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シナリオ詳細

<FarbeReise>秘宝を求む者に災いを

完了

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 砂漠地帯のラサには様々な遺跡が眠っているが、遺跡群の一つに「FarbeReise」(ファルベライズ)と呼ばれる区域がある。
 そこに眠るのは『願いをかなえる宝』とされており、多数の盗賊らが遺跡の攻略へと当たっているらしい。
 イレギュラーズ達は、ラサのディルクの依頼を受け、それらの宝の回収を行っている最中だ。

 未探索の遺跡も存在している状況ではあるのだが、常に笑顔を湛えるカイロ・コールド(p3p008306)は、とある依頼で探索した遺跡へともう一度入り直していた。
 今回は同行するイレギュラーズには護衛を頼み、自身が気になる場所の探索を願う。
「なかなか皆で調査を行うと、個々人の主張もあって私が調べたい場所をチェックすることが難しいですからね」
 それも、遺跡のトラップや配備されるモンスターなどの存在を考えれば仕方ないことではある。
 カイロはこれまで巡った遺跡について、ある程度頭に入れている。遺跡ごとにトラップの傾向なども把握しているので、今回再調査に当たった遺跡についても、未発動のトラップなどを避けつつ進んでいた。
「ここです……」
 カイロが気にかけていた通路の壁。
 そこは初回に通った際には違和感こそ覚えはしたが、結局何も発見できずじまいだった場所。
 皆でチェックしていたが、あるメンバーが沈む床を押し、同時に別のメンバーがブロックを押したことで隠し通路が道を開ける。
「なるほど、複合して発動する仕掛けだったのですね」
 一つ気がかりなことを解消し、幾分気分が晴れやかになったカイロは仲間と共に奥を目指す。
 
 明らかにその通路には埃が溜まっていた。
 長らく誰も立ち入っていないこの場所を進むイレギュラーズ達は、いかなる罠が仕掛けられているかと警戒を強める。
 多少のトラップなどはメンバーも難なく突破する。
 そもそも、隠し通路となっていた場所だ。然程大きな仕掛けもなく、一行は最奥へと至る。
「何かいますね……」
 立ち塞がるのは3つの石製の棺桶。
 ひとりでにそれらの蓋が開き、中から姿を現したのは全身に包帯を巻きつけた巨躯の人影。
「「秘宝を求む者に災いを……」」
 彼らはすぐ包帯を伸ばし、あるいは呪言を紡いで攻撃を仕掛けてくる。
「生憎と、これまで災いは幾度も乗り越えてきたものでしてね」
 今回もまた乗り越えると、カイロは聖杖を振りかざして仲間と共に宝の番人と対していくのである。

GMコメント

 イレギュラーズの皆様こんにちは。GMのなちゅいです。
 こちらは、カイロ・コールド(p3p008306)さんのアフターアクションによるシナリオです。
 『FarbeReise』のシナリオをお届けいたします。

●目的
 遺跡内の秘宝の回収。

●概要
 遺跡の再調査と言うことで、カイロさんに率いられる形で今回のチームは石造りの砂漠の遺跡内部を進みます。
 遺跡内で隠し通路を発見した直後くらいからリプレイを開始する予定です。
 メンバー達はそのままトラップなどを警戒しつつ、奥の宝物庫へ。その手前で下記のモンスターと遭遇することになります。

●敵……モンスター
○マミーガーディアン×3体
 全長2mほどある全身を包帯でぐるぐる巻きにした大男です。
 包帯を伸ばして相手を締め上げて動きを止めるほか、呪いの文言によって災厄の効果に加え、呪い、致命、不運、呪殺と言ったBSをもたらしてきます。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

 それでは、よろしくお願いいたします。

  • <FarbeReise>秘宝を求む者に災いを完了
  • GM名なちゅい
  • 種別通常
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2020年11月11日 22時10分
  • 参加人数8/8人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 8 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(8人)

ラダ・ジグリ(p3p000271)
灼けつく太陽
ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼
クロウディア・アリッサム(p3p002844)
スニークキラー
エルス・ティーネ(p3p007325)
祝福(グリュック)
カイロ・コールド(p3p008306)
闇と土蛇
カイン・レジスト(p3p008357)
数多異世界の冒険者
天目 錬(p3p008364)
陰陽鍛冶師
飛燕(p3p009098)

