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シナリオ詳細

赤い鬼と青い竜

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 この世界を支配する者たち、それはいわゆる『任侠』と呼ばれる人物達であった。だが、任侠たちは一枚岩ではなく、多くの任侠が手を組みあってしのぎを削っていたのであった。

「親分!また大牙組のやつらがうちのシマを荒らしています!このまま舐められっぱなしにはできませんから、早く奴らを……」
「わかっているさ。ただ、ここ最近のあいつらの強さは一体……」
「確かにここ最近のあいつらの異常な強さは謎ですが……それでも、これは仁義にかかわる問題です!」
 和風の屋敷の一室で、任侠のひとりである樹里とその側近は言い争っていた。
「そもそも、親分は戦争をも止めた最強の任侠でしょうが!そんな親分が弱気になってどうするんですか!」
 側近は親分にもう一度大牙組に立ち向かうよう説得する。ちなみに側近が言ったことは本当で、樹里はその戦闘力の高さで組のために数々の争いに勝ち、また人々のために数々の争いも止めたこの世界における最強の任侠である。だが、そんな樹里でも大牙組には一度負けていた。その時、大賀組の面々には鬼を思わせる角がついていたのだ。もしかしたら、自分も知らない謎の薬や人体改造を行っているかもしれないと考えた樹里は、その秘密を探るために敢えて大賀組を泳がせていたのだが、どうやら側近らが我慢の限界に来たみたいだ。
「……仕方がないな。あたしも行くとするよ。さて、大牙組に攻め入る準備をするぞ!」
 どうやら樹里のほうも大牙組の横暴には腹を立てていたみたいで、樹里率いる青竜組は大牙組の本拠地へ戦うために向かうのであった。


「どうやら青竜組が攻めてくるようですが、どうしますか?」
「決まっておろう、迎え撃つだけじゃ。われらにはあの方から頂いた『ヒトならざる鬼の力』があるのじゃからな」
 ところ変わってここは巨大なビルの最上階。この地にいるのは、大牙組を率いている巴とその側近だ。元々は中規模の組であった大牙組だが、巴の言う『あの方』からもらった力によって強大な力を得て、いまでは青竜組と肩を並べるほどの強力な組となった。それこそ、この世界の住人では太刀打ちが難しいほどの強大な力を。
「そうでしたな。では、操らを血祭りにあげましょうか」
「うむ、そうじゃな」
 こうして、二つの組による戦いの幕が開けようとしていた。


 さて、これからやってもらうことだけど、簡単に言えばこの戦いに乱入して大賀組の人間、いや鬼を極力減らしたうえで大牙組を率いる巴を倒してほしい。巴は強力な存在だが、うまくやればイレギュラーズだけでも倒せるはずだから、全力で倒してくれたまえ。

NMコメント

こんばんわ。桃山シュヴァリエです。なんだろう、このシリーズは夢世界以上に出しているような……

今回の目的
 今回の目的は大牙組とそれを率いる巴の撃破です。イレギュラーズ的にはヒトならざる者である鬼は何とかなると思いますので、範囲攻撃などで攻めていってください。巴については全員で攻め入ったほうがいいかもしれません。
なお、毎回のことながらサンプルプレイングは載せませんが、一行のSS発注文のような感じでも構わないので、白紙プレイングを出さないようにしていただくと嬉しいです。

エネミーデータ
 鬼(多数)
  巴によってヒトならざる者となった任侠たち。強いが、イレギュラーズの前には雑魚である。
 巴
  『あの方』によってヒトならざる力と対象をヒトならざる者に変える力をもった。倒すには四人で力を合わせるか、樹里に協力を仰ぐ必要がある。


登場人物について
 樹里
  最強の任侠と呼ばれた存。めっちゃ強いが、巴には一度敗れている。とはいえ、普通の鬼相手には何とかなるので、ある程度減らせば後は処理してくれるため大丈夫です。
 巴
  鬼となった存在。自身の能力で組の人間も鬼に変えていった。巴も組の人間も近接攻撃でしか攻撃しない。

  • 赤い鬼と青い竜完了
  • NM名桃山シュヴァリエ
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年11月27日 22時15分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(4人)

回言 世界(p3p007315)
狂言回し
カロン=エスキベル(p3p007972)
対価の魔女
源 頼々(p3p008328)
虚刃流開祖
玄緯・玄丁(p3p008717)
蔵人

