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シナリオ詳細

再現性東京2010:首盗り塚の声

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●再現性東京2010:首盗り塚の声
 練達の一区画に存在する『再現性東京』。
 その一区画の『希望ヶ浜』地域。
 高層建築物に囲まれたコンクリートジャングルの様な場所、緑が広がる公園の様な場所……自然と都会の雰囲気が折り重なった様な、不思議な空間。
 ……そんな不思議さを象徴するかの様に、高層ビルが立ち並ぶ一角にぽつん、と緑広がる小さな公園があり、そこには……威風堂々と建立された墓が存在している。
 そして、そんな墓には当然の如く、つきまとう怪談話。
「んー。ねえ、みんなさー、こんな話知ってるー? 高層ビルのど真ん中に幽霊が出るって話!」
 と、希望ヶ浜に存在するとある高校の三年生のとあるクラス。
 もうすぐ二学期も終わり、暫くの間学校で会えなくなる訳で……それを寂しいなと考えたとある女子高生が、連れの仲間達にそう話しかける。
「あー、何か聞いた事あるわー。何だか昔々、すっごい有名なショウグンサマって言うヤツがお墓の中に居るんだよね?」
「そうそう。それでそのショウグンサマってのが、深夜になると首無しで歩き出すって話なの。ヤバくね?」
「そりゃヤバイっしょ! でもそのショウグンサマってなんだろーね? 偉いのかなー?」
「偉いって、でも死んじゃったらどーしよーもないじゃん! まぁ、偉いならさー、お願いとか叶えてくれるんじゃね?」
「えー、お願い叶えてくれるだなんていいショウグンサマじゃん! うちらさー、冬休みに入ったら暫く暇じゃん? 三学期ってさ、みんな進学とか卒業式とかでで会えなくなるしさー。旅行も面倒臭いし、近場ですまさね?」
「ん、面白そうじゃん。んじゃー今日の夜行っとく?」
「行く行くー!! んじゃ、24時に近くの駅集合ね!! あ、家族には何やかんや言っといて。うちに泊まるとかでさ」
「りょーかい!」
 と……彼女達は恐怖を知る事も無く、単なる思い出作りに怪談の舞台へと行こうとしていた。


「肌寒くなってきた頃合いだけどさー、怪談話って冬も面白いと思わない? ほらほら、みんなー、なじみさんの怪談話、聞いていかないー?」
 と、綾敷・なじみは、カフェ・ローレットに居る『希望ヶ浜学園』に潜入しているイレギュラーズ達に、そんな言葉と共に怪談話、というキーワードで、解決出来そうな人を探していた。
 そして、その言葉に気付いたイレギュラーズがなじみに声を掛けてくれた人を呼び込んで。
「えっとね、今回希望ヶ浜の高層ビルが立ち並ぶど真ん中に、ちょっと大きなお墓があるんだよねー。何だか『首塚』とか言われて居るお墓みたい。でも、そんなお墓には怪談話があって、首の無い、刀を持った人が深夜2時に現れるって話なんだって。それで、これがどうも『悪性怪異:夜妖<ヨル>』ってモノみたいなんだよ!」
「この夜妖は、自分の墓に無礼な事をする人に対し、首を狩るべく刀を振るい、攻撃してくる様なんだ。勿論、無礼な事をしなければ夜妖と言えども出てこないみたいなんだけどね」
「でもさ、どうもこの噂話を聞きつけた『女子高生』達が、変に面白がってこのお墓に行こーって話しをしていたらしいんだ。このままじゃ、女子高生達の首がお墓に並ぶことになっちゃうから、皆にはこの事件を未然に防いできて欲しいって訳!」
「まぁ、彼女達は事件が起きなければ、何も起きなかったーって言って次の事件を起こしちゃうかもしれないから、少し怖い目に遭って貰う必要はあると思うんだ。その辺り、どうするかはみんなに任せるけど、兎に角女子高生達の首を取られるような事がない様にしてきてって訳。それじゃ、宜しく頼むね!」
 と皆を笑顔で送り出すのであった。

