PandoraPartyProject

シナリオ詳細

甘党? 辛党? かかってこい両刀!

完了

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●美味しいお酒には肴がつきもの
「この酒は何て言うんだい? 美味しいねぇ、このつまみも甘くて美味しい」
 一人の酔いどれ客――名をボーゲンと言う――が、チョコレートを齧りながら酒を煽る。この店はバーにしては珍しく、酒の肴には甘いものがメインだった。それは飴だったり、チョコレートだったり、クッキーだったり……。所謂子供が好むような「お菓子」である。それがあまりにも美味しいものだから、酒は控えめにお菓子をメインにつまみに来るような者もいるくらいだ。
 勿論普通のしょっぱいものも用意されている。干しイカ、燻製、塩漬け。どんどん酒が進むラインナップに、ボーゲンは上機嫌で言う。
「なぁバーテンさんよ。ここの客は、甘党と辛党、どっちが多いんだい?」
 それは中々難しい質問だった。此処は昼間こそカフェ経営をしているが、今はあくまでもバーであり、酒を提供する場だ。よって辛党のほうが多いはずなのだが……甘い酒の人気や、お菓子の美味しさもあって昨今は若い女性客や酒が苦手な男性客も増えている。
 しばらく考えて、バーテンはにこやかにボーゲンへ向かって「では数えてみましょうか」と言った。次にまたボーゲンが来店するまで、しばらく日数がある。その間に、甘党と辛党、何方が多いか数えてみようというのだ。
 中にはボーゲンのように、酒を飲みながら甘いものを食べるなんて両刀もいるだろう。それもまた計算に入れることにして、ボーゲンは「そりゃ楽しみだ!」とニィっと笑い、また酒を頼む。出来上がるまでにホイップのたっぷり乗ったプリンを食べ、どちらが多いか想像を巡らせる。
 と言うのも、このボーゲンのようにカウンターで両刀を披露する者はあまり居なかったから気になったのだ。世の中酒は辛口に限ると五月蠅い親父どもか、お酒は甘いものしか飲めないんですぅ~なんて言う女子ばかり。そして決まって彼らが口にするのは、塩分たっぷりの肴なのだ。勿論、それが悪いなんて言わないが。
 ――酒が辛かろうが甘かろうが、好きに飲めばいい。しかし、肴に甘いものがダメなんて、どこの誰が決めた? 俺だったら、美味しいものは両方同時に食べたいね!
「どうぞ、モンタナです」
「おー、ありがとなぁ!」
 くぃっとグラスを傾けるボーゲンは、口の中にまだ入っているホイップとブランデーを混ぜ合わせまろやかなコクを味わった。さて、そろそろ時間も日付が変わる。これを最後の一杯にして、あとは菓子をつまむとしよう。この期間限定ケーキでも頼んで、今日はお終い。
 ――さぁ、次来る時が楽しみだ。両刀のやつが俺以外にも結構いたら嬉しいんだがなぁ。
 そんな事を考えながら、ボーゲンはケーキにブランデーという組み合わせを楽しんだ。

●肴ってなぁに?
「皆にはお酒を飲んでおつまみを選んでもらいたいの!」
 ポルックスは集まったイレギュラーズにそう宣言した。ふざけているわけではない、あくまで真剣に、本を開いて「ここを見て」と指さす。
「ある男の人……ボーゲンさんって言うんだけどね。お酒の肴には甘いものでも良いじゃないって主張をはっきりさせる為に、バーに来る客の『選んだ酒の肴の種類』の人数を数えてほしいそうなの。未成年の人はお酒は頼めないけど、行ってくれる?」
 現地に着いてできることは、まずは酒を頼むこと。ノンアルコールのジュースでも可能だ。このバーは不思議と酒の名前を言えばそれが出てくるお店。カクテルでも焼酎でも、何でもござれ。次いで肴を頼む。此処がキモ。甘いものを頼むか、塩辛いものを頼むか、バーテンはしっかりと数を把握している。
 このバーは昼間はカフェをやっていることもあり、美味しいお菓子が充実している。クッキーにマドレーヌ、ケーキにパルフェ、期間限定のスイーツや甘味が、沢山揃っている。それを無視してまで、やはり酒の肴には塩辛いものが選ばれるのか……ボーゲンは気になってしょうがない。
「お酒飲んだ後ってラーメン? を食べたくなるらしいじゃない。っていうと、普通はしょっぱいものが合うのかなって思うけど……人の好みは其々だよね」
 実際、ボーゲンは酒を飲みながら肴に甘いお菓子を食べていた。こういう人も中にはいるだろう。イレギュラーズには好きに酒とおつまみを選んでもらって、バーテンさんの数える数に貢献して欲しいのだとポルックスは説明し終えて。
「お酒を飲んで、おつまみも食べられて。悪いお仕事じゃないと思うわ! 皆、好きなものを飲んで食べてきてね」
 ポルックスは「お菓子いいなぁ」と手を振って見送った。

NMコメント

 オープニングをご覧いただきありがとうございます。まなづる牡丹です。
 皆様お酒は好きでしょうか? 私は両刀です。ストロングなアレを飲みながらチョコ食べます。

 ※こちらは一章で終わるラリーノベルとなっております。

●補足
 酒(もしくはノンアルコールジュース。未成年は必ずこれになります)を頼み、一緒におつまみも頼む。酒は頼まなくても大丈夫ですが、おつまみは必ず頼んで下さい。
 オープニングにある通り、肴は塩辛いものも甘いものも大体何でも揃っています。プレイングに書いてあれば反映しますし、塩辛いか甘いかだけ明示して下さりあとはお任せであれば、こちらで合いそうなものを用意します。肴の数はバーテンさんが数えていますが、その世界の住人の分も数えられていますので、イレギュラーズだけで勝敗は反映されません。こちらのシナリオはあくまでキャラクター様の好みを描写するものです。

●注意点
 お酒に酔い過ぎて周りに迷惑をかけるのはやめましょう。(同行者がいて、その同行者が了承している。といった場合はOKです)
 肴のお持ち帰りは禁止です。

 以上、皆様のご参加をお待ちしております!

