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シナリオ詳細

悪夢なるハロウィン

完了

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●悪夢の庭

 ──ポタッ。
 どこかの水面に雫が落ちる。それは暗闇でどこかも理解出来ない。
「な、ど、どこだよここ……っ! なぁ! 俺は今どこにいるんだ?!」
 その場には一人の男性がいた。
「なんだよなんだよ? ドッキリかよ?? 人が悪いぜ……全く。俺が仮装してねぇからって悪ふざけも大概にしろよ……なぁ? 誰か返事しろよ、なぁ!!」
 暗闇が怖いのか、男は必死に騒ぎ立てる。
 ここはナイトメアガーデン……そう、悪夢の庭と呼ばれる世界だ。
「ひっ?!」
 暗闇の中、恐怖で足掻く男にトントンと肩を叩く感覚が走った。
「わあっ?! ……って、ぬい、ぐる、み……?」
 そこにあったのは巨大なぬいぐるみ。
「な、なんだよ……驚かせやがっ──」
 男はそのぬいぐるみをよく見て凍りついた。そのぬいぐるみの口元はヨダレかなにかの水分が溢れ出し、鋭く細かな歯が生え揃っていたのだ。
 これはぬいぐるみ──ではないと。

 ──バキッ、グチャ……。
 男は本能で悟った。が、それはもう遅かったのだ。



「これこれダニー、今日は仮装しなきゃ外に出られないよ!」
「ええ? ヤダよ、恥ずかしい……」
「恥ずかしいなんて言ってられないんだ。ハロウィンは仮装をしてないと、怪物に襲われてしまうんだよ!」
「そんなの御伽噺じゃん!」
「いいから! さ、今年は狼男の仮装だ! これならカッコイイだろう?」
「ほんと?! わー! 着る着るー!」

 ハロウィンの夜は仮装して出かけよう。
 じゃないと──怪物が君をタベチャウヨ……?



「どうしてこんな世界のお仕事取ってきちゃったんだろ……」
 特異運命座標達が集まってみると、そこには不安げな青年が一人。境界案内人のセイジだった。
「あ、ああ……来てくれたんだね、良かったよ……」
 特異運命座標達の姿を見たセイジは安心したように駆け寄って
「今回のお仕事は……この、ナイトメアガーデンのハロウィンを楽しんでもらう事……なんだけど……」
 ちらりとその本に視線を落としたセイジはため息をついた。
「ちゃんと仮装を着てないと怪物に食べられちゃう世界だったんだ……ごめんね」
 どうやらちゃんと見ないで人を募集したらしく、申し訳なさそうに頭を下げた。
「あっ、あっ! でもね! 仮装さえすればちゃんと! 楽しいハロウィンのお祭りなんだよ! ルールを守って楽しくハロウィンしよう!」
 ね! と強引に事を進め、説明し始めるセイジなのであった。

NMコメント

 月熾です! 今回はホラーテイストで。
 ついでに境界案内人のセイジ君も初仕事をお任せしてみました。
 どうぞよろしくお願いします。

●世界説明
 悪夢の庭……ナイトメアガーデン。
 人間と怪物の悪夢の世界。年に一度のハロウィンのお祭りで賑わっています。
 しかし『仮装をしていない者』は『怪物』に喰われると言う御伽噺があります。

●目標
 悪夢の庭でハロウィンを楽しむ

●出来る事
 世界の住民達に話しかけられお菓子を強請られます。
 基本的にはその際にどう対応するかをプレイングにご記載下さい。
 お菓子を配り歩くも良し、住民から悪戯されるも良し
 逆にお菓子を強請るも、相手にお菓子がなければ悪戯するのもありかもしれません。
 やり過ぎにはご注意を!