GMコメント

 皆様、こんにちわ。緋月 燕(あけつき・つばめ)と申します。
 今回の依頼ですが、練達『再現性東京』の、希望ヶ浜にある、とある高校での依頼となります。
 
 ●再現性東京2010街『希望ヶ浜』
  練達には、再現性東京(アデプト・トーキョー)と呼ばれる地区がある。
  主に地球、日本地域出身の旅人や、彼らに興味を抱く者たちが作り上げた、練達内に存在する、日本の都市、『東京』を模した特殊地区。
  ここは『希望ヶ浜』。東京西部の小さな都市を模した地域だ。
  希望ヶ浜の人々は世界の在り方を受け入れていない。目を瞑り耳を塞ぎ、かつての世界を再現したつもりで生きている。
  練達はここに国内を脅かすモンスター(悪性怪異と呼ばれています)を討伐するための人材を育成する機関『希望ヶ浜学園』を設立した。
  そこでローレットのイレギュラーズが、モンスター退治の専門家として招かれたのである。
  それも『学園の生徒や職員』という形で……。

 ●成功条件
   卒業間近な、怖い物知らずの女子高生達3人から、
   『悪性怪異:夜妖<ヨル>』を全て退治する事です。

 ●情報精度
  このシナリオの情報精度はBです。
  依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

 ●周りの状況
   今回の敵である悪性怪異:夜妖<ヨル>ですが、そのお墓に無礼を働いた人を攻撃してきます。
   女子高生達は三人居て、もう怖い物知らずなので皆さんが何もしなければ、お墓の近くで大声で喋ったり、墓石に足を乗せたり……と様々な無礼な事をしてしまいますので、当然現れる夜妖も彼女を殺そうとします。
   勿論、皆さんが確りと対処出来れば大丈夫だと思いますが……彼女達が怖い目に遭わないと今後も続けてしまいかねないので、その点どうするかはちゃんと作戦立てて頂ければと思います。

 ●討伐目標
  敵は悪性怪異:夜妖<ヨル>が2体です。
  二体だけではありますが、攻撃力、体力はかなり高い様です。
  姿は正しく武士の姿……ただ、その手には赤黒く輝く刀が両手に握られています。
  その二刀流で攻撃してくるので、常に二回攻撃となります。
   刀を空に振り薙ぎ、気合いを込めると自己回復及び『BS無効』の自付。
   刀を振るい、攻撃する事でHP吸収と『流血』の効果。
  以上二つの攻撃手段で仕掛けてきます。
  又常時自分に『覇道の精神』の効果が発動されていますのでご注意下さい。

  それでは、イレギュラーズの皆様、宜しくお願い致します。

  • 再現性東京2010:首盗り塚の声完了
  • GM名緋月燕
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年11月24日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談6日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)
記憶に刻め
すずな(p3p005307)
信ず刄
白薊 小夜(p3p006668)
永夜
ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)
名無しの
イスナーン(p3p008498)
不可視の
鏡(p3p008705)
エクレア(p3p009016)
影の女
ラヴィ(p3p009266)
魔法少女

