川だが、さすがにそれだけで鰻狩り職人達が一年食べていけるわけではない。鰻狩り職人達は、普段は漁師として川で魚を獲り、生計を支えている。
「……ん? 今、水の中で何か動きましたよ?」
「お、そうか? よし、網を投げろ!」
 漁に出ている一隻の小舟の上で、まだ見習いの若い漁師が、川の中の濁りが不規則に動くのを見つけた。魚が泳いでいる証だ。それを受けて、老いた漁師が若い漁師に指示を出す。しかし、結果から言えばこれは誤りだった。
 ザバン、と水中から巨大な何かが迫り上がり、船を押し上げて転覆させる。ボチャンと水中に放り出された二人の漁師は、ガパッと開かれた巨大な口の中に次々と飲み込まれていった。
「……な、何だあれは!」
「五郎兵衛と弥彦が食われたぞ!」
「に、逃げろぉ!!」
 近くで二人と同様に漁をしていた漁師達は、目の当たりにした光景にまず驚愕した。そして恐怖に囚われ、一目散に陸へと逃れていく。幸い、さらなる犠牲者が出ることはなかった。
「あれは一体、何だったんだ?」
「俺ぁ見たぞ。化け物みたいにでけえ鯉だった」
「何で、そんなのがこんなところに……」
「……それよりも、このままじゃ漁にならねえぞ」
 二人の漁師を飲み込んだ巨大鯉に、漁師達はガクガクと怯える。さすがに、人を飲み込むような鯉がいる場所で漁など出来るはずがなかった。

●漁師達の懇願
(あの漁師達は、今頃如何しているでしょうか?)
 新田 寛治(p3p005073)は、久々に鹿野川を訪れた。かつて寛治は人手不足に陥った大鰻狩りを手伝った上で、イレギュラーズの助けがなくても大鰻狩りを持続出来るようにサポートやアドバイスを漁師達に行ったことがある。
 高天京での決戦に参加し、決着を迎えた寛治は、ふとそのことを思い出して足を運んでみたというわけだ。
「おお、あの時の神使様! 助けて下され!」
 寛治の姿を認めた漁師達は、地獄に仏を見つけたかのような有様で、助けを求めて縋ってくる。漁師達を何とか冷静にさせて寛治が事情を尋ねると、後継者の確保は上手く行きつつあったものの、巨大鯉の出現によって漁がままならなくなってしまったと言うのだ。
「それはいけませんね。では、今回も一肌脱ぎましょう」
 このままでは、鹿野川の漁は大鰻狩りもろとも潰れてしまう。そうなってしまうのは、大鰻狩りが今後も続くように尽力した寛治にとって面白くない。
 幸い、今のタイミングならまだ高天京に誰かしらが残っているだろう。寛治は一度高天京に戻り、巨大鯉を退治するために仲間を募ることにした。

GMコメント

 こんにちは、緑城雄山です。今回は、新田 寛治(p3p005073)さんのアフターアクションからシナリオを用意しました。鹿野川に棲み着いた巨大鯉を退治して、漁師達が漁を再開出来るようにして下さい。

●成功条件
 巨大鯉の死亡

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 また、PCが巨大鯉の中に呑み込まれる描写が発生する可能性があります。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●ロケーション
 鹿野川。時間帯は昼間、天候は晴天。
 川の中は濁っているため、水中からにせよ水上からにせよ敵の位置を掴むのに視覚だけに頼っていると命中、回避にペナルティーを受けてしまいます。
 船は貸してもらえますが、OP前半で描写したように転覆させられる危険性はあります。
 巨大鯉は基本的に水中にいるため、【火炎】【業炎】【炎獄】を持つかフレーバーで火属性と判断される攻撃については、威力が大きく下がります。

●巨大鯉
 いつの間にか鹿野川に棲み着いた、体長15メートルほどの巨大な鯉です。鯉の例に漏れず悪食で、口の中に入るものは何でも食らいます。
 とにかく生命力が極めて高く、それに比して攻撃力や特殊抵抗も高くなっています。防御技術はそれなりで、回避はその巨体故に低くなっています。
 また、攻撃する対象は水中の敵に限らず、空中の敵に対しても高度10メートルまでであれば飛び上がって攻撃してきます。
 もし倒した後で食べるのであれば、【毒】【猛毒】【致死毒】【麻痺】【呪縛】【石化】を持つ攻撃は使わない方がいいでしょう。