リプレイ


 再び、イレギュラーズ達が突入した遺跡。
 微笑を浮かべる『果てのなき欲望』カイロ・コールド(p3p008306)の前で、遺跡は隠された通路へと道を開く。
「お、本当に通路が出てきた」
 ケンタウロス型の馬の獣種、『剣砕きの』ラダ・ジグリ(p3p000271)は、一度調べた遺跡でも新たな発見があるものだと目を見開く。
「随分と面倒な仕掛けの隠し通路だね」
 旅人でありながら元の世界、混沌の地と冒険者を続ける『数多異世界の冒険者』カイン・レジスト(p3p008357)もまた、これまで見た仕掛けの中でも厄介な部類だと語る。
「相当に捻くれてますねぇ、この道を造った人は」
 正規ルート最奥には外部への転送装置も設置されていた事から、本来なら見つかることは無かったのだろうとカイロは推察する。
「ま、それ以上に私が捻くれていたって事ですか」
「……こうやって隠している場所ほど、見つけられたくないからって、より危険度や難易度が高い罠がある可能性が高いんだよね」
 言う間でもなく警戒は怠らないようにと、カインは仲間達に気を抜かぬよう促す。
 こちらにも『願いをかなえる宝』がある可能性は高いと、黒スーツ着用の『ナイトウォーカー』クロウディア・アリッサム(p3p002844)は考えていて。
「その秘宝の謂れの真偽が気になりますね」
 報告によれば、その願いの効力は小さなものとのこと。
 興味を抱くクロウディアだが、それはそれとして、第一の目的は調査の障害となる適性対象の排除と捉える。
「ディルクの事は兎も角、宝探しってのは、この年齢になってもワクワクするもんさ」
 こちらは白スーツを纏う傭兵、『『幻狼』灰色狼』ジェイク・夜乃(p3p001103)は仲間を見回す。
「……秘宝にとやらに興味はないが、下らん者の手に渡っていいものではないのだろう」
 徹底したプロ意識を持つ忍び、飛燕(p3p009098)はというと、さらなる遺跡探索に淡々と当たる構え。
 赤犬の依頼とあって、『砂食む想い』エルス・ティーネ(p3p007325)も秘宝の回収に意欲を見せていた。
「遺跡迷宮に宝物の守護者……」
 和装姿の『魔剣鍛冶師』天目 錬(p3p008364)はありきたりな展開だと感じてはいたが、冒険者としての立ち位置で依頼に当たれることに新鮮さを感じて。
「まあ、俺は鍛冶屋だから探索の経験などないが、できる限り助力しようか」
「仕掛けも番人も、俺も含めて、ここに集まったメンバーなら余裕のよっちゃんだぜ!」
 仲間にそうした専門家も多い。錬は念の為の担当として構えると告げると、ジェイクは胸を叩いてみせた。
「いかにも宝物がありそうな隠し通路だし、ひとつ確かめにいこう」
 遺跡ひとつに宝ひとつと考えるのは早計とカイロが実証してくれたこともあり、ラダはそれを確かめるべく隠し通路へと踏み出すのである。


 先頭を歩くメンバーは、仲間達に注意を促していたカインが担当する。
「未踏の領域の探索なんて、冒険者冥利に尽きるもの。油断なんてしようがないのだけどね!」
 数々の経験もあり、一番罠対処に慣れているからと胸を張るカインは警戒を怠らず、仕掛けられたトラップを難なく避けてみせる。
 ただ、探知や罠対処に長けるメンバーは多い。
 例えば、場合によっては、飛燕が先行して斥候を行っており、崩れる壁や落とし穴といった罠を探知する。
 飛燕の並々ならぬ暗視や聴力でそれらの仕掛けの駆動音や、風の流れる音に気付いていたのだ。
「石造りの遺跡内部で想定される簡素な罠など、見破るのは容易い」
 ……とは、飛燕の談である。先行して罠を作動させたことで、仲間に被害が及ばぬようにしていたのも大きい。
 また、ジェイクもファミリアーの烏を先行させており、落石等の罠を感知する。
 ジェイクもそれをハイセンスで感じたらしい。
「特に大した仕掛けもないな」
 並の盗掘者なら全滅しかねぬトラップを、ジェイクはすぐさま銃弾を放っていともたやすく破壊してみせた。
「やはり、罠が仕掛けられていましたか」
 偏見とは思っていたが、前方をライトで照らしていたカイロも予想通りと頷く。
 まだまだ罠が仕掛けられており、ギフト『ナイトクロウ』を使うクロウディアも前方を注視する。
「結構罠があるのね……。それだけ大切なものが隠されているのかしら」
 通路のあちこちに仕掛けられる罠の多さを感じていたエルスは音の反響を聞き取り、怪しげな床や壁を見つけて。
「……変な音がするわ。ねぇ、ここ調べて見てくれないかしら?」
「はい、少し待ってくださいね」
 すると、クロウディアがカイロやカイン、飛燕らと共に罠を解除し、スムーズな探索に努める。
 解除した罠は床が傾いて壁の向こうへと滑り落とされるというもの。遠くにみっしりと仕掛けられた剣山が見えた。
「罠もなかなかエグいのがチラホラね……。秘宝を回収したら素早く遺跡を出た方が無難かしら?」
 そうエルスが感じていたのも無理はない。
 場合によっては、毒や睡眠ガス、麻痺を及ぼす電磁バリアなど神秘的な罠もあり、錬が練達上位式で出現させた式に探知させて切り抜ける。
 ラダは列の後方でハイセンスを働かせて床や壁に不自然な凹凸がないかをチェックしつつ、後方からの罠を警戒する。
 時間差で飛んでくる投石や毒矢から、ラダは仲間を庇う。
 多少、仲間が罠にかかった程度なら、錬がすぐさま号令を発して仲間達の不浄を振り払う。
「戦闘ではなく、こういった探索での魔力充填の利点だな」
 エスプリの効果もあり、探索中に気力魔力を充填できる恩恵を、錬は十分に感じていた。
 一方、回復してもらったラダは探索などの仕事が続いていたこともあり、罠について学ぶ必要を感じていたようだった。
「思ったより、罠の威力は劣化しないものですね」
 仲間の傷を治癒魔術で塞ぐカイロも、確認するトラップにそんな実感を抱いていた。

