PandoraPartyProject

シナリオ詳細

触れてはいけない存在

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●暗躍
 ーとある小さな島ー
 褐色肌の女性が笑顔でテーブルに料理を置いていく。
「はーい、ご注文の品だよ」
 ここはとあるファミリーが経営している酒場であり、女中は元海賊だ。
 彼女は海賊になりたくてなったわけではない。
 男に騙されて、金を巻き上げられて命を投げ出さなくてはならなくなった時に拾ってくれたのが『海賊』だっただけである。
 酒場には健康的な女性が多く働き始めたことで、盛り上がっていた。
 その女性たちも元海賊である。
 紳士的な男のファミリーで保護されるといわれた時はどうなるかと思ったのだが、健全な仕事を振られて非常に充実した生活をしていた。
 しばらくすると、閉店となり後片付けを終えた5人の女性たちは連れだって寮へと戻る。
 小さな島にあるボロ屋をみんなで直して作った寮だ。
 10人いた仲間はローテーションで女中をやったり休みをとったり、他の仕事を手伝ったりしている。
 まかない飯もあり、傷つく恐れも海軍に怯えることのない生活ができているので、広ってくれた紳士には感謝しかない。
「なんか、夢のような生活よね」
「そうだよなぁ、マスターもイイ人だし」
「アタシね、常連さんにコクられたんだー♪」
「「「マジ―! 裏切りモノ―!」」」
 そんな海賊時代では味わえなかった緩やかな夜空に2つの影がよぎる。
「発見……排除……開始」
 翌朝、島の浜辺に5人の女性の死体が打ち上げられていた。

●真実
「これは溺死じゃないんだね……ありがとう」
 水の精霊から話を聞いた『精霊の旅人』伏見 行人(p3p000858)は礼を言うと浜辺から立ち上がった。
 ファミリーで預かってい元海賊たちから情報を聞こうとしていたが、先を越されていた。
「これは話を聞く前に全滅も考えられるか……急いで依頼を出す必要があるが情報収集からだよな」
 そうして、元海賊たちがいる寮に行人は足を向ける。
 怯える彼女たちから情報を整理すると敵の正体が見えてきた。
「つまりだ、ピラニア海賊団のボスに『ママ』がいて、幹部の4人、その下に精鋭部隊がいると……」
 行人が情報をまとめていると、元海賊たちも仲間の死を前に色々と情報をう提供してくれた。
「そうなんです、恐らく今回の仲間を殺したのは暗殺部隊の『ジャックナイフ』です」
「『ママ』は私たちを許さないんだ……どこにいたって安全じゃない」
 最も年下であろう少女が泣き始めて、年上の海賊がなだめる。
「ともかく大出振って殺しに来ないということは、ここから離れて戻る猶予を残してくれるだけ優しい『ママ』さんなことだ」
 そういうことであれば、早く動かなければならならない。
 知り合いに声をかけて彼女たちを守らなければと行人は心に決めるのだった。

GMコメント

アフターアクションありがとうございました。
橘真斗です。
ねぎらいに来たはずが、事件に巻き込まれてしまったわけですが、是非とも無事に守り切ってください!

●目的
元海賊5人の女性を守ること。

●ロケーション
夜での戦闘になります。どこで戦うか(おびき寄せるか)は5人の女性に指示することで可能です。
特に何もなければ寮までの帰り道となる森での戦闘となります。

●敵について
暗殺部隊『ジャックナイフ』との戦闘です。
リーダー格の『アズチ・ジャックナイフ』と『モモヤマ・ジャックナイフ』の忍者姉妹を筆頭としています。
アズチとモモヤマの二人は技を封じてきたり連携攻撃を得意としていて、下忍や中忍が攻撃を行っていく隙に確実に元海賊達を投げナイフなどで殺しに来るので注意してください。
10人の近接毒の刃を使う下忍と、2人のかまいたちや水流を使う中忍がいます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

  • 触れてはいけない存在完了
  • GM名橘真斗
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年12月04日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

十夜 縁(p3p000099)
幻蒼海龍
ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者
エマ(p3p000257)
こそどろ
杠・修也(p3p000378)
壁を超えよ
カイト・シャルラハ(p3p000684)
風読禽
伏見 行人(p3p000858)
北辰の道標
黒影 鬼灯(p3p007949)
やさしき愛妻家
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切