・攻撃手段
 体当たり 物超単 【移】【万能】【弱点】【乱れ】【崩れ】
 丸呑み 物超単 【移】【万能】【無】

・丸呑みされた場合
 巨大鯉に丸呑みされた場合、毎ターンの最後に消化液によって【必中】【防無】【必殺】付きで固定ダメージを受けます。この消化液によってHPが0になった場合、いずれ死亡します。
 一方、呑み込まれた側も力尽きるまでは、【必中】【防無】扱いで巨大鯉に攻撃を行うことが出来ます。そうして中から巨大鯉の身体を突き破れるほどのダメージを与えた場合、巨大鯉の体内から脱出出来ます。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

  • 悪食は人さえ食らう完了
  • GM名緑城雄山
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年12月16日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (8人)

セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)
一番の宝物は「日常」
九重 竜胆(p3p002735)
青花の寄辺
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
すずな(p3p005307)
血雨斬り
ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)
黒狼領主
シガー・アッシュグレイ(p3p008560)
スモーキングエルフ
瑞鬼(p3p008720)
幽世歩き
クルル・クラッセン(p3p009235)
森ガール

リプレイ

●巨大鯉を前にして
 水鳥が、餌を求めて鹿野川の水面へと近付く。だが、その鳥は知るはずもなかった。その瞬間、自身が食われる側に転じたと言うことを。
 ザバァ、と派手な音を立てて鹿野川の水もろともに巨大な鯉が跳ね上がり、不運な水鳥を丸ごと呑み込むと再び鹿野川の中へと沈んでいった。水の上に出てこなかった部位を含めれば、十メートルは優に超えているだろう。
「あれは……鯉? え、でっか!? 何です、この大きさ……!」
 『ファンドマネージャ』新田 寛治(p3p005073)の呼びかけに応じて鹿野川に来た『血雨斬り』すずな(p3p005307)は、鯉と言うには大きすぎる巨体に呆然とする。
「……このサイズで悪食となれば、食べられないものは無さそうですね」
 寛治も実際にこの巨大鯉を目の当たりにするのは初めてであったが、確かにこれなら漁師を呑み込んでも不思議はあるまいと思われた。
「今度は鯉か。しっかし人を飲み込む大きさとはのう」
 かつて寛治と共に鹿野川で巨大鰻狩りをしたことのある『幽世歩き』瑞鬼(p3p008720)にしても、巨大鯉のサイズには驚きを禁じ得ず、呆れたようにつぶやいた。
「鯉が滝を登って龍になる……なんて話を聞いた事あるが、サイズだけ見たら龍みたいなもんだな、これは」
「まさかこの様な巨大鯉が姿を現すとはな……確かに、これは漁師達にとって大きな脅威だろう」
「人さえも丸呑みにしてくる、おっきな鯉……!」
 瑞鬼にしてそうなのであるから、『スモーキングエルフ』シガー・アッシュグレイ(p3p008560)や、『黒狼領主』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)、『一番の宝物は「日常」』セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)と言った面々が驚嘆するのも無理は無い。
「サクッと、退治してしまうとしよう」
「話を聞いた以上は、放ってはおけん」
「これ以上被害を増やさないためにも、やっつけちゃわないと!」
 だが、彼らは驚きこそすれども、恐れたり怯えたりなどはしない。むしろ、被害を食い止めるべく巨大鯉を退治せんと意欲を燃やしていた。
「人を飲み込んじゃう位って、ものすっごい大きさの魚だねー。
 美味しいのかな!? 頑張ってやっつけて、鯉料理にして貰っちゃおうねー!」
 『森ガール』クルル・クラッセン(p3p009235)は、食糧としての巨大鯉に興味津々であり、退治した後の鯉料理が楽しみで仕方ないと言った様子だ。
「わしも、終わった後に食えるのなら励むとするぞ」
(……こんな鯉でも、食べる気満々なんだねぇ。
 折角だ、調理をするってんなら俺もご相伴に預かるとしよう)
 巨大鯉を食べる気なのは、瑞鬼やシガーも同じらしい。もっとも、巨大鯉の退治を皆に持ちかけた寛治からして、毒餌で駆除と言う手段を執らないあたり食べる気は満々なのだ。