 そうして、通路を歩いていくイレギュラーズ一行。
「前方に何かいますね」
 クロウディアが折れ曲がる先にいる敵の存在を察して仲間達に伝え、すぐに戦闘準備を始める。
「この先にある者が気になりますね。少し急ぐとしましょうか」
「お宝まで、もうちょっとだ! サクサク行こうぜ!」
 カイロ、ジェイクが足早に移動するのに、他メンバー達も遅れぬようついていく。
 その先、最奥と思われる部屋を塞ぐように一度っていたのは3つの棺桶。
「隠し通路の奥の奥で待つ、宝を守る番人、ね――これは、負けてられないね」
 カインの声に応じてか棺桶の蓋がひとりでに開き、中から全身に包帯を巻いた人型の魔物達が姿を現す。
「マミーガーディアン、ね……」
「どうせ、相手はウスノロの包帯男だろ」
 エルスの呟きに、ジェイクは相手を軽く見て余裕綽々と言った態度で対する。
「「秘宝を求む者に災いを……」」
 すぐさま襲い掛かってくる敵に、エルスはマミーとなってでもこの場を守っているのか、あるいは……と、そこで思考を止めて。
「ともかく、倒していきましょ!」
 包帯を伸ばして襲い来る敵と対するべく、彼女もまた仲間と共に立ち向かっていくのである。


 突き出した両腕から包帯を伸ばしてくるマミーガーディアン達。
 それだけでなく、彼らはぶつぶつと何かを呟いていて。
「盗掘者にふさわしき災いをもたらさん……」
 イレギュラーズ達は現在の統治者から依頼を受けて秘宝の保護にやってきてはいるのだが、マミーガーディアンにそれを理解させるのは難しそうだ。
 ともあれ、こちらを縛り付けて動きを止めるのもそうだが、呪いの文言によって数々の状態異常を受けてしまうのは痛い。
「マミーガーディアン……なかなか陰湿な攻撃ばかりね。これは……攻撃に集中した方がいい、かしら……っ!」
 しばしエルスは思案し、攻撃を躊躇ってしまう。
 その間に、ジェイクが前に出て。
「厄介なミイラ男ども、俺が相手になってやるぜ」
 怒り付与役となるジェイクが名乗りを上げて引き付けを行うと、治癒光を自らに纏わせたカイロが彼の庇いに当たる。
「ダメージを肩代わりしましょう。耐性もありますので問題ありません」
 ファンブルが怖いところだが、その対策を万全にしたこともあり、安定して仲間の守りに当たるカイロ。
 しばらく、2人がマミー共の攻撃を引き受けるうちに、他メンバー達が攻撃に移る。
「護りは任せたわよ!」
 攻撃方針を定めたエルスが接敵していき、指輪から現した軽めの大鎌と格闘術を合わせて斬撃と打撃を叩き込んでいく。
 続くカインは中距離から仲間から距離をとりつつ、多くの番人を巻き込めるように光を放つ。
「「ぐああああ……っ!!」」
 神気閃光は仲間と認識する者には効果がない。
 一方で、長らく外には出ていないマミー達にとってその光は非常に強すぎたらしく、かなり苦しそうに叫び、悶えていたようだ。
「願いを叶える秘宝の守護者が呪詛を振りまくとは、この遺跡を作った奴はひねくれ者に違いないな……!」
 そんなことを考えつつ、錬は敵に近づきながら錬成した秘薬を口にして自己強化する。
 さらに、錬は残っている式を自身の横へと展開しつつ、次なる攻撃に備えていた。
(不運の系統はアイテムで抑えられるが、直接縛られるのはちょっと不味い)
 ラダはというと、包帯で縛られぬように部屋の後方にまで下がり、身の丈ほどもある大口径ライフル『Schadenfreude』を連射する。
 前衛が抑えている間に、攻撃の手を止めることなく撃ち続けることが自身の役割とラダは自認していたのだ。
 銃弾に貫かれるマミー目がけ、クロウディアはダガーを手に肉薄戦を仕掛け、包帯ごとその体を切り刻み、相手を惑わせようとする。
 続けざまに、飛燕も仲間の攻撃が集中する敵へと仕掛けて。
「手早く数を減らさねばな」
 攻撃に集中する飛燕は仲間の攻撃に気をとられていたマミーに奇襲を仕掛け、両手の双刀で敵の傷を深めていくのだった。