リプレイ

●夜道の護衛
 5人の元女海賊たちを救うため『精霊の旅人』伏見 行人(p3p000858)の呼びかけに集められたメンバーが護衛と迎撃の担当に分かれて対応を行っている。
「ピラニア海賊団か、獰猛で群れで襲って確実に荷物と命を奪っていくっていう噂だっけか?」
 震える元女海賊の達に『風読禽』カイト・シャルラハ(p3p000684)が声をかけてみる。
 見た目は怖そうな猛禽類ではあるが、気さくな喋り方で彼女の達の緊張が若干ほぐれた。
「群れというか……1隻を追い込んで戦うみたいなそんなやり方でした」
「で、幹部はお縄について海軍に引き渡して、この子らは10人この島を仕切るファミリーに預けていたんだが……もう5人死んでしまっていたのか」
 カイトの質問に答える女海賊に捕まえた経験のある『壁を超えよ』杠・修也(p3p000378)が補足を入れる。
「抜けた者には死を!とは穏やかでは無いですね。まあ、海賊らしいと言えば海賊らしいですが ……」
どちらからといえば呆れた様子で『旅人自称者』ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)はつぶやきながら考えた。
 官憲に渡した幹部の方が生かしておくリスクは高いはずなのにどうしてと……。
 暗視を持つ3人が周囲を警戒しながら、5人達を守りながら森の中を進んでいった。
「結構な数が動いているなぁ……」
 森の中静かに動く影をあまり視線を動かさないようにして確認する。
「合わせて14でしょうか……なかなかの数ですね」
 ヘイゼルがそう言っていると、森の中腹に来た時両サイドの森から急な風吹き荒れてきて、風の刃が無数に飛んできた。
「させるかよ!」
 カイトが羽を広げて元海賊たちを包み込み、かまいたちの刃を少しでも防いだ。
「忍術か! 裏切りモノをやるためというには手段を択ばないな」
 修也や行人と同じく元海賊達の縁の『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)は元ギャングだたっため、気持ちはわからなくはないがせっかく生かした命を殺させるわけにはいかない。
「上から来るぞ!」
 斜線を防いだと思っていたが、頭上の警戒が薄かった。
 だが、そこを聴覚を敏感にしていた修也が気づき、仲間たちに声を上げて気づかせる。
 薄い月明かりを隠すように二つの影が襲来しながらクナイを投げつけてきたのだ!
「今夜、ココは通行止めでしてよ」
 クナイをその身で受け止めたヘイゼルは不敵にほほ笑む。
 静かな森に似合わない、血なまぐさい命の奪いが始まった。

●闇夜の決闘
「えひひっ、一発うてたのですから、ここからは私と遊びましょうよ」
 『こそどろ』エマ(p3p000257)は忍術を放った中忍の頭上より首筋に向かって短刀を突き刺した……はずだったが、そこには人サイズの木があるだけだった。
「ひひひっ、噂の空蝉って奴ですねぇ……こういう闘いは久しぶりですから楽しませてもらいましょうか」
 不意打ちを避けらたが、逆に一撃でお藁らなかったことに楽しさを感じたエマは間合いを詰めようとする。
 中忍は水流を放つ忍術を放つが、エマはその脚力をいかして木々を足場にしてよけ、素早い短剣の連撃を中忍に放ち、途中まで忍刀で受け止め切れていたが段々と圧されていった。
「援護いたします!」
 中忍のピンチを感じた下忍の一部がエマへの攻撃を仕掛けていく。
「援護する……」
 5人の下忍がエマに迫るところを防ぐようにアーマデル・アル・アマル(p3p008599)が志半ばで倒れた英霊たちを呼び出した。
 それは、昨夜殺されて海に投げ捨てられた元女海賊達である。
 彼女たちの断末魔の叫び、後悔した願いなどが響いて下忍たちを包む。
「ひぃぃぃぃ!?」
 忍びらしくない声を上げたものが数人でて、動きが止まった。
「忍といってもこの程度か……我ら『暦』の足元にも及ぶまいよ」
「そういうこと言っちゃダメよ、鬼灯くん!」
 抱えている人形であり嫁の章姫と共に『零れぬ希望』黒影 鬼灯(p3p007949)が残った下忍を無限の紋章を宿した力で、闇夜の月光のような一撃を与えて倒していった。
「ふふ、そうだね章殿」
 倒れた下忍のことなど関係ないかのように鬼灯は人形と戯れる。
「いちゃついていないで……まだ、終わりじゃない」
「そうでござったな。ここは任せたでござるよ」
 シュンと素早く姿を消えるように鬼灯は闘いの音とが響く元海賊達をガードしているものの援護に向かった。
「海賊が忍者を抱えているというのは山賊と違うんだな……まぁいい、返り討ちにしよう」
 蛇を思わせる鱗状の刃を持つ鞭剣とジャマダハルに火炎を吹く銃口のついた武器を持ったアーマデルは殺された元海賊の霊とと共に下忍に突撃していく。
 数の差を逆転できるイレギュラーズの戦いは始まった。