リプレイ

●不敬の極み
 練達の一区画に存在する『再現性東京』。
 その『希望ヶ浜』地域の、高層建築物に包まれた一角には、緑の広がる公園の様な所が存在しており、更には威風堂々と建立された墓が鎮座している。
「つまりは首塚、という訳ね……」
 と、『名残の花』白薊 小夜(p3p006668)がぽつりと呟くと、それに頷く『魔法少女』ラヴィ(p3p009266)。
「ああ……こちらの世界にも、似たような怪談話があるんですね……」
「そういう訳ね……でも、ここは再現性東京。本当にショウグンサマが居たわけでもなし、不思議よね?」
「そうですね、そういった話は尾ひれが付いていつの間にか回ってくるものですし……まぁそれはさておきとして、自業自得とは言え女子高生たちの首が並ぶ事態にならないようにしなくてはいけませんね」
「ええ。本来在りもしない怨念に殺されるなんてあんまりだもの。学生さん達はちゃんと助けてあげましょう」
 と、ラヴィと小夜の会話に対し、今回の女子高生達のやろうとしている事に対しぼやくのは『血雨斬り』すずな(p3p005307)。
「なんともはや……木もが据わっているというか、怖い物知らずと言いますが……中々に豪胆な人達ですね。流石の私もお墓に無礼を働くのは憚れますよ……」
 今回なじみから聞いた守護対象の女子高生達は、怪談話なんぞさほど気にしていない模様。
 ……今回も、怪談話を単に面白そうだから、という節で捕らえている模様で。
「墓場を荒らす幽霊が出るとは聞いた事があるが、夜妖まで出るとは驚きだね」
「まぁ、若い時分はちょっと怖い物知らずな方が良いと私も言われました。勿論、死なないのが前提ですがね……後、私はまだ若いです。誰かに言ってる訳ではありませんけど」
 『影の女』エクレア(p3p009016)に、『真庭の諜報部員』イスナーン(p3p008498)が肩を竦める。
 とは言えこのまま彼女達を放置すれば、夜妖の刀の錆になってしまう事は間違いない。
 そして『博徒』ニコラス・コルゥ・ハイド(p3p007576)と、『策士』マニエラ・マギサ・メーヴィン(p3p002906)も。
「まぁ刺激が受けたい、スリルを味わいたいってのは全然構いやしねぇさ。でもそんなに味わいたきゃ体験させてやるよ。とびっきりのナイトメア・シアターをよ」
「そうだね。まぁこれより怖い妖怪が出て来ない様にしないと。取りあえず、夜妖達を自分達の手で出現させるようにして行こうか」
「ええ、兎も角! 罰当たりではありますが、だからといって捨ておけないですからね。何よりも此の度の夜妖……とても、とても興味があります! 一体どんな太刀筋を見せて貰えるのか、楽しみで仕方ないですよ……!」
「余りに興奮して、先に出すぎないようにな? 取りあえず彼女達に危害が発生する前に、僕達もぼちぼち動くとしよう、墓地だけにね……ふふふふ。笑いたまえよ盟友諸君」
 エクレアの言葉に、引きつりながらも笑うイレギュラーズ。
 そして、既に事前に闇の中に潜り込んでいた鏡(p3p008705)を追いかけるように、イレギュラーズはちょっと不気味な雰囲気漂う公園に向けて進んでいくのであった。