●敵
 徘徊する死神
 様々な可愛らしいぬいぐるみの姿をした恐ろしい怪物です。
 仮装をする事によってその姿を死神から見えなくし守られます。

●特殊ルール
 仮装をしていない場合、その世界で<悪夢>を体験し、この世界では死亡する場合があります。
 予めご了承下さい。

 また、白紙の場合も同上です。

●サンプルプレイング
【仮装】アリス
【お菓子】配る(配るお菓子に拘りがある場合はご指定下さい)
【悪戯】可、任せ(やられる悪戯に拘りがある場合はご指定下さい)
アリスの姿でお菓子を配り歩くわよ!
ハッピーハロウィーン!
はい!はい!はーい!沢山あるから悪戯なんてされないわ!
って、ぎゃー!配り過ぎたわ?!
今見つかったら悪戯されちゃう……
今からスニーキングミッションね!いいわ、絶対見つからないんだか……ぎゃー!?
うぐぐ……酷い目にあったわ……。

 それではご参加、お待ちしております。

  • 悪夢なるハロウィン完了
  • NM名月熾
  • 種別ライブノベル
  • 難易度-
  • 冒険終了日時2020年10月31日 22時10分
  • 参加人数4/4人
  • 相談5日
  • 参加費100RC

参加者 : 4 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (4人)

シフカ・ブールカ(p3p002890)
物語のかたち
緒形(p3p008043)
異界の怪異
黎 冰星(p3p008546)
パンドラの色は虹色
アイザック(p3p009200)
都市伝説“プリズム男”

リプレイ



「ハロウィンか。どの世界でも、この祭りは親しまれているのだね」
 いや、元の地球も、混沌も、この世界も、少し違うところもあれどどれも素晴らしいハロウィンだ。『魔法の馬』シフカ・ブールカ(p3p002890)はそう興奮気味に思いを馳せる。
 シフカ・ブールカが装う衣装は甲冑の中に芯や綿を仕込み、背中に跨がらせ……ヘルメットは腕に抱えるように固定しておく。天才バンドで作った轡を噛み、甲冑に手綱を握らせれば……
「どうだ! デュラハンの完成だ!」
 シフカ・ブールカはそう満足気に胸を張る。どんな仮装にしようか悩んだ末、とある世界に伝承がある怪物の仮装へ決めたようだ。
 そしてそのまま街へ駆り出していく。
「Trick or Treat〜!」
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!」
「お菓子だね。じゃあ君にはこのカボチャのクッキー、君にはこのニンジンのクッキーをあげよう! ハッピーハロウィン!」
「わ?! 馬が喋った?!」
「すっげー! どーなってるの?!」
 言葉を話す魔法の馬であるシフカ・ブールカを見て、子供達は凄い凄いと詰め寄る。
 すると上に乗せて固定していた鎧がグラグラと揺れ始めてしまって。
「あっ! こら! いい子だから、首なし騎士に触れるんじゃあないぞ。自分の頭の代わりに君の頭を奪ってしま、コラッ!!」
 クッキーをあげたと言うのに、シフカ・ブールカは最早悪戯されている状態に陥ってしまった。

「子供達の相手はなかなかハードだね」
 子供達が去った後少し疲労の色を見せたシフカ・ブールカだったが
「おや。……やぁ、君、どうしたんだい?」
「ふぇ……かい、ぶ、つ……さん?」
 シフカ・ブールカの視線の先に居たのは、仮装も何もしていない少女だった。
「大丈夫、私は君の味方だ。衣装を忘れてしまったのかな。それなら私が力になれる。さぁ、私の右耳から入って、左耳から出てきなさい」
「お耳……?」
 不安げな少女にそのやたら聞き心地のいいバリトンで言葉にする。
「ああ。どんな仮装がしたいか希望があれば、先にリクエストをおくれ。さぁ、怖がることはない。入りたまえ」
 その声に少しだけ安心した少女はシフカ・ブールカのギフト……右耳へ。
「どうだ、新しい衣装は気に入ったかい?」
「うんっ!」
 少女の不安げな表情は満面の笑みへと変わり、元に戻る時に会う約束をしてから街へ駆け出して行った。