●船と船を繋ぎ合わせ
「これで、準備はバッチリね」
 縄で繋がれた何隻もの船同士を前に、『青花の寄辺』九重 竜胆(p3p002735)は額の汗を拭った。巨大鯉が船を転覆させてくるのならと、転覆を防ぐために寛治やクルルの持つ船に加え、漁師達から借りた船同士を繋ぎ合わせたのだ。
 イレギュラーズ達が巨大鯉を退治すべく鹿野川へと進み出してしばらくすると、水中の水を掻き分けて進む音が竜胆の尋常ならざる聴覚によって捉えられる。
「――いたわ! 二時の方向!」
 竜胆は巨大鯉の発見を仲間に告げると、両手に握る二振りの刀を振るう。剣閃は飛翔する刃となって、水中に突き進んだ。刃は巨大鯉に命中し、水面をだんだんと紅く染めていった。
(迷いの無い太刀筋、見事ですね……)
 同じ剣士として竜胆の振るう剣に興味を持っていたすずなは、巨大鯉の位置を確認するやすかさず振るわれた竜胆の剣閃に感嘆の念を抱いた。
「長々と戦いたい相手でも無いな……狙うは短期決戦、最初から全力で行くぞ!」
 ベネディクトは黒き大顎を召喚して水中へと放つ。バチャバチャと大顎が突入した辺りの水面が揺れ、大顎に噛みつかれて暴れる巨大鯉がその一部を水面に覗かせた。
「そこですか。居場所さえわかれば、こちらのものです」
 寛治はベネディクトに続いて黒き大顎を召喚。大顎は巨大鯉を狙って水中に突入し、立て続けに大顎に噛みつかれた巨大鯉はより激しく水中で暴れ回る。
「試しにドーナツを投げてみるまでもなかったか。疾く、黄泉路へと招いてやろうぞ」
 食べかけのドーナツを手早く飲み込んだ瑞鬼が放ったのは、敵を幽世へと誘う陰気だ。瑞鬼の陰気を受けた巨大鯉は生命力を奪われた故か、暴れていた巨大鯉の動きはやや鈍くなっていった。
 ここまでのイレギュラーズ達の攻撃によって、鯉のいる場所の水面はすっかり紅く染まっていたが、その紅色がスウッと船を繋ぎ合わせた足場の下に伸びる。だが、その動きは既にイレギュラーズ達に読まれていた。
 巨大鯉は下から足場を突き上げてひっくり返そうとするが、何隻もの船が連なっている足場はぐぐっと大きく持ち上げられるものの、ひっくり返すには到底至らない。むしろ、そうすることで自らの位置をはきりと教えてしまっていた。
「近付いてきたなら、こちらのものです」
 竜胆に負けていられないとばかりに、すずなは足場を押し上げる巨大鯉の水上に現れた部分を、船同士を上手く避けつつ長尺刀『竜胆』で嵐の如く幾度も斬り刻んだ。
「サッサと、ケリを付けてしまいたいものだ」
 すずなに続いて、巨大鯉の身体が水上に出ているうちにとシガーが仕掛ける。シガーが振るう変幻の邪剣は、狙いを過たず巨大鯉のエラにザックリと深い傷を刻んだ。
「わたしも、畳みかけるよー」
 クルルは足場伝いに巨大鯉から出来る限りの距離を取ると、大樹ファルカウの小枝から作り出された短弓を引き、矢を放つ。矢がシガーがエラに刻んだ傷をさらに抉るように突き刺ささると、短弓から矢にもたらされた霊力が巨大鯉の動きをさらに鈍らせる。
(船を繋いだお陰で、川に転落せずにすみそうですね)
 となれば、巨大鯉に丸呑みにされる危険も大きく減少するだろう。油断こそ禁物ではあるが、安心して戦えるとなれば全力で戦うまでだ。全身の魔力を集中したセリカは、突き出した掌から巨大鯉の頭に向けて散弾の如く魔力を放った。魔力の弾丸の一つ一つが、巨大鯉の頭部を強かに打ちのめす。
 イレギュラーズ達の攻撃をことごとく受けた巨大鯉は、足場をひっくり返すことも出来ずに川の中へと沈んでいった。