リプレイ


 イレギュラーズが境界図書館から転移した先は、大牙組と青竜組との抗争が行われている場所の近くだった。
「ここまでワレに向いた依頼が境界図書館にあったとはな……鬼共は残らずワレがぶち殺してくれるわ!」
 『虚刃流開祖』源 頼々(p3p008328)は、鬼を殺せる依頼とだけあって気合はばっちりのようだ。その感情の昂ぶり故か、ギフトの効果で額に角が生え、自分で角を折るもまた生えてくる。面倒な体になったともいながら、頼々は戦場へ向かった。
「僕も、具体的には同族ではないから違うと言えど、鬼は嫌いなんだ。だから、鬼を作る奴なんかは殺さないと……」
 『蔵人』玄緯・玄丁(p3p008717)もまた、鬼を殺す依頼だけあってやる気はあるようだ。愛刀の脇差である此夜煌を携えて、彼もまた戦場に向かう。
「任侠ねぇ……騎士道みたいなものかしら。抗争だなんて面倒なことをよくやるわね、まぁ手伝ってあげる」
 『代価の魔女』カロン=エスキベル(p3p007972)は任侠らの抗争を面倒そうに思いながらも、依頼遂行のために戦場に向かった。
「うーむ、そろそろ読めてきた気がするな。どうせこれもアイツ絡みだろう……なんでもいい、与えられた仕事はこなすだけだ」
 三人が鬼の大群との戦闘に目を向けている一方で『貧乏籤』回言 世界(p3p007315)はこの依頼、そして自身が以前受けた依頼に潜む黒幕の存在に目を向けていた。だが、これまでと同じなら状況がある程度進んだ後に出てくると考え、彼もまた戦場に足を踏み入れるのであった。


「親分、やはりこいつら強すぎます!それに前よりも角が生えたやつらが増えて、このままじゃジリ貧です!」
「とはいえ、喧嘩を売ったからにはもう後は引けねえよ。さて、あたしの墓地はここで決まりかな……」
「親分……」
 やはり大牙組に戦いを挑むのは早すぎたか。青竜組に諦めの色が見え始めた、その時だった。

 突如毒々しい霧が前方を覆い始め、その中で鬼たちが次々と吹き飛んでいった。

 突然状況が大きく変わったことに戸惑う青竜組であったが、そんな彼らの目の前に、不意に現れた世界が言った。
「悪いが暫くの間はここより先を進まないほうがいいぞ。見ても分かるように有毒ガスがまき散らされているからな。あっ、傷ついたやつがいたらこっちに運んでくれ。俺が治療しよう」
 世界が現れたことは、逆に混乱を激しくすることになったが、ここで樹里が組全体に向かって叫んだ。
「お前ら!こいつらのことはよくわからないが、おそらくはあたしたちを助けようとしている!そして、恐らくあたしたちだけじゃ大牙組には勝てない!なら、こいつらと共に戦おう!いいな、まずは勝つんだ!」
 樹里の叫びは青竜組の混乱を鎮め、まず怪我人を世界のほうへ持っていくようになった。世界は怪我人をミリアドハーモニクスやクェーサーアナライズで回復させながら、前線へ向かった三人のことを考えていた。

 カロンが放ったヴェノムクラウドによる有毒ガスが蔓延している戦場にて、毒が効かない頼々と玄丁の二人は毒で弱った鬼たちと戦っていた。
「鬼なんて碌でもない死に方しかしないんだよ?ほら、一撃で消し炭になるんだから」
「ふん、自身が鬼の身でありながらもそのようなことを言うとはな……まあ、ワレも人のことは言えないか」
 玄丁は烈火豪炎撃で鬼を一体ずつ焼き殺していき、頼々は虚刃流秘奥【空柊】でまとめて鬼を斬っていく。倒し方に違いはあれど、二人の鬼は多数の鬼を相手に技をふるうのであった。

 一方で有毒ガスを放ったカロンは毒ガスが届かないところで戦っている青竜組と大牙組の戦いの援護を行っていた。
「巴というのは頼々ちゃんが斬りたがっているでしょうし、私はその辺のザコの始末をしましょうね」
 カロンは青竜組と戦っている大牙組の鬼相手にファントムイレイザーを放つ。不可視の刃が鬼を真っ二つに切り裂いた。突然鬼が切断されたことに青竜組が戸惑っている中でも、カロンは次々に鬼を斬っていくのであった。