 マミーガーディアン達はたった3体ではあったが、厚い壁となって立ちはだかり、奥の宝物庫までイレギュラーズ達を進ませない。
 それでいて、攻撃方法は包帯と呪いの文言だけではあったが、それらはそれぞれ異なる攻撃パターンがあったようだ。
 基本的に名乗りを上げて引き付け続ける前線のジェイクやカイロ。
 だが、思った以上に激しい攻撃もあり、マミーガーディアン達の攻撃は時にサイドで戦う前線メンバーや後方にも及ぶことがあった。
 ラダが伸びてきていた包帯を貫くように弾丸を浴びせかけ、場合によっては敵陣目がけて銃弾の雨を撃ちつけて敵の体勢を大きく崩そうとする。
 全身に傷が増えてきていたマミーは底力を見せ、近場で切りかかっていた飛燕の体を包帯で強く縛り付ける。
「くっ……!」
 その強い力が首へと及び、飛燕は運命の力を砕いて抵抗し、その包帯を切り裂く。
 まだ前線は堪えてはいるものの、体力的な回復の手はさほど多くない編成での戦いだ。
 イレギュラーズ達はこちらが崩れる前にと、屈強なマミーガーディアン達の切り崩しの手を強める。
 変幻邪剣の技で攻め立てるエルスの後、錬が攻め入る。
「ここに来て、正統派のガーディアンとは……!」
 自らの出現した式もしっかりと識別されたこともあり、錬は捻くれ者の制作者の底意地の悪さを感じていた。
 それでも、錬は式符より無数の金属槍を生み出して敵陣を貫いていき、ついに1体のマミーを地面へと伏してしまう。
「「許さぬ……宝を荒らす者に災いを……」」
 なおも立ち塞がり、呪いをもたらそうとしてくるマミー達。
 カインは超分析で仲間の不浄を晴らし、万全の状態で交戦できるようにしつつ、合間に神聖な光で敵の身体を包む。
 少しでも敵の動きが緩めばこちらのもの。
 クロウディアがそいつへとビートを刻むように加速し、ダガーを浴びせかけていけば、飛燕も先程の返礼をと接近して。
「任務の障害は全て斬り伏せる。もう一度死ね」
 周囲に伸びる包帯を切り裂きながら、敵の背後を突いた飛燕はその背に深く刃を食いこませていく。
 だが、相手もすでに死した存在ということなのか、苦しみこそすれ、それだけで倒すには至らない。
「こっちだ!」
 仲間へとまたも攻撃の矛先を向けようとするマミーへ、ジェイクは再び怒りを買っていく。
 相手は鈍重に見えて、堅実に周囲の仲間も狙っていたこともあり、ジェイクは相手の注意をより強く引き付けようと動いていたようだ。
 そのジェイクを、カイロは庇い続ける。
 彼は自らの耐性も活かして、マミーの包帯や呪いの文言をその身に受ける。
 自らの状況に不調をきたせば、カイロは強引に傷を塞いでマミー達の前へと立ち塞がる。
 また、場合によっては彼は祈祷し、自分の周囲の仲間達も回復していたようだ。
 その近場の1人、エルスは状況を見ながら、ジェイクへと気を取られる敵を確実に仕留めるべく刃を振り上げて。
「……秘宝を護るあなた方には悪いけれど……、これもラサの為……一気に決めさせて頂くわ!」
 大鎌を大きく薙いだエルスは敵が怯んだタイミングを見て、真っ黒な魔性の大顎を現してマミーへと食らいつかせていく。
 まさに直死の一撃。牙を突き立てられたマミーはそのまま顎に飲み込まれ、いずこともなく姿を消してしまった。