●逃走は果たせず
 水中に沈んだ巨大鯉はかなり弱らされていることもあって、得体の知れない敵からの逃走を図った。だが、如何に透明度の高くない鹿野川といえども、その身体から流れ出る大量の血をイレギュラーズ達から覆い隠すことは出来なかった。
 水面に見える血の流れを頼りに、イレギュラーズ達は寛治とクルルが持ち込んだ船を操縦することで足場を動かして、巨大鯉を追跡しつつ攻撃を仕掛けてその生命力をどんどんと削り取っていく。
 そして巨大鯉への追跡行は、ほどなくして終わりの時を迎えんとしていた。最初は傷を負っているとは思えない速度で逃れていた巨大鯉であったが、時間が経つにつれてその速度は鈍くなる一方となった。

「そろそろ仕留めるぞ、新田。俺は右から狙う」
「わかりました。では、私は左から攻めましょう」
 巨大鯉が倒れるのは近いと見たベネディクトが、寛治に声をかける。寛治はベネディクトの言葉に、意図はわかっているとばかりに頷いた。
 まずベネディクトが黒い大顎を召喚して、水中にいる巨大鯉の右側と思しき辺りに放つ。その軌道を確認した寛治は、巨大鯉の左側ならこの辺りだろうと言うポイントに当たりを付けて、黒い大顎を放った。
 二つの大顎は水中に潜ると左右から挟み込むように巨大鯉に迫り、その身に食らいついていく。大顎が到達したであろう辺りの水面が、ぶわっと一気に紅く染まった。
「さすがにもう、終わりのようね」
「おぬしも仕舞いじゃ。わしらの糧にしてやろう」
 すかさず、竜胆と瑞鬼が続く。竜胆は空中に飛行し、空の上からヒュッヒュッと両手の二刀を振り、敵へと飛翔する二つの刃を発生させる。そして瑞鬼は水中の巨大鯉に狙いを定めるようにして掌を突き出すと、敵を幽世へと誘う陰気を放った。
 水中へと突き進んだ刃と陰気を受けた巨大鯉は、さらにその生命を削られて最早虫の息に陥った。水面の紅がさらに濃くなると同時に、弱って水中に沈んでいられなくなったのかプカリとその姿を現す。だが、最期の足掻きだろうか。バチャバチャと水を飛び散らせながら、水面で暴れる。
「足場を、鯉の側に寄せるよー」
 巨大鯉が弱り切っていると見たクルルは、巨大鯉の側に足場を寄せると、船の上から巨大な土塊の拳を生やし、巨大鯉の頭部をガツンと強く殴りつける。
(もう、逃げられないよね)
 川の中に逃れられないとなれば、あとは仕留めるだけである。セリカはクルルに続いて、魔力の散弾を土塊の拳が殴りつけた辺りに叩き付けた。
 クルルとセリカの攻撃を立て続けに頭に受けた巨大鯉は、もう暴れる余力さえも失ったかビクリ、ビクリと身体を震わせるのみとなった。
「止めと、いきましょうか」
「そうだな、〆てしまおう」
 すずなはザブリと川の中に飛び込んで、足場と逆の側へと回り込み『竜胆』を構える。その意図を察したシガーも、足場の上から『精霊刀-熱砂-』を構えた。
 片や川の中から、片や足場の上から、刀が左右のエラをめがけて突き出される。ズブリ、と二本の刀が左右から深々と巨大鯉のエラを貫くと、巨大鯉は一度だけビクビクと大きく震えた後、くたりとその力を失った。巨大鯉は、息絶えたのだ。