●連携の妨害
「……いつも通り、1つずつ」
「了解、姉者」
 頭上からのクナイの雨が塞がれた、アズチとモモヤマも姉妹ではあったが作戦は連携で確実に障害をつぶしていくだけである。
 羽を広げて塞いだカイトに狙いを定めて、モモヤマが鋭い一撃を仕掛ける……はずだった。
「“元”海賊の嬢ちゃんたちを狙わさせねぇよ!」
 縁は『禍黒の将』が用いていた青刀『ワダツミ』のレプリカから放たれる衝撃波をモモヤマに当てる。
「優先順位変更……排除」
 機械のような口ぶりだが、視線に鋭い殺気を帯びたモモヤマが縁に方にクナイを連続で投げつけた。
「」
「モモヤマ!」
 妹の援護に向かおうとするアズチを カイトが飛び上がって塞ぐ。
「ようねーちゃん、『風読禽』と遊ぼうぜ! ――お前が獲物だけどな!」
 翼を広げて移動と視界をふさぐようにしながら、波打つ海のような三俣槍を背中から抜き出すと、突きはなった。
「クッ! ……まだ」
 クナイで受け止めたアズチは、大木を足場にして吹き飛ばさられるように下降し、釘のような細い棒手裏剣を5人の元海賊たちに向けて投げつける。
 あくまでも目的は元海賊たちの殺害であるため、あえて攻撃を受けたのだ。
「ちっ! そうはさせるかよ!」
 細目に見えない棒手裏剣に対して、カイトは爆破する緋色の羽を飛ばし爆風を起こして大半を迎撃する。
「強敵……」
 アズチの目がカイトに向かい、カイトの排除を優先すべきと考えた模様だ。
(そうそう、こっちにこい!)
 作戦がうまく行ったと感じたカイトはほくそえみ、幻影を作りだし、木々を透過しながら真空の刃をアズチに向かって放つ。
「逃がさない……」
 怒りに本来の目的をそらされたアズチとモモヤマはそれぞれの敵との交戦を続けた。
「ええい、我らの手で裏切り者に鉄槌を!」
「裏切りモノには死を!」
 中忍が水流の術を使いながら元海賊とイレギュラーズを巻き込もうと攻撃を仕掛ける中、下忍達はそのまま毒の刃で攻撃を仕掛けようと接近していく。
 しかし、数で圧倒的有利を誇ってい下忍たちが巨大な鎖付き鉄球によって吹き飛ばされた。
「雪が消えるは紫苑の月。心惑わせ壊す月」
「一網打尽なのだわ!」
 援軍にきた鬼灯が視認不可能な糸を使った攻撃に下忍達はほんろうされたのである。
「もう一度『草』以下から修行のし直したほうが良いでござるよ」
 乱戦の中、忍びとしての格の違いを見せつけた鬼灯であった。

●数の利を跳ね返す心
 負傷した味方を回復させ、下忍や中忍の攻撃から元海賊たちを守るヘイゼルの顔色は渋い。
「やることが多くて手が回りませんね」
「数はちょっとずつ減ってはいるがな……」
 毒の刃をその身で受けながらも、身に着けた大粒なエメラルドの魔石のお陰でカウンターパンチや、全身の魔力を込めた一撃を中忍に放っていく修也は数の差を縮めれていることに一息つく。
 ダメージは多いが、元海賊達も怪我がでつつもヘイゼルが回復してくれているお陰でなんとな飼っていた。
「お疲れのようですね、えひひひのひっ」
 1人の中忍を倒したエマが修也の隣にふっと、下りて独特の笑みを浮かべると修也が魔力をぶつけた中忍を狙って素早く動く。
 忍者ではないものの、動きの早さで行けばこの場の下忍よりも断然はやい身のこなしだ。
「敵でなくてよかったぜ……さぁ、次はどいつだ!」
 近づいてきて首筋に刃を立てようとしていた下忍に対して、修也は筋力を魔力に変えてたたきつける技で吹き飛ばした。
 吹き飛ばされた下忍は大木をへし折ってから地面に転がる。
「これが鉄帝式魔術・フルメタルボムだ」
「魔術……筋力もマッスル……つまりマ術。なるほど」
 修也が眼鏡を光らせて決めていると、下忍を倒しきったアーマデルは修也を遠目でみながら、戦力の状況をサイバーゴーグルで確認すると、モモヤマと戦っている縁の援護に向かうことにした。