  • 甘党? 辛党? かかってこい両刀!完了
  • NM名まなづる牡丹
  • 種別ラリー(LN)
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年11月19日 20時36分
  • 章数1章
  • 総採用数3人
  • 参加費50RC

第1章

第1章 第1節

ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
最強のダチ

●甘いも辛いも自由自在
 ぐいっとブランデーをストレートで煽る『銀河の旅人』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)。彼は甘口のポートワインから、辛口のウォッカまでこよなく愛している。そしてつまみは塩気の強いチーズからとろける甘さのチョコレートまで、酒に応じて選ぶのが一番と、バーテンにつまみを頼む。大体はその場にあるものでどうにかするのが信条ではあるが、今回は『選ぶ』事が仕事なのだ。
 であれば、選ぶのはレーズンバター。まろやかな口当たりがブランデーを更に飲みやすくするというもの。出された複数のバターサンドには干したイチジクも入っていて、有塩バターで甘さとしょっぱさが合わさっているのも良い味を出している。
 ただ美味しいだけでなく、酒の辛さとの融和という点で甘いものは有効なのだ。今日はたまたまレーズンバターだったけど、カステラの時もあればチョココーティングしたナッツの時もあったりして、日によって様々。
 甘いものとしょっぱいものというのはよく合う。甘しょっぱいとは『いいとこ取り』という奴だ。そしてゆったりと場の雰囲気に身を任せ、酒を飲む……静かなバーで飲む一杯と肴は、殊更旨く感じた。
「なぁバーテンさん、今日のオススメは?」
「それは酒ですか? それとも……おつまみの話でしょうか」
「ははっ、どっちかねぇ。生憎俺は両刀なもんでな」
 量を飲まない日も、肴さえあれば、たまには乙なものさ。

成否

成功


第1章 第2節

白鷺 奏(p3p008740)
声なき傭兵

●甘辛MIX!!
 せっかくお酒が自慢のお店に来たからには、マスターにお願いしておすすめを貰いたい。一体何が出てくるだろう。『声なき傭兵』白鷺 奏(p3p008740)はウィスキーの……特にブランデーが好きだった。ボトルに指を差して目的の銘柄を伝え、出来上がりを待つ。
「どうぞ、スティンガーです」
 マスターが差し出したのは尖った味わいを持つ爽やかなカクテル。『風刺』ともとられるミントを含んだその独特の風味にハマる人も多い。
 グラスに注がれた宝石のようなそれを、グラスを一周させて眺めて楽しんだら、そっと一口飲んで。風味と味わいを堪能したら喉の奥に滑り込ませ、こくりと頷いた。んーっ、美味しい!
 肝心のおつまみ選びだが、塩辛いのも甘いのも好きだけど、ブランデーを飲む時は甘いおつまみが欲しいかな? と感じた奏はディスプレイされていたバニラアイスを凝視した。
 流石に客の一人一人をよく観察しているマスターだ、奏の欲しいものはすぐに分かったようで、スっとメープルの掛かったバニラアイスがテーブルを滑って奏の前まで流れてきた。
 溶けてしまう前に、口中にスティンガーの香りが残っている間に、すかさずアイスにスプーンを入れる。冷たい甘さが喉を引き締めて、うんっ、至福の一時。思わず頬も緩んじゃう。
 その様子にマスターも笑顔を返す。言葉などいらない、こういう席で重要なのは、酒でも肴でもなく、雰囲気なのだ――。

成否

成功


第1章 第3節

小豆・氷菓(p3p009032)
小豆アイスは世界一!

●選ぶのは勿論!
 昼のカフェに来たことはあれど、夜のバーに訪れるのは初めてで興味津々の『小豆アイスは世界一!』小豆・氷菓(p3p009032)。此処では甘いお酒やお菓子も食べられると聞いて、うきうきと楽しみが止まらない。
「バーテンダーさん! お酒は緑茶ハイを飲みたいのです! おつまみは小豆アイスでお願いするのです!」
 見た目は子供の氷菓も、年齢不詳で通している以上お酒が飲めない道理は無い。いつもはあんまり飲まないけれど、バーなので少し大人びてお酒を注文する。それににこやかに対応したバーテンは、まずは低温でじっくりと緑茶を抽出したら、焼酎と混ぜてシャカシャカとシェーカーを振り緑茶ハイを作る。次に冷凍室から小豆アイスを取り出して、クリームソーダのように緑茶ハイの上に乗せた。
 ことりと目の前に置かれた緑茶ハイwith小豆アイスに目を奪われる氷菓。なんて美味しそうで、見た目も良いのでしょう! 甘くて美味しいアイスに合わせてお酒を頼むのがジャスティスなのです! と、嬉しくなってしまう。
 アイスはカッチカチなので、先に緑茶ハイを零さないようにこくこくと飲む。焼酎の焼けるような辛さと、緑茶の甘味が合わさって実に美味しい。口中に広がる草原と小豆の長閑な風景。嗚呼、呑みきってしまうのが勿体ない!
 ふぁあ……お酒を飲んだら、なんだか眠くなってきたのです……今度また来たいのですzzz――。

成否

成功


第1章 第4節


PAGETOPPAGEBOTTOM