「あはは、おっさん自体がお化けみたいな物なのにねえ。こう見えても都市伝説の化け物だぞう」
 そう陽気に笑うのは背が高くて黒スーツを着た男『異界の怪異』緒形(p3p008043)。
「まあ郷に入っては郷に従えって言うし…この容に集約された噺の1つである『悲しい悪魔』の格好をしてみようか」
 知ってるかね、聞くだけで汚染される幻覚の悪魔の話だ…って、詳細は語らんよ。駄目さね。取り返しが付かなくなる噺だもの。検索もするんじゃないぞう?
 クスクスと笑う緒形はなんとも意地悪げである。
「さて、『悲しい悪魔』の格好に必要なのは…角が付いた鹿の頭蓋骨の被り物と、不気味な重いコートだった筈。コートは羽織る程度にして被り物はしっかりと被っておこう……」
 しっかりと着込んで『悲しい悪魔』へとなり変わる。なかなかに良いじゃないかと緒形自身も満足な様子だ。
 すると子供達がトコトコと駆け寄ってきた。
「Trick or Treat!」
「お菓子くれなきゃ悪戯するよ!」
「やあ。お菓子は調理実習で焼菓子を沢山作ってあるから、手籠でソレを持って行くさね」
 抹茶ミルクや苺とホワイトチョコ、ピスタチオと薔薇なんてのも有る。もっと欲かったら第二職員室の掃除用具入れへ取りに来ておくれ。緒形の言葉に周りの子供達は嬉しそうに騒ぎ出した。
「おじさん、お菓子いっぱい作ってるんだね!」
「とーっても美味しそう!」
「はは。さ、お菓子が欲しい子は順番にお並びよ、一人一つずつだ」
『はーいっ!!』
 素直な子供達が次々と並ぶ中、緒形の事をじっと見る少年がいた。
「おじさんはお菓子欲しかったり、悪戯したりしないの……?」
「おっさんがかい? はは、おっさんは悪戯なんかしないさ! 都市伝説の化け物がやれば無事では済まないさね……御察し、と言うやつだ。あはは! ミンスパイも出来上がるさな…食べたいかね?」
「……うんっ!」
 冗談っぽく笑う緒形に少年も駆け寄った。

「さあ。お菓子を食べ終わったら遊んでおくれ、【学校】の先生として応えるさね」
 あっ、もう…コートを捲ってもお菓子は無いぞう…………悪意が有るだけよ。そうおっかなびっくり冗談っぽく言葉を並べる緒形だったが、子供達は緒形と楽しく遊んだようだった。





「私はピクルスの格好です! 渾身のコスチュームなんです、これ! 酢漬けになったしなしなのキュウリそっくりでしょう? 僕の胴体。ピクルスビンシンとお呼び下さい。あ、ピクルスから手足と尻尾が生えてるのは見逃してくださいね」
 『パウダー・アクアの拳』黎 冰星(p3p008546)の仮装は……か、そう……? ど、どうやらピクルスの仮装(?)らしい?
「ハッピーハロウィンですよー! 童心をくすぐるカラフルで夢いっぱいのお菓子がた〜くさんあります!」
 ジェリービーンズ、くまさんグミ、スプリンクルのクッキー、ペロペロキャンディ……冰星は様々なお菓子を用意していた。
「ハッピーハロウィ〜ン!」
「お菓子くれなきゃ悪戯……きゃはは! おにーちゃんの仮装、おもしろーい!」
「ほんとだ! おもしろーい!!」
 駆け寄ってきた子供達は冰星のその、ユニークな仮装に笑いが湧き上がった。
「そうでしょう! 渾身のコスチュームですからね! あ、菓子はどれにしますか?」
「じゃあ、これー!」
「これもちょーだい!」
「ちょ、あっこら、取り過ぎですよ! あーでもみなさん可愛いので特別ですよっ!?」
 冰星が楽しそうにしてくれる子供達にホイホイお菓子を上げていると……
「えっあっ、もうお菓子が無い! なんで!? あっ……フォアグラァァ!!」
 予想よりもお菓子が早くなくなってしまったと思えば、籠の底に見覚えのあるリスが一匹。
「なんでお菓子の籠の中にいるの!? ハッ! そ、その口についた食べカス……やってくれましたねこの野郎!!」
 冰星が籠を揺らして起こそうとするものの、スヤスヤァと眠るリス。
「Trick or Treat!」
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞーっ!」
「えっあ、トリックオアトリート? え、ええと……しまった! お菓子がない!」
 運悪く子供達が駆け寄って来てしまい慌てる冰星。
「じゃあイタズラだね! てーい!」
「ギャッ! 何す、おごっ! ゔぇっ! おァァ゛!!」
 するとそんな彼にお構い無しと子供達は次々にアタックを決める。
「変な怪物の仮装をしたおにーちゃんは成敗のイタズラだ〜!!」
「変な?! こ、これはピクルスと言って酢のもn……ぐふっ?!」
 冰星はゴロゴロと転がされたり、かじられる等もみくちゃにされ……暫くして漸く子供達から解放され
「……ボロボロですよ私。なんでピクルスの着ぐるみに歯型とヨダレついてるんでしょうね。お菓子じゃなくても案外いいんですね。酢の物ですよ私。ハァ……悪戯というかもうプロレスでしたね」
 KO負けです。有難うございました。冰星はそうフラフラとなんとかハロウィンを終えたのだった。