●弔われずに
 そして、イレギュラーズ達は公園の中へ。
 時計を見ると、0時をちょっと過ぎた位……周りに人気は全く無く、薄気味悪い雰囲気が漂っている。
 そんな異質な空間に雄々しく建てられた首塚は、まるで周りの人々を威圧するが如く。
「取りあえず、女子高生がもうそろそろ来ると思う。さっさと始めようか」
 とメーヴィンの言葉にすずなは頷き。
「それじゃ、女子高生達が来たら、ニコラスさん、鏡さん、宜しくお願いするわね」
「了解ですよぉ」
 ニコッ、と笑みを浮かべた鏡と、頷くニコラス……そして二人は一端墓から距離を取っておく。
 そして。
「それじゃ、始めるよ」
 とメーヴィンが仲間達に一言言うと共に、取りあえずジャンプ。
 着地場所は……首塚の墓の上。
「よっ……と」
 そして墓の上で、更にガシッ、と足蹴にしてみたり……不敬と言われる様な事を次々と実行していく。
「ん……これで出てくる条件を満たせたかな? まぁ……立って待つのもあれだし、座っておこうか」
 と、更には墓に腰掛けるようにする。
 勿論、普段その様な事はしないけれど、今回は仕方なく……の筈。
 そうメーヴィンが不敬な事をして、首塚の夜妖を呼び寄せようとする一方で、エクレアはマイトポーションを自己付与。
 対し周りのイレギュラーズ達は……メーヴィンを見守る様に、姿を隠して待機。
 そして不敬な事をしていたメーヴィンに対し、周りの空気が段々と陰鬱とし始める。
 そんな気配に気付いてか、気付かぬかは分からないけれど……。
『ねーねー、こっちこっちー!』
『もー、ちょっとはしゃぎすぎー! でも何だか怖いねー。でも、面白そー!』
『うんうん! それじゃれっつごー!』
 と、騒がしくやってくる、女子高生達。
 ……それとほぼ同じくして、墓の近くに二体の悪性怪異:夜妖が出現。
「ん……出て来たか」
 とメーヴィンは言いつつ、墓を降りながら時分にソリッドエナジーを使用。
 更に彼女の下に、すずな、エクレアの二人も姿を現わし、対峙しつつ、時間稼ぎを開始。
 そんなイレギュラーズ達に対し、夜妖はウゥォオォ……と身の毛もよだつような呻き声を上げる。
 ……当然その呻き声は、近づきつつある女子高生達にも聞こえてくる訳で。
『……え? 何何あの声!?』
『こわーい、でも、おもしろそー!!』
 怖がっているのが一人、でも……他の女子高生達は、正直まだ全然驚いている様な感じもない。
 いや、むしろ、更に面白がっている様な感じすらある。
 そして恐れることなく、更に近づいてくる女子高生。
 ……そんな女子高生達を確りと観察していた鏡。
 口調と性格を噛み砕き、自分の中へと落とし込むと共に、ニコラスに合図。
 暗闇の中を歩く女子高生達の脇に、ニコラスが作り出した幻影を作り……更にその横へ、女子高生の一人に化けて紛れ込む。
 ……そして。
「あれ……ねぇ、あれを見て?」
 と、しれっと紛れ込んだ鏡が誘導する様に指を指す。
 壁に記されていたのはニコラスのドリームシアターによって描き出された血文字。
 『ショウグンサマ、深夜に、首無し、歩き出す』
 『死んじゃったら、ないじゃん』
 『お願い』『叶えて』
 『オネガイ シニタクナイヨ ワタシノカワリニ クビ チョウダイ?』
 と、恐怖を呼び寄せるような文字が並ぶ。
『え、えっ、えっ、えっ!?』
『何あれ……いや、こ、怖い!?』
『もー、そんな訳ないじゃん!』
 まだ一人、気丈に振る舞っている女子高生。
 でも、そんな女子高生に最後のだめ押しとばかりに、ニコラスが一番怖がっていた娘に対し、更にドリームシアターで作り出した幽霊を目の前にふわり、と出現させる。
 ……勿論、目がくりぬかれ、瞳孔より血涙流しながら、笑っている幽霊を見せつける。
『キャアア!!』
 甲高い声で叫び、彼女は取る物取らず、その場から逃げていく女子高生一人。
『あ、何処行くのよ!!』
 と呼びかけるも、当然立ち止る事無く……残された二人。
「貴方達、何をやっているのですか?」
 と逃げ遅れた女子高生達の前に、イスナーンが現れる。
 鏡が、逃げていってしまった女子高生がいる、と告げる……と、そろそろギフトの制限時間。
「分かりました。私が見に行ってあげるから、貴方達は先に家に帰りなさい!」
 と多少強い口調で帰るように指示。
 ……そこに。
『タチサレ、タチサレェ……!!』
 と、最後のだめ押しとばかりにエクレアが、低い声で一喝。
『いやぁぁ!!」
 流石に怖がっていたもう一人も、全力でその場から逃げ去っていく。
 残る一人の女子高生は……へなへなとその場に座り込んでしまう。
 そんな彼女を、取りあえず鏡が木陰へと連れて行く……と、そこで変身時間が切れてしまう。
「あぁ、時間ですかぁ……小夜ちゃ~ん、アレ、持ってきてくれましたかぁ?」
 と言うと、小夜は黒セーラー服をパッ、と渡す。
 ただ、ちょっと小さいような気がする。