 戦場となっている巨大な広場。そこの奥にあるビルの最上階に巴はいた。
「失礼します。現在の戦況ですが……」
「わかっておる。青竜組は手も足も出ておらんのだろう?」
 自室に側近が入ってきて戦況の報告をしようとするが、巴としては興味はなかった。なにせ、自分達には勝利を確実にする程の力を与える『ヒトならざる鬼の力』があるのだから。
「いえ、それが……突如現れた者たちによって我々の勢力は大幅に落ちていき、このままではビルへの突入も時間の問題かもしれません」
「なんじゃと!?」
 だが、勝利を確実にできるのもせいぜいが樹里が相手の時。それ以上の戦闘力を持つものが、複数人くれば鬼もただの雑兵である。戦況がピンチになって巴は覚悟を決めたようだ。
「やむを得ん。おい、うちのドスを持ってこい!こっからはうちも戦場に入るぞ!」
 側近に刀を持ってこさせ、自分はヒトならざる力を解放していく。さて、こうして巴が前線に現れようとするのだが……


 場所を戻して戦場へ。青竜組とイレギュラーズたちはどんどんと戦線を進めていき、特に最前線を走っている頼々と玄丁、カロンはついに敵の本拠地であるビルの前にたどり着いた。
「どうやらここに巴さんという人がいるのですかね」
「恐らくそうでしょうね……とはいえ、このまま突入ってわけにもいかないわね。きっと罠や強い敵が多くいるでしょうし」
 玄丁とカロンはビルに入ることに慎重になっている。ここに頼々が割って入る。
「しかし、ここを攻めねば鬼共は根絶できないであろう……仕方がない。二人とも少々時間稼ぎをしてほしい。ワレが鬼共に目に物を見せてやる」
 頼々に言われて、玄丁とカロンは二手に分かれて玄丁はビルから出てくる鬼を、カロンは後方から出てくる鬼を対応していく。そして頼々はここで、虚刃流の裏秘奥を放つ準備をする。
 彼が虚ろの刃を放つうえで必要な具現鞘【頼守】。通常は刀を納めないそれに納めるは今は亡き師の右の角である角蝕鞘【紫閥】。二つの武装を組み合わせ、極度の集中状態で放たれるその刃は……

「切り裂け、【頼々】!」

 鉄筋コンクリート造りのビルを見事に半ばで切り裂き、斬った跡を沿うようにして倒れていった。結果、最上階から降りている最中だった巴らはビルの倒壊に巻き込まれ、瓦礫の中で気絶したのであった。


 その後、世界による青竜組への支援や、他のイレギュラーズたちの攻撃もあって大牙組の鬼はほとんどが全滅し、残すは巴のみとなった。
「世界ちゃんの言う通り、とりあえず巴ちゃんは鎖で縛っておいたわよ」
「ありがとう、カロン。それと……頼々と玄丁は構えを解いてほしいのだが」
 鎖で縛られた巴を尻目に、世界は頼々と玄丁をにらむ。
「目の前に鬼がいるとわかって我慢できるか!ワレはやるぞ!」
「そうだねぇ。鬼を作る奴は殺さないといけないからねぇ」
「まあ、こいつを殺すのはいいがまずはこいつが持っている情報が先だ。情報が手に入ったら好きにやっていいから、それまで待っててくれよ」
 世界が巴を殺したくて仕方がない二人を止めていると、巴が目覚めたようだ。世界は巴のほうを振り向き、質問を始める。
「どうやら目覚めたようだな。では聞くぞ……お前に力を与えた『あの方』が何を目的としているのか、お前は知っているか?」
 世界がした質問は、この事件にかかわらず、世界自身もかかわった様々な事件につながる質問だった。その質問に、巴は……
「……さあな。まだ力を持ったばっかりのうちには目的もなんも聞かされていないのでな」
 何も答えることはなかった。だが、巴は言葉をつづけた。
「……そういえば心当たりがあった。なんでも【夢世界】とやらに侵攻するための人員とか言ってうちの組の鬼を数割持っていったことがあったな……もしかしたら、次はそこに現れるかもしれん。さて、情報も吐いたことだから一思いにやってくれ」
 こうして任侠たちの抗争は、巴の死をもって終結した。だが、あの方と呼ばれた人物との戦いは終わることなく、その舞台は夢魔との戦いが絶えぬ【夢世界】へと持ち越される。陰謀が渦巻く戦いに、イレギュラーズはどう動いていくのだろうか……

成否

成功

状態異常

なし

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