「ハロウィンの法則(ルール)に異論はないし、その法則でもって悪戯もお菓子も楽しむ日なのだろう? その法則を守って楽しむ子たちは“良い子”さ。……なら今日はこの世界の法則に従いつつも、お菓子という幸運を配らないとね」
 そう呟くのは異形頭の『都市伝説“プリズム男”』アイザック(p3p009200)。
 アイザックは元々の怪奇的な異形頭ではあるものの、透明人間と包帯男を組み合わせた仮装を選んだようだった。
「わー! Trick or Treat!」
「おにーさん、すっごい仮装! どーなってるの!!」
「おやおや、お菓子はいっぱい必要になりそうだねぇ」
 ハロウィンだからか奇怪な見た目のアイザックであっても子供達は興味深そうに、楽しそうに笑顔で寄ってくる。
 この世界の子供達は"良い子"達のようだった。ま、中にはちゃんと"悪い子"も居るらしく。
「どーん! 俺は悪戯もしちゃうぞーっ!」
 アイザックにいきなり体当たりする子供が一人。
「おや」
(ふふ、トリートなのにトリックしてきた子は、ちょっと脅かし返そうか)
 せっかく今回はスーツでなく包帯だからね。そう言ったアイザックはわざと包帯をほどけさせて
「残念、僕は透明人間だぞー!」
「うわぁーーーー?!?!」
 体当たりしたところが透明になり、体当たりしてきた子供は凄く凄く驚いて。
「お、おにーさん……怪我しちゃったの……? ご、ごめんなさいっ!」
「いいんだよ。君はあやまれる子なんだね、"良い子"だ」
 涙目で謝る子供の頭をアイザックは優しく撫でてあげた。

「さて……怪物も現れない、かな」
 アイザックはそっと隠れつつ周囲を観察してみる。
 彼の法則からすれば、恐らく見えない僕を食べるのは少々外れかねない気がするね。だってちゃんとお菓子も配ったし、仮装もして、法則を守ってる“良い子”だからさ。
 “良い子”が制裁を受けるのは、僕の法則に反する。退散するとしよう。
 アイザックはそう静かに呟きながらその場を後にした。





 ──ポタッ
 ──ポタッ

「ハァ……ハァ……クイモン、ナイ……エサ……ナイッ!!」
 凶暴な歯が生え揃ったぬいぐるみが"誰もいない"街を徘徊する。
 なんで、どうして……今日は飛びっきりの食い物が……あるはずなのに。
「邪魔者、キタ? クソッ!!」
 お腹を空かせた怪物は街の隅にあった樽を乱暴に蹴りあげる。

 ──アァ、アァ……オナカスイタヨ

 怪物はそのまま街をとぼとぼと歩いていった。

成否

成功

状態異常

なし

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