「ぁ……ま、いいかぁ……丈もある程度長いみたいですし、見えないでしょ……それじゃぁ、行きますねぇ!」
 と、小夜と共に刀を持って、夜妖の元へと走り出す。
 ……そして、時間稼ぎをしていたメーヴィン達の下へ、皆が集結。
「良し……それじゃぁ始めるよ」
 と、己に紫皇魔術・夜行を発動し、近距離以外へのカウンター効果を付与しつつ、目前の夜妖に向けて。
「さぁ、気をつけるのは何も月の綺麗な夜だけの話じゃないんだ」
 と夜妖に宣言。
 とは言え夜妖は。
『ウルサイ……死ネ、シネェ……!!』
 怒りと共に、その手の刀を大きく振りかぶり、攻撃。
 いや、一体だけでなく、二体の夜妖が次々と仕掛けてくる。
「っ……!」
 その攻撃を、ギリギリの所で回避するメーヴィン。
「……セーラー服女子が古より甦った武士と斬り合うってなんかこう……ハリウッド? のB級映画にありそうじゃない? ……関係無い? ……たしかに」
 そんな事を呟く彼女は、まだまだ余裕そう。
 そんなメーヴィンの前に立ち塞がる様に鏡、すずな、小夜らが割り込む。
『……グゥゥウ……!!』
 と唸り威嚇する夜妖。
 それにニヤリ、と笑みを浮かべながらすずなは。
「小夜さん、鏡さん……誰の刃が首を穫るか、勝負と行きませんか?」
 と提案すると、鏡は。
「それは面白そうですねぇ……! 勝負ですよぉ!」
 と、満面の笑みと共に、その反応速度を活かした<唄三丁 矢筈斬り>を、その腕に向けて一閃する。
 しかし致命的なダメージには至らない。
 続いてすずなが、敵の懐へと潜り込むと共に、その首に狙いを定めて無窮の刃を二刀流で一閃。
 更に小夜がすずなと連携し。
「首が無い、という事は見えていないのよね? ふふ、おんなじね。まあ向こうは口もないし、答えられないでしょうけど」
 と口元僅かにくすりと笑い、彼女もなずなと同じ相手へ桜吹雪による一閃を放つ。
 流石に三人の連携攻撃でかなりの体力が削られた夜妖一体。
 一方で、もう一体の相手を惹きつける為に動くのはイスナーンと、ラヴィ。
「取りあえずもう一体を逆の方に惹きつけますよ」
「了解です」
 頷いたラヴィ。
 そしてイスナーンがリキッドペインをファルシオンの形状にしつつ、夜妖に名乗り口上を発動し、怒りを付与した上で仲間達とは逆方向へと移動。
 追いかけるように夜妖が動く……更には破式魔砲撃を発動し、渾身の一撃を叩き込む。
 そして、二体が直線上に移動した瞬間を見計らい、ニコラスもT.O.B.。
 最後に動くはエクレア……彼女はブレッシングウィスパーを使用し、仲間達を強化していく。
 次の刻も、最速で鏡が動く。
 勿論その狙いは、刀を持つ敵の腕への<唄三丁 矢筈斬り>……ただ、敵も然る者、刀を簡単には落とすような者ではない。
 しかし怒濤の如くの勢いで、すずな、小夜と連携し、次々と着実な一撃で傷付ける。
 そして、そんな仲間達の動きを補助する様、後方からメーヴィンのファントムレイザーと、ニコラスのW.O.F.が決まる。
 流石に夜妖もかなり不利な状況に陥っている事を理解したのか、今回の動きは刀を振り薙ぎ、気合いを込めての自己回復を行う。
「どうやら、かなり効いている様ですね……回復するのは少々面倒ですし、そのBS無効化はかなり面倒ですね」
 とイスナーンが注意喚起すると、それに小夜が。
「分かったわ……次まで待ってて」
 と頷く。
 そしてイスナーン自身は、ヘイトを墓を討つ事で稼げないか、の考えで、墓に攻撃。
 対しラヴィは、魔砲で更にダメージを重ね、エクレアはアウェイニングで仲間達を治癒。
 次の刻。
 約束の通り小夜がまず舞菊で、敵のBS無効効果をブレイク。
 そしてブレイクされた直後にすずなが太刀風。
 ……付与された恍惚効果を活かすように、鏡がブルーコメット・TSを発動……恍惚効果により、大ダメージ。
『グガァァ……!!』
 一層悲痛な叫び声が木霊し……それと共に一体目の夜妖が煙のように消え失せる。
「一体目、討伐完了ですねぇ……それじゃあ、二体目に行きますよぉ?」
 微笑みと共に、もう一体の夜妖をターゲット。
 イレギュラーズらが一気に間合いを詰めて包囲。
 対し夜妖は、再度刀を空に振り薙ぐ事で、BS無効の効果で切り抜けようとする。
「懲りもせずにBS無効ですか……ならばこれで行きます!」
 とラヴィが破式魔砲で、そのBS無効化を解除。
『グゥ……!!』
 強烈な怨みの視線を向けるも、ラヴィは視線を外す。
 そして、イスナーンがブルーコメット・TSで、更に恍惚の効果を付与し、そこにニコラスのクレセントサイズが命中。
 その後もすずな、小夜、ニコラス、イスナーンらが恍惚効果を付与し、その恍惚効果を活かして大ダメージを次々と叩き込んでいく。
 ほぼ毎刻繰り出される恍惚からの強烈な一撃に……夜妖らは耐えきる事も出来ずに、断末魔の絶叫を上げて、崩れ墜ちて行くのであった。