●巨大鯉の宴
「それでは、陸に引き上げて料理といきましょう。洗い、鯉こく、甘露煮あたりは定番ですね。
 ですがこの大きさだと、それだけでは足りないでしょう」
 巨大鯉との戦闘が終われば、今度は料理の番である。巨大鯉は戦闘によって傷を負った部分も少なくは無いのだが、そうした部分を取り除いても食べるには十分以上の身が残っていた。
 まずは血抜きであるが、これはあっさりと終わった。戦闘している間に、ほとんどの血が流れ出ていったからだ。そして竜胆、すずな、シガー、瑞鬼といった面々が、その身を刀で切り分けていく。
「刀で鯉を捌くことになるとは、思わなかったわね」
「包丁でちまちま捌くよりは、手っ取り早いけどな」
 苦笑いする竜胆に、シガーが応じる。何しろ、大きさが大きさであるから、シガーの言うとおり大まかに切り分けるなら刀の方が話が早い。
「洗い、甘露煮、鯉こく……楽しみだのう」
「どれも、美味しそうな名前ですね」
 瑞鬼が口にした鯉料理の名前を聞いたすずなは、鯉を食べるのが初めてとあってその料理が楽しみで仕方ないと言った様子だ。
「ふぅ……これは、なかなかの重労働だな」
「美味しい料理のためだよ。頑張って!」
 ベネディクトは何度も井戸と川辺を往復して井戸水を運び、クルルはその井戸水で切り分けられた身をさっと洗いつつベネディクトに声援を送った。
「ん……いい感じ♪」
 漁師達と共に鯉料理の準備にあたっているセリカは、何処にあったのか一人で抱えきれるかどうかと言う大きさの大鍋に入った、鯉こく用の味噌の味を見て満足そうに笑みを浮かべた。
 そうこうしているうちに料理の準備が一通り整う。その頃には漁師達やその家族、近くの村人達までが集まっており、ちょっとした宴といった規模になっていた。
 用意されたのは、洗い、鯉こく、甘露煮などの定番をはじめとして、シンプルな塩焼き、衣を着けた天ぷら、数度唐揚げにして甘酢をかけた甘酢あんかけなど。
「うむ、やはりこのコリコリとした歯応えはたまらんのう」
「ほう、これはなかなか面白い食感だな」
 まず洗いを堪能しているのは瑞鬼。ベネディクトも独特の食感を楽しんでいる。
「味噌の濃い味を鯉の身がしっかり受け止めていて、美味しいです!」
「そうだよね! たっぷりあるから、どんどん食べてね!」
 鯉こくを口にしたすずなは、初めての味にもぐもぐと味噌の味の乗った鯉の身を頬張っていく。調理を担当したセリカは、その様子に嬉しそうにしながら自らも鯉こくを味わっていく。
「あっさりしてるのに旨みがあって、癖になりそうだな」
「そうね。元気になれる味だわ」
 シガーが味わっているのは、塩焼きだ。淡泊ながらも旨みのある身にちょうどいい塩梅の塩気がマッチして、どんどん次が欲しくなってくる。
 竜胆はシガーに同意しつつ、漁師やその家族達を見やった。仲間を喪うと言う辛いことはあったけれど、彼らはどうやらそれを乗り越えて前に進んでいけそうだと、微かに笑った。
「ねー、どれも美味しいよねー」
 クルルは漁師達や村人達の間に溶け込みながら、楽しそうにあれこれと摘まんでいる。明るく美味しそうに鯉料理を楽しむその姿は、人々を和ませていた。
(一仕事を終えた後の一杯、いいものですね)
 寛治は皆の様子を眺めながら、豊穣産の酒――いわゆる日本酒――を甘露煮と共に嗜んでいた。豊穣産の酒も、ちょうど新酒の季節である。味の乗った旨口の酒は、こちらも旬である鯉によく合っていた。

 巨大鯉を退治し、鯉料理をたっぷりと堪能したイレギュラーズ達は帰途に着く。その際、鹿野川を振り返って瑞鬼が独り言ちた。
「しっかし鰻に鯉とここの川はなんでも馬鹿でかくなるのう。
 まさか他も大きくなっておったりはせんよな?」
 人、それをフラグと言う……かもしれない。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 この度はリプレイの執筆が大幅に遅れてしまい、大変申し訳ございませんでした。長らくお待たせしてしまいましたこと、慎んでお詫び申し上げます。
 さて、鹿野川の漁師達を恐怖させていた巨大鯉は無事に退治され、イレギュラーズ達によって食されました。
 シナリオへのご参加、ありがとうございました。

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