 残りが1体となれば、イレギュラーズが一気に攻勢を強め、マミーガーディアンを圧倒していく。
 ジェイクやカイロへと包帯を巻きつけようとするそのマミーへと、クロウディアは自らの体調を整えつつ自由なる攻勢を仕掛ける。
 素早くマミーの身体へと刻み込まれる彼女の『ダマスカル・リアル』。
 これまでの2体も相当にタフな相手だったが、最後の1体もまたなかなか崩れず、その場へと立ち塞がり続けてなかなか片を付けるには至らない。
 だが、ラダが再び弾丸を撃ち込んだ直後、態勢を崩した敵へと錬の式符より出現した金属槍が鋭く突き刺さり、さらにカインの放つ光を浴びたことでそいつは硬直してしまう。
「守護者達も死してなお己が役割を全うするのは立派だが、とうに時代は変わったんだ」
 その間に、ラダは強力な一撃をと、残るマミーへとライフルの照準を合わせて。
「今生きてる者のためにも、宝を守る役割は私達が継ぐ。……だから、あまり恨んでくれるなよ」
 これまで宝を守り続けた相手の尊厳も損なうことなく呼び掛け続け、愛銃の引き金を引いた。
 けたたましい程の銃声はまるで大嵐のように。
 自傷を伴う反動を受けてのラダの一撃は、確かにマミーガーディアンの胸部を穿つ。
「ぐ、ぐああぁぁ……っ」
 それでも倒れないマミーだが、しばし呆けてしまっている。
 その隙をついたジェイクが防御の構えを解き、彼もまた直死の一撃を目の前の敵へと繰り出していく。
 現れた黒い大顎はマミーを逃さず、牙を突き立てて食らっていく。
「これ以上は皆を消耗させない。一気に終わらせてやるぜ」
 抵抗もむなしく、最後の宝物庫の守護者もまた黒顎魔王に貪り喰らわれてしまったのだった。


 マミーガーディアンを全て討伐したイレギュラーズ一行。
 邪魔をしていた棺桶の奥にあったのは、確かに宝物庫だった。
「さて、宝物庫には一体何が眠っているんでしょうね」
「宝物庫、いい響きです」
 クロウディアの言葉に、カイロが上機嫌に笑う。
「守護者が健在ってことは宝もありそうなものだが……それらしいものはあるか?」
 ラダが仲間達へと告げると、後方にはいくつか宝箱を発見する。
「何が出るやら、ドンジャラホイ!」
 ジェイクがそれらを開いていくと、そこには眩いばかりの金銀財宝が。
 それらのいくつかをクロウディアはアナザーアナライズで解析していくが、金銭的に価値のある品ばかりではあれど、道具としては使うことができないものばかりだった。
 カイロが望みのものがあればと、クロウディアは願っていたのだが。
「私が求めている物はなさそうですが、いい金額になるでしょう」
 事も無げにそう一言告げてから、カイロは最奥に飾られていた宝物に近づく。
「宝の番人を倒して秘宝を手に取る――その瞬間こそ一番緊張が緩む時!」
 そんなカインの言葉に、皆刹那身を竦める。
「性格が悪いのはこういう所に罠を仕込むんだよね。当然、油断できないよねっ」
 カインの言うことはもっともだが、さすがにそこまで製作者も底意地は悪くなかったらしく、ここに来てトラップは確認できなかった。
「この遺跡の秘宝は滴型の宝石なのね」
 他の場所では別の形をしていたり、装飾品となっていたりしていたのをエルスは見ていたが、ともあれ保護をと手に取る。
「やはり、一つの遺跡に複数あるパターンもあるのですねぇ」
 事前に、想定していた状況ではあったが、カイロはこれで確証を持って他の遺跡も再確認できそうだと考えていた。
 ともあれ、この奥にも転送装置が設置されていたこともあり、メンバー達はそれを使って外へと脱出し、財宝を持ってラサへと報告に向かうことにしたのだった。

成否

成功

MVP

ジェイク・夜乃(p3p001103)
『幻狼』灰色狼

状態異常

なし

あとがき

 リプレイ、公開です。
 MVPは、戦闘で抑えに討伐と活躍を見せた貴方へ。
 今回はご参加、ありがとうございました!

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