●風の憂い
 そして……無事に夜妖を倒した後。
『う……うぅ……』
 涙を零し、震えてその場に蹲っている女子高生一人。
 ちょっと可哀想……とは思うものの、でも後もう一息。
「さて、と……これで分かったよな? 例え幽霊に興味があったとしても、それを馬鹿にするよな事、したらダメだぞ?」
『で、でもぉ……こんな事になるなんて、思わないじゃない……!! 酷い、酷いよぉ……』
「酷いって、お前達が勝手に面白がってここに来たんだろうに……」
 と肩を竦めるメーヴィン、そして小夜が。
「取りあえず……さっさと帰りなさい。さもなくば……もっと恐ろしい羽目になるわよ?」
 小夜の宣告……それと共に、再びニコラスのドリームシアターと、鏡の『映し鏡』の効果を発動。
 更なる恐怖を彼女に刻みつけると。
『キャァアアア……!!』
 絶叫と共に、取る物取らずにその場から逃げ去っていく。
 そして、女子高生が居なくなった後。
「……あ、小夜ちゃん、着替え助かりましたぁ。洗って返すつもりでしたが、今日の報酬から弁償しますねぇ?」
 と鏡は、着替えを用意してくれた小夜に頭を下げる。
「ああ、この程度問題ないですよ?」
「いえいえ、私が悪いんです。普通着替えって言ったらそうですよねぇ……下着は考えませんよねぇ?」
 小夜と鏡の二人がそんな会話を交わしつつ、一方でエクレアは墓の下へ。
「……さて、先程の首無し兵が、この首塚から出た物かどうかは分からないけれど……騒がせて申し訳ありませんでした」
 と手を合わせつつ、墓を出来る限り綺麗にしていく。
 またエクレアは、周りを捜索し……夜妖の残骸がないかどうかを確認するが
「うーん、流石に無いか……」
 と、戦いの跡の痕跡がない事に僅かに落胆。
 とは言え、無事に女子高生を守りきったのは確か。
 そしてイレギュラーズは、幾つかの溜息を吐きつつ、首塚の地を後にするのであった。

成否

成功

MVP

鏡(p3p008705)

状態異常

なし

あとがき

再現性東京、首塚シナリオに参加頂きまして、ありがとうございました!
お墓への無礼、本当罰当たりな女子高生達でしたが……皆様のお陰で心にトラウマは残ったものの、恐らく……今後もうしない、と決意した事と思います。
皆様も、心霊スポットにはお気を付け下さい……ね?

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