***

「なぁ、どうせお前さん方も失敗した所で針の筵だろ。だったらここで新しい職を見つけて行ったらどうだい? 」
 縁が手こずっていたのは、殺さないように動いているからだった。
 自分が元ギャングであったこともあり、海洋が人手不足だったこともあって刃にためらいが見えていた。
「答えはない……『ママ』が我らのすべてだ」
 説得を聞くことはなく、より殺意の鋭さが高まるモモヤマと縁らの周囲に柘榴を付けた果実酒のような香りが漂う。
「グハッ……!」
 モモヤマだけが血を吐き出し、手に持っていた刃を地面に落として膝をついた。
「縁……らしくない。返り討ちをすべき」
「そうはいってもな、他人事には思えねぇんだよ……」
 アーマデルに声を掛けられた縁は眉根を寄せて、もだえ苦しむモモヤマも見下ろす。
「任務失敗は死……それが我ら『ジャックナイフ』の運命(さだめ)」
 ぜぇはぁと息を吐いていたモモヤマは懐から筒状の何かを取り出し、線を引き抜いた。
 一瞬のことで判断が送れるところだったが、神足・天耳・他心・宿命・天眼・漏尽――六種の力を貴方に宿し万の力を与え られていたアーマデルだけは気づく。
「自爆する気だ伏せろ!
 叫び終わるとともに大きな爆発音と爆風が二人の頭上を通り過ぎ、肉の焼けた匂いがあたりに広がった。
「自爆までさせるのかよ……どういうやつなんだ『ママ』って奴は……」
 縁は過去に着けたケリのことを思い出し、苦虫を噛み潰した表情を浮かべる。
「好きでその任についていたのか、足抜けできずに務めていたのかは知らないが……簡単でもいい、弔いたいと思うが手伝ってはくれないか?」
 アーマデルから申し出に縁は頷き、残った『モモヤマだったもの』をかき集めて墓を作るのだった。

●苦い勝利
「そっちも自爆したか……、口封じのために仲間を殺しに来た奴らなんだから警戒しておくべきだったな」
 負傷したカイトが仲間たちの元に集い、元女海賊達の無事を確認した。
「ある意味忍びとしては優秀であったといったことでござろう」
「鬼灯くん、今はそういうことを言う場面じゃないでしょう」
「すまぬな、章殿」
 人形をなでながら鬼灯は目を伏せる。
「いひひひ、がぜん『ママ』というやつらに興味がでましたねぇ」
「幹部の方が生かしておくには危険だと思うのに、どういう作戦なのでしょう?」
 エマの奇妙な笑みにヘイゼルは疑問に思っていたことを口にすると、元海賊の一人が話し始める。
 
「おそらく、すでに手は回っていると思います。海軍の方というか司法機関にも金で動く人間はいますから……」
「なるほど、ここの土地が手が出せないから彼女らが来たわけですね」
 納得したようにヘイゼルは頷いた。
「『ママ』ってやつは相当大物ってことじゃねぇか? こっちでも情報あたらねぇとな……それと幹部の動きにも警戒が必要そうだ」
 カイトの言葉に皆は頷く。
「ああ、こいつは本当に大本を叩かねぇと解決しなさそうだ。積荷を奪われた奴も、こうして捨て駒にされるヤツも増やしちゃいけねえ」
 縁は静かなる怒りを胸に決意を新たにした。
「そうだな……これは思った以上に大ごとな案件になっていきそうだ」
 眼鏡をくいっとしながら修也も縁に同意をしめす。
 生きて捕まえてきた幹部たちも根は悪くないのはわかっている……一人を除いてだが。
 好みであった妙齢の女幹部の姿が修也の脳裏に浮かんでいた。

 ***

 今後について話し合っている中、アーマデルは死んでいった忍達に向かって哀悼の日を示す。
(俺の故郷には天国や地獄は無くて、死出の旅の中で生前の業を灌ぐんだ)
(彼らがどのような死出の旅路を辿るのかは分らないが…『次』はもっと穏やかな生を送れるといいな )
 夜の戦いが終えて、海の向こうから日が昇り始めていた。
 魂を浄化するかのような綺麗な朝日である。

成否

成功

MVP

ヘイゼル・ゴルトブーツ(p3p000149)
旅人自称者

状態異常

なし

あとがき

この度はご参加ありがとうございました。
無事に海賊たちの護衛できたのは皆様のおかげです。
『ママ』の恐ろしさの一片の感じていただけたならうれしいです。

こうしてアフターシナリオを続けてシリーズ風に展開できていてとても楽しんでおります。
皆さまのご縁があったときにまたよろしくお願いいたします。

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